彼の声 2008.4.12
発行日時: 2008/4/13気のせいかもしれないが、
まだ言葉が足りないようだ。
昨日ことは思い出せない。
何もなかったのだから記憶に残らなかったのだろう。
そんな嘘をついても虚しいだけか。
何が嘘なのだろう。
また雨が降っている。
人間の本質とは何だろう。
人間の苦悩とは何だろう。
何もかもが馬鹿らしい。
言葉が現実の何かを切り取ってくるわけではない。
他人の所業を批判すべきではないか。
その内容にもよるだろう。
取り立てて何をやっているわけでもない。
何を傷つけられているわけでもなく、
どこから転げ落ちているわけでもない。
気がついたら時計が止まっていた。
気分はそれと関係がないわけではない。
雨がやまないので外へ出る気がしないようだ。
外で休まず仕事をしていたのは誰だろう。
それは昼間のことではないのか。
しかし今は夜だ。
具体的に何を語ればいいのだろう。
チベットで何があったわけではない。
なぜそういう嘘をつくのだろうか。
人はそれでも生きているらしい。
何が起ころうと、
それはそういう成り行きなのだろう。
それについて何を判断したいとも思わず、
誰かが水槽の中で揺れ動いているクラゲを眺めている。
理由などありはしない。
君はどこから遠ざかっているのでもなく、
この世界の中で苦悩しているとも思えない。
要するになんでもないことなのだ。
君はそこでなんでもないことを語ればいい。
そして苦悩のさなかに
わけのわからぬことを叫んでみればいい。
意味がわからない。
いったい何がわかるというのだろう。
徐々に慣れてくる。
非日常的なことが当たり前のことのように思えてくる。
何を思いついたわけでもない。
ラマ教は宗教法人でも運営しているのか。
ダライ・ラマについて何を考えたらいいのだろう。
たぶん何を知ろうとしているのでもない。
チベットの特殊性と中国の特殊性について
何を語ろうとも思わない。
そういう地域でしかない。
詩的感情が芽生えない。
ユーラシアの中央に不毛の大地がある。
不毛だとは思わないか。
そこにも人がまばらに暮らしている。
文化とは何だろう。
なぜ彼らは虐げられているのか。
世界のどこにいても事情は変わらない。
絶えず無理なことに取り囲まれていて、
その無理を押し通さないと生きてゆけないのだ。
生きていくこと自体が不可能への挑戦なのかもしれない。
人はくだらぬ制度にしがみつき、
そこから不都合な出来事が生じてしまう。
くだらぬ制度を守ってゆかないと
政治的な秩序が立ち行かなくなり、
そこで暮らしている人々が不幸になるわけか。
君はなぜそれでかまわないと思うのだろう。
君は昔からオリンピックという馬鹿騒ぎを嫌っていたはずだ。
なぜそれらの映像に感動したくない心境になってしまう。
どうでもいいことだが、
さっきから述べていることが支離滅裂だ。
心の中で何かが停滞している。
まったく出口が見えてこない。
何かが混乱のただ中で立ち往生しているようだ。
たぶん誰かは苦悩からの離脱を望んでいないのだ。
宗教による救済も、
経済的な成功も、
そんなのは悲惨な現実を覆い隠すためにもたらされた幻想だ。
だがそれで何を否定しているつもりになれるだろう。
人は次々にいなくなり、
新たに生まれてくる人と入れ替わり、
世代交代が繰り返される。
それの何が馬鹿げた話なのか。
君はもうその役割を終えているのではないか。
それで何を危惧することになるのだろう。
自分が終わっていることに気づかない。
すでに死んでいるのかもしれない。
この世から消滅してしまったのか。
冗談でそんなことを述べているのかもしれない。
今さら何をあきらめなければならないのか。
君は君だけのことを考えている。
それでは君の外へ関心が向いてゆかないだろう。
人々はオリンピックの何に感動するのだろう。
ただのイベントでしかない。
スポーツとは何なのか。
そこに参加する者たちは
何を見せびらかそうとしているのか。
何も思いつかないようだが、
その時点ですでに君は負けているのではないか。
何に負けているのだろう。
これまでの退屈な日々に
嫌気がさしているわけでもあるまい。
君たちは体も頭も鍛えている。
何に勝つためでもなく、
自分に勝つためでもない。
そんな成り行きを信じていいのだろうか。
何をどうするために行動しているとは思わない。
たださまよっているのだ。
地上のどのへんをさまよっているわけでもなく、
作り話の中で示される架空の大地でさまよっている。
そんな嘘が君を本気にさせる。
それも冗談には違いない。
真っ暗闇の世界で視界が徐々に開けてきて、
不意に気に食わない状況の中に
意識が舞い戻っていることに気づく。
さっきまで見ていたのは夢だろうか。
支離滅裂に拍車がかかっているようだ。
何も本気に受け取れなくなってくる。
別にそこから遠ざかっていたわけではなかったようだ。
目の前の現実から目を背けていただけか。
ただ何もない。
そう思い込もうとしている。
必死の形相で何に逆らっているつもりなのか。
まだ夜明けには数時間を要するだろうが、
その間に何を語れると思っているのか。
それで何を示していることになるのか。
まだそんな状況にはなっていないようだ。
目的はそこにはない。
何か適当なことを語るのが目的ではなく、
嘘をつくのもその場の気まぐれでやっていることだ。
彼は本当に何も思い出せないようだ。
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