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彼の声 2008.4.9

発行日時: 2008/4/10

何となく志が低すぎるように思われる。
商品の宣伝以外に何を記しているのだろう。
ある意味で悲惨なことかもしれない。
人として何らかの倫理観を持つべきのようだが、
そういう考え自体が古いのだろうか。
何と何がどんな風に結びついて
そうなっているのか知らないが、
わからなくなる。
金儲けのためなら手段を選ばない
という発想自体が原始的な感性のような気もするが、
本当のところはよくわからない。
やむにやまれぬ理由でもあるわけか。
要するに何でもありの一環なのかもしれない。
その辺が恐ろしい世の中になっているのだろう。
価値観の相違を超えて無惨な実態に遭遇した感じだ。
行き過ぎた目的主義が
商品宣伝以外に何の中身もない場を構成させる。
それを目の当たりにして、
あっけにとられ、
さらにやる気をなくしてしまうらしい。
まったく殺伐とした世相を反映したやり方だ。
だがはじめから主張することなど何もないのだろうから、
そうならざるを得ないのかもしれず、
メールマガジンだろうがブログだろうが、
そこで商品を宣伝しまくって、
あわよくば金を稼ぐことができれば、
それで願ったりかなったりということなのだろう。
それで成り立つような商売なのだから、
それはそれでそういうことでしかない。
そんなことにいちいちいちゃもんをつけてみても
虚しいだけか。
虚無が世界を覆い尽くしているようだ。
人はそれ以外のどのような可能性も受けつけない。
実際にやっていることが
そういう方角へ向かっているのだから、
そうなるよりほかはあり得ないだろう。
だがそういう悲観的なことを述べていると、
何となく何か気の利いたことを
述べているような気がするが、
本当は冗談なのかもしれない。
実質的に何を述べているのでもないだろう。
君も彼らと同じ穴の狢か。
今はそうではないと述べておこう。
そういう成り行きにはならないらしい。
自由と平等との間に何かがある。
君は力の何かを信じている。
意味不明だろうか。
感動してはならない。
自由も平等も流行語のたぐいだ。
昔流行っていた時期があったのかもしれないが、
そこに本質的な意味は何もない。
人を殺すのは自由であり、
殺す人間は誰でもよく、
人殺しは誰でも平等に行使できる権利だ。
冗談でそんなことを述べてみるが、
今ひとつ気乗りがしない。
無理矢理自由や平等を人殺しと結びつけている。
馬鹿げた試みに違いないが、
どうでもいいことだろう。
君は何か勘違いしていないか。
そこで言葉に躓いているのだろうか。
誰かが感動するために何をやっているとも思えない。
大衆の心をつかもうというのは古い発想だ。
大衆に心などありはしない。
それは言葉として大衆という概念があるだけなのだろう。
また仮に心をつかんだとしても、
それは一時的であり、
すぐに飽きられてしまうのがオチか。
作り話の中ではそういうことになるのであって、
実際には何がどうなったわけでもない。
放っておけば人は自分独自の趣味に走り、
世の中の流行り廃りに興味をなくしてしまうだろう。
別に離れ小島で暮らしているわけではないのに、
どんどん共有しているつもりの話題から脱落していく。
要するにそんなことはどうでもいいのだ。
音楽も絵画も演劇もそうなるしかない。
どんな書物がベストセラーになろうと、
すぐに誰もそれを読んでいない状況が生まれてしまうだろう。
何を読んでいたのか思い出せなくなり、
やはりそんなことはどうでもよくなってしまう。
人々の関心事は移ろい、
昔興味を抱いていた物事がどうなろうと、
つかの間それが思い出される時が来ようと、
それはそういうことでしかなく、
何ら不愉快な状況とは思えない。
そのとき君が託そうとしていたものは何だったのか。
ただの雰囲気であり、
吹けば飛んでいってしまうような埃のたぐいか。
わかっていながらそんな状況から抜け出せずにいる。
そのとき誰かは自らの死期を予感していたのかもしれない。
時流に乗ると同時に、
自分で流行現象を作り上げたモーツアルトは、
そのさなかに死んでしまったらしい。
流行は反復するものなのだろう。
大衆ウケがするような音楽だ。
君はオペラの大げさな表現形態を批判する立場にはない。
ルターはラテン語ではなくドイツ語で聖書を出版して、
モーツアルトはイタリア語ではなく
ドイツ語のオペラを上演した。
そのどちらもが大衆ウケを狙ってなされたことだ。
その地域の住民が理解できる言葉で
自らの主張を発するべきなのだろう。
君にはそれが理解できない。
それは時代が異なるからではなく、
面倒くさいからか。
記している文章が大衆に理解されるのが
面倒くさいのだろう。
要するに才能がないということか。
そう受け取られてもかまわないが、
それ以外に原因を思いつかなくても
どうということはないようだ。
その時点で君は大衆を馬鹿にしていたのかもしれず、
その力を侮っていたのだろう。
だがそれでどうなったわけでもない。
結果的にそれは正解だったように思われる。
何を語ろうとそれは何でもないことだ。
日本語で書かれた聖書など滅多に読まないし、
日本語のオペラなどを鑑賞する趣味はない。
君は孤独なのかもしれないが、
それが原因で言葉が止むことはあり得ない。
文章はいつの時代でも虚無そのものだ。
書物を読んで何がわかるというのか。
何もわからなければ書物を読んだことにはならないか。

 
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