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彼の声 2008.3.24

発行日時: 2008/3/25

たぶんこの先に何が起ころうと、
思い知ることは何もないだろう。
思い知らされることなども
たかが知れているはずで、
それについて何の感慨も抱けないはずだ。
何を述べようと、
それはただの言葉だ。
それから何を連想することもなく、
外ではカラスが鳴いている。
たぶん今は明け方なのだ。
そして時は過ぎ行き、
すぐに昼になってしまい、
さらに時が経てば夜になる。
夜になれば明日に近づくだけか。
何もない心理状態を言葉にすればそんなところだ。
たぶんその先には何もない。
だからそこで終わってしまうわけか。
何もなければ何も終わらない。
終わらなければ勝手に終われないだろう。
そんな居心地の悪さに嫌気がさしてしまう。
原因も理由もないのに気が散って、
君は何も述べられなくなる。
意識はこの世界から飛躍したいのか。
たぶんそういう話ではない。
日常の出来事はどうということはなく、
どこかでありふれた事件が起こっているのも
いつもの通りだ。
そんな状況から誰も飛躍することなどできはしない。
それが世の中なのだから仕方がないか。
現実は果てしなく、
感知できることはありふれている。
そこで何を認識しようとしているのでもなく、
何も認識できないわけでもなく、
ただそんなことを認識している。
それが現状なのだろうか。
それの何が現状なのか。
何も現状とはいえないのではないか。
ならば語っているすべては作り話のたぐいか。
そうであったとしてもそれが現状なのだろう。
それは大したことではなく、
誰かの心が
虚無にとらわれているに過ぎないのではないか。
そんなのはあり得ない話だろうか。
意識がどこかへ逃げているのではないか。
語るべきことは何もない。
語ろうとしているのは
そんなことではないだろうが、
実際に誰かが語っている内容は何もない。
そして立ち直ることができなくなり、
そんな雰囲気に流され、
その場を覆っている虚無に飲み込まれ、
気がつけば自己嫌悪的な自己言及が
果てしなく続いている。
君はそんな現状を感知しているらしいが、
そこから抜け出ようとして、
いつものように君なりの試行錯誤を繰り返して、
そんな文章を構成している現状を
変えようとしているわけだ。
しかし本気ではない。
揺るぎようのない信念が
君の前に立ちはだかっている。
人は何のために生きているのでもなく、
誰のために何をしようとしているのでもない。
そうは思わないとすれば、
そこにはどのようないいわけが現れているのか。
君がいいわけをするために
何を用意しているとも思えないが、
誰かによって用意されているそれは、
いいわけをするには
何の用もなさないような言葉の連なりだ。
誰に向かって何を述べているのでもなく、
自らに何を問いかけているのでもない。
言い聞かせるべき自己がどこかへ消失している。
それについて何とも思わないなら、
そこで終わりにすべきなのに、
未だにやめようとしない。
いったい君はその先に何があると思っているのか。
何がどうなることを期待しているのだろう。
この世界は変わりようがないとは思わないのか。
たぶん変わっていくのだろう。
そう思っているうちは
変化を感じ取ることができる。
君の思惑とは無関係に変化するのだ。
たぶんどうにもならないわけはない。
いつ何時でも常にどうにかなっているのだ。
どうにかなっているから今がある。
だから短気を起こして
精神的に暴発する必要はない。
事件の容疑者になる必要はない。
夢をあきらめたら幸せになるだけだ。
幸せになればそこで止まってしまう。
たぶんどこにも出口はないのだろう。
夢など抱いているわけではない
と嘘をついておこう。
嘘でなくてもかまわない。
どんな認識に至りたいのでもなく、
何を知ろうとしているわけでもない。
何も知り得なくてもかまわない。
ただ移動を繰り返していて、
そこから見える光景が定まらない。
認識や見解が定まりようがなく、
考えていることにとりとめがない。
誰が何を考えているのかわからないようだ。
そんなことを誰が知る必要もないか。
それは君に課せられた動作ではない。
そこで誰が何を語ろうとしているのでもなく、
他に何が語られているのでもない。
では何が語られているというのか。
それは果てしない問いかけの連続であり、
執拗に繰り返される自己言及だ。
自己がないのに自己について語ろうとしている。
わざと矛盾をもたらそうとしている
かのように思えてくるが、
それが自然の成り行きなのだとしたら、
この世界はどうなっているのだろうか。
どうにかなっていると同時に
どうにもなっていないのかもしれず、
そこには様々な思惑が渦巻いていて、
常に誰かが何かをどうにかしようとしていて、
そこに感情が作用して
うんざりさせるような結果がもたらされる。
意地の張り合いという消耗戦が
至る所で行われているわけだ。
まったく馬鹿げているとしか思えないが、
それが人間社会という構造がもたらす
宿命のようにも感じられ、
どうやらそれをさけて通ることはできないようだ。
そしてそんなくだらぬ闘争に明け暮れているうちに
年老いて、
誰かの一生はその幕が閉じられてしまうのだろう。
そんなことが延々と繰り返されているのが
人類の歴史そのものなのだろうか。
いったいそこから何を学ばなければならないのか。
仮に何かを学んだとしても、
それが戦略だの戦術だのに応用されて、
相対的に他者より戦上手になるだけのような気がするだけか。
 

 
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