【映画とは、人生を2時間で切り取るものだ】。そんな視点からつづる、1000文字の映画コラム。いろんな映画をきっかけに、生き方について考えてみませんか。ありふれた日常のなかで、答えを探すあなたに、ぜひ。
- 最新号:2008-09-04
- 発行周期:火・金・(木)
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- 創刊日:2001-03-20
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映画のなかの人生…Vol.819「帰らない日々」★★★
発行日: 2008/8/4┳━┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃1┃ STORY (観ていないあなたへ)
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最愛の息子をひき逃げされた家族は、放心状態で家へと帰った。
轢いたことに気づいた弁護士は、車を駐められず、走り去った。
警察を信用せず、どうしてもひき逃げ犯を捕まえたい父親は、
弁護士を頼ったのだが、その弁護士こそが、ひき逃げ犯だった。
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┃2┃ 上映館ミシュラン (観ていないあなたへ)
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日比谷シャンテシネ、シネリーブル池袋での2館上映です。
空いてましたね…。やっぱり社会派、かあ。
ますます「敵こそ我が友」が混んでいる理由が…?
▼日比谷 シャンテ シネ
〜8/8(金) 10:00/12:30/15:05/17:25/19:45〜21:45(終)
8/9(土)〜 11:50/17:20〜19:20(終)
▼池袋 シネ・リーブル池袋
〜8/8(金) 11:55/14:05/16:15/18:55〜20:50(終)
8/9(土)〜 12:25/16:45〜18:35(終)
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┃3┃ Review (観おわったあなたへ)
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【ポイント】★★★
<内訳>
テーマ :★★★★★
ストーリー :★★
キャスト :★★★★
スタッフ :★★★
>テーマ ★★★★★
愛する者の死、自らが犯した罪、どうしても受け入れられない、
人間の苦悩と、その周囲への波及、重い雰囲気に考えさせられる。
>ストーリー ★★<
基本的に構造は明快なので、物語は単純で、冗長に見えてしまう。
エピソードの深さや、サスペンス的な要素は、意外と少ない。
>キャスト ★★★★<
主役のフェニックス、ラファロが、おかしくなっていく様子に、
自分だったらどうするだろうかと、充分考えさせられる。
>スタッフ ★★★<
この人は「…ルワンダ」もそうだったが、余計なことはしない。
テーマに沿って、今回も手堅い映画になっている。
>総評 ★★★<
予想どおりの内容で、予想どおりの評価でした。
ひき逃げをめぐる、被害者と加害者の絶望は、
存分に描かれ、その再生がいかに難しいか、
本当に考えさせられてしまいます。
物語は単純ですが、役者は頑張ってるし、
「もし、自分がこうなったら?」という、
リアリティにも満ちていて、考える要素は深いです。
しかし、現実はもっと重々しい、かな。
胸を痛める余裕があるときに、観てください。
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┃4┃ Column (観おわったあなたへ)
┻━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
人生には、認めたくないことがある。
愛する人が、死んでしまったこと。
自らが、取り返しのつかない罪を犯したこと。
愛する人が、死んでしまったことを、
人生に刻み込むことは難しい。
泣いても、叫んでも、その人は還ってこない。
それでも、人生は続いていく。
ピースの欠けたパズルでも、
そこには家族がいて、自分がいる。
何とかして、埋め合わせようと、
せめて死の原因を探ろうとする。
悪かったのは自分ではないかと、
小さな事を思いだしては、後悔する。
そこに、犯人という存在があれば、
なおさら、全ての責任を押しつけ、
犯人を捕まえ、厳罰を与えることが、
人生を取りもどす唯一の術に思える。
ひき逃げ犯を捕まえろ。
父親は、狂奔する。
それが唯一の出口だと信じて。
一方で、そのひき逃げ犯は、
自らが犯した罪の大きさに、おののいている。
時間を巻き戻して、過ちを消してしまいたいが、
残念ながら、そんな便利な魔法はこの世にない。
それでも、人生は続いていく。
犯した過ちを償うには、自首するしかない。
自分の幸せをうち捨てて、罪を認めるのだ。
妻とは別れても、彼には息子がいる。
週に一度しか逢えなくても、それが幸せである。
その幸せさえも、投げ打たなくてはならないのか?
捜査が行き詰まるなかで、彼は戸惑う。
せめて、もう少し、あと少しだけでも。
いまの幸せのなかに、留まっていたいのだ。
いつか必ず、この罪は償うのだから。
人生には、認めたくないことがある。
愛する人が、死んでしまったこと。
自らが、取り返しのつかない罪を犯したこと。
愛する人を失っても、人は認めない。
犯人を捜し、犯人を罰することで、
愛する人の存在を、忘れないように誓う。
自らが大きな罪を犯しても、人は認めない。
いまの幸せを、手放す勇気は誰にもなく、
あと少し、また少しと、償いを先延ばしにする。
それでも、過去は消せない。
どうすればいい?どうすれば苦しみは終わる?
犯人を捕まえれば、本当に息子は還るのか?
速やかに自首すれば、良心の呵責は消えるのか?
いや、消えない。
何をしても、過去は消せず、
苦しみをかき消すものなど、この世にはない。
ただ、人生は続いていく。
すると、そこにはまだまだ、
大切にしなければならない出来事がある。
愛する妻。愛する娘。愛する家族。
消したい出来事よりも、大切なものがある。
苦しみは消せなくても、幸せは取り戻せる。
そのためにはまず、苦しみが消えないことを、
自らの胸に刻むことから、始めるしかないのだ。
2008/8/1 シネリーブル池袋にて。
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┃6┃ 次回予告 ほか
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その他、筆者からのお知らせなどなど。
★次回予告「ドラゴンキングダム」…………………………………
ジャッキー・チェンとジェット・リー。長く香港のカンフー映画を
率いてきた彼らが、夢の競演?を果たすというハリウッド映画。
そう言えば、この二人が一緒になるってのは想像してなかったな…。
方向性が違う二人だし。それだけに意外といいコンビに…なる?
で、次回もお楽しみに。次回は水曜の予定。
http://dragon-kingdom.jp/
★今後の予定など………………………………………………………
いよいよカレンダーも8月です。
暑くなりました。映画館は涼しくていい…。
さて、いまいちばん期待しているのは、
押井守監督の新作「スカイクロラ」ですかね。
ただ、これもまた役者を声優に当てるのは、
ちょっと不安を感じても、いるんですが。
あとはクリスチャン・ベイルの「ダークナイト」。
バットマンの続編は、ヒース・レジャーの遺作になり、
いろんな意味で、注目が集まることは間違いありません。
「スカイクロラ」http://sky.crawlers.jp/
「闇の子供たち」http://www.yami-kodomo.jp/
「コレラの時代の愛」http://kore-ai.gyao.jp/
「ダークナイト」http://wwws.warnerbros.co.jp/thedarkknight/
「ハムナプトラ3」http://www.hamunaptra3.com/
「この自由な世界で」http://kono-jiyu.com/
「20世紀少年」http://www.20thboys.com/
「ハンコック」http://www.sonypictures.jp/movies/hancock/
「コッポラの胡蝶の夢」http://www.kochou-movie.jp/
というわけで、これからもお楽しみに。
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