【映画とは、人生を2時間で切り取るものだ】。そんな視点からつづる、1000文字の映画コラム。いろんな映画をきっかけに、生き方について考えてみませんか。ありふれた日常のなかで、答えを探すあなたに、ぜひ。
- 最新号:2008-09-25
- 発行周期:火・金・(木)
- 読んでる人:483人
- 創刊日:2001-03-20
- Score!:96点
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映画のなかの人生…Vol.811「歩いても 歩いても」★★★★
発行日: 2008/7/1┳━┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃1┃ STORY (観ていないあなたへ)
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ある夏の日、実家に娘と息子の一家が、それぞれにやってくる。
両親は孫や彼らを歓迎し、料理をつくり、団らんの時が流れる。
しかし、その言葉の端々には、彼らの抱える想いや主張があり、
やがて一家に落ちている暗い影と、人々の葛藤が見えてくる。
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┃2┃ 上映館ミシュラン (観ていないあなたへ)
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シネカノン有楽町1丁目、渋谷アミューズCQNなどで上映中です。
水曜はどちらも男女問わず1000円になってます。
週末よりも混むかも知れませんね。
▼有楽町 シネカノン有楽町1丁目
10:40/13:20/16:00/18:40〜20:50(終)
▼渋谷 アミューズCQN
11:15/13:50/16:25/19:00〜21:05(終)
▼東武練馬 ワーナー・マイカル・シネマズ板橋
〜7/4(金) 9:20/11:45/14:10/18:55/21:25〜23:30(終)
7/5(土)〜 時間は直接劇場へお問い合わせ下さい
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┃3┃ Review (観おわったあなたへ)
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【ポイント】★★★★
<内訳>
テーマ :★★★★
ストーリー :★★★★
キャスト :★★★★
スタッフ :★★★★
>テーマ ★★★★<
平凡に見える一家のなかにも、それぞれの想いとこだわりがあり、
無表情や無理解もある一方で、和解を探る人々の姿が微笑ましい。
>ストーリー ★★★★<
とにかく面白い。小さなセリフに小さな笑いがちりばめられ、
それを導く伏線も良い。トーンダウンする後半との対比も秀逸。
>キャスト ★★★★<
樹木希林の母親役を始め、どのキャラクタもはまり役で憎めない。
どこまでが脚本でアドリブなのか、もはや誰も見分けがつかない。
>スタッフ ★★★★<
夏の日の帰省によくある風景をうまく並べて、ノスタルジーを
引き出しながら、子どもや事件を効果的に用いてモチーフにつなぐ。
>総評 ★★★★<
面白かったです。是枝監督は、すごくなりました。
やっぱり、時代劇とかに挑戦したりして、
相当、引き出しが増えてきた感じがします。
実家に帰省する兄妹の家族という、
平凡な事件を、面白おかしく演出することで、
まるで家族の一員のように観客を引きずりこみ、
後半には一気に、彼らの内面がかいま見えてくる。
きっと誰もが、見終わった後に、
新しい家族ができたかのような気分になる。
最後の展開にもグッと来ます。
そして誰もが、自分の家族にこの映画を当てはめるでしょう。
決して号泣する映画ではないですが、深く考えさせられる。
本誌もイチ押しします。「誰も知らない」とは違いますよ!
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┃4┃ Column (観おわったあなたへ)
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子どもの頃、親たちに連れられて、
よく「おばあちゃんち」に行ったものだ。
他の親戚の子どもたちと遊んでいる間、
親たちは、普段の彼らとは違った丁寧な口調で、
何やら聞いたこともない話を、親戚としている。
陰では、あんなにこそこそ批判していた人とも、
なぜだか親切そうに、楽しそうなフリをしている。
そんな大人の変節ぶりが、子どもの頃は不安だった。
いつか、自分もあんな大人になってしまうのか、と。
大人になってみて、分かったのは、
それは、大した話ではなかったということだ。
大人たちの会話には、一定のルールがあって、
彼らはルールに沿って、丁寧にお礼を述べたり、
大げさな相づちを打ったり、笑ったりしているだけだ。
それは年長になるほど、目上になるほど、
とても気楽で、居心地のいい仕組みである。
時に明け透けで、時に丁寧な姿勢を見せ、
緩急をつけることで、ペースを自分に惹きつける。
しかし、ルールを守って話すことは、
決して、自分を全く見せないことではない。
母親の言葉の端々には、
息子の嫁への不満が見える。
娘はことある毎に母親に、
厳しい突っ込みを入れてくる。
男2人は、不器用なものだから、
ルールを守れずに、時には逃げだし、
時には有り体に本音をぶつけてしまう。
みんな、平和な家庭を演じているようで、
実は、どこかに自分の想いをちらつかせている。
本当はあなたも、分かっているでしょ、と。
そうだ、分かっているのだ。
母親が、やもめの嫁を嫌っているのも。
父親が、強いプライドにしがみつくのも。
息子が、そんな父親とそっくりなことも。
そして、この家には誰もが話したくない、
哀しい事実があり、それをどうやって、
受け止めればいいか、まだ探していることも。
子どもの頃、そんな大人の会話が分からなかった。
子どもたちに、ルールは要らない。
ひたすらに本音をぶつければいいのだから。
でも、大人にはプライドがあり、
そして、他人を気遣うやさしさがある。
だから、ルールがあり、本音は見えかくれ。
みんながそれを思いやってこそ、
本当の団らんが、見えてくるのだろう。
大人は難しいが、分からなくはない。
私がそれに順応できるかどうか、いまも分からないけれど。
2008/7/1 シネカノン有楽町1丁目にて。
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┃6┃ 次回予告 ほか
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その他、筆者からのお知らせなどなど。
★次回予告「告発のとき」………………………………………………
「クラッシュ」「ミリオンダラーベイビー」「硫黄島からの手紙」
とくれば、共通するのは脚本家にして監督でもあるポール・ハギス。
今回は主演にトミー・リー・ジョーンズとシャーリズ・セロン。
完全にオスカーを目指した内容は、イラク戦争にまつわる話らしい。
で、次回もお楽しみに。次回は金曜の予定。
http://www.kokuhatsu.jp/
★今後の予定など………………………………………………………
あっという間に今年も7月。
夏休みをひかえて待っているのは…、
そうか、ジブリの新作ですね。
うーん、そろそろ面白くない予感もあるが。
個人的には「純喫茶磯辺」に期待してます。
理由は、本誌読者の皆さまはお分かりのハズ…。
まあ、それだけじゃなく予告編も良かったのですが。
「純喫茶磯辺」http://www.isobe-movie.com/
「カメレオン」http://www.c-leon.jp/
「スピードレーサー」http://wwws.warnerbros.co.jp/mach5/
「崖の上のポニョ」http://www.ghibli.jp/ponyo/
「ジャージの二人」http://ja-zi2.jp/
「たみおのしあわせ」http://tamiono.jp/indexp.html
「帰らない日々」http://www.kaeranaihibi.jp/
「敵こそ、我が友」http://www.teki-tomo.jp/
というわけで、これからもお楽しみに。
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