【映画とは、人生を2時間で切り取るものだ】。そんな視点からつづる、1000文字の映画コラム。いろんな映画をきっかけに、生き方について考えてみませんか。ありふれた日常のなかで、答えを探すあなたに、ぜひ。
- 最新号:2008-09-25
- 発行周期:火・金・(木)
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- 創刊日:2001-03-20
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映画のなかの人生…Vol.804「シークレットサンシャイン」★★★
発行日: 2008/6/12┳━┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃1┃ STORY (観ていないあなたへ)
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亡夫の故郷に、1人息子と共に越してきた女。夫を失った悲しみ
から逃れ、息子を溺愛し、新天地でようやく彼女は再出発する。
金満に振る舞ったり、地元の男性たちの目を惹き、女性たちとも
何とか打ち解けてきた矢先、彼女を再び、思わぬ悲劇が襲う。
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┃2┃ 上映館ミシュラン (観ていないあなたへ)
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シネマート六本木、池袋ロサでの2館上映。
このパターンが増えてくるのかな…困ったな…。
どちらも空いていると思います。
六本木は格段に新しいので、オススメはこちらですが。
▼六本木 シネマート六本木
6/13(金) 10:50/13:40/16:30/19:20〜21:50(終)
6/14(土)〜 時間は直接劇場へお問い合わせ下さい
▼池袋 シネマ・ロサ
11:50/14:40/17:30〜20:00(終)
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┃3┃ Review (観おわったあなたへ)
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【ポイント】★★★
<内訳>
テーマ :★★★★
ストーリー :★★
キャスト :★★★★
スタッフ :★★★
>テーマ ★★★★<
赦しをテーマに全編を通して描かれる主人公の苦悩は、痛切。
もう少し、問題を整理して出口まで描ければ、満点だったハズ。
>ストーリー ★★<
だいぶ長い。前段の部分について、ここまで引っ張る必要がある?
ハッキリしないラストも好き嫌いを生むだろう。筆者は気にしない。
>キャスト ★★★★<
2時間半を引っ張るのは、カンヌ主演女優賞のチョン・ドヨンが
醸し出す狂気と、絶妙なスパイスとなるソン・ガンホのおかげ。
>スタッフ ★★★<
最後まで徹底して、主人公をいたぶり尽くす仕掛けは満載だが、
特に印象に残った場面は少ない。この映画は役者の賜物だろう。
>総評 ★★★<
苦しい映画でした。テーマは非常によく分かる。
汝の敵を赦し、愛せという、最も難しい宗教的命題に、
この映画は真正面からぶつかって、砕け散るイメージ。
長い映画だが、役者たちがとてもいいので観させる。
チョン・ドヨンよりも、やっぱりソン・ガンホに舌を巻く。
チンピラっぽくて、金持ちでもなくて、天才でもなくて、
時に滑稽で、でもひたむきで、常に前向きな彼の役柄。
その姿が映画にリズムと魅力を与えているのは間違いない。
内容的には、なぜか「ブレス」とそっくりなのだが、
個人的にはキム・ギドクの方が洗練されている印象。
しかし、韓国は本当にクリスチャンが浸透しているんですね…。
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┃4┃ Column (観おわったあなたへ)
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悲しみは、どうすれば消すことができるだろう。
心の傷は、どうすれば癒すことができるだろう。
愛する人を、失う悲しみ。
その人とは、もう二度と会うことができない。
出口のない悲しみは、忘れるしかないのだろうか。
しかし、人は悲しみを忘れることもできない。
葬式に来て、涙のない親族を訝しげに見る人がいる。
時にはそんな親族を、罵倒する親族も現れる。
だが、本当の悲しみに直面したならば、
葬式では、涙も出ないことが分かるだろう。
本当に愛する誰かを失う悲しみとは、
特別な場所で、一時的に湧き上がるものではない。
その悲しみは、つねに同居しているものだ。
日常のなかで、起きるたびに、歩くたびに、
何かを見たり、聞いたりするたびに、思い出すものだ。
その人が、そのとき、そこにいたことや。
あの人が、あのとき、話していたこと。
想い出は、日常のなかでこそ示されるのである。
そのたびに、いちいち泣いていたのでは、
もはや人間は、生活することができなくなる。
悲しみが胸に湧く、その一瞬、一瞬を、
その胸でこらえ、押しとどめながら、人は生きるのだ。
そして、どうにもならなくなって、
時には人は、信仰にすがるのである。
その一瞬に、別の意味を探そうとするのだ。
日常に隠された悲しみを見いだすのではなく、
日常に見えていない神の意志を探すのである。
すると、人によっては明るさを取り戻せる。
朝起きたり、食事したり、笑ったりすることに、
悲しみよりも、別の意味と幸せを見いだせるから。
宗教は、そうした人を救い出す部分で、意味がある。
だが残念ながら、それは悲しみを消すわけではない。
悲しみは、相変わらずあなたのそばに付きまとう。
とりわけ、悲しみを引き起こした「犯人」がいる場合。
愛する人を失ったのは、あいつのせいだ。
愛する人が殺されたのは、あいつのせいだ。
あいつだけは、私より幸せになって欲しくない。
例えそれが、私を救う神の意志であったとしても!
人は、それでも犯人を赦せないものなのだ。
例え、自らは救われ、悲しみが癒されたとしても。
悪を働いた人間が報われる理不尽さを、赦せないのである。
それはきっと、そこに自らの罪を見るからだろう。
人は、愛する人を失ったとき、自らを責める。
どうにもならない死であっても、何かを悔やむ。
ああすれば良かった、こうしていれば、と。
犯人の存在は、その自らの罪を忘れさせる。
悪いのは私ではなく、あいつだと思わせる。
だから、人は敵を赦すことができず、
敵に報いる神の仕打ちを、理不尽だと憎む。
だから、敵を赦す前には、自らを赦さねばならない。
自分は精いっぱい、愛する人を愛したと信じなければ。
そしてそれこそが、いちばん難しい人生の命題なのだろう。
2008/6/12 シネマロサにて。
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┃6┃ 次回予告 ほか
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その他、筆者からのお知らせなどなど。
★次回予告「ぐるりのこと。」………………………………………
寡作で知られる橋口亮輔監督の「ハッシュ!」以来の新作。
今回も6年ぶりだそうで。ああ、本誌もそれ以上やってるんだ…。
主役には木村多江、リリー・フランキーという顔合わせを起用。
今回もぎこちない二人の愛を、微笑ましく描く作品、でしょうか。
で、次回もお楽しみに。
明日はちょっと忙しくなってしまい、
次回は来週月曜にさせてください。すみません。
http://www.gururinokoto.jp/
★今後の予定など………………………………………………………
今月はだいたい、以下のような予定。
最大の話題作はやっぱり「インディジョーンズ」。
相当、混むんだろうなあ…凄そうだなあ…。
そしてオスカー受賞作の「JUNO」。
エレン・ペイジが芸達者だと言うことは、
前作で証明されては、いたわけですが。
個人的に気になるのは、クローネンバーグだなあ。
「イースタンプロミス」は、前作と同じく、
ヴィゴ・モーテンセンと組んだサスペンス映画。
ノワールな雰囲気が、他とは一線を画しそう。
というわけで、これからもお楽しみに。
「JUNO」http://movies.foxjapan.com/juno/
「イースタンプロミス」http://www.easternpromise.jp/
「ぼくの大切なともだち」
http://www.wisepolicy.com/mon_meilleur_ami/
「インディ・ジョーンズ クリスタルスカルの王国」
http://www.indianajones.jp/
「西の魔女が死んだ」http://nishimajo.com/
「歩いても 歩いても」http://www.aruitemo.com/
「告発のとき」http://www.kokuhatsu.jp/
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