| >> 記事トピックス一覧 |
映画のなかの人生…Vol.793「モンテーニュ通りのカフェ」★★★
発行日時: 2008/5/9┳━┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃1┃ STORY (観ていないあなたへ)
┻━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
人生を変えようと、意を決して芸術の都パリに出てきた若い女。
ウェイトレスとして働いていると、彼女は持ち前の明るさで、
近くの劇場関係者などと次々と仲良くなり、一方で彼女自身も、
成功者と思える人々の意外な一面に、人生を学んでいくのだった。
┳━┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃2┃ 上映館ミシュラン (観ていないあなたへ)
┻━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
渋谷ユーロスペースでの単館上映です。
意外にも、けっこう入っていました。
週末はちょっと、混むかもしれませんね。
http://www.eurospace.co.jp/timetable.html
▼渋谷 ユーロスペース
11:55/14:10/16:25/18:40〜20:45(終)
┳━┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃3┃ Review (観おわったあなたへ)
┻━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【ポイント】★★★
<内訳>
テーマ :★★★
ストーリー :★★★
キャスト :★★★
スタッフ :★★★
>テーマ ★★★<
妻との関係をめぐる男たちの違いや、その男たちと関係する、
女たちの考え方の違いなど、どのキャラも個性があって対照的。
>ストーリー ★★★<
物語がだいぶ乱立するなか、主演の明るい女の子を軸としながら、
リズム良く進行していくので、楽しい会話とともに飽きさせない。
>キャスト ★★★<
主演のセシルが元気で魅力的な印象を残すが、悩めるピアニストや
躁鬱気味の女優の派手なジェスチャーなど、なかなか芸達者。
>スタッフ ★★★<
強い会話で笑いをとりにいく部分と、静かなパリの夜の風景など、
いろんな場面を盛り込んで抑揚をつけ、ドラマを引き立てている。
>総評 ★★★<
なかなか楽しいフランス映画でした。
キレ気味の女優の、過激な発言に笑ったり、
悩めるピアニストの大胆な行動に感心したり、
何より、主演のセシル・デュ・フランスがカワイイです。
ちょっとした笑いを振りまきながら、
たくさんの人生を並べて違いを見せることで、
いろんなドラマが同居していることに気づきます。
誰に肩入れするわけでもなく、平等に人々を扱うので、
強い印象はありませんが、すがすがしく観られる映画。
ちょっとした息抜きには、とてもいいと思う。時間があれば。
┳━┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃4┃ Column (観おわったあなたへ)
┻━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
大きな劇場に入ると、実はいろんな席があると気づく。
実際は滅多に行かないのだが、一度、
サントリーホールに入ってみたりすると、
VIPが入る2階の端っこを見上げてみたり、
オーケストラの後ろにも席があることに驚く。
どうしてそんなところにあるのか、
詳しくない私には、違いが分からないが、
サッカーと同じで、現場に近い臨場感を、
求めるファンがいるのかもしれない。
他にも円形の劇場があったり、
屋外劇場があったりと、劇場には、
いろんな席があり、いろんな見方がある。
きっと、それと同じように、
人生というドラマでも、いろんな席があり、
いろんな見方が楽しめるのかも知れない。
主演として、舞台に上がれるのは一握り。
多くの人々は、小さな座席にちょこんと座り、
舞台の派手なドラマに笑ったり、感心したり。
芸術の都パリで、ピアノを弾いたり、
演劇に出たり、美術品を収集したり。
そんな「主役」の人々は、観客には、
はるかに輝いて、魅力的に見えたりする。
その輝きに憧れて、できるだけ前の方に、
席を移動したりするのは、人情だろう。
例えばパリに行き、劇場で働くというのは、
その最前列で芸術を眺めているようなものだ。
地方から出てきた若い女の子には、魅力的だろう。
けれど、そこで見えるのは、
意外と人間的で苦悩に満ちた主役たち。
女優は精神的に不安定だったりとか。
ピアニストが劇場自体を嫌っていたり。
美術品に本当は関心がない収集家がいたり。
遠くからでは気がつかなかったドラマが、
そこでは繰り広げられていて、ちょっと驚く。
なあんだ、座席も舞台も、あまり変わらない。
舞台の人たちも、意外と他人との距離を測ってるんだ。
人生という劇場では、舞台に惹かれて、
あまりに近づきすぎると、見えなくなるものがある。
もちろん、あまりに遠ざかりすぎてしまうと、
何の臨場感もない、つまらないものになる。
本当に魅力的にドラマを理解できるには、
いったいどんな席についたらいいのだろうか。
人と他人はどういう距離が、いちばん快適なのだろう?
映画でさえ、映画館の構造はシンプルなのに、
斜めに見たり、前すぎたりすると、印象が変わる。
<<fauteiuls d'orchestre(座席)>>どこもいろいろだ。
結局、自分にとって何がいいかは、
実際に座って、試してみるより他はない。
そのためには、何ごともやってみるしかないのだ。
主役も、端役も、観客も、舞台裏も。
そうして、いろんな人々がいることに気づけば、
人生の見方も、楽しみ方も、もっと多彩になるに違いない。
2008/5/9 渋谷ユーロスペースにて。
┳━┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃6┃ 次回予告 ほか
┻━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
その他、筆者からのお知らせなどなど。
★次回予告「愛おしき隣人」…………………………………………
ウェス、ポール・トーマスときて、今度はロイ・アンダーソン。
この人も北欧の「鬼才」らしい。アンダーソンの名は映画向き?
北欧映画といえばカウリスマキを始め、不思議な笑いが多い傾向。
どうやらこの映画も、だいぶ不条理に人生を描いていくらしい。
で、次回もお楽しみに。次回は月曜の予定。
http://kittoshiawase.jp/
★今後の予定など………………………………………………………
来週はいよいよ、キム・ギドク監督の新作が公開に。
主演は、最近では呉清源を演じたチャン・チェン。
国際的な二枚目俳優を擁して、今度はどうするんだろう。
あんまり俳優の名前にこだわらないイメージなのですが。
http://www.cinemart.co.jp/breath/
その他、今月は以下のような予定。
サラ・ポーリーが監督業に進出して、
いきなりオスカーにノミネートされたという、
「アウェイフロムハー」が、気になるかな。
他にも篠原哲雄監督がまた田中麗奈を起用とか。
トム・ハンクスがジュリア・ロバーツと共演とか。
密会王が今度は監獄で男と密会するらしいとか。とか。
というわけで、これからもお楽しみに。
「ミスト」http://www.mistmovie.jp/
「チャーリーウィルソンズウォー」http://www.charlie-w.com/
「マンデラの名もなき看守」http://mandela.gyao.jp/
「アフタースクール」http://www.after-school.jp/
「パリ、恋人たちの2日間」http://www.paris-2days.com/
「アウェイフロムハー」http://www.kimiomo.com/
「山桜」http://yamazakura-movie.com/
このメルマガを読んでいる人はこんなメルマガも読んでいます
- サッカー日本代表ネットワーク・メールマガジン
- 日本代表やJリーグを中心とした国内外のサッカー情報を 毎日お届けします。 WEB版日本代表ニュースを中心に編集します。
- ホントに面白い映画はコレだ! 今週の映画瓦版
- プロの映画批評家が編集発行する週刊メールマガジン。毎週公開される映画を独自の視点からランキング。充実したDVD情報も好評です!
- 週刊アカシックレコード
- 02年W杯サッカー韓国戦の「誤審」を世界で唯一「前日」に誌上予測し、誤審報道を「常識化」した推理作家(金正日の「遺書」で始まる「中朝戦争」後の北朝鮮...
- 宮崎正弘の国際ニュース・早読み
- 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析
- こんな映画は見ちゃいけない!
- 映画批評系メルマガで読者数No.1! プロの編集者が簡潔な文章と的確な表現で書き下ろす「1分で読める新作映画批評」です。映画紹介だけのメルマガにはな...
![メルマガスタンド[メルマ!]](/img/common/melma_logo.gif)







