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映画のなかの人生…Vol.790「譜めくりの女」★★★
発行日時: 2008/5/1┳━┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃1┃ STORY (観ていないあなたへ)
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子どもの頃にピアニストを目指したが、試験に落ちた若い女。
彼女は細い糸をたぐるようにして、試験官だった女に近づく。
子守としてそのピアニスト宅にやってきた彼女は、親密になり、
譜めくりとして採用され、すっかり気に入られたのではあるが…。
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┃2┃ 上映館ミシュラン (観ていないあなたへ)
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シネスイッチ銀座での上映です。
来週からは渋谷ではレイトショーのみになります。
そんなに混んでもいないようでしたが、
レディースデー(銀座は金曜日)はやや混みの模様。
http://www.cineswitch.com/konzatu/
▼銀座 シネスイッチ銀座
11:10/13:20/15:30/17:30/19:30〜21:05(終)
▼渋谷 シネ・アミューズ イースト/ウエスト
5/2(金) 10:30/12:35/14:40/16:45〜18:35(終)
5/3(祝)〜 21:35〜23:00(終)
※ 5.3(祝)〜は予告編上映なし
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┃3┃ Review (観おわったあなたへ)
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【ポイント】★★★
<内訳>
テーマ :★★
ストーリー :★★
キャスト :★★★★
スタッフ :★★★★
>テーマ ★★<
単純な復讐劇に渦巻く愛憎を、静かに描き出していく。
オリジナルではないが、抑えた演出がいろんな感想を引き出す。
>ストーリー ★★<
物語もまた単純で、予想したとおりに進んでいく復讐劇を、
最後の結末を気にしながら、見送っていくだけ。短いのが○。
>キャスト ★★★★<
セリフがほとんどない状況が多いが、その沈黙のなかに、
二人の女優が恨みと愛情をない交ぜにした緊張感を漂わせる。
>スタッフ ★★★★<
できるだけ抑えた演出と、シンプルな物語のなかに、人間が持つ
複雑な感情をあぶり出そうとした目的はとても明確で、楽しめる。
>総評 ★★★<
なんてことはない映画なんですが、意外と面白かったです。
要はこの女が復讐するんだろ、と思いますし、
実際にそういう展開に見えますが、一方で、
決してそれだけではないんですね。
復讐というのは、単純な恨みだけが、
作り出すものではないということを、
わずか1時間半のなかに、うまく描きます。
主演の2人と、ピアノの音がとても印象的。
ちょっと違う映画を、あっさり観るにはとてもいいかも。
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┃4┃ Column (観おわったあなたへ)
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つい、何日か前の不愉快な事件など、
すっかり忘れてしまうものだが、
子どもの頃の不愉快だった事件は、
意外と良く、覚えているものである。
確かに、年をとったせいもあるだろうが、
決してそれだけでは、ないようにも思える。
子どもの頃は、それだけ世界が狭くて、
そして、ずっと純粋であったのだ。
目の前に迫った、ピアノの試験。
ピアニストになれるかどうかは、
その一瞬で、決まってしまうと思っていた。
後になってみれば、決してそうではなく、
チャンスは意外なところにあると分かるが、
狭い子どもの世界では、チャンスは一度だけだ。
そのチャンスを、大人の気まぐれで潰されては、
子どもにとっては、忘れがたい事件になる。
子どもの頃の恨みは、大きくなっても覚えている。
決して忘れまいと、純粋な心で誓うからだ。
そして、長い時をかけてでも復讐を願う。
少女は、恨めしいピアニストを追いかけ、
ついに標的を、目の前に捉えるに至った。
しかし、出逢ってみればどうだろう?
その相手は普通の人間で、しかも孤独の淵にある。
決して悪意に満ちているわけでもなく、
全てが完璧で嫉妬心を駆り立てるでもない。
長く閉ざされていたフタを開けてみると、
意外な真相が分かり、かつての少女は戸惑う。
復讐すべき相手は、実は意外にも、
自分自身とも似たような相手だったのだ。
思えば、子どもの頃の出来事を、
今の今まで忘れて来なかったのは、
あの頃が幸せだったことの裏返しでは?
そして、その幸せが奪われてしまった、
その理由をすべて、この事件のせいに、
この女のせいに、押しつけてきたからでは?
そう思えると、なぜか復讐の相手さえ、
途端に愛おしくも見えてしまうから不思議だ。
想い出のなかに深く刻み込まれた彼女の存在は、
一方で、想い出をつなぎとめるシンボルでもあった。
誘拐犯を愛してしまう被害者のように、
復讐する者も、その対象を愛してしまうのか。
特別な瞬間を、想い出を、共有していた、
特別な相手に対して、愛しさと憎しみが入りまじる。
さて、彼女はどちらを選ぶのだろうか。
大人たちの何気ない振る舞いと、傷ついた子どもたち。
人は、いつどこで誰を傷つけているか分からない。
そのことに、大人はすっかり気づいてしまうから、
不愉快な出来事も、簡単に忘れられるのだろうか。
まあ、それでも忘れがたい出来事は存在するのだが…。
2008/5/1 渋谷シネアミューズにて。
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┃6┃ 次回予告 ほか
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その他、筆者からのお知らせなどなど。
★次回予告「I'm not there」…………………………………………
ボブ・ディランを6人のキャストで多角的に描き出す意欲作。
監督は「ベルベット・ゴールドマイン」のトッド・ヘインズ。
キャストはクリスチャン・ベイル、ヒース・レジャー、そして、
ケイト・ブランシェットと超豪華。ディラン知らなくても大丈夫?
で、次回もお楽しみに。次回は土曜の予定。
http://www.imnotthere.jp/
★今後の予定など………………………………………………………
えー、遅れを取りもどすべく、
この連休は映画館へ行きます(汗)。
最大の話題作は「There Will Be Blood」でしょうね。
ダニエル・デイ=ルイスの、主演男優賞受賞作です。
またポール・トーマス・アンダーソンが長い映画撮ったな…。
http://www.movies.co.jp/therewillbeblood/
あとは、ビミョーな群像劇を2本。
フランス映画と北欧映画。
前者は「愛する者よ、列車に乗れ」の脚本家によるもの。
後者はオフビートの王国、北欧の鬼才による作品との噂。
「モンテーニュ通りのカフェ」
http://www.montaignecafe-movie.jp/
「愛おしき隣人」http://kittoshiawase.jp/
その他、今月は以下のような予定。
やっぱりキム・ギドクの新作は気になるなあ。
サラ・ポーリーが監督業に進出とか、
篠原哲雄監督がまた田中麗奈を起用、とか。とか。
というわけで、これからもお楽しみに。
「ブレス」http://www.cinemart.co.jp/breath/
「ミスト」http://www.mistmovie.jp/
「チャーリーウィルソンズウォー」http://www.charlie-w.com/
「マンデラの名もなき看守」http://mandela.gyao.jp/
「アフタースクール」http://www.after-school.jp/
「パリ、恋人たちの2日間」http://www.paris-2days.com/
「アウェイフロムハー」http://www.kimiomo.com/
「山桜」http://yamazakura-movie.com/
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