映画のなかの人生…Vol.787「王妃の紋章」★★★
発行日時: 2008/4/16┳━┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃1┃ STORY (観ていないあなたへ)
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辺境から王宮に、皇帝と息子が帰ってきた。王妃は病に瀕しつつ、
後妻である自分に悩み、前妻の息子と関係を持ったりしていた。
息子たちは母親の苦悩を見ながらも、絶対的な存在である父王の
権力の前には、なかなか反抗できず、微妙な関係が続いていく。
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┃2┃ 上映館ミシュラン (観ていないあなたへ)
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東劇ほか、品川、板橋、豊島園などのシネコンでやってます。
できれば、シネコンで観て、スケールを感じてください。
小さなスクリーンでは、きっとこの豪華さは伝わらない。
▼東銀座 東劇
〜4/18(金) 11:00/13:35/16:10/18:45〜20:55(終)
4/19(土)〜 時間は直接劇場へお問い合わせ下さい
▼品川 品川プリンスシネマ
4/17(木) 12:30/15:55/20:35〜22:40(終)
4/18(金) 12:30/20:45〜22:50(終)
4/19(土)〜4/20(日) 9:30/12:10/18:25/21:00〜23:05(終)
▼東武練馬 ワーナー・マイカル・シネマズ板橋
〜4/18(金) 10:35/13:00/15:25/18:30/20:55〜23:00(終)
4/19(土)〜 時間は直接劇場へお問い合わせ下さい
▼豊島園 ユナイテッド・シネマとしまえん
〜4/18(金) 10:45/13:30/16:15/19:00/21:30〜23:34(終)
4/19(土)〜 時間は直接劇場へお問い合わせ下さい
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┃3┃ Review (観おわったあなたへ)
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【ポイント】★★★
<内訳>
テーマ :★★★★
ストーリー :★★
キャスト :★★★★
スタッフ :★★★★
>テーマ ★★★★<
歴史大作ではあるが、ねらいは権力批判。皇帝のルールに縛られ、
自由な発言ができない王宮で、権力の孤独と虚しさが描かれる。
>ストーリー ★★<
飽きるほどつまらなくはないが、全体として物語の展開は遅い。
最後の展開が出てくるまで、ちょっと引っ張りすぎたかも。
>キャスト ★★★★<
コン・リーは「覇王別姫」を思い起こさせる悲劇のヒロインに。
忠実な息子を演じるジェイ・チョウの奮戦も印象に残る。
>スタッフ ★★★★<
壮大なスケールで、独裁国家の自由を許さない一律性が描かれる。
五色の王宮も、菊のカーペットも、目に見えて絢爛豪華である。
>総評 ★★★<
これは…体制批判なんだろうなあ。きっと。
独裁国家で生きるという、もどかしさを、
歴史上の王宮になぞらえて、暗に描いているもの。
最後の展開はきっと、天安門事件だと思うんだなあ。
この映画において、チャン・イーモウの狙いは、
物語よりも、娯楽性よりも、最終的には、
真実を圧殺する体制への抵抗にあるんだろう。
だから、人によっては陳腐なソープオペラに見えたり、
ただの豪華な歴史物に見えてしまったりするんだろうが。
彼の映画を、昔から観ている筆者からすると、心配。
自由に映画を撮れているのかなあ、と。
しかし、コン・リーの悲劇のヒロインぶりは相変わらずで、
美しい映像も、圧巻の戦闘場面も、楽しませてくれる。
物語も、あくびが出るほどつまらないわけではない。
中国映画が好きなら、きっと楽しめるはずでは?
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┃4┃ Column (観おわったあなたへ)
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政治家の演説というのは、
聴いていて虚しいものである。
現実は、誰も彼に従っていないのに、
彼はあたかも、我々の代表であるかのように語り、
何もかもを知っているかのように説き、
誰もが納得できそうな正論をぶちまけるのだ。
現実は、政治家の演説からかけ離れている。
言説は、いつも美しいものだが、
現実は、つねにおぞましいものである。
しかし人は、人前で話すにあたっては、
おぞましい話などせず、美しいことばかり述べる。
政治家の演説は虚しい。そこには現実が見えてこない。
それは、いまに始まった話ではない。
歴史のページを開けば、いつの時代もあることだ。
支配者はいつも、美しいことばかりを述べるが、
現実には、困難なことばかりが山積しているのである。
忠孝を説き、決まりを守れと言う時の皇帝。
それが、永久の平和と支配を裏づけるという。
確かにそれは正論だが、果たして現実を映しているか?
人間はルールを守ってばかりでは、生きられない。
好きになってはいけない人を、好きになることもあり、
他人が持っている権力をまた、欲しがることもあろう。
何より、皇帝が「守れ」と述べているルールは所詮、
彼が決めたルールを守れ、と言っているに過ぎない。
それが証拠に、彼自身が本当に、忠孝を重んじているか?
本当に妻を愛し、息子たちのことを考えているか?
尽くしてくれる部下を、本当に恩で報いているだろうか?
皇帝は美しい言説を並べ、忠孝で国を支配するという。
現実は王宮の中でさえ、おぞましい関係ばかりが生まれ、
誰もが皇帝を恨み、一方で皇帝は抑圧しているだけだ。
祝賀行事である、重陽の節句においてさえ。
美しい王宮の中を、菊のカーペットが彩るが、
現実にはおびただしい血が流され、復讐の花が咲く。
それでも、皇帝は何食わぬ顔をして、食事をするだけ。
家族を毒づけにして、死んでいくのを待っているだけ。
そこでは、何ごともなかったように血が洗い流され、
彼の美しい支配原理は、最後まで汚されることもない。
五色に彩られた王宮は、こんなに絢爛豪華なのに。
大きなイベントの影に、こんなに悲劇が隠れているとは。
それらを徹底して、独裁者は隠しつづけているのに。
いったいどうすれば、どうやれば彼を糾弾できよう?
重陽の節句は、毛沢東の命日でもある。
そして五色の祭典が、今年は中国で開かれる。
何かこの映画と、つながりはあるのだろうか。
2008/4/16 ユナイテッドシネマズとしまえんにて。
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┃6┃ 次回予告 ほか
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その他、筆者からのお知らせなどなど。
★次回予告「つぐない」………………………………………………
キーラ・ナイトレイが、「プライドと偏見」の監督と再び組んで、
ベストセラーを映画化し、オスカーにノミネートされていた映画。
しかし、なーんにも獲れませんでしたねえ…何がいけないんだろ。
というのは、観てこないと分かりませんので、観てきます。
で、次回もお楽しみに。次回も金曜は間に合わないかも…。
その時は、たぶん土曜の夜になりますので、少しお待ちを。
http://www.tsugunai.com/
★今後の予定など………………………………………………………
さて、4月は毎年オスカー候補作が目白押しです。
まあ、忘れられないうちに公開したいですもんね。
「フィクサー」もそうですね。
ティルダ・スウィントンが助演女優賞を獲りました。
彼女は「コンスタンティン」でも「ナルニア…」でも、
いつも「人間じゃない」雰囲気があって(?)、
個人的に好きな女優さんだったので、ちょっと嬉しかったのですが。
というわけで、これからもお楽しみに。
「フィクサー」http://www.fixer-movie.com/
「ジェイン・オースティンの読書会」
http://www.sonypictures.jp/movies/janeaustenbookclub/
「ファクトリーガール」http://www.factorygirl.jp/
「ラフマニノフ ある愛の調べ」http://rachmaninoff.gyao.jp/
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