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映画のなかの人生…Vol.786「ランジェ公爵夫人」★★★
発行日時: 2008/4/14┳━┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃1┃ STORY (観ていないあなたへ)
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社交界の華、ランジェ公爵夫人が、舞踏会で明らかに浮いている
武骨な将軍を見初め、からかうように恋の駆け引きを始める。
しかし勇猛でなる将軍は、一歩も引かず、一直線なまま、やがて
意味深な言葉を残して、公爵夫人の下を立ち去るのだった…。
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┃2┃ 上映館ミシュラン (観ていないあなたへ)
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岩波ホールでの単館上映です。
客層を考えても、夜より朝が混むようで…。
初回は満席に近いようです。
混雑を避けるには、最終回がいちばん。
ここは相変わらずスクリーンは小さいですから、
3列目くらいでも、充分いい大きさです。
しかし2時間以上座ると、この椅子は腰が痛い…。
▼神保町 岩波ホール
11:30/14:40/18:30〜終20:40
※ 土日祝および大型連休中は18:30の回が17:50に変更
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┃3┃ Review (観おわったあなたへ)
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【ポイント】★★★
<内訳>
テーマ :★★★
ストーリー :★★
キャスト :★★★
スタッフ :★★★
>テーマ ★★★<
恋の駆け引きに焦点を絞って、恋人のことを想う微妙な焦燥感が、
映画全体に立ちこめ、メロドラマ主流の現在からすると懐かしい。
>ストーリー ★★<
起承転結がハッキリとしている一方で、ひとつひとつの場面は、
主役の心を汲み取るように静かに描かれており、いささか眠い。
>キャスト ★★★<
ジャンヌ・バリバール、ギョーム・ドパルデューというメインが、
恋の天秤の傾き加減を、それぞれにそつなく演じている。
>スタッフ ★★★<
二人の男女の揺れる心を、暗い画面のなかで静かに描いていく。
別に豪奢な貴族社会の耽美な世界、ではないので、あしからず。
>総評 ★★★<
意外とシンプルな恋愛映画でしたが、
逆に新鮮な印象を受けました。
最近、どうも恋愛映画は誰かが死んだり、
もう逢えないとか、そんなことばっかりで、
なぜだか恋愛とお涙頂戴の境が見えませんでしたが、
本来は、こういう駆け引きを楽しむドラマだったなあ、と。
しかし、本当にこの映画はシンプルにそれだけ。
別に絢爛豪華でもなく、大人の恋愛でもなく、
フランスのエスプリというより、ただ駆け引きだけ。
その結末に何を見いだすかは、人それぞれだろうなあ。
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┃4┃ Column (観おわったあなたへ)
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恋とはシナリオである。
人生という舞台での、重要な一幕である。
シナリオには書き手がいて、演じ手がいる。
この幕では、誰もが書き手になりたがり、
誰もが、その主役を演じようとする。
社交界で、数多くの駆け引きを知り、
そして自らも演じてきたであろう、
美しき、ランジェ公爵夫人。
百戦錬磨のシナリオライターは、
アフリカ帰りの勇猛果敢な将軍という、
出逢ったこともないような「俳優」を見て、
きっと、新たなる創造意欲が湧いたのだろう。
興味を示し、自邸に招き入れるが、
ひとしきり話を聴いたところで、
連れない素振りで、おいとまを告げる。
時には夫がいるからと言い、
時には神父に告解をしたり、
公爵夫人は、将軍に気があるようで、
いつも、それを否定するかのように振る舞う。
振り回されれば、振り回されるほど、
将軍は悩み、どうすればいいのかと、
時には夫人に当たり、時には帰ろうとする。
それこそが、夫人のシナリオなのだ。
将軍が、忘れようとすればするほど、
彼女のことを忘れられなくなるのである。
果たして、将軍がどのように演じるのか。
単純な男は、予想どおりに手のひらの上で踊り、
哀れにも愛を懇願し、夫人には痛快であった。
しかし、ここで演じ手は意外なアドリブを入れる。
「斧に触れるな」と言い残し、彼は舞台を降りる。
そして、二度と戻ることはなかった。
そんなことはないと、夫人はシナリオを読みかえす。
将軍の手紙を破り捨て、そして口づけをする。
気がつけば、舞台の上にいるのは自分だった。
そして、私はひとり芝居をしているだけだった。
思い返せば、本当に恋はシナリオなのか。
将軍は、本当に舞台で恋を演じていたのか。
私は何を楽しみにシナリオを書き、
彼を踊らせて、喜んでいたのだろうか。
社交界という狭い世界の外には、
全く違う考え方と、全く違う人々がいる。
そんな彼らを、恋の舞台に上げたところで、
彼らは自分の人生を演じているだけで、
決められたセリフを読んでいるわけではない。
将軍は真っ直ぐな男で、プライドも高く、
自分が手なずけているようでも、本当は、
公爵夫人とは全く遠いところにいたのである。
ルールの違う人々と出逢ったとき、
自らのルールを押しつけてはならない。
勝手に処刑人の斧に触れてはいけないように。
異なる文明、異なる信仰、異なる価値観が、
互いを押しつけようとしたときには、
結末にはいつも悲劇が、待っているだけである。
2008/4/12 岩波ホールにて。
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┃6┃ 次回予告 ほか
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その他、筆者からのお知らせなどなど。
★次回予告「王妃の紋章」……………………………………………
チャン・イーモウ監督の最新作は、今回も歴史系超大作らしい。
主役にチョウ・ユンファとコン・リーという、これまた大御所を
配して、五代十国時代の絢爛豪華な貴族社会を描くものだという。
そろそろ彼にも、こぢんまりとした映画に戻ってきてほしいが…。
で、次回もお楽しみに。次回は水曜の予定。
http://wwws.warnerbros.co.jp/ouhi/
★今後の予定など………………………………………………………
さて、4月は毎年オスカー候補作が目白押しです。
まあ、忘れられないうちに公開したいですもんね。
「つぐない」はキーラ・ナイトレイが、
「プライドと偏見」の監督と再び組んで、
かなり多くの部門でノミネートされていた作品です。
結果的に、あまり目立ちませんでしたが…。
「フィクサー」もそうですね。
ティルダ・スウィントンが助演女優賞を獲りました。
彼女は「コンスタンティン」でも「ナルニア…」でも、
いつも「人間じゃない」雰囲気があって(?)、
個人的に好きな女優さんだったので、ちょっと嬉しかったのですが。
というわけで、これからもお楽しみに。
「つぐない」http://www.tsugunai.com/
「フィクサー」http://www.fixer-movie.com/
「ジェイン・オースティンの読書会」
http://www.sonypictures.jp/movies/janeaustenbookclub/
「ファクトリーガール」http://www.factorygirl.jp/
「ラフマニノフ ある愛の調べ」http://rachmaninoff.gyao.jp/
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