映画のなかの人生…Vol.785「モンゴル」★★★★
発行日時: 2008/4/9┳━┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃1┃ STORY (観ていないあなたへ)
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ある部族の首長の下に生まれたテムジンだが、彼は幼い頃から、
裏切りや復讐といった、厳しい現実を目の当たりにしてきた。
モンゴルの厳しい大地の上で、自らも苦しい生活を送りつつ、
何とか生き延びた彼は、やがて他の誰とも違う信念へと至る。
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┃2┃ 上映館ミシュラン (観ていないあなたへ)
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新宿バルト9ほか、東映系の映画館や、
いくつかのシネコンでやっています。
としまえんでも、けっこう混んでいましたから、
山手線内の映画館では、満席になっているのかな?
週末とかは、お早めにどうぞ。
▼新宿 新宿バルト9
〜4/11(金) 10:30/13:00/15:30/18:00/20:30/23:00/1:30〜3:40(終)
4/12(土)〜 時間は直接劇場へお問い合わせ下さい
▼品川 品川プリンスシネマ
4/9(水) 9:40/12:25/15:45/20:35〜22:50(終)
4/10(木)〜4/11(金) 12:25/15:45/20:35〜22:50(終)
4/12(土)〜4/13(日) 9:30/12:10/20:40〜22:55(終)
▼お台場 シネマメディアージュ
〜4/11(金) 11:20/14:10/17:00/19:50〜22:05(終)
4/12(土) 17:00/19:50/22:40/1:30〜3:45(終)
4/13(日)〜 17:00/19:50〜22:05(終)
▼銀座 丸の内TOEI1
11:00/13:30/16:00/18:30〜20:45(終)
▼渋谷 渋谷TOEI1
10:30/13:10/15:50/18:30〜20:50(終)
▼東武練馬 ワーナー・マイカル・シネマズ板橋
〜4/11(金) 10:20/15:20/18:40/21:15〜23:25(終)
4/12(土)〜 時間は直接劇場へお問い合わせ下さい
▼豊島園 ユナイテッド・シネマとしまえん
〜4/11(金) 11:15/13:45/16:15/19:15/21:45〜0:00(終)
4/12(土)〜 時間は直接劇場へお問い合わせ下さい
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┃3┃ Review (観おわったあなたへ)
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【ポイント】★★★★
<内訳>
テーマ :★★★★
ストーリー :★★★★
キャスト :★★★★
スタッフ :★★★★
>テーマ ★★★★<
厳しい大地の上で、人々がどれだけ信念と絆を大切にしていたか、
非常に抑えた演出のなかで、力強さがスクリーンからにじみ出る。
>ストーリー ★★★★<
史実は適当に省略しつつ、派手な戦闘場面を適度に挟みながら、
ある男の成長と、彼を取り巻く人々の生き様をじっくりと描く。
>キャスト ★★★★<
主役の浅野忠信を始め、それぞれのキャストが言語に頼らず、
自らの存在感で映画を作っているので、それが迫力を増している。
>スタッフ ★★★★<
広大なモンゴルの大地と、生活の厳しさ、人々の表情を捉えつつ、
壮大な戦闘場面で抑揚をつけていく演出の手腕が光っている。
>総評 ★★★★<
なかなか、いい映画でした。さすが外国語映画賞ノミネート。
「ヒトラーの贋札」より、いい映画だと思いますが、
アメリカ的には分かりづらい話題だったのかもしれませんね。
ただ、歴史映画や伝記映画だと思って期待すると、
全く違う印象に、戸惑うかも知れません。
これはタイトルのとおり「モンゴル」を描きます。
壮大でも厳しい自然、そこで生きていく人々が、
どれだけ人間と人間の絆を大切にし、しがみつき、
信念とも執念ともいうべき生き様を見せてきたか。
全編モンゴル語という、聞き慣れない言葉のせいか、
役者たちの多くは、言語で演技することよりも、
存在感で勝負しているので、映画に凄みが出ています。
全体に青白い光の加減と、骨太な演技が相まって、
いかにもロシアっぽい、ハードボイルドな雰囲気。
そして、巨額の製作費による戦闘場面もなかなかの迫力。
意外とやるな、ロシア映画。と感心させられた次第。
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┃4┃ Column (観おわったあなたへ)
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この映画が、常に映し出しているように、
モンゴルは、広大な草原である。
どこまでも続く草原には、川があり、
砂漠があり、崖もあるが、他には何もない。
人々は家もなく、テントで暮らし、集落を作り、
家畜を育て、放牧をしながら生計を立てている。
厳しい風雨に晒された人々の顔は険しく、
肉体はたくましく、そして心も屈強である。
彼らは掟を作り、掟を守り、犯した者を罰する。
慣習と信頼で培われた人々の絆は厚い。
それを蔑ろにする人々への復讐心も強い。
かくして多くの人々が、信頼と復讐とで、
つながりあい、ぶつかりあい、生きているのだ。
そのモンゴルの大地で、育まれたテムジン。
首長の息子に生まれながら、部族に裏切られた少年。
わずかな家族とともに、厳しさに耐えてきた生き様。
そして、裏切り者から逃げつづけてきた屈辱と復讐心。
何もない世界だからこそ、大切なのは友だ。
誰も頼れないからこそ、頼れるのは家族だ。
少年はそのことを、深く心に刻んで生きてきた。
やがて成人し、妻を娶り、彼は強い信念に至った。
今度は自分が、この家族を守らなければ。
今度は自分が、誰かを守る番が来たのだ。
少年は、この厳しい大地で、自らではなく、
自分を取り巻く多くの人を守ろうと心に誓ったのだ。
彼は友を頼り、妻を奪い返す。
彼は部下を思い、自らと公平に扱う。
そして彼らの家族についても、また同じ。
その信念に打たれて、人々はついてくる。
彼の妻は、永遠に彼を待ち続け、恋い焦がれる。
彼の部下は、最後まで彼に従い、死をいとわない。
一度、遠く離れてしまえば、
二度とめぐり逢わないかもしれない。
そんな広大な草原に住んでいるからこそ、
彼らは出逢いを大切にし、人を大切に生きていく。
ともに生きる相手を、慎重に選ばなければ。
ともに生きる相手と、絆をつながなければ。
たやすくは生きていけない世界だからこそ。
その信念と絆の強さが、世界を席巻する動力となった。
何もない世界だからこそ、目の前にあるものより、
見えない絆こそ、重要であると彼らは知っていた。
一方で、現代を振り返れば、モノが溢れている。
人々は見えない絆よりも、目の前のカネを選ぶ。
他人に関心を失い、つまらない理由で人を殺す。
果たして、どちらが幸せな世界か。
モンゴルの草原は、いまを生きる人々を、
大きな鏡で映し出しているのかも知れない。
2008/4/6 ユナイテッドシネマズとしまえんにて。
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┃6┃ 次回予告 ほか
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その他、筆者からのお知らせなどなど。
★次回予告「ランジェ公爵夫人」……………………………………
バルザック原作の文藝映画。監督は80歳のジャック・リヴェット。
「美しき諍い女」から、もう17年ですか。誰もが年をとるわけだ。
キャストも20代の人はいません。まさに成熟した大人の映画です。
うーん、周りの客層もきっと、成熟しているんだろうなあ…。
で、次回もお楽しみに。次回は金曜の予定。
http://www.cetera.co.jp/Lange/
★今後の予定など………………………………………………………
さて、4月は毎年オスカー候補作が目白押しです。
まあ、忘れられないうちに公開したいですもんね。
「つぐない」はキーラ・ナイトレイが、
「プライドと偏見」の監督と再び組んで、
かなり多くの部門でノミネートされていた作品です。
結果的に、あまり目立ちませんでしたが…。
「フィクサー」もそうですね。
ティルダ・スウィントンが助演女優賞を獲りました。
彼女は「コンスタンティン」でも「ナルニア…」でも、
いつも「人間じゃない」雰囲気があって(?)、
個人的に好きな女優さんだったので、ちょっと嬉しかったのですが。
というわけで、これからもお楽しみに。
「王妃の紋章」http://wwws.warnerbros.co.jp/ouhi/
「つぐない」http://www.tsugunai.com/
「フィクサー」http://www.fixer-movie.com/
「ジェイン・オースティンの読書会」
http://www.sonypictures.jp/movies/janeaustenbookclub/
「ファクトリーガール」http://www.factorygirl.jp/
「ラフマニノフ ある愛の調べ」http://rachmaninoff.gyao.jp/
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