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映画のなかの人生…Vol.774「エリザベス ゴールデンエイジ」★★★★

発行日時: 2008/2/22

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┃1┃ STORY (観ていないあなたへ)
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新教と旧教に分断された英国を、何とかまとめたエリザベス女王。
しかし新教徒の彼女を疎む旧教の最強国スペインが英国を狙う。
国内では旧教派がいまだに女王の暗殺を謀る。重臣たちはみな、
女王に後ろ盾となる結婚を求め、エリザベスの苦悩は止まない。


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┃2┃ 上映館ミシュラン (観ていないあなたへ)
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日比谷スカラ座ほか、東宝系の各所でやってます。
シネコンでもやっていますが、どこも時間は未定。
あんまり人が入っていないからかな…大作のわりに、
英国や西洋史が分からないと難しい内容のせいでしょうか。

▼日比谷 日比谷スカラ座 
10:30/13:05/15:40/18:15〜20:25(終)

▼有楽町 日劇PLEX 
20:15〜22:25(終)

▼新宿(歌舞伎町) 新宿東亜興行チェーン 
2/23(土) 10:40/13:00/15:20/17:40/20:00/22:15/0:30/2:45〜4:50(終)
2/24(日)〜 10:40/13:00/15:20/17:40/20:00〜22:05(終)

▼渋谷 渋東シネタワー 
11:00/13:35/16:10/18:45〜20:55(終)

▼品川 品川プリンスシネマ 
〜2/24(日) 9:30/12:10/15:10/18:00/20:30〜22:35(終)

▼お台場 シネマメディアージュ 
〜2/24(日) 11:50/14:50〜16:55(終)

以下の劇場の公開時間は、直接劇場へお問い合わせ下さい。
▼豊洲 ユナイテッド・シネマ豊洲 
▼六本木 TOHOシネマズ 六本木ヒルズ 
▼新宿 新宿バルト9 
▼池袋 池袋HUMAXシネマズ4 
▼東武練馬 ワーナー・マイカル・シネマズ板橋 
▼豊島園 ユナイテッド・シネマとしまえん 


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┃3┃ Review (観おわったあなたへ)
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【ポイント】★★★★

<内訳>
テーマ   :★★★★★
ストーリー :★★★
キャスト  :★★★★★
スタッフ  :★★★★

>テーマ ★★★★★<
神の支配の名の下に争う人間の愚かさを示した前作を広げて、
神の支配から逃れようと努める女王の懸命さに、胸を打たれる。

>ストーリー ★★★<
暗殺の陰謀や、はかない恋物語を絡めて、エピソードは雑多だが、
時にサスペンス、時にロマンティックな展開には興味を惹かれる。

>キャスト ★★★★★<
さすがケイト・ブランシェット。出世作のテーマを的確に理解し、
今作でも女王が何に苦しみ、何を求めているのかを演技で示す。

>スタッフ ★★★★<
前作に多用された上空からの視点に代わり、光と闇の加減を使い、
神の支配と人の支配に、明確なコントラストをもたらしている。

>総評 ★★★★<
続編として、期待に違わぬ出来でした。
しかも、ただ前作を焼き直すわけではなく、
新たにテーマを掘り起こし、新たに演出して見せた。

歴史物なので、どうしてもエピソードが増え、
雑多になってしまう点は否めないものの、
上記のように、テーマに応じた工夫が組まれ、
最後まで見おわったときに、なるほどと思います。

ただ、当時の歴史情勢は、あらかじめ理解しておきたいもの。
前作をご覧になるか、公式サイトでお勉強を。
きっとこの映画、スペインでは公開されないような…。


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┃4┃ Column (観おわったあなたへ)
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人が人による支配を受け入れてから久しい。
しかし、そこには大いなる苦悩があっただろう。

かつては、神による支配が受け入れられていた。
国王は宗教を利用して、国を支配した。
だから、国王の宗派=神が変わるたびに、
異なる宗派の人々と、争うことになった。

どんな宗教の人でも、仲良くしよう。
宗派をめぐる、宮廷内外の抗争に、
若いときから苦しんできたエリザベス。
彼女は女王に就くと、信教の自由を掲げた。

ところが、それは同時に、
神の支配からの脱却でもある。

エリザベスは、これまで神が司っていた、
カリスマ、威光、公平性、絶対性などを、
すべて自らが、示さなければならなかった。

それでも、エリザベスは神ではない。
エリザベスは、1人の人間、女性である。

宮廷の外の世界に、胸を躍らせる。
しかし、彼女が飛び出すことはできない。
神は細部ではなく、全体を見なければ。

内紛に苦しんだ王女として、内紛に反対する。
しかし、彼女が自ら法を破ることは出来ない。
神が自ら定めた約束を、裏切ってはならない。

1人の女として、結婚を求められる。
しかし、彼女は結婚するつもりもない。
神は特定の誰かではなく、国民全てを愛する。

それでも、1人の女性として、誰かを愛する。
しかし彼女は、特別に誰かを愛せないのだ!
分かるだろう?それが人が人を支配すること。
自分が絶対的な存在として、認められる証なのだ!

大いなる矛盾をうちに秘めながら、
エリザベスは人としての本能に、
苦しみ、惑い、自らに絶望すら覚える。

時には占いを頼り、時には禁断の愛を夢みる。
それでも、自らの全てを投げ打ってでも、
彼女は女王たらんとした。それはなぜか?

彼女は、この国の人々を愛したからだ。
この国のすべての人々を守ることは、
自らの人生よりも価値があると決意したのだ。

例えどんなに、絶望的な状況でも、
神の支配に引き戻そうとする敵がいようと、
彼女は決してあとには引かず、戦う決意だ。

確かに、彼女はたった1人のか弱い人間で、
時には愚かで、時には過ちを犯し、時には絶望する。
しかし、神の支配に時代を戻し、そのせいで、
罪なき人々が信教のために殺し合うのは、もう沢山!

こんな愚かな人間でも。
人が人の世界を支配し、世界を作らなければ。
彼女は、自分自身の人間性と引き換えに、
輝かしい時代を、人々とともに作り上げたのだ。

2008/2/21 ヒューマックスシネマズ池袋にて。


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┃6┃ 次回予告 ほか
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その他、筆者からのお知らせなどなど。


★次回予告「アニー・リーボヴィッツ レンズの向こうの人生」…

有名人を次々と撮影してきた、写真家アニー・リーボヴィッツ。
彼女の奔放な人生と、撮影時のパフォーマンス、そのポリシーを、
オノ・ヨーコ、キース・リチャーズら、撮影されてきた人々への
数多くのインタビューを中心にまとめたドキュメンタリーらしい。

で、次回もお楽しみに。次回は来週火曜の予定。
http://annie.gyao.jp/


★今後の予定など………………………………………………………

来週以降は、とりあえず以下のような予定。
お気づきのとおり、例によってこの時期は忙しく、
あまり映画を観る時間がないのですが、話題作はいっぱい!

何てったって、ウォン・カーウァイ監督の新作、
「マイ・ブルーベリー・ナイツ」が公開されます!
アメリカでの撮影!主演はノラ・ジョーンズ!
新たなるウォン・カーウァイの挑戦が楽しみです。

他にも、コーエン兄弟がまたも殺人鬼を描いて、
オスカー戦線に生き残っている「ノーカントリー」や、
スサンヌ・ベアがついにアメリカで撮影したという、
「悲しみが乾くまで」など、面白そうな映画だらけ。

というわけで、これからもお楽しみに。

「いつか眠りにつく前に」http://www.itsunemu.jp/
「地上5センチの恋心」http://www.chijou.jp/
「4ヶ月、3週と2日」http://www.432film.jp/
「ライラの冒険」http://lyra.gyao.jp/
「スルース」http://www.sleuth.jp/
「ノーカントリー」http://www.nocountry.jp/
「ジェリーフィッシュ」http://www.jellyfish-movie.com/
「マイ・ブルーベリー・ナイツ」
http://www.blueberry-movie.com/
「悲しみが乾くまで」
http://www.kadokawa-pictures.co.jp/official/things_we_lost_in_the_fire/


 
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ペンネーム : Ak.

  • 年間100本以上の映画を観ている作家のたまご。良い物語と、生き方を考えさせるテーマを求めて、今日も映画館に足を運びます。もう1000本以上も観ているんですけどね…。

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