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映画のなかの人生…Vol.772「歓喜の歌」★★★

発行日時: 2008/2/15

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┃1┃ STORY (観ていないあなたへ)
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小さな町の公営ホールで、大みそかにダブルブッキングが発生。
2つのママさんコーラスは、お互いに時間も日付も譲らないまま。
いい加減が性分の担当者は、個人的なトラブルも抱えながら、
何とか状況を打開すべく、あちこちへと振り回されるのだが…。


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┃2┃ 上映館ミシュラン (観ていないあなたへ)
┻━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

有楽町を始め、渋谷、新宿、お台場でやってます。
私は昼過ぎに行きましたが、それなりの入りだったので、
この映画も、週末は少し混むかも知れません。

昨日の本誌でもお伝えしたとおり、
シネカノンの水曜日は、男女ともに1000円なので、
早く行かないと、満席になってしまうかも。

▼有楽町 シネカノン有楽町1丁目 
10:45/13:20/16:00/18:40〜20:50(終)

▼渋谷 アミューズCQN 
11:15/13:50/16:25/19:00〜21:05(終)

▼新宿 新宿ガーデンシネマ 
10:30/13:15/16:00/18:45〜20:55(終) 

▼お台場 シネマメディアージュ 
〜2/22(金) 15:30〜17:35(終)


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┃3┃ Review (観おわったあなたへ)
┻━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

【ポイント】★★★

<内訳>
テーマ   :★★★
ストーリー :★★★
キャスト  :★★★★
スタッフ  :★★★★

>テーマ ★★★<
よくまとまっているが、笑いを求めるのか、感動を求めるのか、
合唱の魅力を引き出すのか、八方美人の内容にも見えてしまう。

>ストーリー ★★★<
個々の場面、人々のやりとりは、落語のエッセンスが生きるが、
物語のリアルなつながりの意味では、展開が遅く感じてしまう。

>キャスト ★★★★<
いい加減な男が、次第に懸命になっていく様子を小林薫が熱演。
安田成美の明るさや、他にも豪華キャストの魅力が満載である。

>スタッフ ★★★★<
落語の面白さを、うまく映像にしたという点では評価できる。
下手に映像化するだけでは、ボロボロになった可能性もあるので。

>総評 ★★★<
いい映画だと思いました。よくまとまってます。
伏線や小道具が、最後になってつながるあたりも。
落語の笑いも、ちょっとした感動も、実際の合唱も。

しかし振り返ったときに、何の映画だか分からないんだな…。
笑えるけれど、大爆笑でもないし。
感動するけど、ちょっとした話だし。
合唱は迫力があるけど、そこがメインでもない。

落語として観ると、いい話、いい話芸に満足できるはず。
しかし、映画としてみたときには、いささか、
テーマを多く持ちすぎているような気がします。
まあ、面白いから、それでいいといえばいいのですが。


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┃4┃ Column (観おわったあなたへ)
┻━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

「ウォーターボーイズ」の頃からだろうか、
新しいスポ根ものが、ちょくちょく流行っている。

男子シンクロに始まって、卓球、俳句、
ブラスバンド、合唱、そしてフラダンス。
野球やサッカーのように、メジャーではなく、
地味なところで頑張る人々に、スポットが当たってきた。

甲子園や国立を目指す物語でもなく、
人々が手を取りあう様子に、注目を集める、
そんな新しい「スポ根」がいまの流行りのようだ。

そこで今回は、ママさんコーラスである。
あの、オバチャンたちが集まっている、あれである。
単なる社交の場でもあるようだが、
もちろん懸命に頑張っているところもある。

別に、有閑マダムだけが集まるわけでもなく、
いまのご時世、パートや育児で忙しいなかを、
必死に時間をとって、やってくる主婦もいる。

もちろん、歌声は素人そのものだが、
彼女たちの集まるパワーは、なかなかである。
その努力と迫力が、感動を伝えていくものだ。

地味なママさんコーラスにも、パワーはある。
努力する者たちは、誰もが美しいからだ。
いい加減だった担当者も、その力に押されたのだ。

一方で、競争としてのスポーツや団体競技は、
もはや、あんまり流行らないのだろうか。
競争のために努力することは、古いことなのだろうか。

昔ながらのスポ根であれば、最後は必ず、
主人公が全国大会で優勝したりする。
でも、そんなところにたどり着けるのは、
ほんの一握りだということを、僕らは知ってしまった。

努力すれば、幸せになれるという言葉が、
せせら笑われる時代になってしまった。
いい学校、いい会社、努力すれば出世する。
そんな古い考えは、バブルとともに弾けていった。

努力したって、勝てないことは分かっている。
だったら、その努力は無駄なんだろうか。
競争すること自体も、本当に無駄なんだろうか。

この映画は、合唱で人々が集まる感動を描く。
もちろん、それもいいな、と思う。いい話だ。
いい話は何度観ても、やっぱりいいと思う。

一方で、捨てられてしまった競争の姿を想う。
世界新記録なんて、絶対出せないと分かっているのに、
なぜかひたすら泳いでいた、自分の高校時代を想う。

母校の水泳部も、志望者が減ってジリ貧状態。
徒競走で、全員に1位をあげる小学校もあるそうな。
小さな感動の物語が、話題を呼んでいく一方で、
忘れられていく何かに、時として僕は哀愁を感じるのだ。

2008/2/15 シネカノン有楽町1丁目にて。


┳━┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃6┃ 次回予告 ほか
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その他、筆者からのお知らせなどなど。


★次回予告「君のためなら千回でも」………………………………

「ネバーランド」のマーク・フォスター監督による新作は、
アフガニスタンを舞台にした感動物語。原作はベストセラー。
内容的には、子ども時代の想い出を描く物語でありながら、
アフガニスタンの厳しい現実も直視した、ヒューマンストーリー。

で、次回もお楽しみに。次回は来週火曜の予定。
http://eiga.com/official/kimisen/


★今後の予定など………………………………………………………

来週のもう1本は、「エリザベス・ゴールデンエイジ」。
前作はケイト・ブランシェットの出世作であり、
今回も同じ監督、同じキャストで撮影した続編。
そして本作でも、彼女はオスカーにノミネートされています。
http://www.elizabeth-goldenage.jp/


以降は、とりあえず以下のような予定。
お気づきのとおり、例によってこの時期は忙しく、
あまり映画を観る時間がないのですが、話題作はいっぱい!

何てったって、ウォン・カーウァイ監督の新作、
「マイ・ブルーベリー・ナイツ」が公開されます!
アメリカでの撮影!主演はノラ・ジョーンズ!
新たなるウォン・カーウァイの挑戦が楽しみです。

他にも、コーエン兄弟がまたも殺人鬼を描いて、
オスカー戦線に生き残っている「ノーカントリー」や、
スサンヌ・ベアがついにアメリカで撮影したという、
「悲しみが乾くまで」など、面白そうな映画だらけ。

というわけで、これからもお楽しみに。

「いつか眠りにつく前に」http://www.itsunemu.jp/
「アニー・リーボヴィッツ レンズの向こうの人生」
http://annie.gyao.jp/
「地上5センチの恋心」http://www.chijou.jp/
「4ヶ月、3週と2日」http://www.432film.jp/
「ライラの冒険」http://lyra.gyao.jp/
「スルース」http://www.sleuth.jp/
「ノーカントリー」http://www.nocountry.jp/
「ジェリーフィッシュ」http://www.jellyfish-movie.com/
「マイ・ブルーベリー・ナイツ」
http://www.blueberry-movie.com/
「悲しみが乾くまで」
http://www.kadokawa-pictures.co.jp/official/things_we_lost_in_the_fire/


 
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ペンネーム : Ak.

  • 年間100本以上の映画を観ている作家のたまご。良い物語と、生き方を考えさせるテーマを求めて、今日も映画館に足を運びます。もう1000本以上も観ているんですけどね…。

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