映画のなかの人生…Vol.771「潜水服は蝶の夢を見る」★★★☆
発行日時: 2008/2/14┳━┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃1┃ STORY (観ていないあなたへ)
┻━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
仕事は順風満帆、カネにも女性にも、何不自由なかった男が、
突然、左目しか動かなくなり、気がつけば病院のベッドの上。
口もきけず、瞬きだけで意思疎通を図ることになった彼は、
しばらく孤独と絶望にさいなまれるが、ある日、決心をする。
┳━┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃2┃ 上映館ミシュラン (観ていないあなたへ)
┻━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
都心では、有楽町、渋谷、新宿での上映です。
まあ、どこもスクリーンは似たようなものかな。
有楽町はできたばかりなので、新しもの好きの方なら。
週末は少し混むかも知れません。
シネカノンの水曜日は、男女ともに1000円なので、
早く行かないと、満席になってしまうでしょう。
▼有楽町 シネカノン有楽町2丁目
〜2/16(土) 10:40/13:30/16:05/18:40/21:10〜23:20(終)
2/17(日) 10:40/13:30/16:05/18:40〜20:50(終)
▼渋谷 シネマライズ
2/15(金) 12:00/14:30/17:00/19:30〜21:40(終)
2/16(土)〜2/17(日) 9:30/12:00/14:30/17:00/19:30〜21:40(終)
▼新宿 新宿バルト9
〜2/15(金) 10:10/14:10/16:30/18:50/0:20〜2:20(終)
2/16(土)〜 時間は直接劇場へお問い合わせ下さい
┳━┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃3┃ Review (観おわったあなたへ)
┻━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【ポイント】★★★☆
<内訳>
テーマ :★★★
ストーリー :★★★
キャスト :★★★★
スタッフ :★★★★★
>テーマ ★★★<
半身不随の男の孤独と絶望が、痛いほど伝わってくるのは分かる。
そこを乗り越えた力が何かを、語りかける変化には、やや欠ける。
>ストーリー ★★★<
モノローグが主体だが、時には皮肉に、時には絶望的に描く情景が、
意外と飽きさせることなく、2時間の場面をつないでいく。
>キャスト ★★★★<
全く身動きがとれない男の孤独を、アマルリッツのモノローグが
繊細に表現している。彼を取り巻く美女たちの表情も印象深い。
>スタッフ ★★★★★<
身動きがとれない、という状況を映画でどのように伝えていくか。
斬新な工夫が随所に凝らされ、感心することばかり。凄い監督だ。
>総評 ★★★☆<
きっと、監督賞を獲るんじゃないでしょうか。
身動きがとれなくなった男の、孤独を引き出すため、
ほぼ全編を男の主観で映し出しつつ、時に回想を挟む。
回想のロマンティックな演出も面白ければ、
身動きがとれない主人公ならではのアングル、
そして孤独なモノローグと、演出が映画を飽きさせない。
なんてことはない、男の絶望と後悔の独白であり、
内容的には、共感しても、印象には薄いのだが、
この監督の手腕は、一度観ておくべきかもしれない。
微妙な評価ですが、3.5ということで。
┳━┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃4┃ Column (観おわったあなたへ)
┻━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
人は、自らが勝ちえたものの価値は知っている。
しかし、与えられたもの価値は分かりづらい。
知識も、経験も、地位も、名誉も、
すべては自分で勝ちえるものである。
自らが苦労して、手に入れるのだから、
手に入れた喜びは大きく、その価値は重い。
だが、もともと持っていた才能や、血筋。
生まれてきた家庭や、育てられた環境。
何よりも、五体満足で生まれてきた身体。
すべては、自らが選んだのではなく、
もともと、与えられていたものである。
だから、人はその価値になかなか気づかない。
ある日、身体が全く動かなくなって。
初めて、人はその価値に気づくのだ。
きれいな女性に、手を伸ばせないもどかしさ。
愛する人を、抱きしめられないせつなさ。
何よりも、誰にも想いを伝えられない孤独。
彼の身体は、潜水服を着たかのように、
深い海の底へと沈み、全く自由にならない。
彼の想いは、誰とも共有されることなく、
一日中、夢と妄想だけが繰り返されていく。
あの時、自分はどれだけ幸せだったか。
自由に、父親と話す時間があったはず。
自由に、恋人と眠る時間があったはず。
何よりも、妻と、子どもたちと一緒に、
幸せを分かち合える時間が、あったはずなのに。
何にも気づかなかったのだ。
与えられた幸せの価値に。
失うまで、気づくことができなかった。
後悔してからでは、遅すぎた。
自由気ままに、好き勝手なことをして、
きっと多くの人を傷つけ、失ってきた。
もっと早く気づいていたなら。
しかし、それでも与えられたものの価値に、
何の苦もなく、最初から持っていた幸せに、
気がつくことは、人には難しいことなのだ。
2008/2/14 渋谷シネマライズにて。
┳━┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃6┃ 次回予告 ほか
┻━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
その他、筆者からのお知らせなどなど。
★次回予告「歓喜の歌」………………………………………………
落語家が映画になることはあっても、実際の落語が映画になる、
ってことは少ないです。しかも今回は、立川志の輔の創作落語。
年末になると歌われる恒例の合唱ソングと、会場をめぐって、
七転八倒の大喜劇になっているらしい。落語の笑いが伝わるか?
で、次回もお楽しみに。次回は明日金曜の予定。
http://www.kankinouta.com/
★今後の予定など………………………………………………………
来週は、「エリザベス・ゴールデンエイジ」が来ますね。
前作はケイト・ブランシェットの出世作であり、
今回も彼女は、オスカーにノミネートされています。
「君のためなら千回でも」http://eiga.com/official/kimisen/
「エリザベス・ゴールデンエイジ」http://www.elizabeth-goldenage.jp/
というわけで、これからもお楽しみに。
このメルマガを読んでいる人はこんなメルマガも読んでいます
- サッカー日本代表ネットワーク・メールマガジン
- 日本代表やJリーグを中心とした国内外のサッカー情報を 毎日お届けします。 WEB版日本代表ニュースを中心に編集します。
- ホントに面白い映画はコレだ! 今週の映画瓦版
- プロの映画批評家が編集発行する週刊メールマガジン。毎週公開される映画を独自の視点からランキング。充実したDVD情報も好評です!
- 週刊アカシックレコード
- 02年W杯サッカー韓国戦の「誤審」を世界で唯一「前日」に誌上予測し、誤審報道を「常識化」した推理作家(金正日の「遺書」で始まる「中朝戦争」後の北朝鮮...
- 宮崎正弘の国際ニュース・早読み
- 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析
- こんな映画は見ちゃいけない!
- 映画批評系メルマガで読者数No.1! プロの編集者が簡潔な文章と的確な表現で書き下ろす「1分で読める新作映画批評」です。映画紹介だけのメルマガにはな...
![メルマガスタンド[メルマ!]](/img/common/melma_logo.gif)








