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映画のなかの人生…Vol.770「ラスト・コーション」★★★

発行日時: 2008/2/8

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┃1┃ STORY (観ていないあなたへ)
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日中戦争下の上海。対日協力を進める南京政府の要人宅には、
女スパイが潜み、暗殺の機会を待っていた。彼女は学生時代に、
すでに要人宅に潜入経験があり、関係も保ってきていたのだ。
彼女は身体を捨ててまで、彼に惚れ込み、任務を遂行していた。


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┃2┃ 上映館ミシュラン (観ていないあなたへ)
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単館系では日比谷シャンテ、渋谷、池袋、
シネコンは新宿と台場だけですね。

だいぶ混んでいると思います。
特に日比谷。すごい混雑の予感。
シネコンはこういうときに、予約できていいですよね。
いちおうシャンテのサイトも、ご参考までに。
http://www.chantercine.com/schedule/

そうそう、18歳未満は入場禁止です。R-18作品。

▼日比谷 シャンテ シネ 
9:15/12:30/15:45/19:00〜21:55(終)

▼渋谷 ル・シネマ 
10:10/13:20/16:30/19:40〜22:35(終)

▼池袋 シネ・リーブル池袋 
10:00/13:05/16:10/19:15〜22:05(終)

▼新宿 新宿バルト9 
2/9(土)〜 時間は直接劇場へお問い合わせ下さい

▼お台場 シネマメディアージュ 
2/9(土)〜 11:20/14:40〜17:30(終)


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┃3┃ Review (観おわったあなたへ)
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【ポイント】★★★

<内訳>
テーマ   :★★★★
ストーリー :★
キャスト  :★★★★
スタッフ  :★★★

>テーマ ★★★★<
自らの貞操を賭けた任務と、自らの身体を捧げてしまった愛情と、
2つの狭間が次第に見えなくなっていく女の惑いが、よく分かる。

>ストーリー ★<
青春物語の前半は、あまりに冗長かつ幼稚で、観ていて疲れる。
後半も、もっとスパイの狙いを示して、緊迫感を出せたはず。

>キャスト ★★★★<
体当たりのラブシーンを演じる主演女優も、トニー・レオンも、
まるで二人だけの世界で生きているような、後半は引き込まれる。

>スタッフ ★★★<
アン・リーはリドリーと似ている気がする。場面をきちんと作る。
本作では、ダイヤやコロンなどの「女性」の部分に気配りがある。

>総評 ★★★<
疲れました。主人公の女性と一緒に悩んだ気分。

物語は、前ふりとなる青春時代が恐ろしく長く、
前後半で1本ずつ、あわせて2時間半を超えたパターン。
しかし焦点は、後半の性愛と任務に揺れる部分だけ。

長いラブシーンが、彼女の戸惑いを象徴しているので、
単に興味本位の場面には、なっていないと思います。
ただ、他に面白いところが、あまり見あたらないな…。

同じく性愛を扱った映画に「9songs」がありますが、
これが、真正面から男女の愛に向き合ったのに対し、
本作は、社会を生きる中での性愛を考えさせるものです。
この意味では、とても興味深い。これについては次項。

「9songs」
http://www.lares.dti.ne.jp/~espoir/shokai2005/20050503.htm


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┃4┃ Column (観おわったあなたへ)
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誰かを愛するという行為は、
いま、とても複雑になっている。

愛する人とは、結婚することになっている。
ひとりの人を、選ぶことになっている。
子どもたちと、家族を作ることになっている。
別れるということは、経済的にも精算が必要になる。

それが、戦争中ともあればなおさらである。
同じ中国人でも、敵味方に分かれていた時代。

愛する人が、敵だったならば。
それも、最も憎い宿敵だったならば。
そして、暗殺すべき相手だったならば。

要人暗殺の任務を帯びたスパイの女。
抗日に燃える運動家でもないのに、
彼女は南京政府の要人に近づく。

すべては学生時代の、愛のために。
その愛のために、彼女は操も捨てた。
危険を冒し、任務に全てを捧げた。
任務のために、敵をも愛してしまった。

いつか、ばれて殺されるかも知れない怯え。
いつか、彼に嫌われるかも知れない寂しさ。
いつか、彼を殺さなければならない憎しみ。

どんな気持ちで、彼に抱かれればいい?
どんな気持ちで、彼を愛すればいい?
どんな気持ちで、彼を待てばいいのか?

愛する男と、最も複雑な立場で向き合う女。
でも、抱かれてしまえば答えはひとつだ。
私は彼を愛し、欲望に溺れていくだけ。
彼も私を愛し、欲望に溺れているだけ。

セックスは物事を、恐ろしく単純にしてしまうのだ。
どんなに複雑な愛も、簡単にしてしまうのだ。
抱くか、抱かないか、全てを二択にしてしまうのだ。
あいまいなはずの愛の結論を、明確にしてしまうのだ。

だから、彼女はひたすら抱かれている。
でも、最後に自分の立場に向き合ったとき。
相手が本当に、自らを愛していると知ったなら。

彼女は自らの心を裏切れないだろう。
愛する人を裏切る心を持って生きるほど、
彼女は最後まで、汚れきることはできなかったのだ。

2008/2/7 シネリーブル池袋にて。


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┃6┃ 次回予告 ほか
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その他、筆者からのお知らせなどなど。


★次回予告「潜水服は蝶の夢を見る」………………………………

今年のオスカー外国語映画部門にノミネートされたフランス映画。
雑誌編集者の男が、事故によってまばたきしかできなくなり、
それでも家族や周囲の理解と協力で、生き続けていく物語です。
その壮絶な生き様は実話で、この原作は彼がまばたきで書いた物。

で、次回もお楽しみに。次回は来週火曜の予定。
http://chou-no-yume.com/


 
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ペンネーム : Ak.

  • 年間100本以上の映画を観ている作家のたまご。良い物語と、生き方を考えさせるテーマを求めて、今日も映画館に足を運びます。もう1000本以上も観ているんですけどね…。

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