映画のなかの人生…Vol.767「ハーフェズ ペルシャの詩」★★
発行日時: 2008/1/31┳━┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃1┃ STORY (観ていないあなたへ)
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詩人にして、経典の暗唱者=ハーフェズとなった男が、ある日、
大師の娘に音読を教えに行く。その美しさに惹かれてしまい、
彼は自らを戒めようとするが、その後も不運が重なった挙げ句、
彼は地位も名誉も家族も奪われ、やがて放浪の旅に出て行く。
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┃2┃ 上映館ミシュラン (観ていないあなたへ)
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東京都写真美術館ホールでの単館上映です。
意外と入っていましたから、直前になると、
好きな席には座れないかも、といった具合。
ここは月曜が休館なので、お忘れなく。
▼恵比寿 東京都写真美術館ホール
10:20/12:30/14:40/16:50/19:00〜20:48(終)
※ 月曜休館
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┃3┃ Review (観ていないあなたへ)
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【ポイント】★★
<内訳>
テーマ :★★
ストーリー :★
キャスト :★★★
スタッフ :★★★
>テーマ ★★<
きっとクルアーンと教義に絡む何らかのことを訴えているのだが、
イスラム教と関わりのない人には、何の話だか最後まで意味不明。
>ストーリー ★<
物語は前半こそカタチを成しているが、後半に進むに従って、
次第に支離滅裂になり、ラストに至っては全く理解できない。
>キャスト ★★★<
主人公のハーフェズは、まるでメシアのように無言で苦難を負い、
痛々しいのが逆に怖いほど。麻生久美子は、ちょい役でした…。
>スタッフ ★★★<
内容はともかく、イラン辺境部の現状を美しく描きながらも、
宗教による支配を、少し皮肉りながら捉えているのは興味深い。
>総評 ★★<
イスラム教バージョンの「パッション」に見えました。
厳格な宗教統制下にある社会のなかで、愛を求め、
罪を宣告され、罰を受け、救いを求め旅する男。
途中で雨を降らせたり、パンを与えたりと、
まるで新約聖書のような物語が展開されます。
物語はやがて破綻していきますが、何やら意味深です。
舞台となるのは都市ではなく、イランの辺境部。
どこまでも続く高原と砂漠、土作りの簡素な住宅、
そこでの貧しい暮らしと、人々の姿が興味深いです。
物語はさておき、イランをまるで旅した気分になります。
しかし肝心の麻生さんがちょい役なのは、
詐欺というか、偽装だと思いますが…
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┃4┃ Column (観おとわったあなたへ)
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国語の教科書には、詩のページがある。
書いてある内容は、さっぱり分からない。
しかし、当時に暗唱させられた内容は、
たまに脳裏によみがえり、口ずさむことがある。
すると、意外に内容が分かるときがある。
ふるさとを思う気持ち、母を思う気持ち、
そして、愛する人との恋を願う気持ち。
人生を歩んでみたときに、初めて、
詩というものは、意味が分かり、
価値を生むものなのだろう。
この映画で、男が丸暗記していた、
イスラム教の経典も、同じだろうか。
ただ、覚えているだけでは意味がない。
教えに従っているだけでは意味がない。
愛する人を守るため、生きるために、
それは使わなければ、ならないのだろう。
祝宴でも酒が禁じられ、密告がなされ、
次々と人々が陥れられている社会。
宗教の権威者たちばかりが偉くなり、
一般の人々の身動きがとれない世界。
丸暗記だけだったハーフェズの言葉に、
彼は詩人として、意味を見いだし、
最後にはその言葉の価値を探し出す。
鏡の中に、さまざまな人々を映しながら、
その人のために、何が出来るのかを問う。
教えのために、愛を捨てるのではなく、
愛のために、教えはあるはずだと気づく。
意味が分からなかった言葉の羅列に、
初めて意味があると分かるのは、
人生をある程度、歩んでからである。
だから、覚えさせられたんだなあ。
何にも知らなかった頃のことが懐かしく、
そして月日の流れを、感じる瞬間である。
2008/1/31 東京都写真美術館ホールにて。
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┃6┃ 次回予告 ほか
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その他、筆者からのお知らせなどなど。
★次回予告「フローズンタイム」……………………………………
イングランドのファッション写真家だったショーン・エリスが、
4年前に短編映画を作成したところ、絶賛を受け、長編作品に。
それがこの映画、ということで、どちらかというと芸術系の内容、
そしてイングランドっぽく皮肉めいたラブストーリー、らしい。
で、次回もお楽しみに。次回は明日金曜の予定。
http://www.frozen-time.jp/
★今後の予定など………………………………………………………
さて2月は、以下のような予定。
オスカーのノミネート作品が増えましたね。
しかし、オスカー俳優揃い踏みの
「アメリカン・ギャングスター」は、
ほとんどかすりもしませんでした。
まあ、常連ばかりだからかなあ。
「潜水服は蝶の夢を見る」はフランスの代表作品。
いろんなところでこの映画は評判が高い。
また「エリザベス・ゴールデンエイジ」は、
前作がケイト・ブランシェットの出世作であり、
今回もオスカーにノミネートされています。
「ラスト・コーション」はアン・リー監督の、
カンヌ受賞作なわけですが、話題の「官能的な演出」が、
果たしてどこまで中国で実現したのか、気になりますね。
というわけで、これからもお楽しみに。
「アメリカンギャングスター」http://americangangster.jp/
「ラスト・コーション」http://www.wisepolicy.com/lust_caution/
「ミスターロンリー」http://misterlonely.gyao.jp/
「歓喜の歌」http://www.kankinouta.com/
「潜水服は蝶の夢を見る」http://chou-no-yume.com/
「君のためなら千回でも」http://eiga.com/official/kimisen/
「エリザベス・ゴールデンエイジ」http://www.elizabeth-goldenage.jp/
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