映画のなかの人生…Vol.762「レンブラントの夜警」★★
発行日時: 2008/1/21┳━┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃1┃ STORY (観ていないあなたへ)
┻━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
最盛期の17世紀オランダ。著名な肖像画家であるレンブラントは、
実はその絵の中に、つねに批判を込めていた。ある日、自警団の
肖像画を依頼された彼は、団員たちの横暴さ、悪党ぶりを見抜き、
その全てを肖像画のなかに込めようと画策するが、その結末は…。
┳━┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃2┃ 上映館ミシュラン (観ていないあなたへ)
┻━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
新宿テアトルタイムズスクエアでの単館上映です。
なぜか恐ろしいほど混んでます。
週末は1時間前に来ても、満席だったり。
ここは水曜が、男性も女性も1000円ですが、
相当早めに来ないと、いい席はとれないかも。
▼新宿 テアトルタイムズスクエア
10:30/13:30/16:30/19:30〜22:10(終)
┳━┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃3┃ Review (観ていないあなたへ)
┻━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【ポイント】★★
<内訳>
テーマ :★
ストーリー :★
キャスト :★★★
スタッフ :★★★
>テーマ ★<
絵画を愛する人のために、監督の自由な解釈が乱れ飛ぶ映画。
批評はレンブラントの実像や時勢にまで及ぶが、とりとめがない。
>ストーリー ★<
物語はあっちこっちへと飛び回り、登場人物も数多いために、
途中で諦めて寝る客多数。さすがに両脇に寝られるとちょっと…。
>キャスト ★★★<
レンブラントと美しい女性たち、そして悪党のような男たち、
彼らは冒頭から演劇的に配されていて、うまく立ち回っている。
>スタッフ ★★★<
レンブラントの画風のように、暗い舞台に光を使った演出は多彩。
何が何だか分からないが、彼が
>総評 ★★<
正直言って、よく分かりませんでした。
映画の中身も、この映画が満席なのも…。
話の展開は、下手すると支離滅裂とさえ言える2時間強で、
登場人物も多く、私の周囲はほとんど寝静まってしまい。
ここまで観客の期待を裏切った映画も珍しいのでしょう。
内容的にも、レンブラントが時の人々を批評していた、
という監督の評価や、その絵に対する考え方、
当時隆盛を極めたオランダへの風刺、といったものが、
次々と散乱していき、観客は自分で整理しなくちゃなりません。
そもそも、グリーナウェイの映画なんてものは、
そういうことを了解し、それができるような、
そんな一部の好きな人が観ればいい映画なのに、
こんなに多くの人々を集めてしまったのが失敗でしょう。
逆を言うと、本当に画家ものの映画って集まるんだよなあ。
なぜか年配にウケるんだよなあ。
傑作は本当に、少ないんですが…。
┳━┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃4┃ Column (観おとわったあなたへ)
┻━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
批評というのは、実に難しい仕事である。
創作家や芸術家たちは、批評家を煙たがる。
「奴らは、人をけなして生きているんだ」と。
実際、そういう輩も多いことは、確かである。
しかし、それでも批評というジャンルは、
昔から存在していて、今日も重宝している。
それは、やはり社会が批評を必要としているからだろう。
よく分からない人に、作品の良さと問題を、
きちんと説明して、芸術を提供することは、
何も知らない人に、新たな発見を与えることができる。
何も知らずに、ただ何らかの大作を観て、
「すごい」とか「さすがだ」とか言っても、
自慢のタネにはなるが、成長の糧にはならない。
そのうち、忘れてしまうのがオチである。
レンブラントは肖像画家であり、批評家だったという。
肖像画は、本当は美しい自分を遺すためのものだ。
自分が立派だと広めるための、一方通行なアイテムだ。
しかし、レンブラントはそこに道をつくった。
観る側から、解釈できるような肖像画にしたのだ。
描かれた人物の、風貌を忠実に描いているようで、
一方で、彼らの実態を表情から推測できるようにした。
双方向であってこその絵画であり、芸術だから。
彼は依頼主の代弁者ではなく、
自らが芸術家になりたかったのだ。
しかし、そこには問題があった。
彼はそれでも、肖像画家だった。
それは依頼主があってこそのもので、
彼は批評の対象から、金銭をもらっていたのだから。
お金をもらってしまっては、批評は成り立たない。
それは、絵画の世界に限らず、どこでもそうである。
小説でも、スポーツでも、もちろん映画でも。
批評の対象から金銭が入るなら、批判はできなくなるだろう。
もちろん、それでも相手に受け入れられるかたちで、
きちんと批判ができるなら、喜ばしいことなのだが。
残念ながらそんな才能を持っている人は少ない。
批評家は常に、大きな矛盾を抱えて生きている。
私も、映画からは一銭も稼いでいないが、
もしもお金をもらっていたら、どうなるだろう。
本誌に専念できるのは喜ばしいが…いや、
やはり私は、それでも自由に書くことを選ぶだろう。
2008/1/19 新宿テアトルタイムズスクエアにて。
┳━┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃6┃ 次回予告 ほか
┻━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
その他、筆者からのお知らせなどなど。
★次回予告「シルク」…………………………………………………
日本人のハリウッド進出が盛んになって久しいですが、いっそ、
日本映画も向こうと組んでみましょう、というのがこの映画。
カナダ、イタリアと組んで、キーラ・ナイトレイを主演に迎え、
日本人俳優たちもワンサと出演します。まあ、問題は中身ですが。
で、次回もお楽しみに。次回は水曜の予定。
http://www.silk-movie.com/
★今後の予定など………………………………………………………
今月はあと、以下のような予定。
何てったってティム・バートン監督が、
またもやジョニー・デップに刃物を持たせます。
この「スウィーニー・トッド」が最大の話題作でしょうね。
個人的には、「28日後…」の続編?
「28週後…」も気になりますが。
「スウィーニー・トッド」http://wwws.warnerbros.co.jp/sweeneytodd/
「28週後…」http://www.28weekslater.jp/
「ハーフェズ ペルシャの詩」http://www.bitters.co.jp/hafez/
「人のセックスを笑うな」http://hitoseku.com/
「ヒトラーの贋札」http://www.nise-satsu.com/
「アメリカンギャングスター」http://americangangster.jp/
というわけで、これからもお楽しみに。
このメルマガを読んでいる人はこんなメルマガも読んでいます
- サッカー日本代表ネットワーク・メールマガジン
- 日本代表やJリーグを中心とした国内外のサッカー情報を 毎日お届けします。 WEB版日本代表ニュースを中心に編集します。
- ホントに面白い映画はコレだ! 今週の映画瓦版
- プロの映画批評家が編集発行する週刊メールマガジン。毎週公開される映画を独自の視点からランキング。充実したDVD情報も好評です!
- 週刊アカシックレコード
- 02年W杯サッカー韓国戦の「誤審」を世界で唯一「前日」に誌上予測し、誤審報道を「常識化」した推理作家(金正日の「遺書」で始まる「中朝戦争」後の北朝鮮...
- 宮崎正弘の国際ニュース・早読み
- 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析
- こんな映画は見ちゃいけない!
- 映画批評系メルマガで読者数No.1! プロの編集者が簡潔な文章と的確な表現で書き下ろす「1分で読める新作映画批評」です。映画紹介だけのメルマガにはな...
![メルマガスタンド[メルマ!]](/img/common/melma_logo.gif)








