【映画とは、人生を2時間で切り取るものだ】。そんな視点からつづる、1000文字の映画コラム。いろんな映画をきっかけに、生き方について考えてみませんか。ありふれた日常のなかで、答えを探すあなたに、ぜひ。
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映画のなかの人生…Vol.751「ベオウルフ(3D版)」★★★☆
発行日: 2007/12/4
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☆ ★ ☆ 映画のなかの人生、映画のような人生。 ★ ☆ ★
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【映画とは、人生を2時間で切りとるもの】
映画が魅せる、人間のやさしさ、弱さ、強さを、いっそう鮮烈に、
そしてもっと映画を観たくなる、ひと味違うメールマガジン。
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Vol.751「ベオウルフ(3D版)」★★★☆ 2007.12.4(火)
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【1】STORY
王国を荒らす謎の巨人を退治に来た、勇士ベオウルフだが、
怪物には母親がおり、勇士を未知なる世界へと誘い出す。
【2】Michelin
都心での3D上映は新宿バルト9のみ。とても混んでいる。
【3】Review
まるでジェットコースターに乗っているような気分。酔う。
【4】Column
伝説は終わり、平等の時代は来たが、英雄に終わりはない。
____________________________________________________Beowulf
DVDが家庭に普及し、ブルーレイまで登場してきた昨今、今後の
映画館の強みとして、3D映画が注目されているんだそうです。
この映画は、その3Dに挑戦したアクション映画。豪華キャストに
監督はロバート・ゼメキス。果たして3Dは本当に成功するのか?
<オフィシャルサイト>
http://wwws.warnerbros.co.jp/beowulf/
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┃1┃ STORY (観ていないあなたへ)
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中世のデンマーク。宴会の途中で、謎の巨人による虐殺が発生。
噂を聞いた勇士ベオウルフは、部下とともに怪物退治に来るが、
怪物には妖艶な母親がおり、沼地の奥深くで彼を待っていた。
ベオウルフは彼女も討伐しようと、単身乗り込んでいくのだが…。
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┃2┃ 上映館ミシュラン (観ていないあなたへ)
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通常版は、けっこうどこでもやってるようですが、
3D版は、新宿でしかやっていないようです。
どうせなら3Dで観たいですよねー。
おかげで週末は満席でした。
バルト9はオンライン予約もできるので、
サイトの方を参考にしてみてください。
http://wald9.com/
▼新宿 新宿バルト9
〜12/7(金) 10:00/12:25/14:50/17:15/19:40/22:05/0:30〜2:35(終)
12/8(土)〜 時間は直接劇場へお問い合わせ下さい
▼東武練馬 ワーナー・マイカル・シネマズ板橋
〜12/7(金) 10:50/13:25/16:00/18:50/21:25〜23:30(終)
12/8(土)〜 時間は直接劇場へお問い合わせ下さい
▼大泉学園 T・ジョイ大泉
〜12/7(金) 9:30/11:55/14:20/16:50/19:15/21:40〜23:45(終)
12/8(土)〜 時間は直接劇場へお問い合わせ下さい
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┃3┃ Review (観ていないあなたへ)
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【ポイント】★★★☆
<内訳>
テーマ :★★
ストーリー :★★★
キャスト :★★
スタッフ :★★★★★
>テーマ ★★<
権力の誘惑を軸に、父と子の絆や、キリスト教的世界観の広がり
など、いろいろとテーマがバラつくが、絞り込みや深みに欠ける。
>ストーリー ★★★<
物語としては単純だが、逆を言うとアクションをうまく引き出し、
エンターテイメントに徹しているということ。簡単で正解かも。
>キャスト ★★<
CGが役者の風貌まで書き換えてしまっており、「シュレック」
のようになっている。やはり微細な表情が表現できないのは確か。
>スタッフ ★★★★★<
3D映像の迫力を、どのように引き出すかが考えられた演出。
迫り来る木々や無数の矢、空を飛ぶ映像が感覚を狂わせていく。
>総評 ★★★☆<
見事な3D映画だと思います。話のタネにはなる。
最初のうちは、慣れません。
せっかく名優達が揃ってる映画ですが、
CG加工で、みんなアニメキャラに見えてしまい、
とてもガッカリしながら、30分ほどは経過します。
しかし、戦闘シーンが始まると状況は一変。
映像の迫力に、観ているだけで振り回されます。
まるでジェットコースターのように、スリル満点。
見おわると、どっと疲れが。すっかり酔いました。
おかげで、物語が深いのか何なのか、
そんなことはそっちのけ、迫力に押されて終わりました。
映像だけではなく、妙にマッチした音響も印象的。
ただ、従来の映画を楽しみたい方には、期待はずれかな。
DVDも普及した昨今、確かに新しい映画館のあり方として、
こういうのもありなのかな、と感慨深いものがありました。
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┃4┃ Column (観おとわったあなたへ)
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文書はほとんど残らず、すべてが伝説の時代。
人々は吟遊詩人の口伝で、英雄の生涯を伝え聞いた。
どの王国にも、英雄の叙事詩があって、
王国を治めているのは、誰もが英雄であった。
どこまでが真実で、どこからが見栄なのかは、
誰も証明できない、文書のない時代。
しかし、本当に国王は英雄だったのか?
なぜ、英雄は国王になったのだろうか?
最初、ベオウルフは、ただの勇士であった。
インチキ臭い武勇伝を身にまとった男だった。
それが怪物を成敗し、宝物を手にして名を馳せた。
もっと富が欲しい。勇士ならそう思っただろう。
もっと権力が欲しい。男ならそう思っただろう。
もっと名誉が欲しい。それが英雄というものだ。
斯くして、彼は英雄になり、国王となった。
国を治め、敵を退け、より富を稼ぎ出した。
名誉はいよいよ高まり、叙事詩は知れ渡った。
一介の男は、英雄となり、国王となった。
もっと、全てを手に入れたい欲望に冒され。
その代わり、彼は身近な幸せを全て捨てた。
彼は妻の身代わりに、欲望と交わったのだ。
欲望と彼の間に生まれた息子は、
とんでもない化け物ばかりだった。
それは彼の富を望み、彼の権力を望み、
彼の名誉を妬み、そして彼の敵となった。
かつての国王が、そうであったように。
かつての英雄が、産み落としてきたように。
英雄は家族と、身近な幸せを捨てて生きたのだ。
叙事詩はさまざまな英雄譚を伝えている。
王国を治めている男が、いかに素晴らしかったか。
英雄の偉大さは、すなわち王国の偉大さでもあった。
しかし、そこからは1人の人間としての、
孤独な生き様は、すべて削り取られてしまった。
忠実な部下さえ、本人の目の前で否定したように。
やがて王国を治める人間は、1人ではなくなっていく。
キリスト教の世界観は、人間の平等を解いた。
王国は解体され、最終的には民主主義にたどり着く。
英雄の墓標には十字架が立てられ、そして消えていった。
この映画は、斯くして英雄は消えたと説く。
誰もが平等になり、国を治めるのは人間で、
1人の偉大なカリスマではなくなってきたのだ。
だが、果たして英雄はいなくなっただろうか。
人々は、それでも政治家に武勇伝を求めていないか。
オリンピックに、W杯に賭けられる国の名誉と、
そこで戦う人々の姿に、それでも人々は時に酔いしれる。
例え、伝説の時代が終わり、新たな世の中が来ても、
人々の欲望の正体が、変わらないからだろう。
その欲望は、いまも沼地の奥で、人生を捨てても、
栄光を求める人々の来訪を、怪しく待ちかねているのだ。
2007/12/2 新宿バルト9にて。
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┃5┃ 次回予告 ほか
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その他、筆者からのお知らせなどなど。
★次回予告「サラエボの花」…………………………………………
昨年のベルリン金熊賞を獲得した旧ユーゴスラヴィアの映画。
サラエボと言えば、多くの監督が戦争映画の舞台にしましたが、
今回は、現地のボスニア人の手によって作られているもの。
より、戦争のリアリティと悲しみを表現していることでしょう。
で、次回もお楽しみに。次回は金曜の予定。
http://www.saraebono-hana.com/
★今後の予定など………………………………………………………
さて、来週は以下の2本の予定。
最大の注目作であるスサンネ・ビア監督の「ある愛の風景」。
これが3連続5つ星を賭けた、いちばんの期待作です。
http://aruai.com/
これにぶつけるのは、全編英語で原作物に挑戦する、
フランソワ・オゾン監督の新作「エンジェル」。
果たして、英語にしても彼の厳しい眼差しは活きるのかな?
http://angel-movie.jp/
以降は、とりあえず以下の5本を予定。
「モンスーン・ウェディング」のミラ・ナイール監督が、
アメリカを舞台にした家族ドラマ「その名にちなんで」。
そしてカンヌの審査員賞を受賞したフランスアニメ、
「ペルセポリス」など、小粒な話題作が多いです。
ハリウッドの年末大作は「アイアムレジェンド」ですね。
これって「28日後…」と同じですよね?違うの?
よく分からないんだよね、最近のハリウッド映画って、
オリジナルなのか、リヴァイヴァルなのか、何なのかも…。
「マリア」http://www.maryandjoseph.jp/
「ペルセポリス」http://persepolis-movie.jp/
「その名にちなんで」http://movies.foxjapan.com/sononani-chinande/
「アイアムレジェンド」http://www.iamlegend.jp/
「迷子の警察音楽隊」http://www.maigo-band.jp/
というわけで、これからもお楽しみに。
★最新情報はブログにて!!…………………………………………
ブログには過去掲載作などがまとめて載っています。
http://filmandlife.seesaa.net/
※ 実はケータイからも同じアドレスでみられます。要Check!
ブログなら、かしこまったメールをすることもなく、
小さなコメントや、筆者へのリクエストを書き込めます。
また、筆者が映画を見終わった直後の感想や、休刊情報、
映画とは全く関係ない筆者の近況まで、いろいろ掲載中。
ぜひぜひアクセスしてください!!
★これまでのバックナンバー…………………………………………
バックナンバー、メルマガの紹介や登録関係などについては、
それぞれ以下のページをご参照くださいませ。
http://www.mag2.com/m/0000197069.html(まぐまぐ)
http://www.melma.com/backnumber_33635/(メルマ)
メルマのバックナンバーは、第1号から掲載されています。
ただし検索機能がついておりませんので、
ここ2年については、ブログの方が探しやすいと思います。
http://filmandlife.seesaa.net/(筆者のブログ)
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【映画のなかの人生、映画のような人生。】
Vol.751 2007年12月4日
発行者:Ak. http://filmandlife.seesaa.net/
(C)2001-2007 Ak. All rights reserved.
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