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【映画とは、人生を2時間で切り取るものだ】。そんな視点からつづる、1000文字の映画コラム。いろんな映画をきっかけに、生き方について考えてみませんか。ありふれた日常のなかで、答えを探すあなたに、ぜひ。

  • 最新号:2008-09-25
  • 発行周期:火・金・(木)
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  • 創刊日:2001-03-20
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映画のなかの人生…Vol.739「クワイエットルームへようこそ」★★★

発行日: 2007/10/24







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☆ ★ ☆  映画のなかの人生、映画のような人生。 ★ ☆ ★
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【映画とは、人生を2時間で切りとるもの】
映画が魅せる、人間のやさしさ、弱さ、強さを、いっそう鮮烈に、
そしてもっと映画を観たくなる、ひと味違うメールマガジン。


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  Vol.739「クワイエットルームへようこそ」★★★
                      2007.10.23(火)
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  【1】STORY
   睡眠薬の飲み過ぎで精神科の閉鎖病棟に放り込まれた女が、
   奇妙な患者たちとの交流を通して、自分の過去を振り返る。

  【2】Michelin
   シネカノン有楽町2、シネマライズ、池袋などで上映中。

  【3】Review
   出だしこそ舞台風コメディだが、次第に物語が散逸する。

  【4】Column
   自分がビョーキかどうかは、入院してみないと分からない。

____________________________________Welcome to a quiet room

「恋の門」で、鮮烈な監督デビューを飾った松尾スズキの新作。
今回は満を持して自らの原作、脚本を映画化。主演は内田有紀。
そして蒼井優、りょう、宮藤官九郎、妻夫木聡らと、大変豪華。
仕事に疲れた若い女性の入院日誌を、面白おかしく描いたもの。

<オフィシャルサイト>
http://www.quietroom-movie.com/


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┃1┃ STORY (観ていないあなたへ)
┻━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

睡眠薬の飲み過ぎで、精神科の閉鎖病棟に放り込まれていた女。
何とか病棟を出ようとするが、拒食や過食などの奇妙な患者と、
対立や交流を続けていくうちに、彼女は徐々に自らを振り返り、
空っぽでどうしようもなかった過去に、やがて向き合っていく。


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┃2┃ 上映館ミシュラン (観ていないあなたへ)
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シネカノン有楽町2丁目は、新しく出来た映画館ですね。
イトシアのなかにあって、入口はとてもきれいでした。
筆者は今回は行けませんでしたが、可能な方は訪れてみては。

その他、渋谷、池袋などでやってます。
意外と、そんなに大混雑ではありませんでした。
クドカンのファンみたいな人たちも多かったですが…。

▼有楽町 シネカノン有楽町2丁目 
10:00/12:45/15:45/18:30/21:20〜23:20(終)
※ 21:20の回は予告編上映なし

▼渋谷 シネマライズ 
9:30/12:05/14:40/17:15/19:50〜22:05(終)

▼池袋 池袋HUMAXシネマズ4 
10:30/13:00/15:30/18:00/20:30〜22:35(終) 


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┃3┃ Review (観ていないあなたへ)
┻━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

【ポイント】★★★

<内訳>
テーマ   :★★★★
ストーリー :★★
キャスト  :★★★
スタッフ  :★★★★

>テーマ ★★★★<
どん底にいた空っぽの女が、次第に自分と向き合っていく様子は、
「17歳のカルテ」日本版であり、テーマとしては悪くない。

>ストーリー ★★<
出だしはあれだけ舞台風のコメディで切り出したのに、次第に、
回想と独白を繰り返しながら、リズムを失っていくのは残念。

>キャスト ★★★<
内田有紀は頑張っているが、どうもべらんめえがしっくり来ない。
なぜか蒼井優や中村優子の方が存在感を感じる。キャラの問題?

>スタッフ ★★★★<
絶妙なギャグや、会話の展開、独特なダンスにカメラワークと、
監督の才能は遺憾なく発揮されており、観ていて時に感心する。

>総評 ★★★<
「恋の門」で映画的手法を学んだ松尾スズキが、
満を持して自らの世界観を映画化したと思われる作品。

アングルを駆使したカメラワークなど、
きっと、監督は相当勉強したのでは。
そこに微妙な突っ込みのギャグが炸裂して、
後半にはダンスもあったり、舞台の経験も生きている。

…が、やっぱり物語として、だいぶ盛り込みすぎたか。
回想と独白だけで、女が半生を振り返ってしまうと、
映画では、だいぶ長い語りになって、空気が切れてしまう。

舞台では、前半で充分に引き込んだ空気で、
役者の演技力や緊張感で持っていけるかもしれないが。
クドカン演じる男との関係の変化も、分かりづらかった。

むしろ、あれだけ集めた患者さんたちと、
他にもさまざまな交流があり、そこに発見があって、
物語が展開していくスジの方が、分かりやすかったはず。

例えば、同じく精神科を描く「17歳のカルテ」では、
主人公と全く対照的な女が、鏡のように目の前に現れ、
主人公の過去に発見を促しながら、物語が展開する。

その対立軸は、蒼井優や中村優子だったはずで。
彼女たちの関係にもう少し踏み込んでもらえれば、
と思ったのだけれども…面白かっただけに、とても惜しい。

しかし、松尾スズキという映画監督の才能は凄い。
同じく演劇的手法が目立つ大谷健太郎よりも、
さらに研ぎ澄まされていくのではないかと、期待しています。


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┃4┃ Column (観おとわったあなたへ)
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自分が入院したら、どうなるのだろう。

幸い、これまで大きな病気にかかったこともなく、
健康診断でも、再検査に引っかかったこともない。

しかし、病魔はどこから忍びよるか、分からない。
明日から、ずっと仕事に行けなかったら?
そりゃあ、とても困る。クライアントから総スカンだ。
フリーランスの人間にとって、入院=失業なのである。

だから、主人公がドタバタするのはよく分かる。
現実と切り離され、彼女は間違いなく失業だ。
もう、目の前のことで頭は真っ白になる。
どうして私が、そもそも精神科に入ってるの?

私は、ビョーキではありません。
それを証明したら、出してくれるわけ?
じゃあ、睡眠薬を飲んだ原因を考えてみる。

すると、どうしたことか、不安要素が次々と。
安易な相手と、安易に結婚しちゃったとか。
安易な結婚生活、安易な暮らしをしてたとか。
安易な仕事を探して、安易に水商売やっちゃったとか。

そのせいで、父親が不幸になったとか。
そのせいで、前夫が不幸になったとか。
そのせいで、彼氏が不幸になったとか。
とか。とか。とか。…あれ?

私、誰かを不幸にしてることしかしてないジャン?!

そうだったんだ。
私は、本当はビョーキだったんだ。
パッと見で結婚したり、パッと見で仕事したり、
くだらないお笑いばかり見て、飲みまくってたり。

みんな、うっとうしいと思ってたんだよね。
そうだよ、こんなお笑いしか見てない女、
思いつきでばかり行動して、誰も幸せにしてないよね。

本当は、どこかで気づいていたんだ。
自分が、きっと誰かを不幸にしてるって。
それに対して、自分が何にもお返しできないって。
そんな自分に、内心、嫌気が差していたんだ。

この大騒ぎで、ますます彼氏にも、仕事先にも、
いろんな人に、ご心配とご迷惑をおかけしました。
そう気づいたから、ようやく私も退院できる。

入院して、意外と良かったのかも。
自分がビョーキだなんて、入院しないと気づかない。
ビョーキみたいな人は、いまや世の中に溢れてる。
大変なことになる前に、本当は治しておかなくてはいけません。

2007/10/23 渋谷シネマライズにて。


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┃5┃ 次回予告 ほか
┻━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
その他、筆者からのお知らせなどなど。


★次回予告「グッドシェパード」……………………………………

今週のもう1本は、かのロバート・デ・ニーロの初監督作、
「グッドシェパード」の予定。やっぱりCIAなのか(笑)。
主演はマット・デイモン。やっぱりキミもCIAなのか(笑)。
内容はもちろん、コメディではなくてシビアな男のドラマ。

で、次回もお楽しみに。次回は金曜の予定。
http://www.goodshepherd.jp/


★今後の予定など………………………………………………………

さて、来週の注目作は「アフターウェディング」。
傑作「しあわせな孤独」に続く、最新作がいよいよ上陸。
さらに11月には前作にあたる「ある愛の風景」も公開に。

監督スサンネ・ビアは、ラース・フォン・トリアーなんて
目じゃない、北欧最高峰の監督として進化を続けているはず。
本誌の読者の皆さんには、ぜひとも期待してほしい方です。

「アフターウェディング」http://www.after-wedding.com/
「自虐の詩」http://www.jigyaku.com/
「ブレイブワン」http://www.brave-one.net/

その他、来月以降の予定も並べてみました。
早いもので、今年ももう終わりですね。
注目は「ボーン・アルティメイタム」や、
フランソワ・オゾンの「エンジェル」でしょうか。

><11月><
「オリヲン座からの招待状」http://www.orionza-movie.jp/
「once ダブリンの街角で」http://oncethemovie.jp/
「ボーン・アルティメイタム」http://bourne-ultimatum.jp/
「4分間のピアニスト」http://4minutes.gyao.jp/
「ウェイトレス」http://movies.foxjapan.com/waitress/
「呉清源 極みの棋譜」http://www.go-movie.jp/
「ある愛の風景」http://aruai.com/
「アヴリルの恋」

><12月><
「サラエボの花」http://www.albatros-film.com/movie/grbavic.html
「マリア」http://www.maryandjoseph.jp/
「ナショナルトレジャー」http://www.disney.co.jp/movies/nt2/
「迷子の警察音楽隊」http://www.maigo-band.jp/
「エンジェル」http://angel-movie.jp/

というわけで、これからもお楽しみに。


★最新情報はブログにて!!…………………………………………

ブログには過去掲載作などがまとめて載っています。
http://filmandlife.seesaa.net/

※ 実はケータイからも同じアドレスでみられます。要Check!

ブログなら、かしこまったメールをすることもなく、
小さなコメントや、筆者へのリクエストを書き込めます。

また、筆者が映画を見終わった直後の感想や、休刊情報、
映画とは全く関係ない筆者の近況まで、いろいろ掲載中。
ぜひぜひアクセスしてください!!


★これまでのバックナンバー…………………………………………

バックナンバー、メルマガの紹介や登録関係などについては、
それぞれ以下のページをご参照くださいませ。

http://www.mag2.com/m/0000197069.html(まぐまぐ)
http://www.melma.com/backnumber_33635/(メルマ)

メルマのバックナンバーは、第1号から掲載されています。
ただし検索機能がついておりませんので、
ここ2年については、ブログの方が探しやすいと思います。
http://filmandlife.seesaa.net/(筆者のブログ)


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
【映画のなかの人生、映画のような人生。】
 Vol.739 2007年10月23日
 発行者:Ak. http://filmandlife.seesaa.net/
 (C)2001-2007 Ak. All rights reserved.
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  • 年間100本以上の映画を観ている作家のたまご。良い物語と、生き方を考えさせるテーマを求めて、今日も映画館に足を運びます。もう1000本以上も観ているんですけどね…。

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