【映画とは、人生を2時間で切り取るものだ】。そんな視点からつづる、1000文字の映画コラム。いろんな映画をきっかけに、生き方について考えてみませんか。ありふれた日常のなかで、答えを探すあなたに、ぜひ。
- 最新号:2008-09-04
- 発行周期:火・金・(木)
- 読んでる人:522人
- 創刊日:2001-03-20
- Score!:96点
- コメント数 : 0
- メルマガID:33635
- バックナンバー:全て公開
- 発行者サイト:あり
- >> 月間ランキング
映画のなかの人生…Vol.717「長江哀歌(エレジー)」★★
発行日: 2007/8/24
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
☆ ★ ☆ 映画のなかの人生、映画のような人生。 ★ ☆ ★
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【映画とは、人生を2時間で切りとるもの】
映画が魅せる、人間のやさしさ、弱さ、強さを、いっそう鮮烈に、
そしてもっと映画を観たくなる、ひと味違うメールマガジン。
_ __________
Vol.717「長江哀歌(エレジー)」★★ 2007.8.24(金)
 ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
【1】STORY
ダムに沈む予定の街に、音信不通の妻、夫を捜しに来た、
それぞれの男女が、活力ある現地の人々と暮らしていく。
【2】Michelin
日比谷シャンテ・シネでの単館上映。なぜか恐ろしい混雑。
【3】Review
忘れられていく人々の暮らしを、ゆったりと活写していく。
【4】Column
人生を河に例えるなら、河畔の街は去りゆく記憶のなかに。
_________________________________________________Still Life
「一瞬の夢」から10年弱、ついにヴェネツィアの最高賞を制した、
中国の若手有望株、ジャ・ジャンクー監督の、その受賞作品。
今回は河畔の街を舞台に、小津やアンゲロプロスのように、
日常をゆったりと描く。これは…やっぱり…眠ってしまう。。。
<オフィシャルサイト>
http://www.bitters.co.jp/choukou/
┳━┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃1┃ STORY (観ていないあなたへ)
┻━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
ダムに沈む予定の街に、音信不通の妻子を捜す男が訪れる。
現地に滞在するうち、男は労働者や家主と仲良くなっていく。
一方で、同じように音信不通の夫を捜しに来た女は、現地に住む
夫の友人とともに連絡を取ろうとするのだが、夫から連絡はない。
┳━┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃2┃ 上映館ミシュラン (観ていないあなたへ)
┻━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
日比谷シャンテ・シネでの単館上映です。
なぜか恐ろしく混んでます。なぜ?全く分かりません。
ヴェネツィア金獅子賞が、こんなに注目されたっけ?
とにかく、週末は1時間前には行かないと、危ないかも。
お客さんのなかで、「世界」や、まして「一瞬の夢」を、
観たことがあるような人は、たぶんほとんどいないでしょう。
その証拠に、映画が終わった瞬間、みんな唖然としていた…。
▼日比谷 シャンテ・シネ
〜8/31(金) 11:40/14:25/17:15/19:45〜21:55(終)
9/ 1(土)〜 11:05/13:50/16:30/19:00〜21:10(終)
※ 土日水曜は9:10の回あり
┳━┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃3┃ Review (観ていないあなたへ)
┻━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【ポイント】★★
<内訳>
テーマ :★★
ストーリー :★
キャスト :★★★
スタッフ :★★★
>テーマ ★★<
未来の見えない状況のなかでも、活き活きと暮らす人々を描く、
というテーマは分かるが、どうにも物語に凹凸はなくなる。
>ストーリー ★<
ほぼドキュメンタリーのように、人々の様子をのんびり描くので、
物語は存在しないと言ってよい。館内でもイビキが聞こえる…。
>キャスト ★★★<
肉体労働者も、チンピラたちも、家主の爺さんも、そのもの。
「一瞬の夢」のスリ役の男が、相変わらず妙な存在感を出す。
>スタッフ ★★★<
美しい長江の眺めと、壊れゆく下町の光景を対比させながら、
おぼろげに人生の時の流れを感じさせる演出は、いつもどおり。
>総評 ★★<
やっぱり寝てしまった…だいぶ頑張ったのだが…。
内容はほぼ、ドキュメンタリーのようなもの。
いちおう配偶者を捜す物語はあるけれど、ほぼ展開しない。
「ハリウッド★ホンコン」などのように、
壊れゆく古い街並みを描くのはいつものことながら、
今回は長江がバックにそびえており、コントラストが強い。
単純な近代化だけではなく、そこには人生の儚さを感じる。
で、何でこんなに混んでいるのかは、知りませんが、
フツーの人が、ワクワクしながら観に来る映画ではないです。
本来なら、小さな映画館で、10人くらいしかお客がいなくて、
のんびり、しんみりと、自分を振り返る映画。オススメはしない。
┳━┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃4┃ Column (観おとわったあなたへ)
┻━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
人生はよく、ゆったりと流れる大河に例えられる。
だとすれば、河畔の街にいるのは、
通りすぎていった人々ということになるのか。
そして、河畔の街がやがて河底に沈むように、
私たちもまた、かつて出逢った人々の記憶を、
深い水の底へと、沈めていってしまうのだろうか。
思い出深いはずの、いくつもの建物が、
次々と取り壊されていく様子を眺めていると、
その建物とともに、そこであった出来事や、
一緒に過ごした人々までもが、消え去っていくかのようだ。
そんな風に考えながら、
ふと、この日、日比谷に着くまでの間、
散策していた銀座界隈のことを考えていた。
昔、ここで働いていたことがあった。
かつて、恋人と食事をしたレストランがあった。
仕事帰りに通ったバーも、通り道の映画館も、
いまではそのほとんどが、なくなってしまった。
代わりに、大きな丸井のビルが駅前に建っていた。
代わりに、全然違う雰囲気のレストランがそこにあった。
代わりに、全く関心のない高級ブランドの店ができた。
あの頃の建物とともに、あの頃の出来事もまた、
こうして思い出せなくなっていったら、
人生は長い河などではなく、とても点的で、
一瞬、一瞬の今さえあればいいものになってしまう。
この映画のなかで、妻だった女が夫を非難する。
「どうして、16年も経ってからここへ来たの?」
そうなのだ。
思い出そうとしたときには、
そうして過去は消えてしまっている。
想い出のきっかけになる、いくつもの建物とともに。
そうして振り返ると、河畔の街は活気に満ちていた。
労働者も、道行く人々も、女たちも、誰もが皆。
普通に観ていれば、眠りこけてしまいそうな日常だが、
もう沈んでしまうと思えば、懐かしい景色がそこにある。
ふるさとを、遠くにありて思うように、
想い出も、思い出せなくなっていくからこそ、
次第に、価値を増していくものなかもしれない。
2007/8/24 日比谷シャンテ・シネにて。
┳━┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃5┃ 次回予告 ほか
┻━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
その他、筆者からのお知らせなどなど。
★次回予告「ラッシュアワー3」……………………………………
人気シリーズの第3弾!…って触れ込みは、もう遅いような。
そもそもクリス・タッカーはこれ以外で、鳴かず飛ばずじゃない?
それでも作ってしまったのは、ブレット・ラトナー監督の執念?
ま、私はジャッキー・チェン期待で観にいこうと思いますが…。
で、次回もお楽しみに。次回は来週火曜の予定。
http://rh3.jp/
★今後の予定など………………………………………………………
来週はあと2本。
マイケル・ムーアの新作「シッコ」は、
名前からは汚いモノを想像してしまいますが、
もちろん、大まじめな医療関係をめぐるドキュメンタリー。
「シッコ」http://sicko.gyao.jp/
「厨房で逢いましょう」はドイツ得意の?料理映画。
なんでドイツは料理にまつわる映画が多いんだろう…。
「厨房で逢いましょう」http://chubo.jp/
9月以降は以下の予定。
いまさらエヴァなのか…というのはありますが。
全体的に小粒な中で、注目は荻上直子の新作「めがね」かな。
「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序」http://www.evangelion.co.jp/
「恋とスフレと娘とわたし」http://www.love-souffle.jp/
「ブラック・スネーク・モーン」http://www.blacksnake.jp/
「サッドヴァケイション」http://www.sadvacation.jp/
「ジャンゴ」http://django-movie.com/
「題名のない子守唄」http://www.komoriuta-movie.com/
「サルバドールの朝」http://www.salvadornoasa.com/
「めがね」http://www.megane-movie.com/
「夜の上海」http://www.yorunoshanghai.com/
「クローズド・ノート」http://closed-note.com/
「ミス・ポター」http://www.miss-potter.jp/
というわけで、これからもお楽しみに。
★最新情報はブログにて!!…………………………………………
ブログには過去掲載作などがまとめて載っています。
http://filmandlife.seesaa.net/
※ 実はケータイからも同じアドレスでみられます。要Check!
ブログなら、かしこまったメールをすることもなく、
小さなコメントや、筆者へのリクエストを書き込めます。
また、筆者が映画を見終わった直後の感想や、休刊情報、
映画とは全く関係ない筆者の近況まで、いろいろ掲載中。
ぜひぜひアクセスしてください!!
★これまでのバックナンバー…………………………………………
バックナンバー、メルマガの紹介や登録関係などについては、
それぞれ以下のページをご参照くださいませ。
http://www.mag2.com/m/0000197069.html(まぐまぐ)
http://www.melma.com/backnumber_33635/(メルマ)
メルマのバックナンバーは、第1号から掲載されています。
ただし検索機能がついておりませんので、
ここ2年については、ブログの方が探しやすいと思います。
http://filmandlife.seesaa.net/(筆者のブログ)
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
【映画のなかの人生、映画のような人生。】
Vol.717 2007年8月24日
発行者:Ak. http://filmandlife.seesaa.net/
(C)2001-2007 Ak. All rights reserved.
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
このメルマガを読んでいる人はこんなメルマガも読んでいます
- サッカー日本代表ネットワーク・メールマガジン
- 日本代表やJリーグを中心とした国内外のサッカー情報を 毎日お届けします。 WEB版日本代表ニュースを中心に編集します。
- ホントに面白い映画はコレだ! 今週の映画瓦版
- プロの映画批評家が編集発行する週刊メールマガジン。毎週公開される映画を独自の視点からランキング。充実したDVD情報も好評です!
- 週刊アカシックレコード
- 02年W杯サッカー韓国戦の「誤審」を世界で唯一「前日」に誌上予測し、誤審報道を「常識化」した推理作家(金正日の「遺書」で始まる「中朝戦争」後の北朝鮮...
- 宮崎正弘の国際ニュース・早読み
- 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析
- こんな映画は見ちゃいけない!
- 映画批評系メルマガで読者数No.1! プロの編集者が簡潔な文章と的確な表現で書き下ろす「1分で読める新作映画批評」です。映画紹介だけのメルマガにはな...
![メルマガスタンド[メルマ!]](/img/common/backnumber_article/melma_logo.gif)


