【映画とは、人生を2時間で切り取るものだ】。そんな視点からつづる、1000文字の映画コラム。いろんな映画をきっかけに、生き方について考えてみませんか。ありふれた日常のなかで、答えを探すあなたに、ぜひ。
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映画のなかの人生…Vol.621「百年恋歌」★★
発行日: 2006/10/27
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☆ ★ ☆ 映画のなかの人生、映画のような人生。 ★ ☆ ★
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【映画とは、人生を2時間で切りとるもの】
映画が魅せる、人間のやさしさ、弱さ、強さを、いっそう鮮烈に、
そしてもっと映画を観たくなる、ひと味違うメールマガジン。
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Vol.621「百年恋歌」★★ 2006.10.27(金)
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【1】STORY
兵役に就く青年と若い女の恋の始まり、芸妓のはかない恋、
現代社会の自堕落な青年たちの関係、それぞれの恋物語。
【2】Michelin
シネスイッチ銀座での単館上映。空いています。
【3】Review
いつも通りのホウ・シャオフェンによる、短編三本立て。
【4】Column
恋愛は自由になった。満たされぬ想いを、残したままに。
_________________________________________________最好的時光
ホウ・シャオフェン監督の集大成、と宣伝されていたこの作品。
確かに「非情城市」以来の傑作、っていう前ふりのものばかりで、
実際にはホウ・シャオフェンの実力にはクエスチョンでしたが、
今度こそは伝説の作品を本当に超える?そんなわけないか…。
<オフィシャルサイト>
http://www.prenomh.com/contents/coming/three_times/
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┃1┃ STORY (観ていないあなたへ)
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戦後、兵役に就く青年と若い女との、素朴な恋の始まりを描く。
次に清朝末期、芸妓がお得意様に寄せるはかない想いを描く。
最後に、現代社会における自堕落な若者たちの刹那的関係を描く。
それぞれの時代に、それぞれの想いを込めた恋愛オムニバス。
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┃2┃ 上映館ミシュラン (観ていないあなたへ)
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シネスイッチ銀座での単館上映です。
今週末から「クリムト」が公開されるので、
おそらく上のスクリーンになると思います。
そんなに混んではいませんが、いちおうサイトもご参考までに。
とはいえ、いまだに更新されていないので、
当面はお役に立たないかもしれませんが…。
http://www.cineswitch.com/konzatu/
▼銀座 シネスイッチ銀座
10:40/13:30/16:20/19:10
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┃3┃ Review (観ていないあなたへ)
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【ポイント】★★
<内訳>
テーマ :★★★
ストーリー :★
キャスト :★★★★
スタッフ :★★★
確かに、この映画はホウ・シャオフェンの集大成かも。
最初の恋の始まりは、初期の青春物のようでもあるし、
次の時代物は「非情城市」のようでもあるし、
そして最後の現代物は「ミレニアムマンボ」のようでもある。
そうして考えてみると、100年のクロニクルというより、
この映画はホウ・シャオフェンのクロニクルかもしれない。
ただ、それは集大成となる傑作、を指しているワケでもない。
いままでの要素をすべてかき集めても、
ウォン・カーウァイの「2046」のように、
むしろ総花的になってしまうことの方が多い。
その点でこの映画は、かろうじて踏みとどまってはいる。
さまざまな時代の男女関係に、むしろ話を絞った点は評価したい。
しかし、だからといって新しいホウ・シャオフェンが、
その向こうに浮かび上がってくるというわけでもない。
いままで見たこともない映像や設定、情景が浮かんでくる、
ということではなく、そこにあるのはいつもの彼である。
教科書に数十ページおきに「復習」の項があるように、
この映画もいわゆる「復習」のようなもので、それは、
新しい何かが紹介されているというわけではないと思う。
「そういえばホウ・シャオフェンってこうだよな」という振り返り。
だから、ホウ・シャオフェンが好きな人は、この映画も好き。
一方で、彼がよく分からない人は、この映画でも評価は変わらない。
だから私の評価も変わらない。あんまりよく分からないなぁ。
主演のスー・チー、チャン・チェンは、最初から最後まで、
ずっと出ずっぱりで、なかなか頑張っていると思う。
とりわけ2本目の芸妓の恋は、なかなか緊張感に満ちていて、
無声映画を模した作りとともに、音楽がはかなく効いている。
この話だけで90分だったら、意外と面白かった、かなぁ?
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┃4┃ Column (観おわったあなたへ)
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時代とともに、恋のあり方も変わりつづけている。
あえて男女関係に場面を絞りきったこの映画では、
当たり前のことに、改めて気づかされる。
最初の物語は、ビリヤード場からはじまる。
兵役に就く青年は、とにかく恋を探している。
ただそこにいた、出逢ったばかりの日本人女性。
でもそれだけで、彼にとっては充分だったのだ。
彼は追いかける。自分の求めに応じて。
人づてに居場所を聞き、遥か遠くまで。
翌日には軍に戻るのに、彼は時間を忘れて恋を探す。
それは、恋を選べる時代だったからだ。
好きな人を、愛することができた時代。
そして舞台は、それができなかった時代に移る。
清朝の倒壊前夜。台北の宿に通うお得意様の男。
芸妓はひそかに想いを寄せて、彼が来る日を待っている。
男も分かっているかのように、この宿へ足繁く通ってくる。
しかし、彼には妻子がいるのだった。
彼は革新の士にして、妾を持ちたがらない。
彼女のこと、彼女の家族について、
いろいろと取りはからうことはあるが、
二人が結ばれることはなく、これからも決してない。
でも、彼女にはもう他に当てがないのだ。
どんな出逢いも期待できない、宿の芸妓。
年老いていく絶望だけが、彼女を待ち受けている。
それに引き替え、現代社会の何と自由なことか!
いまや出逢いは、街中に広がっている。
連絡を取りたければ、いつでもメールできる。
連絡が欲しければ、どこにいてもケータイがある。
逢いたい人に逢い、愛したい人を愛し、
連絡をいつだってとり、何もかもが自由にできる。
それが現代社会だ。いまだかつてなかった世界だ。
しかし、それが故に簡単に別れることができる。
しかし、それが故に簡単に愛を諦めてしまう。
自由を受け取った代償に、人々の心は何と殺伐に変わっただろう。
「非情城市」から数十年、いまや世界は自由になった。
しかし、この満たされない気持ちは、何か変わっただろうか。
100年前の芸妓の想いと、現代を生きる女性歌手の苦しみ。
100年前の富商の忍耐と、兵役を務める青年の忍耐。
何も変わらない。
スー・チーはずっとスー・チーのままだ。
チャン・チェンはずっとチャン・チェンのままだ。
愛する人の想いを、いつまでもつなぎとめていたい。
けれども、それはさまざまな理由で、いつも叶えられない。
どんな社会の変化も、自由も、理想も、大きな夢も。
人間の愛を求める心までは、変えることができなかった。
そしてきっと、これからも、また。
2006/10/25 シネスイッチ銀座にて。
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┃5┃ 次回予告 ほか
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その他、筆者からのお知らせなどなど。
★次回予告「トンマッコルへようこそ」……………………………
韓国映画といえば、どうしてもありきたりでべたべたな内容を、
まるでリヴァイヴァルのように楽しませてしまうのが、妙な魅力。
しかし中には、きちんとしたオリジナル狙いの傑作もあるようで。
この映画は反戦思想をファンタジックに描いて評判の一本らしい。
で、次回もお楽しみに。次回は火曜の予定。
http://www.youkoso-movie.jp/
★今後の予定など………………………………………………………
来週は以下の3本を予定しています。
いまやオスカーの常連、イーストウッドの監督作品は、
太平洋戦争末期を舞台にした、「父親たちの星条旗」。
そして、ジョン・マルコヴィッチが演じる次の題材は、
独特の画風で知られる金箔の画家「クリムト」の伝記物。
「父親たちの星条旗」http://wwws.warnerbros.co.jp/iwojima-movies/
「クリムト」http://www.klimt-movie.com/
再来週以降は、とりあえず以下のような予定。
いよいよ年末には大作映画も待ち受けています。
以下のリストにあと数本で、今年は120本→打ち止めです。
「明日へのチケット」http://www.cqn.co.jp/ticket/
「ウール100%」http://www.klockworx.com/wool/
「上海の伯爵夫人」http://www.wisepolicy.com/thewhitecountess/
「Unknown」http://www.movie-eye.com/unknown/
「ウィンターソング」http://www.winter-song.jp/
「プラダを着た悪魔」http://movies.foxjapan.com/devilwearsprada/
「パプリカ」http://www.sonypictures.jp/movies/paprika/
「007カジノロワイヤル」http://www.sonypictures.jp/movies/casinoroyale/
「武士の一分」http://www.ichibun.jp/
「硫黄島からの手紙」http://wwws.warnerbros.co.jp/iwojima-movies/
「王の男」http://www.kingsman.jp/
というわけで、今後ともお楽しみに。
★最新情報はブログにて!!…………………………………………
ブログには過去掲載作などがまとめて載っています。
http://filmandlife.seesaa.net/
※ 実はケータイからも同じアドレスでみられます。要Check!
ブログなら、かしこまったメールをすることもなく、
小さなコメントや、筆者へのリクエストを書き込めます。
また、筆者が映画を見終わった直後の感想や、休刊情報、
映画とは全く関係ない筆者の近況まで、いろいろ掲載中。
ぜひぜひアクセスしてください!!
★これまでのバックナンバー…………………………………………
バックナンバー、メルマガの紹介や登録関係などについては、
それぞれ以下のページをご参照くださいませ。
http://www.mag2.com/m/0000197069.html(まぐまぐ)
http://www.melma.com/backnumber_33635/(メルマ)
メルマのバックナンバーは、第1号から掲載されています。
ただし検索機能がついておりませんので、
ここ1年については、ブログの方が探しやすいと思います。
http://filmandlife.seesaa.net/(筆者のブログ)
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【映画のなかの人生、映画のような人生。】
Vol.621 2006年10月27日
発行者:Ak. http://filmandlife.seesaa.net/
(C)2001-2006 Ak. All rights reserved.
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