【映画とは、人生を2時間で切り取るものだ】。そんな視点からつづる、1000文字の映画コラム。いろんな映画をきっかけに、生き方について考えてみませんか。ありふれた日常のなかで、答えを探すあなたに、ぜひ。
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映画のなかの人生…Vol.618「幸福のスイッチ」★★★★
発行日: 2006/10/18
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☆ ★ ☆ 映画のなかの人生、映画のような人生。 ★ ☆ ★
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【映画とは、人生を2時間で切りとるもの】
映画が魅せる、人間のやさしさ、弱さ、強さを、いっそう鮮烈に、
そしてもっと映画を観たくなる、ひと味違うメールマガジン。
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Vol.618「幸福のスイッチ」★★★★ 2006.10.18(水)
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【1】STORY
父と折り合いが悪く、東京へ飛び出した電器屋の娘が、
久々に実家で手伝いを始め、村の電器屋の苦労を学ぶ。
【2】Michelin
テアトル新宿での単館上映。けっこう混んでいます。
【3】Review
コミカルかつハートフル、まっとうで卒がない成長物語。
【4】Column
借りは、必ず返すものだ。借りる前に、何倍にもして。
_________________________________________しあわせのすいっち
実は映画俳優として、そこはかとない存在感を見せる沢田研二。
今回は、関西の農村で電器屋さんと、熱血おとーさんに扮します。
永遠に反抗期の娘を上野樹里が演じ、心温まる家族の物語と、
娘の小さな成長を刻んでいく、ハートウォーミングな映画です。
<オフィシャルサイト>
http://www.shiawase-switch.com/
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┃1┃ STORY (観ていないあなたへ)
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父と折り合いが悪く、東京へ飛び出した電器屋の娘だったが、
自分を捨てるような会社生活になじめずにいた。そんな折、
実家に呼び戻された彼女は、妹と電器屋の手伝いを任される。
農村のカネにならない仕事を、最初は疎んでいた彼女だったが…。
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┃2┃ 上映館ミシュラン (観ていないあなたへ)
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テアトル新宿での単館上映です。
けっこう混んでます。平日の1回目から半分弱でした。
きっと週末は、それなりに混んでるのではないでしょうか。
ここは定員入替制ですので、早めに来れば席も選べます。
まあ、来週いっぱいだとは思いますが、気になる方はお早めに。
関係ないんですが、この映画に出てくる電器屋のキャラ、
「いなずまぼうや」が、めちゃくちゃカワイイんですよね。
こんな電器屋、絶対ないよな!と思ったりしましたが…。
ワッペンがあれば買うつもりだったんですが、
残念ながらTシャツしかなかったんですよね。
このキャラがここで埋もれるのは、もったいない気もする。
Suicaのペンギンと同じくらい好印象なんだけどなぁ。
▼新宿 テアトル新宿
11:40/14:05/16:30/18:55
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┃3┃ Review (観ていないあなたへ)
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【ポイント】★★★★
<内訳>
テーマ :★★★★
ストーリー :★★★★
キャスト :★★★★
スタッフ :★★★
なかなか面白かったと思います。
文句なく★4つをつけられる。
冒頭から、ワガママ娘の無軌道ぶりが描かれて、
すっかり社会からドロップアウト寸前の彼女に、
電器屋さんでの仕事が、人々とのつながりを考えさせる。
時にはコミカルに、次第に温かいエピソードを交え、
ワガママ主人公と、電器屋を通した人々とのつながり、
三姉妹と父との家族の絆が、のんびり紹介されていく。
登場人物それぞれのキャラクタと個性がはっきりしていて、
プライドが傷つけられると、怒ったりしょげたりする。
周囲の人々の喜怒哀楽に、ようやく気づいた主人公が、
やっと誰かのために働きはじめる成長物語で、飽きさせない。
もっとも、彼女の変化の過程については、
もう少し、ドラマティックな出来事が必要かな?
とも思いますが、沢田研二のなりふり構わぬ熱演や、
電器屋の仕事ぶり、エピソードが充分に物語をつなぐ。
ちょっと泣けるし、ちょっと笑えて、最後には、
良かった良かったと思えるステキな2時間を過ごせます。
ほとんど電器屋の宣伝みたいな映画ではありますが。
やっぱり、人々のつながりって重要だよなあ。
そんな根拠が、電器屋に見つかるってのも新鮮でした。
お時間のある方は、ぜひどうぞ。
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┃4┃ Column (観おわったあなたへ)
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人が生きることは、誰かに借りを作ることである。
子どものうちは、そんなこと気にせずに生きていた。
誰がなんと言おうと、欲しいモノは欲しかった。
そのために誰かが犠牲を払うなんて、考えたこともなかった。
ある日、「キミは何で謝らないんだ」と言われた。
初めて、自分が他人にしてきたことを思い返した。
いろんな人が、自分のために何かを犠牲にしている。
自分は、いろんな人に借りを作って生きているのだ。
最後まで、借りっぱなしの人生なんて、
消費者金融じゃなくても、許さないだろう。
この映画の主人公も、何にも気づいていなかった。
自分はイラストレーターになりたい、東京に行きたい、
そんなワガママだけで、家を飛び出して、家を捨てた。
いままで育ててくれたことも、何もかも忘れて。
姉の優しさも、妹の気づかいも、知らぬままに。
何よりも、本当はかわいがってくれている父親に、
感謝どころか、悪態さえついて、彼女は生きる。
でも、それじゃあ世の中でやっていけない。
入ったばかりの会社でも、悪態をついて飛び出した。
戻ったばかりの実家でも、父に、妹に呆れられた。
彼女の人生は、借りっぱなしだ。
人から借りたら、まずは謝らないと。
そして、借りは必ず返さないといけない。
まずは家族への、借りを返そう。
彼女は電器屋として、懸命に働いてみる。
「売ったモノは最後まで、必ず面倒を見ろ!」
父親に怒鳴られ、冷蔵庫の移動から、電池の交換まで、
何の収入にもならない作業が、毎日ずっと続く。
それは「うちから買っていただいた」という、
大きな借りを、何倍にもして返す作業なのだ。
借りは、ただ返すだけじゃない。何倍にもして返すのだ。
それが、お客と店、そして自分と相手の関係を太くする。
だからお客は、うちのお店から、いろんなものを買う。
何倍にもして返した借りは、何倍にもなって返ってくる。
それが、村の人たちの笑顔を何倍にもしてくれる。
やさしさが、やさしさを生み出すように、
サービスが、人々の生活を豊かにしてくれる。
お客さんの、喜んでくれる様子を見ていると。
そのうち、貸し借りなんてどうでもよくなるのだ。
短い電器屋の手伝いで、娘は大切なことを勉強した。
借りは作る前から、何倍にもして返してしまえばいい。
どうせ人はいつも、借りを作って生きているのだから。
「ありがとう」と言う前に、「ありがとう」と言われよう。
そうして、思いやりが行きかう社会が、人生を暖めていく。
2006/10/16 テアトル新宿にて。
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┃5┃ 次回予告 ほか
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その他、筆者からのお知らせなどなど。
★次回予告「ブラックダリア」………………………………………
ブライアン・デ・パルマ監督の注目の新作は、大型サスペンス。
主演のジョシュ・ハートネット、スカーレット・ヨハンソン、
ヒラリー・スワンクほか、超豪華キャストが集結し、終戦直後、
実際にあった事件をもとに、アメリカ社会の光と闇に挑みます。
で、次回もお楽しみに。次回は金曜の予定。
http://www.black-dahlia.jp/
★今後の予定など………………………………………………………
来週は、たばこ会社の熱血広報マンを面白おかしく描く、
社会派コメディの「サンキュー・スモーキング」と、
ホウ・シャオフェン監督の集大成?と宣伝されている
「百年恋歌」の予定。彼の集大成となる映画?本当かなぁ…。
「サンキュー・スモーキング」
http://www.foxjapan.com/movies/thankyouforsmoking/
「百年恋歌」http://www.prenomh.com/contents/coming/three_times/
再来週以降は以下のような予定。
いよいよ「トンマッコルへようこそ」が公開。
いまやオスカーの常連、イーストウッドの監督作品は、
太平洋戦争末期を舞台にした、「父親たちの星条旗」。
「トンマッコルへようこそ」http://www.youkoso-movie.jp/
「父親たちの星条旗」http://wwws.warnerbros.co.jp/iwojima-movies/
「クリムト」http://www.klimt-movie.com/
「明日へのチケット」http://www.cqn.co.jp/ticket/
「ウール100%」http://www.klockworx.com/wool/
「上海の伯爵夫人」http://www.wisepolicy.com/thewhitecountess/
「Unknown」http://www.movie-eye.com/unknown/
「ウィンターソング」http://www.winter-song.jp/
というわけで、今後ともお楽しみに。
★最新情報はブログにて!!…………………………………………
ブログには過去掲載作などがまとめて載っています。
http://filmandlife.seesaa.net/
※ 実はケータイからも同じアドレスでみられます。要Check!
ブログなら、かしこまったメールをすることもなく、
小さなコメントや、筆者へのリクエストを書き込めます。
また、筆者が映画を見終わった直後の感想や、休刊情報、
映画とは全く関係ない筆者の近況まで、いろいろ掲載中。
ぜひぜひアクセスしてください!!
★これまでのバックナンバー…………………………………………
バックナンバー、メルマガの紹介や登録関係などについては、
それぞれ以下のページをご参照くださいませ。
http://www.mag2.com/m/0000197069.html(まぐまぐ)
http://www.melma.com/backnumber_33635/(メルマ)
メルマのバックナンバーは、第1号から掲載されています。
ただし検索機能がついておりませんので、
ここ1年については、ブログの方が探しやすいと思います。
http://filmandlife.seesaa.net/(筆者のブログ)
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【映画のなかの人生、映画のような人生。】
Vol.618 2006年10月18日
発行者:Ak. http://filmandlife.seesaa.net/
(C)2001-2006 Ak. All rights reserved.
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