【映画とは、人生を2時間で切り取るものだ】。そんな視点からつづる、1000文字の映画コラム。いろんな映画をきっかけに、生き方について考えてみませんか。ありふれた日常のなかで、答えを探すあなたに、ぜひ。
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映画のなかの人生…Vol.394「ターミナル」★★★
発行日: 2004/12/24
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☆ ★ ☆ 映画のなかの人生、映画のような人生。 ★ ☆ ★
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【映画とは、人生を2時間で切りとるもの】
映画が魅せる、人間のやさしさ、弱さ、強さを、いっそう鮮烈に、
そしてもっと映画を観たくなる、ひと味違うメールマガジン。
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Vol.394「ターミナル」★★★ 2004.12.24(金)
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【1】STORY
ある東欧人がNYに着いたとき、その母国で政府が転覆。
彼のパスポートは無効、無国籍となり空港から出られない。
【2】Michelin
日劇他、東宝系各所で。この時期なので朝から混雑。
【3】Review
着想は面白いが、いい話の寄せ集めで終わってしまった。
【4】Column
終わりを始まりに変える力こそ、人間の通過点だ。
_______________________________________________The Terminal
メリークリスマス。というわけで?ハリウッドの感動作を。
スピルバーグが前作に続いてトム・ハンクスを主演に招き、
空港を舞台にしてつくりあげたのがこの映画。
ただ、スピルバーグの感動作は当たりはずれがあると思う…。
<オフィシャルサイト>
http://www.terminal-movie.jp/
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┃1┃ STORY (観ていないあなたへ)
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ある男がNYに着いたとき、母国で革命がおき、政府が転覆。
彼のパスポートは無効、無国籍となり、空港から出られないという。
男は空港に住み着き、必死で英語を覚え、賃金を稼ぐのだが、
果たして彼がNYに来た理由は、いったい何だったのか…?
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┃2┃ 上映館ミシュラン (観ていないあなたへ)
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日劇ほか、東宝系の各所でやっています。
特に事情がないかぎり、日劇で観た方がいいでしょう。
私はその「事情」があって、池袋で観たのですが、
やっぱり音響など、日劇の良さを痛感した次第です。
ただし、この週末とかは大変な混雑が予想されます。
今冬は実写の人気作がこの映画くらいしかないので、
朝から行列になるでしょう。日劇やシネコンなど、
全席指定の映画館を選んで、早めに席を確保しましょう。
▼有楽町 日劇PLEX 上映中
10:20/13:10/16:05/19:00〜終21:25
※12/31(金)は19:00の回休映。
▼渋谷 渋東シネタワー 上映中
10:00/12:50/15:40/18:30〜終20:55
※12/31(金)は18:30の回休映。
▼歌舞伎町 新宿プラザ 上映中
10:30/13:15/16:00/18:45〜終21:10
※12/31(金)は18:45の回休映。
▼新宿三丁目 新宿スカラ 上映中
11:00/13:40/16:20/19:00〜終21:25
※12/31(金)は19:00の回休映。
新宿文化シネマと番組入れ替えの可能性あり。
▼池袋 池袋HUMAXシネマズ4 上映中
10:40/13:30/16:15/19:00〜終21:20
▼品川 品川プリンスシネマ 上映中
9:45/12:35/15:20/18:10/21:00(12/31 23:45〜終2:05)
▼お台場 シネマ メディアージュ 上映中
〜12/31 11:20/12:40/14:10/15:35/17:05/18:30/20:20
※〈12/25オールナイト〉21:25/23:10/0:20/2:10〜終4:35
※2館での上映。1/1(土)以降の上映時間は直接劇場へお問い合わせ下さい。
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┃3┃ Review (観ていないあなたへ)
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【ポイント】★★★
<内訳>
テーマ :★★★
ストーリー :★★
キャスト :★★★★
スタッフ :★★★
なんか、すっきりしないんですよね。
周りでは泣いてる人もいましたが。
私は、あんまりグッと来ることもなく。
一方で、飽きることもなかったんですが…。
空港に足止めを喰らって住み着いた異邦人。
この設定はいい。面白いと思います。
問題は、それをどう生かしていくか。
それが、よく分からないんです。
この映画のラストを考えてみれば、
やっぱりあのピーナツ缶に注目を集めて、
「なぜ、男はNYに来たのか」について、
話を絞って行かなくちゃいけなかったはず。
男が英語を勉強して、働くまではいいんですが。
そこから先の物語の展開が、友だちづくりだったり、
恋人との関係だったり、当局との対立だったりと、
フラフラ、フラフラ、してしまっているので、
いったいどこに注目したらいいのか分からない。
もちろん、それぞれのエピソードにおいて、
それぞれにいい話はあるんですけれども。
友だちが幸せになったり、一方で不幸な過去があったり、
当局の悪役から主人公が見事に英雄となってみせたり。
個々のエピソードは面白く、時には心を揺さぶりますが…
…私はそれで、泣けるというほどではなかった。
だってそれぞれ、単発の出来事でしかないもの。
本当に涙腺を刺激するような話というのは、
長い物語の果てに、やっとたどり着く事実があって、
大きな感動に結びつき、人は涙を流すんだと思います。
たとえば、この映画のラストの展開は、
はっきり言って「ビッグ・フィッシュ」と同じですが、
でも、僕はこの映画では、全く感動しなかった。
「ビッグ・フィッシュ」では、ボロ泣きでしたが。
それは、「ビッグ・フィッシュ」では、一人の男が、
ずっと苦難の果てに、ひとつの人生をやり遂げたのだ、
という物語に絞って、2時間をずっと語り続けてきたから。
だからそれが実るとき、大きな感動となって伝わるはず。
この映画には、それがない。
要は、盛り込みすぎだということです。
たぶん、舞台を空港にした時点で、
やりたいことがたくさん湧いてきて、
それを全部突っ込んでしまったのでしょう。
そういうのはたいてい、失敗します。
これでクリスマス映画のいちばんのオススメは、
「ベルヴィル・ランデヴー」ということになりますね。
この週末、映画を探してらっしゃる方は、是非こちらへ!
しかし、トム・ハンクスは何をやってもすごいですねぇ。
あのしゃべり方、あのコケ方、本当にすごい役者です。
そうそう、ちなみにキャサリン・ゼタ=ジョーンズは、
実際には35歳ですからね。お間違えなきよう(笑)。
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┃4┃ Column (観おわったあなたへ)
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ちょっとしたレストランに入り、周りを見渡すと、
意外と面白い光景に出くわすことがある。
1つのテーブルでは、つきあい始めの二人が、
ぎこちない会話を交わしながら、愛想笑いを浮かべている。
また1つのテーブルでは、すっかり疲れた二人が、
何の会話もないままに、ただ黙々と料理を食べている。
かと思えば、どこかのテーブルでは、
二人がお互いの口に料理を運んでいる。
そんなものを見ているうちに、
どこかで男女の口論が始まっている。
どうやら限界まで、来てしまったようだ。
まるで、同じレストランのなかで、
1つの人生をそのままに、観ているかのようだ。
駅や、空港でも、同じようなことが言えるだろう。
ここで出逢う人、ここで別れる人、
再び出逢い、そして一生の別れを選ぶ人…。
まして国際線のターミナルともなれば、
そこは1つの都市さながらに、店が建ち並び、
人が行きかい、そして多くのドラマが生まれている。
荷物を拾うものもいれば、無くすものもいる。
移民系の肉体労働者たちが、恋に落ちる。
美人スッチーの帰りを待つ、不倫相手もいる。
そして、旅先で国籍を失った不幸な外国人もいる。
彼は必死で英語を学び、この空港で生活を始める。
賃金を稼いで、故郷での約束を果たそうとしている。
また、ステキな女性に対して恋することもいとわない。
言葉も知らない異国に来たこと、
そこで国籍を失ったことは、
彼にとっては終わりではない。
すべては、新たな始まりなのだ。
彼が恋した女性も、同じように、
終わりに至った自分を見極めようとしている。
それは、新しい始まりでもあるはずだ。
ここはターミナル。
ターミナルとは、端っこのことだ。
それは、最後にたどり着く場所でもあり、
そして、最初に始める場所でもあるのだ。
男は最後まで希望を捨てず、意気揚々と、
最後に故郷との約束の精算へと向かう。
それは、彼にとってもう1つの終わりだった。
けれども彼にとって、それは必要でもあった。
物事を途中で投げ出さず、最後まで終える。
そのことが、その終わりを始まりに変える、
新しい力をつかむために、いちばん重要なのだ。
中途半端で何かを辞めると、
何もかもが下らなくて、無価値に思えてくる。
終わりを始まりに変える力は、
終わりにきちんとケジメをつけるところから始まる。
彼はそのことを知っていたのだ。
だから、何ヶ月にもわたる「ターミナル」でも、
くじけずに自分を保ち、最後までやってのけたのだろう。
2004/12/24 池袋ヒューマックスシネマズ3にて。
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┃5┃ 次回予告 ほか
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その他、筆者からのお知らせなどなど。
★次回予告「約三十の嘘」……………………………………………
前作「とらばいゆ」では、デビュー作の問題をすべてクリアし、
見事に4つ星半の評価をつけた、大谷健太郎監督。
注目の新作には、中谷美紀、椎名桔平、田辺誠一、妻夫木聡と、
そうそうたる面々が集い、これだけでも期待は高まります!
で、次回もお楽しみに。
なお、次回は月曜にします。年末なので。
http://www.30uso.com/
★今後の予定など………………………………………………………
来週はその他、ブライアン・ヘルゲランドが脚本だから、
というわけでデンゼル・ワシントン主演のこの映画、
マフィア相手に男が単身乗り込む「マイボディーガード」
http://mybodyguard.jp/を観てきます。
そして、今年一年の締めくくりは、
私生活でも母親となったグウィネス・パルトロウが、
多感な女性詩人、一人の女を演じる「シルヴィア」の予定です。
http://www.sylvia-movie.com/sylvia.html
今年も残り少なくなりましたが、お楽しみに。
★連絡先は………………………………………………………………
【メールお待ちしてます!】
今回のメールマガジンはいかがでしたか?
ご意見、ご質問、ご感想などをお気軽にお寄せください♪
メールアドレス:espoir@lares.dti.ne.jp
※ なお、頂いたメールは本誌で紹介することがあります。
匿名希望の方は、その旨をお書き添えください。よろしくです。
【休刊情報やちょっとしたコメントなど…】
http://blog.melma.com/00033635/
上記のサイトからなら、かしこまったメールにすることなく、
一行だけでもコメントやリクエストを書き込めます。
また、筆者の近況や休刊情報もこちらです。適宜ご確認を。
【他の映画のバックナンバーを探したいな…】
ウェブサイト:http://www.lares.dti.ne.jp/~espoir/
上記のサイトをゼヒゼヒ!訪れてみてください。
これまでの映画タイトルが五十音順で並んでいます。
また、今後の掲載予定や筆者の近況なども、連載中。
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【映画のなかの人生、映画のような人生。】
Vol.394 2004年12月24日
発行者:Ak. espoir@lares.dti.ne.jp
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