【映画とは、人生を2時間で切り取るものだ】。そんな視点からつづる、1000文字の映画コラム。いろんな映画をきっかけに、生き方について考えてみませんか。ありふれた日常のなかで、答えを探すあなたに、ぜひ。
- 最新号:2008-09-04
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映画のなかの人生…Vol.387「Mr.インクレディブル」★★★★
発行日: 2004/12/7
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☆ ★ ☆ 映画のなかの人生、映画のような人生。 ★ ☆ ★
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【映画とは、人生を2時間で切りとるもの】
映画が魅せる、人間のやさしさ、弱さ、強さを、いっそう鮮烈に、
そしてもっと映画を観たくなる、ひと味違うメールマガジン。
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Vol.387「Mr.インクレディブル」★★★★ 2004.12.7(火)
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【1】STORY
かつてのヒーロー、Mr.インクレディブルはその能力を
禁止され、いまは良きパパとして失意の日々を送っていた。
【2】Michelin
丸の内ピカデリー他、松竹系のそこらじゅうでやってます。
【3】Review
入りがややもたつくが、テーマも後半の展開も実に見事。
【4】Column
気がつけば誰もが、スーパーパワーを持っているハズ。
______________________________________________Mr.Incredible
これまでも数々の傑作を送り出してきた、ディズニーとピクサー。
このタッグ契約の最後の作品になる、といわれているのが本作。
「トイ・ストーリー」「モンスターズ・インク」から、
「ファインディング・ニモ」に至る歴史の最後を飾るのに、
相応しい映画であることを、誰もが望んでいるはずです。
<オフィシャルサイト>
http://www.mr-i.jp/
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┃1┃ STORY (観ていないあなたへ)
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超人的能力で地球を救ってきたMr.インクレディブルだったが、
その能力による被害も大きく、ヒーローは全国的に禁止された。
良き夫、良きパパとして、同じくヒーローだった妻や子どもと
過ごす彼だったが、地球を救うスリルへの欲望はいまも消えず…。
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┃2┃ 上映館ミシュラン (観ていないあなたへ)
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東宝系の「ハウル」に対して、松竹系はこれ一色です。
そこらじゅうでやってるので、お近くへどうぞ。
ただし、字幕版と吹替版がそれぞれあるので、
お出かけの際はその辺にお気をつけて。
映画が始まってからでは、遅いですからね。
▼有楽町 丸の内ピカデリー1 12/4(土)より
〈字幕版〉12/11・12/12 16:35/19:10
12/6〜12/10・12/13〜 15:50/18:30(12/10 21:00)
〈吹替版〉12/11・12/12 8:50/11:15/13:55
12/6〜12/10・12/13〜 10:40/13:10
▼渋谷 渋谷シネパレス 12/4(土)より
〈字幕版〉土日19:20〜終21:30 平日14:10/16:45/19:20〜終21:30
〈吹替版〉土日9:00/11:35/14:10/16:45 平日9:00/11:35
渋谷ピカデリー 12/4(土)より
〈字幕版〉土日17:10/20:00〜終22:15 平日13:20/16:00/18:40〜終20:55
※〈土曜オールナイト〉22:40/1:10/3:40〜終5:55
〈吹替版〉土日9:10/11:50/14:30〜終16:40 平日10:40〜終12:50
渋谷東急 12/4(土)より
〈吹替版〉8:20/11:00/13:40/16:20/19:00〜終21:15
▼新宿 新宿松竹会館 12/4(土)より
〈字幕版〉土日16:40/19:15
平日14:05/16:40/19:15〜終21:30
〈吹替版〉土日9:10/11:30/14:05〜終16:20 平日11:30〜終13:45
▼豊島園 ユナイテッド・シネマとしまえん 12/4(土)より
〈字幕版〉〜12/10 12:15/14:45/19:00/21:30〜終23:40
〈吹替版〉〜12/10 9:00/10:30/11:30/13:00
/14:00/15:30/16:30/18:00/20:30〜終22:40
※〈吹替版〉は2館での上映。
▼品川 品川プリンスシネマ 12/4(土)より
〈吹替版〉〜12/10 (土日水9:35)12:15/15:10/18:25〜終20:35
※12/11(土)以降の上映時間は直接劇場へお問い合わせ下さい。
品川プリンスシネマ(プレミアスクリーン)
〜12/10 (土日水10:00)12:40/15:20/17:55/20:35〜終22:45
※12/11(土)以降の上映時間は直接劇場へお問い合わせ下さい。
▼お台場
シネマ メディアージュ 12/4(土)より
〈字幕版〉〜12/10 12:20/15:05/17:50/20:35〜終22:50
〈吹替版〉〜12/10 11:05/11:50/13:50/14:35
/16:35/17:20/19:20/20:05〜終22:20
※〈吹替版〉は2館での上映。短編1本の併映あり。
12/11(土)以降の上映時間は直接劇場へお問い合わせ下さい。
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┃3┃ Review (観ていないあなたへ)
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【ポイント】★★★★
<内訳>
テーマ :★★★★
ストーリー :★★★
キャスト :★★★★
スタッフ :★★★★
いやー、堅いなと思いました。
これだけ物語の基本を、きちんと押さえてるんですから、
失敗しようがない。そしてそれがいちばん難しいんです。
内容的には、昔ながらのアクション、スパイ映画の再構成。
悪者が南海の孤島に秘密基地を持っているのは勿論のこと、
その潜入ルートでは海でもアクション、空でもアクション、
基地のなかでも隠れたり、捕まったり、そして大脱出!
ほとんどが「どっかで観たような…」シーンのパクリ。
なのに、全くイヤミや嘘くささがないのが、この映画の凄さ。
Mr.インクレディブルが、家庭でわだかまってるあたりは、
ちょっと冗長かな、と思いますが、後半は息つく間もない。
襲い来る新兵器、度重なるピンチ、炸裂するパワー、
そして最後には、誰もが分かっているけど感動の大団円!
どうだ、文句があるか、バカヤロー!くらいのノリ。
昔、「スパイアクション」と聞いて真っ先に想像していた、
あのスリル、あのドキドキが、間違いなくスクリーンに帰ってきます。
しかも、そうした内容が、自然と受け入れられるのは、
ピクサー映画に共通する、ハートフルなテーマ性。
「トイストーリー」も「モンスターズインク」も「ニモ」も、
主役は、世間の片隅の、見捨てられてしまいそうな弱い存在。
いまは愛されても、いつかは捨てられるオモチャ、
人を怖がらせてばかりで、友だちになれないお化け、
人間たちに捕まり、いつも家族を失いかねない小魚。
そして、今回は超能力があるばっかりに、
人々から異端視される「元」スーパーヒーローの家族。
でも、それでいいんだ、とピクサーの映画は語りかける。
か弱い存在だからこそ、ピンチが来たら、
お互いが手を取り合って、助け合えるじゃないか。
名もなき観客の側に立った上で、なおかつそれを励ます、
この姿勢がいつもポジティヴで、ピクサーの決め手になっている。
今回も、家族のまとまりをテーマに、
スーパーヒーロー一家が見事に、手と手を取り合い、
最後には互いを助け合って、悪者をやっつける。
ここにみんな、爽快感を感じてしまうので、
途中がパクリだろうと、お約束だろうと全く関係ない。
それどころか、母親が子どもたちを守ろうと、
言いつけるセリフひとつで、簡単に人々の涙を誘える。
いやはや、ちゃんとしたテーマと、
しっかりした展開があれば、それだけで、
映画はこんなにも楽しくなるものなんですね。
今後、ピクサーがどこと手を組むかは知りませんが、
これからも同じ姿勢で、そしてまた新しいジャンルへ、
広げていけばいいんじゃないでしょうか。問題なしの良作。
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┃4┃ Column (観おわったあなたへ)
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自分にどんな能力があるかなんて、誰も知らない。
自分自身だって、気づいていないかもしれない。
サラリーマンの社会では、ドジでのろまな人物でも、
ひょっとして、500年前の戦国時代だったら?
実は、孔明もびっくりの名軍師だったかもしれない。
ひょっとして、アフリカの少数民族に生まれたら?
実は、狩りの得意な立派なリーダーになったかもしれない。
自分にどんな能力があるか、というのは、
自分の周りの環境や、評価のあり方によって、
まるで変わってしまうものなのだと思う。
だから、本当はすごい能力を秘めた人も、
たまたまそこにいるばかりに、誰も気づかないこともある。
「元」スーパーヒーローの、Mr.インクレディブル。
彼の持っているすごい怪力は、誰かを救うとき、
助けるときにこそ、力を発揮するもののはず。
彼の能力は、保険屋さんで生かせるものじゃない。
彼だけじゃない。彼の子どもたちもそうだ。
自由に消えたり、バリアを張れる娘だって。
スーパーダッシュで走り回れる息子だって。
彼らの能力は、学校で素直に生かせるものじゃない。
自分の能力を、思ったように生かせない。
それどころか苦手なことばかりが押しつけられる。
そんな人生は、やっぱりやっていてイヤになる。
子どもたちは腐るし、Mr.インクレディブルだって腐る。
そんなに腐る家族を相手に、母親だってまいってしまう。
やっぱり、このままじゃダメだ。
そんな折り、絶好のチャンスがやってくる。
Mr.インクレディブルに宛てられた、謎の依頼状。
そして、罠にはめられてしまった彼を、
一緒に救い出しに行く、母親と子ども2人。
いよいよ彼らが待ちに待っていた、
スーパーパワーを発揮できる場所が来たのだ!
そして波瀾万丈の格闘の末に、彼らが気がついたこと。
彼らに必要だったのは、何も、
地球を救うヒーローになることじゃない。
自分の能力を認めてくれる誰かだった。
そこでは母親も、子どもたちを信じるしかなかった。
そこでは父親も、家族を信じるしかなかった。
そして誰もが、父親を信じるしかなかった。
誰かが、自分の能力を認めて、信じてくれる。
それを自然とできるのが、家族だったじゃないか。
それが当たり前なのが、本当の家族の姿だったはず。
だからもう、インクレディブル一家に迷いはない。
彼らの学校生活も、会社生活も変わらない。
でもいまは、自分の能力を認めてくれる人がそばにいる。
そしていつか、それを発揮できることも分かっている。
それだけで、毎日が明るく楽しくなってくるのだ。
能ある鷹は爪を隠すというのは、そういうことだ。
あなたの能力も、誰も知らないパワーを発揮するその日が、
ひょっとしたら遠からず、いずれ来るのかもしれません。
2004/11/18 銀座ヤマハホール試写会場にて。
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┃5┃ 次回予告 ほか
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その他、筆者からのお知らせなどなど。
★次回予告「ビハインド・ザ・サン」………………………………
「モーターサイクル・ダイアリーズ」では、意外とすっきり、
伝記そのままに映画を撮っていたウォルター・サレスですが、
その前作は、「シティ・オブ・ゴッド」のようなアクション。
果たして彼は、何を描きたかったのか?確かめてきます。
で、次回もお楽しみに。
次回は明日にします。この映画、今週までなので…。
http://www.gaga.ne.jp/behindthesun/
★今後の予定など………………………………………………………
来週は、以下の3本の予定。
お、ラブロマンスが並んでるぞ。
でも塚本晋也監督「ヴィタール」はラブロマンス、なのかな…?
「恋に落ちる確率」http://www.koi-kakuritsu.jp/
「ボンヴォヤージュ」http://bonvoyage-cinema.jp/
「ヴィタール」http://www.vital-movie.com/
再来週以降では、フレンチアニメの「ベルヴィルランデヴー」、
大谷健太郎がついに豪華キャストを手にした「約三十の嘘」、
あたりが筆者の個人的注目作です。けっこう期待してます。
12/18-24
「ターミナル」http://www.terminal-movie.jp/
「レディジョーカー」http://www.ladyjoker.jp/enter.html
「ベルヴィルランデヴー」http://www.klockworx.com/belleville/
12/25-12/30
「マイボディーガード」http://mybodyguard.jp/
「約三十の嘘」http://www.30uso.com/
「シルヴィア」http://www.sylvia-movie.com/sylvia.html
★連絡先は………………………………………………………………
【メールお待ちしてます!】
今回のメールマガジンはいかがでしたか?
ご意見、ご質問、ご感想などをお気軽にお寄せください♪
メールアドレス:espoir@lares.dti.ne.jp
※ なお、頂いたメールは本誌で紹介することがあります。
匿名希望の方は、その旨をお書き添えください。よろしくです。
【休刊情報やちょっとしたコメントなど…】
http://blog.melma.com/00033635/
上記のサイトからなら、かしこまったメールにすることなく、
一行だけでもコメントやリクエストを書き込めます。
また、筆者の近況や休刊情報もこちらです。適宜ご確認を。
【他の映画のバックナンバーを探したいな…】
ウェブサイト:http://www.lares.dti.ne.jp/~espoir/
上記のサイトをゼヒゼヒ!訪れてみてください。
これまでの映画タイトルが五十音順で並んでいます。
また、今後の掲載予定や筆者の近況なども、連載中。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
【映画のなかの人生、映画のような人生。】
Vol.387 2004年12月7日
発行者:Ak. espoir@lares.dti.ne.jp
(C)2001-2004 Ak. All rights reserved.
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