トップ > エンターテイメント > 映画 > 映画のなかの人生、映画のような人生。

【映画とは、人生を2時間で切り取るものだ】。そんな視点からつづる、1000文字の映画コラム。いろんな映画をきっかけに、生き方について考えてみませんか。ありふれた日常のなかで、答えを探すあなたに、ぜひ。

  • 最新号:2008-09-04
  • 発行周期:火・金・(木)
  • 読んでる人:522人
  • 創刊日:2001-03-20
  • Score!:96点
  • コメント数 : 0
  • メルマガID:33635
  • バックナンバー:全て公開
  • 発行者サイト:あり
  • >> 月間ランキング



映画のなかの人生…Vol.372「シークレットウィンドウ」★

発行日: 2004/10/29


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 ☆ ★ ☆  映画のなかの人生、映画のような人生。 ★ ☆ ★
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

【映画とは、人生を2時間で切りとるもの】
映画が魅せる、人間のやさしさ、弱さ、強さを、いっそう鮮烈に、
そしてもっと映画を観たくなる、ひと味違うメールマガジン。


_                  __________
  Vol.372「シークレットウィンドウ」★   2004.10.29(金)
 ̄                   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
  【1】STORY
   妻を寝取られ別居中の作家は、湖畔の別荘にひとり住まい。
   そこへ旧作を「盗作だ」と訴える謎の男が現れる。

  【2】Michelin
   とにかくそこら中でやっている。あまり混んではいない。

  【3】Review
   驚くほどありきたりなスリラー。デップの演技だけが注目。

  【4】Column
   作家は周囲の人間を模倣し、いくつもの顔を持っていく。

______________________________________________Secret Window

スティーヴン・キング原作、ジョニー・デップ主演。
これだけでかなりの集客力がありそうな、このサスペンス映画。
大々的に宣伝されて、方々でやっているわけですが…。

<オフィシャルサイト>
http://www.sonypictures.jp/movies/secretwindow/


┳━┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃1┃ STORY (観ていないあなたへ)
┻━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

妻を寝取られ別居中の作家は、湖畔の別荘にひとり住まい。
そこへ旧作を「盗作だ」と訴える謎の男が現れ、彼は困惑する。
作家は男を追い払おうと、証拠となる自作の掲載雑誌を探すが、
そのうちに別荘や別れた妻の周辺に、次々と異変が訪れ…。


┳━┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃2┃ 上映館ミシュラン (観ていないあなたへ)
┻━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

東宝系の各所で公開されています。
都内なら日比谷スカラ座がオススメですが、
他はシネコンであればどこでもやっているでしょう。
公開スクリーン数が多いこともあり、そんなに混んでません。

▼日比谷 日比谷スカラ座1 上映中
10:15/12:30/14:45/17:00/19:15〜終21:10 

▼歌舞伎町 新宿東亜興行チェーン 上映中
11:00/13:00/15:00/17:00/19:00〜終20:45 
※〈金土・11/2オールナイト〉20:55/22:50/0:45/2:40〜終4:25
※番組変更の可能性あり。 

▼渋谷 渋東シネタワー 上映中
11:45/14:00/16:15/18:30〜終20:20 

▼新宿三丁目 新宿文化シネマ 上映中
11:15/13:15/15:15/17:15/19:15〜終21:00
※番組変更の可能性あり。 

▼池袋 池袋HUMAXシネマズ4 上映中
10:30/12:40/14:50/16:55/19:00(10/30 21:05〜終22:50) 

▼豊島園 ユナイテッド・シネマとしまえん 上映中
10/30〜11/2 12:15/14:15/16:30/19:00/21:15 
11/3〜11/5 11:45/14:00/16:15/19:00/21:30〜終23:16 
※〈10/30・11/2オールナイト〉23:45〜終1:31

▼品川 品川プリンスシネマ 上映中
10/30〜11/5 13:30/16:00/18:40/20:55〜終22:45
※プレミアスクリーンでの上映。
 11/6(土)以降の上映時間は直接劇場へお問い合わせ下さい。 

▼お台場 シネマ メディアージュ 上映中
10/28〜11/5 11:15/13:35/15:55/18:15/20:35〜終22:25
※〈10/30オールナイト〉22:55/1:20〜終3:10
※11/6(土)以降の上映時間は直接劇場へお問い合わせ下さい。 

▼六本木 VIRGIN TOHO CINEMAS 六本木ヒルズ 11/1(月)より
11/1・11/2 10:30/13:00/15:20/18:00/20:40
(11/2 23:45/2:10〜終4:00) 
11/3〜11/5 10:30/13:00/15:20/18:00(11/4・11/5 2:10〜終4:00)
※11/6(土)以降の上映時間は直接劇場へお問い合わせ下さい。


┳━┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃3┃ Review (観ていないあなたへ)
┻━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

【ポイント】★

<内訳>
テーマ   :★
ストーリー :★
キャスト  :★★★
スタッフ  :★

これ、犯人はすぐ分かるでしょう。
分からないかなぁ?分かると思うんだよなぁ。
このネタは、いまや使い古しですらあって、
ちょっと気の利いた人なら、すぐ気がつくでしょう。

だから、全然怖くないんだよなぁ。
「そんなこと言ったって、犯人は…」と思って見てる。
その上、主人公の追いつめ方にも、あんまり芸がない。
犯人をこのように設定したことによる、特異性がまるでない。
最初の脅しだって、あまりにもありきたりでつまらない。

そもそも冒頭からして、雨の中の車中に籠もる男、
雪の降る夜のモーテルって、露骨なパクリだよね。
きっと、「キング作品へのオマージュ」とか言うんだろう。

でも内容のレベルを考えると、
オマージュどころか、これでは完全な汚点だ。
他にオリジナルなアイディアがなかったとしか思えない。

せめて犯人に気がつくシーンくらい、
「なるほど」と思わせるアイディアがあればよかったのに。
デップのとぼけた顔と演技だけが、この映画の救い。

「ツイステッド」もイマイチだったが、これはもっとひどい。
いくらなんでもこんなにつまらないとは、ねぇ。
「ナインスゲート」に続き、デップのハズレ映画に1つ追加。


┳━┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃4┃ Column (観おわったあなたへ)
┻━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

あるモノマネコメディアンが、歌手デビューを果たしたとき、
インタビューでこんなことを言っていたのが印象的だった。
「いざ自分が歌うとなると、どれが自分の歌声なんだか分からない」

あんまりにも模倣が過ぎると、自分らしさが見えなくなっていく。
モノマネ師の生業が、アイドルや役者の模倣なら、
作家の生業は、市井に暮らす人間たちの模倣でもある。

自らの作品に「住んでいる」、たくさんの人々について、
ああでもない、こうでもないと、作家は頭を悩ませる。
離婚寸前の男について、どういう気持ちになるだろう。
それと別れたいという女は、いったい何を考えている?

いろんな人間の気持ちについて、
作家は身の回りの人々を手がかりに、答えを探す。
ある時は若い女になり、ある時は老人になり、
ある時は殺人鬼になり、ある時はそれに怯える男に変わる。

この映画の作家もまた、そのようにして、
いろんな人間たちを演じ、成功を収めてきたのだろう。
しかし現実の生活では、彼は成功を得られなかった。
妻を他の男に寝取られ、男の人生は1つの挫折を迎えた。

いままで、演じたことのないような1つの人格が、
彼の中に生まれ、それを彼はまた、作品に落としていく。
そうして作家は、新作を生みだしていくものでもある。
「シークレットウィンドウ」は、そんな小説だったはずだ。

それを盗作だ、という男が現れる。
盗作というのは、作家にとって最大の屈辱だ。
これまでの自分の、何人もの人々との出逢いが、
すべて絡まり合って、1つの作品が生まれているはず。

それが盗作であるということは、
その作家の人生まで、誰かの盗作=模倣である、
といわれているようなものだろう。

この映画でも、作家は怒り、反証を探しはじめる。
自分の人生は、誰の盗作でもない。
しかし怒りが頂点に達すると、作家は壊れてしまう。
自分のなかにある、たくさんの人格を御しきれず、
やがて、たくさんの性格の浮き沈みに、流されていくからだ。

日陰者のようでもあり、人生の敗北者であり、
妻を愛する男でもあり、間男を憎む復讐者でもある。
果たしてどれが、本当の自分だったのだろうか?

人生には、確かに模倣すべき師は必要だ。
人類の発展は、すべてマネから始まったともいう。

けれども、マネをしすぎるのも考え物だ。
この映画自体も、もう少しくらいは模倣を超えて、
オリジナリティを発揮してくれればよかったのだが…。

2004/10/29 渋東シネタワー1にて。


┳━┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃5┃ 次回予告 ほか
┻━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
その他、筆者からのお知らせなどなど。


★次回予告「みんな誰かの愛しい人」………………………………

「ムッシュ・カステラの恋」で、中年男の珍妙なラブコメディを、
人間味溢れる視点から描ききったアニエス・ジャウィの新作。
カンヌ脚本賞を受賞した本作では、ラブコメディの枠から離れ、
より人間ドラマとしての完成度を高めてきたようです。期待作。

で、次回もお楽しみに。次回は火曜。
http://www.gaga.ne.jp/dare-ai/


★今後の予定など………………………………………………………

来週からは観るものいっぱい!で大変困っています…。
3週ほどに分けて、いろいろ観てくる予定です。

「春夏秋冬そして春」http://www.kimki-duk.jp/spring/
韓国映画の伝統を覆す奇才、キム・ギドク監督作品がまた劇場公開。
「悪い男」以来、筆者の中では彼への評価が非常に高いです。

「隠し剣、鬼の爪」http://www.kakushiken.jp/
「たそがれ清兵衛」に続く、山田洋次の時代劇映画シリーズ2作目。
2匹目のドジョウなのか、ウナギなのか、そしてまたシリーズ化か?

その他、とにかく羅列してみると、
料理と再会をめぐる家族ドラマ「エイプリルの七面鳥」、
「IF ONLY」のマリア・デポル監督「ユートピア」、
「CUBE」より怖い、凄いという「SAW」、
金城武を久々に観にいくなら「ターンレフト、ターンライト」、
やさしいおばあちゃんのまなざしを描く「やさしい嘘」、
なんてたくさんあるんですが、しかもその翌週からは、
ウォルター・サレスの前作「ビハインド・ザ・サン」や、
カンヌグランプリの「オールド・ボーイ」も始まってしまう。

私がもう1人くらい、欲しいくらいです。はい。頑張ります…。


★連絡先は………………………………………………………………

【メールお待ちしてます!】
今回のメールマガジンはいかがでしたか?
ご意見、ご質問、ご感想などをお気軽にお寄せください♪
メールアドレス:espoir@lares.dti.ne.jp

※ なお、頂いたメールは本誌で紹介することがあります。
  匿名希望の方は、その旨をお書き添えください。よろしくです。

【休刊情報やちょっとしたコメントなど…】
http://blog.melma.com/00033635/
上記のサイトからなら、かしこまったメールにすることなく、
一行だけでもコメントやリクエストを書き込めます。
また、筆者の近況や休刊情報もこちらです。適宜ご確認を。

【他の映画のバックナンバーを探したいな…】
ウェブサイト:http://www.lares.dti.ne.jp/~espoir/

上記のサイトをゼヒゼヒ!訪れてみてください。
これまでの映画タイトルが五十音順で並んでいます。
また、今後の掲載予定や筆者の近況なども、連載中。

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
【映画のなかの人生、映画のような人生。】
 Vol.372 2004年10月29日
 発行者:Ak. espoir@lares.dti.ne.jp
 (C)2001-2004 Ak.  All rights reserved.
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 
このメルマガの読者になる
規約 
>> メルマ!の会報誌もお届けします

ブックマーク: はてなブックマークに追加del.icio.usに追加Buzzurlにブックマークニフティクリップに追加ライブドアクリップに追加Yahoo!ブックマークに登録My Yahoo!に追加Add to GoogleRSS

このメルマガを読んでいる人はこんなメルマガも読んでいます

サッカー日本代表ネットワーク・メールマガジン
日本代表やJリーグを中心とした国内外のサッカー情報を 毎日お届けします。 WEB版日本代表ニュースを中心に編集します。
ホントに面白い映画はコレだ! 今週の映画瓦版
プロの映画批評家が編集発行する週刊メールマガジン。毎週公開される映画を独自の視点からランキング。充実したDVD情報も好評です!
週刊アカシックレコード
02年W杯サッカー韓国戦の「誤審」を世界で唯一「前日」に誌上予測し、誤審報道を「常識化」した推理作家(金正日の「遺書」で始まる「中朝戦争」後の北朝鮮...
宮崎正弘の国際ニュース・早読み
 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析
こんな映画は見ちゃいけない! 
映画批評系メルマガで読者数No.1! プロの編集者が簡潔な文章と的確な表現で書き下ろす「1分で読める新作映画批評」です。映画紹介だけのメルマガにはな...


この記事へのコメント


コメントを書く
コメントはありません。

おすすめキャンペーン

三井住友銀行カードローン
金利 年6.0%〜12.0%。最高500万円までお借入可能。
最短30分審査、即日カード発行可能。
お申込はこちら⇒

発行者プロフィール

ペンネーム : Ak.

  • 年間100本以上の映画を観ている作家のたまご。良い物語と、生き方を考えさせるテーマを求めて、今日も映画館に足を運びます。もう1000本以上も観ているんですけどね…。

このメルマガの読者になる

規約に同意する



このメルマガの最近の記事


このメルマガの最近のコメント

最新のコメントはありません。

注目情報


新着記事トピックス