【映画とは、人生を2時間で切り取るものだ】。そんな視点からつづる、1000文字の映画コラム。いろんな映画をきっかけに、生き方について考えてみませんか。ありふれた日常のなかで、答えを探すあなたに、ぜひ。
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映画のなかの人生…Vol.372「シークレットウィンドウ」★
発行日: 2004/10/29
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☆ ★ ☆ 映画のなかの人生、映画のような人生。 ★ ☆ ★
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【映画とは、人生を2時間で切りとるもの】
映画が魅せる、人間のやさしさ、弱さ、強さを、いっそう鮮烈に、
そしてもっと映画を観たくなる、ひと味違うメールマガジン。
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Vol.372「シークレットウィンドウ」★ 2004.10.29(金)
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【1】STORY
妻を寝取られ別居中の作家は、湖畔の別荘にひとり住まい。
そこへ旧作を「盗作だ」と訴える謎の男が現れる。
【2】Michelin
とにかくそこら中でやっている。あまり混んではいない。
【3】Review
驚くほどありきたりなスリラー。デップの演技だけが注目。
【4】Column
作家は周囲の人間を模倣し、いくつもの顔を持っていく。
______________________________________________Secret Window
スティーヴン・キング原作、ジョニー・デップ主演。
これだけでかなりの集客力がありそうな、このサスペンス映画。
大々的に宣伝されて、方々でやっているわけですが…。
<オフィシャルサイト>
http://www.sonypictures.jp/movies/secretwindow/
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┃1┃ STORY (観ていないあなたへ)
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妻を寝取られ別居中の作家は、湖畔の別荘にひとり住まい。
そこへ旧作を「盗作だ」と訴える謎の男が現れ、彼は困惑する。
作家は男を追い払おうと、証拠となる自作の掲載雑誌を探すが、
そのうちに別荘や別れた妻の周辺に、次々と異変が訪れ…。
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┃2┃ 上映館ミシュラン (観ていないあなたへ)
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東宝系の各所で公開されています。
都内なら日比谷スカラ座がオススメですが、
他はシネコンであればどこでもやっているでしょう。
公開スクリーン数が多いこともあり、そんなに混んでません。
▼日比谷 日比谷スカラ座1 上映中
10:15/12:30/14:45/17:00/19:15〜終21:10
▼歌舞伎町 新宿東亜興行チェーン 上映中
11:00/13:00/15:00/17:00/19:00〜終20:45
※〈金土・11/2オールナイト〉20:55/22:50/0:45/2:40〜終4:25
※番組変更の可能性あり。
▼渋谷 渋東シネタワー 上映中
11:45/14:00/16:15/18:30〜終20:20
▼新宿三丁目 新宿文化シネマ 上映中
11:15/13:15/15:15/17:15/19:15〜終21:00
※番組変更の可能性あり。
▼池袋 池袋HUMAXシネマズ4 上映中
10:30/12:40/14:50/16:55/19:00(10/30 21:05〜終22:50)
▼豊島園 ユナイテッド・シネマとしまえん 上映中
10/30〜11/2 12:15/14:15/16:30/19:00/21:15
11/3〜11/5 11:45/14:00/16:15/19:00/21:30〜終23:16
※〈10/30・11/2オールナイト〉23:45〜終1:31
▼品川 品川プリンスシネマ 上映中
10/30〜11/5 13:30/16:00/18:40/20:55〜終22:45
※プレミアスクリーンでの上映。
11/6(土)以降の上映時間は直接劇場へお問い合わせ下さい。
▼お台場 シネマ メディアージュ 上映中
10/28〜11/5 11:15/13:35/15:55/18:15/20:35〜終22:25
※〈10/30オールナイト〉22:55/1:20〜終3:10
※11/6(土)以降の上映時間は直接劇場へお問い合わせ下さい。
▼六本木 VIRGIN TOHO CINEMAS 六本木ヒルズ 11/1(月)より
11/1・11/2 10:30/13:00/15:20/18:00/20:40
(11/2 23:45/2:10〜終4:00)
11/3〜11/5 10:30/13:00/15:20/18:00(11/4・11/5 2:10〜終4:00)
※11/6(土)以降の上映時間は直接劇場へお問い合わせ下さい。
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┃3┃ Review (観ていないあなたへ)
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【ポイント】★
<内訳>
テーマ :★
ストーリー :★
キャスト :★★★
スタッフ :★
これ、犯人はすぐ分かるでしょう。
分からないかなぁ?分かると思うんだよなぁ。
このネタは、いまや使い古しですらあって、
ちょっと気の利いた人なら、すぐ気がつくでしょう。
だから、全然怖くないんだよなぁ。
「そんなこと言ったって、犯人は…」と思って見てる。
その上、主人公の追いつめ方にも、あんまり芸がない。
犯人をこのように設定したことによる、特異性がまるでない。
最初の脅しだって、あまりにもありきたりでつまらない。
そもそも冒頭からして、雨の中の車中に籠もる男、
雪の降る夜のモーテルって、露骨なパクリだよね。
きっと、「キング作品へのオマージュ」とか言うんだろう。
でも内容のレベルを考えると、
オマージュどころか、これでは完全な汚点だ。
他にオリジナルなアイディアがなかったとしか思えない。
せめて犯人に気がつくシーンくらい、
「なるほど」と思わせるアイディアがあればよかったのに。
デップのとぼけた顔と演技だけが、この映画の救い。
「ツイステッド」もイマイチだったが、これはもっとひどい。
いくらなんでもこんなにつまらないとは、ねぇ。
「ナインスゲート」に続き、デップのハズレ映画に1つ追加。
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┃4┃ Column (観おわったあなたへ)
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あるモノマネコメディアンが、歌手デビューを果たしたとき、
インタビューでこんなことを言っていたのが印象的だった。
「いざ自分が歌うとなると、どれが自分の歌声なんだか分からない」
あんまりにも模倣が過ぎると、自分らしさが見えなくなっていく。
モノマネ師の生業が、アイドルや役者の模倣なら、
作家の生業は、市井に暮らす人間たちの模倣でもある。
自らの作品に「住んでいる」、たくさんの人々について、
ああでもない、こうでもないと、作家は頭を悩ませる。
離婚寸前の男について、どういう気持ちになるだろう。
それと別れたいという女は、いったい何を考えている?
いろんな人間の気持ちについて、
作家は身の回りの人々を手がかりに、答えを探す。
ある時は若い女になり、ある時は老人になり、
ある時は殺人鬼になり、ある時はそれに怯える男に変わる。
この映画の作家もまた、そのようにして、
いろんな人間たちを演じ、成功を収めてきたのだろう。
しかし現実の生活では、彼は成功を得られなかった。
妻を他の男に寝取られ、男の人生は1つの挫折を迎えた。
いままで、演じたことのないような1つの人格が、
彼の中に生まれ、それを彼はまた、作品に落としていく。
そうして作家は、新作を生みだしていくものでもある。
「シークレットウィンドウ」は、そんな小説だったはずだ。
それを盗作だ、という男が現れる。
盗作というのは、作家にとって最大の屈辱だ。
これまでの自分の、何人もの人々との出逢いが、
すべて絡まり合って、1つの作品が生まれているはず。
それが盗作であるということは、
その作家の人生まで、誰かの盗作=模倣である、
といわれているようなものだろう。
この映画でも、作家は怒り、反証を探しはじめる。
自分の人生は、誰の盗作でもない。
しかし怒りが頂点に達すると、作家は壊れてしまう。
自分のなかにある、たくさんの人格を御しきれず、
やがて、たくさんの性格の浮き沈みに、流されていくからだ。
日陰者のようでもあり、人生の敗北者であり、
妻を愛する男でもあり、間男を憎む復讐者でもある。
果たしてどれが、本当の自分だったのだろうか?
人生には、確かに模倣すべき師は必要だ。
人類の発展は、すべてマネから始まったともいう。
けれども、マネをしすぎるのも考え物だ。
この映画自体も、もう少しくらいは模倣を超えて、
オリジナリティを発揮してくれればよかったのだが…。
2004/10/29 渋東シネタワー1にて。
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┃5┃ 次回予告 ほか
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その他、筆者からのお知らせなどなど。
★次回予告「みんな誰かの愛しい人」………………………………
「ムッシュ・カステラの恋」で、中年男の珍妙なラブコメディを、
人間味溢れる視点から描ききったアニエス・ジャウィの新作。
カンヌ脚本賞を受賞した本作では、ラブコメディの枠から離れ、
より人間ドラマとしての完成度を高めてきたようです。期待作。
で、次回もお楽しみに。次回は火曜。
http://www.gaga.ne.jp/dare-ai/
★今後の予定など………………………………………………………
来週からは観るものいっぱい!で大変困っています…。
3週ほどに分けて、いろいろ観てくる予定です。
「春夏秋冬そして春」http://www.kimki-duk.jp/spring/
韓国映画の伝統を覆す奇才、キム・ギドク監督作品がまた劇場公開。
「悪い男」以来、筆者の中では彼への評価が非常に高いです。
「隠し剣、鬼の爪」http://www.kakushiken.jp/
「たそがれ清兵衛」に続く、山田洋次の時代劇映画シリーズ2作目。
2匹目のドジョウなのか、ウナギなのか、そしてまたシリーズ化か?
その他、とにかく羅列してみると、
料理と再会をめぐる家族ドラマ「エイプリルの七面鳥」、
「IF ONLY」のマリア・デポル監督「ユートピア」、
「CUBE」より怖い、凄いという「SAW」、
金城武を久々に観にいくなら「ターンレフト、ターンライト」、
やさしいおばあちゃんのまなざしを描く「やさしい嘘」、
なんてたくさんあるんですが、しかもその翌週からは、
ウォルター・サレスの前作「ビハインド・ザ・サン」や、
カンヌグランプリの「オールド・ボーイ」も始まってしまう。
私がもう1人くらい、欲しいくらいです。はい。頑張ります…。
★連絡先は………………………………………………………………
【メールお待ちしてます!】
今回のメールマガジンはいかがでしたか?
ご意見、ご質問、ご感想などをお気軽にお寄せください♪
メールアドレス:espoir@lares.dti.ne.jp
※ なお、頂いたメールは本誌で紹介することがあります。
匿名希望の方は、その旨をお書き添えください。よろしくです。
【休刊情報やちょっとしたコメントなど…】
http://blog.melma.com/00033635/
上記のサイトからなら、かしこまったメールにすることなく、
一行だけでもコメントやリクエストを書き込めます。
また、筆者の近況や休刊情報もこちらです。適宜ご確認を。
【他の映画のバックナンバーを探したいな…】
ウェブサイト:http://www.lares.dti.ne.jp/~espoir/
上記のサイトをゼヒゼヒ!訪れてみてください。
これまでの映画タイトルが五十音順で並んでいます。
また、今後の掲載予定や筆者の近況なども、連載中。
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【映画のなかの人生、映画のような人生。】
Vol.372 2004年10月29日
発行者:Ak. espoir@lares.dti.ne.jp
(C)2001-2004 Ak. All rights reserved.
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