【映画とは、人生を2時間で切り取るものだ】。そんな視点からつづる、1000文字の映画コラム。いろんな映画をきっかけに、生き方について考えてみませんか。ありふれた日常のなかで、答えを探すあなたに、ぜひ。
- 最新号:2008-09-04
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映画のなかの人生…Vol.277「すべては愛のために」★★★
発行日: 2003/12/31━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
☆ ★ ☆ 映画のなかの人生、映画のような人生。 ★ ☆ ★
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【映画とは、人生を2時間で切りとるもの】
映画が魅せる、人間のやさしさ、弱さ、強さを、いっそう鮮烈に、
そしてもっと映画を観たくなる、ひと味違うメールマガジン。
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Vol.277「すべては愛のために」★★★ 2003.12.31(水)
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【1】STORY
裕福な英国紳士と婚約した女性が、アフリカの飢餓の実情を
知り、自分にできることをしようと現地へ乗り出していく。
【2】Michelin
けっこうどこでもやってます。まあ、どこででも。
【3】Review
タイトルとは関係なく、ドキュメンタリーにほぼ主眼がある。
【4】Column
大きな歯車が生みだしていく悪循環を、人は止められるのか。
_____________________________________________Beyond Borders
かのアンジェリーナ・ジョリーによる、愛と感動の物語。
…と、宣伝されている映画です。原題は「境界を越えて」。
国境線も、男女の違いも、立場の違いも、すべて乗り越えて、
人間としての使命に燃える人々の物語、なんですけどね。
<オフィシャルサイト>
http://www.ainotameni.jp/
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┃1┃ STORY (観ていないあなたへ)
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裕福な英国紳士と婚約した女性が、アフリカの飢餓の実情を知り、
自分にできることをしようと貯金をはたき、現地へ乗り込む。
さらに厳しい現実を思い知った彼女は、そこで努力する人々に、
熱い共感を寄せながら、自分ができることを探していく。
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┃2┃ 上映館ミシュラン (観ていないあなたへ)
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まあ、大きな映画館ではどこでもやっているようです。
そんなに混雑もないので、どこでもどうぞ。
いちおうオススメは日比谷と、池袋かなぁ。
池袋ヒューマックスの1は、いいスクリーンなんだよね。
▼日比谷 日比谷スカラ座1 上映中
10:30/1:15/4:00/6:50〜終9:15
※12/31(水)は6:50PMの回休映。
▼渋谷 渋東シネタワー 上映中
10:15/1:00/3:45/6:30〜終8:50
※12/31(水)は6:30PMの回休映。
▼歌舞伎町 新宿東亜興行チェーン 上映中
11:00/1:35/4:10/6:45〜終9:10
※〈12/22・12/30・12/31・金土オールナイト〉21:20/23:40/2:00〜終4:10
▼新宿三丁目 新宿文化シネマ 上映中
11:30/2:00/4:30/7:00〜終9:15
※12/31(水)は7:00PMの回休映。
▼池袋 池袋HUMAXシネマズ4 上映中
10:30/1:15/4:00/6:45〜終9:00
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┃3┃ Review (観ていないあなたへ)
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【ポイント】★★★
<内訳>
テーマ :★★★★
ストーリー :★★
キャスト :★★
スタッフ :★★
うーん。これは映画じゃないですね。
どちらかというと、ドキュメンタリーです。
一昔前の「24時間テレビ」がやっていたような。
世界各地の難民キャンプに関する現状報告のようなものです。
とりあげられるのは、エチオピア、カンボジア、
そして最後に記憶にも新しいチェチェンという舞台。
いずれも相次ぐ戦争によって、難民は膨大になり、
一方で食料はますます無くなっていったのです。
それぞれのキャンプを見てまわる男と、
その男に思いを寄せる女の物語。
というドラマですが、女はもっぱら英国にいます。
何かをきっかけにして、それぞれのキャンプに向かい、
現状をまざまざと知る、という展開になっていて。
それぞれのキャンプで、かなりピンチな状況になり、
けっこう観る者をはらはらさせてくれます。
この辺は、エンターテイメントな雰囲気もあります。
ただ、それはそれで一瞬の事件であって、
2時間にわたって展開されるスリル、ではありません。
また、二人がずっと一緒にいるわけではない点で、
ベタベタなラブストーリーというワケでもありません。
というわけで、全体を振り返ってみると、
感動のラブストーリーを期待した人はもちろん、
そうでない人も「?」と思うんじゃないでしょうかね。
何か、ドラマだと思ってみた番組がニュースだったカンジ。
ただ、それぞれのキャンプの惨状を伝える映像は、
確かに驚くほどリアルに撮れています。
アフリカなんて、本当にどうやって撮ったのか?
と思うくらい、目を覆うような惨状が目に焼きつきました。
こういう内容の訴えは、確かに必要だとは思いますけどね。
ただ、それはやっぱり…こういう場で、こういう売り方で、
果たしてやるものなのかな?ちょっと違う気がするんだけど。
やるなら正々堂々と、この悲惨な現実を訴えてもよいのでは?
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┃4┃ Column (観おわったあなたへ)
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今年も、世界から戦火が消えることはなかった。
正月から、戦争がはじまるという空気が立ちこめ、
そして戦争が起き、そして終わり、まだ続いている。
ほんの20年を振り返っても、
いったいどれだけの戦争が行われ、
何百万の難民を生みだしただろうか。
この映画は、そこで起きていた事実のほんの一部。
戦争が始まると、人々は仕事を手放す。
仕事を手放せば、食料は足りなくなる。
そして、残された食料を求めて、
また新しい戦争が始まっていく。
そんな悪循環は、世界の各地で続いている。
放っておいたら、悪循環が加速していく。
間違った方向へ進みはじめた1つの歯車が、
隣り合ういくつもの歯車を逆行させ、
世界は破滅へと進んでいくのだ。
誰かが、それを止めなければならない。
その歯車の動きに、くさびを打ち込もうと、
高い志に燃える人々がいる。
食料のないところに、食料を運び、
薬のないところに、薬を持ち込み、
水を掘り当て、再び生活をやり直すのだ。
けれども、周囲の目は冷たい。
慈善活動は、金持ちの自己満足であり、
自己顕示欲のひとつでしかないのだ。
だから、いつまでも悲劇は終わらない。
結局、わずかな人間でできることには限界があり、
その中で、多くの仲間たちもまた、
その尊い命を失っているのだ。
エチオピアでも、カンボジアでも、チェチェンでも。
この映画は、個人がそこでできるすべてのことと、
そこにある限界と、絶望と、希望を描き出していく。
この悪循環を止めるのはいったい何だろうか。
戦争を止めるのは、より大きな戦争なのだろうか。
そもそも、最初に歯車を逆に回したのは誰だ?
かつて、冷戦を始めたのは誰だろう?
世界中の国々を、勝手な都合で分断したのは誰か?
そして今年、また戦争を始めた連中がいる。
また、小さな中東の悪循環が、
より大きな世界の歯車を逆回転させてしまった。
いったい、いつになったら人々は気がつくのだろう?
そしてこの国もまた、そのなかのひとつの歯車だ。
いま、この歯車も、大きく方向を変えようとしている。
また、年が変われば、人は気がつくだろうか。
戦争を止められるのは、戦争ではない。
悲しみを止めるのは、物資であり、食料であり、
そして何よりも、それを運んでいく人々の暖かい手だということを。
この映画のように、幸せを運ぶ人々がいるのは、
そこにいる人々を、愛すればこそなのだ。
2003/12/30 池袋ヒューマックスシネマ1にて。
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┃5┃ 次回予告 ほか
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その他、筆者からのお知らせなどなど。
★次回予告「ブルース・オールマイティ」…………………………
コメディも感動物も、いまや何でもできる!ジム・キャリー。
今回はお得意の、ミラクルパワーをによる変身者コメディ。
マスクにせよ、ケーブルにせよ、とにかく人間を超えさせたら、
もはや彼にかなう者はいない?のかも。どうでしょ?
で、次回もお楽しみに。
http://www.uipjapan.com/brucealmighty/
★今後の予定など………………………………………………………
すみません。風邪ひいてしまいました(涙)。
やはり年末に無理をすると、毎年この憂き目に…。
皆様も体調にはくれぐれもご注意のほどを。
というわけで、次回は来年1月6日(火)からです。
リクエストを頂いた「エヴァとステファンとすてきな家族」、
この2本で来年ははじまりです。新年もよろしくです。
で、「この映画を観てほしいっ!」ってゆーリクエストなど、
どしどしお寄せくださいまし。筆者が観てまいります。
欧州、アジア、ハリウッド、その他ジャンル問いません。
てなわけで、リクエストはespoir@lares.dti.ne.jpまで。
★連絡先は………………………………………………………………
【メールお待ちしてます!】
今回のメールマガジンはいかがでしたか?
ご意見、ご質問、ご感想などをお気軽にお寄せください♪
メールアドレス:espoir@lares.dti.ne.jp
※ なお、頂いたメールは本誌で紹介することがあります。
匿名希望の方は、その旨をお書き添えください。よろしくです。
【他の映画のバックナンバーを探したいな…】
ウェブサイト:http://www.lares.dti.ne.jp/~espoir/
上記のサイトをゼヒゼヒ!訪れてみてください。
これまでの映画タイトルが五十音順で並んでいます。
また、今後の掲載予定や筆者の近況なども、連載中。
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【映画のなかの人生、映画のような人生。】
Vol.277 2003年12月31日
発行者:Ak. espoir@lares.dti.ne.jp
(C)2001-2003 Ak. All rights reserved.
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