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【映画とは、人生を2時間で切り取るものだ】。そんな視点からつづる、1000文字の映画コラム。いろんな映画をきっかけに、生き方について考えてみませんか。ありふれた日常のなかで、答えを探すあなたに、ぜひ。

  • 最新号:2008-09-04
  • 発行周期:火・金・(木)
  • 読んでる人:522人
  • 創刊日:2001-03-20
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映画のなかの人生…Vol.277「すべては愛のために」★★★

発行日: 2003/12/31

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 ☆ ★ ☆  映画のなかの人生、映画のような人生。 ★ ☆ ★
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【映画とは、人生を2時間で切りとるもの】
映画が魅せる、人間のやさしさ、弱さ、強さを、いっそう鮮烈に、
そしてもっと映画を観たくなる、ひと味違うメールマガジン。


_                  __________
  Vol.277「すべては愛のために」★★★   2003.12.31(水)
 ̄                   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
  【1】STORY
   裕福な英国紳士と婚約した女性が、アフリカの飢餓の実情を
   知り、自分にできることをしようと現地へ乗り出していく。

  【2】Michelin
   けっこうどこでもやってます。まあ、どこででも。

  【3】Review
   タイトルとは関係なく、ドキュメンタリーにほぼ主眼がある。

  【4】Column
   大きな歯車が生みだしていく悪循環を、人は止められるのか。

_____________________________________________Beyond Borders

かのアンジェリーナ・ジョリーによる、愛と感動の物語。
…と、宣伝されている映画です。原題は「境界を越えて」。
国境線も、男女の違いも、立場の違いも、すべて乗り越えて、
人間としての使命に燃える人々の物語、なんですけどね。

<オフィシャルサイト>
http://www.ainotameni.jp/


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┃1┃ STORY (観ていないあなたへ)
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裕福な英国紳士と婚約した女性が、アフリカの飢餓の実情を知り、
自分にできることをしようと貯金をはたき、現地へ乗り込む。
さらに厳しい現実を思い知った彼女は、そこで努力する人々に、
熱い共感を寄せながら、自分ができることを探していく。


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┃2┃ 上映館ミシュラン (観ていないあなたへ)
┻━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

まあ、大きな映画館ではどこでもやっているようです。
そんなに混雑もないので、どこでもどうぞ。
いちおうオススメは日比谷と、池袋かなぁ。
池袋ヒューマックスの1は、いいスクリーンなんだよね。

▼日比谷 日比谷スカラ座1 上映中
10:30/1:15/4:00/6:50〜終9:15
※12/31(水)は6:50PMの回休映。 

▼渋谷 渋東シネタワー 上映中
10:15/1:00/3:45/6:30〜終8:50
※12/31(水)は6:30PMの回休映。 

▼歌舞伎町 新宿東亜興行チェーン 上映中
11:00/1:35/4:10/6:45〜終9:10 
※〈12/22・12/30・12/31・金土オールナイト〉21:20/23:40/2:00〜終4:10

▼新宿三丁目 新宿文化シネマ 上映中
11:30/2:00/4:30/7:00〜終9:15
※12/31(水)は7:00PMの回休映。 

▼池袋 池袋HUMAXシネマズ4 上映中
10:30/1:15/4:00/6:45〜終9:00 


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┃3┃ Review (観ていないあなたへ)
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【ポイント】★★★

<内訳>
テーマ   :★★★★
ストーリー :★★
キャスト  :★★
スタッフ  :★★

うーん。これは映画じゃないですね。
どちらかというと、ドキュメンタリーです。
一昔前の「24時間テレビ」がやっていたような。
世界各地の難民キャンプに関する現状報告のようなものです。

とりあげられるのは、エチオピア、カンボジア、
そして最後に記憶にも新しいチェチェンという舞台。
いずれも相次ぐ戦争によって、難民は膨大になり、
一方で食料はますます無くなっていったのです。

それぞれのキャンプを見てまわる男と、
その男に思いを寄せる女の物語。
というドラマですが、女はもっぱら英国にいます。
何かをきっかけにして、それぞれのキャンプに向かい、
現状をまざまざと知る、という展開になっていて。

それぞれのキャンプで、かなりピンチな状況になり、
けっこう観る者をはらはらさせてくれます。
この辺は、エンターテイメントな雰囲気もあります。
ただ、それはそれで一瞬の事件であって、
2時間にわたって展開されるスリル、ではありません。
また、二人がずっと一緒にいるわけではない点で、
ベタベタなラブストーリーというワケでもありません。

というわけで、全体を振り返ってみると、
感動のラブストーリーを期待した人はもちろん、
そうでない人も「?」と思うんじゃないでしょうかね。
何か、ドラマだと思ってみた番組がニュースだったカンジ。

ただ、それぞれのキャンプの惨状を伝える映像は、
確かに驚くほどリアルに撮れています。
アフリカなんて、本当にどうやって撮ったのか?
と思うくらい、目を覆うような惨状が目に焼きつきました。

こういう内容の訴えは、確かに必要だとは思いますけどね。
ただ、それはやっぱり…こういう場で、こういう売り方で、
果たしてやるものなのかな?ちょっと違う気がするんだけど。
やるなら正々堂々と、この悲惨な現実を訴えてもよいのでは?


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┃4┃ Column (観おわったあなたへ)
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今年も、世界から戦火が消えることはなかった。
正月から、戦争がはじまるという空気が立ちこめ、
そして戦争が起き、そして終わり、まだ続いている。

ほんの20年を振り返っても、
いったいどれだけの戦争が行われ、
何百万の難民を生みだしただろうか。
この映画は、そこで起きていた事実のほんの一部。

戦争が始まると、人々は仕事を手放す。
仕事を手放せば、食料は足りなくなる。
そして、残された食料を求めて、
また新しい戦争が始まっていく。

そんな悪循環は、世界の各地で続いている。
放っておいたら、悪循環が加速していく。
間違った方向へ進みはじめた1つの歯車が、
隣り合ういくつもの歯車を逆行させ、
世界は破滅へと進んでいくのだ。

誰かが、それを止めなければならない。
その歯車の動きに、くさびを打ち込もうと、
高い志に燃える人々がいる。

食料のないところに、食料を運び、
薬のないところに、薬を持ち込み、
水を掘り当て、再び生活をやり直すのだ。

けれども、周囲の目は冷たい。
慈善活動は、金持ちの自己満足であり、
自己顕示欲のひとつでしかないのだ。

だから、いつまでも悲劇は終わらない。
結局、わずかな人間でできることには限界があり、
その中で、多くの仲間たちもまた、
その尊い命を失っているのだ。

エチオピアでも、カンボジアでも、チェチェンでも。
この映画は、個人がそこでできるすべてのことと、
そこにある限界と、絶望と、希望を描き出していく。

この悪循環を止めるのはいったい何だろうか。
戦争を止めるのは、より大きな戦争なのだろうか。
そもそも、最初に歯車を逆に回したのは誰だ?
かつて、冷戦を始めたのは誰だろう?
世界中の国々を、勝手な都合で分断したのは誰か?

そして今年、また戦争を始めた連中がいる。
また、小さな中東の悪循環が、
より大きな世界の歯車を逆回転させてしまった。
いったい、いつになったら人々は気がつくのだろう?

そしてこの国もまた、そのなかのひとつの歯車だ。
いま、この歯車も、大きく方向を変えようとしている。
また、年が変われば、人は気がつくだろうか。

戦争を止められるのは、戦争ではない。
悲しみを止めるのは、物資であり、食料であり、
そして何よりも、それを運んでいく人々の暖かい手だということを。
この映画のように、幸せを運ぶ人々がいるのは、
そこにいる人々を、愛すればこそなのだ。

2003/12/30 池袋ヒューマックスシネマ1にて。


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┃5┃ 次回予告 ほか
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その他、筆者からのお知らせなどなど。


★次回予告「ブルース・オールマイティ」…………………………

コメディも感動物も、いまや何でもできる!ジム・キャリー。
今回はお得意の、ミラクルパワーをによる変身者コメディ。
マスクにせよ、ケーブルにせよ、とにかく人間を超えさせたら、
もはや彼にかなう者はいない?のかも。どうでしょ?

で、次回もお楽しみに。
http://www.uipjapan.com/brucealmighty/


★今後の予定など………………………………………………………

すみません。風邪ひいてしまいました(涙)。
やはり年末に無理をすると、毎年この憂き目に…。
皆様も体調にはくれぐれもご注意のほどを。

というわけで、次回は来年1月6日(火)からです。
リクエストを頂いた「エヴァとステファンとすてきな家族」、
この2本で来年ははじまりです。新年もよろしくです。

で、「この映画を観てほしいっ!」ってゆーリクエストなど、
どしどしお寄せくださいまし。筆者が観てまいります。
欧州、アジア、ハリウッド、その他ジャンル問いません。

てなわけで、リクエストはespoir@lares.dti.ne.jpまで。


★連絡先は………………………………………………………………

【メールお待ちしてます!】
今回のメールマガジンはいかがでしたか?
ご意見、ご質問、ご感想などをお気軽にお寄せください♪
メールアドレス:espoir@lares.dti.ne.jp

※ なお、頂いたメールは本誌で紹介することがあります。
  匿名希望の方は、その旨をお書き添えください。よろしくです。

【他の映画のバックナンバーを探したいな…】
ウェブサイト:http://www.lares.dti.ne.jp/~espoir/

上記のサイトをゼヒゼヒ!訪れてみてください。
これまでの映画タイトルが五十音順で並んでいます。
また、今後の掲載予定や筆者の近況なども、連載中。

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
【映画のなかの人生、映画のような人生。】
 Vol.277 2003年12月31日
 発行者:Ak. espoir@lares.dti.ne.jp
 (C)2001-2003 Ak.  All rights reserved.
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  • 年間100本以上の映画を観ている作家のたまご。良い物語と、生き方を考えさせるテーマを求めて、今日も映画館に足を運びます。もう1000本以上も観ているんですけどね…。

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