>> 記事トピックス一覧 
トップ > エンターテイメント > 映画 > 映画のなかの人生、映画のような人生。

映画のなかの人生…「Louise(take2)」★★★★

発行日: 2001/8/31

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 ☆ ★ ☆  映画のなかの人生、映画のような人生。 ★ ☆ ★
 ★ ☆ ★      in Mail Magazine       ☆ ★ ☆
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

_                 ___________
  Vol.33 「Louise(take2)」★★★★    2001.08.31(金)
 ̄                  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
  【1】STORY
   ストリートを気ままに歩くだけの、少女の生活。
   そこでの出逢い、別れ、そして果たされない約束。

  【2】Review
   自由気ままに撮られた映像の数々は、王家衛さながら。

  【3】Michelin
   渋谷シネマソサエティのみ。意外ときちんとした映画館。

  【4】Column
   愛することと、向き合うこと。

_____________________________________________Louise (take2)

久々にエロディ・ブシェーズの映画がきました。
「天使が見た夢」と同時期に撮ったこの映画で、
彼女が見せるのは、やはり繊細な少女の行き場のない孤独。
全編通して、この映画はまさに彼女のための映画です。


┳━┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃1┃ STORY (観ていないあなたへ)
┻━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

エロディ演じる少女は、ストリートを気ままに歩くばかり、
何の目的も、何の失望もないままに生きている。
しかし、あるホームレスの、満たされない希望を耳にして、
その希望に向かって進み始めたとき、彼女は変わりはじめた。


┳━┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃2┃ Review (観ていないあなたへ)
┻━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

【ポイント】★★★★
この映画の監督、シグフリードは、
本当にこの映画のようなジプシー生活をしていたそうな。
で、映画のここぞ、というシーンには、
必ず雰囲気のある音楽が流れるのだが、
それは全部、監督自身の作曲、演奏だという。

彼は、そういう自由気ままな生活が好きらしく。
この映画も、音楽をつくるように、
気ままに映像がつづられている。
何のストーリーも念頭にないから、
映像はのびのびとしていて、屈託がない。
美しい光景は美しいし、悩んでいる人物は、本当に悩んでいる。
その点、同じく「シナリオ無視派」の王家衛よりもさらに、
自然度が増していて、肩肘張ったところがまるでない。

特に、地下鉄の動く歩道でエロディが追いかけられているシーンは、
ウィンターボトムの「ひかりのまち」のように、
美しい残像効果が、ただでさえ色白なエロディを浮き立たせる。
なかなかやるな、という感じ。

それでいて、最後に組みあがっているストーリーも、
断片的なシーンをテンポよく積み上げていて、
単純な話なのに、なぜか飽きることがない。
2時間とは思えないほど、エピソードは詰め込まれており、
それぞれのつながりは弱くても、登場人物が絞り込まれているため、
何となく話のスジを、観客も理解することができる。

テーマ性も、いっさい明言はしないものの、
僕は秀でていると思った。
何を描いているか?それはコラムで説明しよう。
とにかく、フランスにもオゾンに続く期待の新星が登場。
でも、こーゆう人は、気ままにしか映像を撮らないから、
次回作はあるかどうかも、微妙だな…。


┳━┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃3┃ 上映館ミシュラン (観ていないあなたへ)
┻━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

渋谷シネマソサエティは、最近できたばかりの映画館。
渋谷マークシティを、ずーっと道玄坂上に向かって上った、
その先っぽに位置しています。
私も実は初めて行ったのですが、天井が高いこともあって、
かなり広く、大きく感じられる映画館です。
(シネ・アミューズより広い、といえばイメージがつくかな)

中にはいると、女性専用指定席なるものがあるようで。
ちょうどその後ろあたりがいいと思います。
天井が高いせいか、やたらとスクリーンも上にあるので、
前列のほうだと、かなり見上げになって首を痛めそうです。
ミニシアターのなかでは、小ぎれいだし、悪くないと思いました。

▼渋谷 
渋谷・シネマ・ソサエティ 上映中
12:40/2:45/4:50/6:55〜終8:50 

▼横浜 
横浜西口名画座 9/7(金)まで
9/1〜 5:30PM/7:30PM
※8/31(金)までの上映時間は直接劇場へお問い合わせ下さい。 


┳━┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃4┃ Column (観終わったあなたへ)
┻━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

この映画を見終わって、ずっと考えていた。
愛するということに、正面から向かい合うことは、
どれだけつらいことだろう、と。

ルイーズは、ずっと逃げていたんだと思う。
愛するということからも、愛されるということからも。
彼女と仲間たちは、どこへ行っても逃げ回っている。
彼らは仲間以外の、誰とも向き合うことはない。
誰を理解することもしない。
世界にはまるで、彼らしかいないかのように。

だから彼らは、驚くほど横柄に振るまい、
我が物顔で街を闊歩している。
この世にあるものは、すべて自分のものだと思いこみ、
落ちているものを拾うように、人のものを盗んでいく。

でも、ちょっと違うんじゃないかとも思う。

だからルイーズは苦しむ。
街角で出逢ったホームレスとの、
小さな約束すら果たせない自分に苦しむ。
久しぶりに向き合った人の、その想いすら、
満たせない自分がそこにはいる。

彼女には、向き合ってくれる人がいなかった。
父親が、後悔を吐露したときには遅かった。
だから恋人から、慣れない恋文をもらったときには、
もろ手をあげて喜んだ。
たとえそれが、明らかに別人が書いたものだとしても。

けれども彼女はその想いに、応えることができない。
子どもを連れてホームレスのもとに戻ったとき、
すなおに子どもを彼には渡せない。
それはきっと、そうやって彼と向き合うことが怖かったから。
自分がしたことが、実は何の意味もないといわれるのが怖かったから。

あらゆる人々から、逃げ出したい想いのなかで、
彼女は懸命に、自分ができることを捜していく。
せめて、この子だけは幸せにしてあげたい。
人と向き合えない世界の外へ、連れ出してあげたい。

最後に、そんな小さな約束を果たしたとき、
彼女はようやく、人と真正面から、向かい合いたいと思いはじめる。
恋人の姿は、そこにはないことに気づく。
仲間たちが、誰とも向き合うつもりがないことにも気づく。
そして最後に、彼女自身を見つめてくれる視線に、
もう一度気がついたとき、新しい世界が、そこから始まっていくのだ。

8/26 渋谷シネマ・ソサエティにて。


★次回予告「キス・オブ・ザ・ドラゴン」…………………………

待ってましたのジェット・リー。
そーです、私は彼のアクションは好きなのです。
アクション・スターは、完璧なほどに強くなくては。
そして最強のカンフーを見せつけるジェット・リーは、
きっと今回も、いや今回こそは、渋い強さを見せてくれると思う…。

で、次回もお楽しみに。


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
【映画のなかの人生、映画のような人生。in Mail Magazine】 
 Vol.33 2001年8月31日 発行者:Ak.

 ○ご意見、ご感想、ファンレターなどお待ちしております。
  みなさまお気軽にメール下さいましまし♪
   <espoir@lares.dti.ne.jp>

 ○バックナンバーや今後の掲載予定、筆者の経歴はサイトにて。
   <http://www.lares.dti.ne.jp/~espoir/

 ○あと、何げに以下の掲示板でもご意見をお待ちしてます。
  映画に関するご質問などを受け付けたいと思います。
   http://bbs.melma.com/cgi-bin/forum/m00033635/

Copyright (C)2001 Ak. All rights reserved.
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 
このメルマガの読者になる
規約 
>> メルマ!の会報誌もお届けします
ブックマーク: はてなブックマークに追加del.icio.usに追加Buzzurlにブックマークニフティクリップに追加ライブドアクリップに追加Yahoo!ブックマークに登録My Yahoo!に追加Add to GoogleRSS

このメルマガを読んでいる人はこんなメルマガも読んでいます

サッカー日本代表ネットワーク・メールマガジン
日本代表やJリーグを中心とした国内外のサッカー情報を 毎日お届けします。 WEB版日本代表ニュースを中心に編集します。
ホントに面白い映画はコレだ! 今週の映画瓦版
プロの映画批評家が編集発行する週刊メールマガジン。毎週公開される映画を独自の視点からランキング。充実したDVD情報も好評です!
週刊アカシックレコード
02年W杯サッカー韓国戦の「誤審」を世界で唯一「前日」に誌上予測し、誤審報道を「常識化」した推理作家(金正日の「遺書」で始まる「中朝戦争」後の北朝鮮...
宮崎正弘の国際ニュース・早読み
 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析
こんな映画は見ちゃいけない! 
映画批評系メルマガで読者数No.1! プロの編集者が簡潔な文章と的確な表現で書き下ろす「1分で読める新作映画批評」です。映画紹介だけのメルマガにはな...


この記事へのコメント


コメントを書く
コメントはありません。

おすすめキャンペーン

利息が気になるあなたへ
オリックスVIPローンカードなら
<<年率5.9%〜15.0%、利用可能枠最高500万円>>
ゆとりのカードローンです。
←お申込みはこちら

スポーツNEWS速報!

その他ニュース 相次ぐ食品偽装 消えた年金達

メルマガデータ

  • メルマガID : 33635
  • 創刊日 : 2001-03-20
  • 最新号 : 2008-08-20
  • 発行周期 : 火・金・(木)
  • バックナンバー: 全て公開
  • 発行者サイト: あり
  • 読んでる人 : 521人
  • コメント数 : 0
  • Score! : 96点
  • >> 月間ランキング

発行者プロフィール

ペンネーム : Ak.

  • 年間100本以上の映画を観ている作家のたまご。良い物語と、生き方を考えさせるテーマを求めて、今日も映画館に足を運びます。もう1000本以上も観ているんですけどね…。

このメルマガの読者になる

規約に同意する



このメルマガの最近の記事


このメルマガの最近のコメント

最新のコメントはありません。

このメルマガのバックナンバー


注目情報


新着記事トピックス