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映画のなかの人生…「天使のくれた時間」★★★★

発行日: 2001/5/2

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 ☆ ★ ☆  映画のなかの人生、映画のような人生。 ★ ☆ ★
 ★ ☆ ★      in Mail Magazine       ☆ ★ ☆
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  Vol.10 天使のくれた時間★★★★     2001.05.02(水)
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  【1】STORY
   主人公はニューヨークの超エグゼクティヴ・エリート。
   ある朝目覚めると、突然マイホームパパになっていた…。

  【2】Review
   全体的には冗長だが、細かい仕掛けがうまく、
   追いかけるストーリーラインもはっきりしていて○。

  【3】Column
   人生を選ぶ基準、捜してみませんか。

次回は5/4(金):「トラフィック」

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なんだかサスペンスづいているニコラス・ケイジが、
タイトルからしてホームドラマな映画("The Family Man")に出演。
日本ではラブロマンスとして売り出そうとしているようですが、
この映画、見方によってはもっとステキな映画です。


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┃1┃ STORY 
┻━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

ニコラス・ケイジは大銀行の頭取。
年末年始も気にせず、毎日仕事、仕事。
しかしある朝、目覚めてみるとそこは、
マイホームパパのベッドだった。
妻はかつての恋人、初めてみる子ども、友人、
とんでもない事態に主人公は当初、錯乱するが…。

<ポイント>
異世界にまぎれてしまったニコラス・ケイジが、
どうやってその世界にとけ込んでいくのか。
小道具や、子どもを使って、
うまーくストーリーが進んでいきます。


<公開劇場ガイド>
「日劇プラザ」か「渋東シネタワー」なのですが、
実はボクはこの劇場にあまり行ったことがありません。
なぜだろう…というわけで今回はお休みですm(-_-)m。


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┃2┃ Review (ネタばれ)
┻━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

この映画は、全体的には冗長だと思う。
最後のオチもいただけない。
そんなオチなら、誰だって想像がつくし、
なおさら、ケイジをさっさと現実へ引き戻すべきだった。
その方が、ストーリーとしては引き締まっただろう。

それでもこの映画がおもしろいのは、
単純なストーリーラインながら、
ケイジがどうやって、慣れないマイホームパパに成長していくか、
それを支える周囲のアドバイス、励ましが、
とても暖かくて、時にはおかしくて、スパイスが効いているから。

娘が「本当のお父さんはどこ?」って訊いたり、
逆に事態を把握して、説明につとめたり、
浮気性のケイジを、説得してくれる友人、
浪費癖がある彼を、叱りとばす妻、
それでもそこには愛があって、
「どうしたんだ?」と心配してくれる人たちがいる。

1本のビデオテープをあけると、
へたくそな歌を歌う自分を、
周りのみんなが盛り上げてくれている。
初めて、「まわり」の存在に気がつくとき。

この辺の描き方がとてもうまくて、
私は★4つをつけました。
そして最後のオチが違っていれば、
もう少しあげてもよかったかな、と。
そのへんは以下のコラムにて…。


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┃3┃ Column (ネタばれ)
┻━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

ボクは都会で一流のエグゼクティヴより、
郊外暮らしのマイホームパパがいいとは思わない。
でも、これは私個人の意見であって、
一方で、「Iターン」「Uターン」とよばれる方々は、
その逆を選択している、ということになるだろう。

つまり、ボクがいいたいのは、
どんな人生にだって優劣なんてなくって、
「こっちを選んだ方がいい」とか、
「あっちを選んだ方がいい」なんて、
あんまり人に指図してはいけない、ということ。

生き方は人それぞれだと思う。
でも、それじゃあ人生は選択肢がありすぎる。
選択肢がありすぎて、とまどっている間に、
いつの間にか、予定調和な人生を選んでいたりすることも。
ではいったい、何を基準に僕らは人生を選ぶのだろう。

この映画は、そのことにもきちんと触れている。
だからこの映画の一番の見せ場は、
決して、ラストシーンではない。
むしろ見せ場は、妻となったかつての恋人が、
「またエグゼクティヴに戻りたい」というケイジに、
意を決して告げる、その場面だ。

「あなたが決めたなら、あなたについていくわ」

かつて、自分が引き留めて、
海外留学から戻ってきてくれた相手。
あのとき、私のために人生を選んでくれた人だから。
私もいま、あなたのために人生を選んでみたい。

そうだ。
たとえ、どんな生き方でもかまわないのだ。
何もかも失っても、選ぶ理由がそこにあるなら。
そしてその理由とは、大半は人間であり、
愛している、たった一人の誰かなのだ。

ぼく達が選んでいるのは人生ではない。
きっと、たった一人の人間だ。
そして、そんな「理由」になる誰かを、
ぼく達は探しつづけていくのである。


ヤマハホールの試写会にて。
"The Family Man"


★次回予告「トラフィック」…………………………………………

「エリン・ブロコヴィッチ」で相変わらず話題作りのうまさに、
自らの社会性をにじませるのが巧妙なソダーバーグ監督。

その彼が、オスカーで監督賞を受賞したこの映画。
ドラッグの世界に落ちていく人々を、
くい止めるものは何なのか。そしてそれは誰か。

日本でも少しずつ同様の事件がおきているが、
アメリカではずっと、この問題は深刻なようだ。
それでも、闘わなくてはならない人々の死闘は続く。

で、次号もお楽しみに。


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【映画のなかの人生、映画のような人生。in Mail Magazine】 
 Vol.10 2001年5月2日 発行者:Ak.
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