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映画のなかの人生…「ギター弾きの恋」★★
発行日: 2001/4/13━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
☆ ★ ☆ 映画のなかの人生、映画のような人生。 ★ ☆ ★
★ ☆ ★ in Mail Magazine ☆ ★ ☆
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Vol.5 ギター弾きの恋★★ 2001.04.13(金)
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【1】STORY
破滅型天才のギタリストが、
方々で天真爛漫にふるまううちに見つけた、大切なこと。
【2】Review
エピソードを重ねる方式は、ボクは好きになれないらしい。
【3】Column
偉大なアーティストは、何のためにギターを弾くか。
次回は4/18(水):「ハンニバル」
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ウディ・アレンは、どうもボクの感性と合わない監督です。
「セレブリティ」が悲惨だったので、どうしようかと思いつつ、
「でも彼のラブ・ストーリーはいいよ」という人の声もあり、
1本で判断したくないので、観に行ってしまいましたとさ。
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┃1┃ STORY
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「天才ギタリスト」エメット・レイは、いわゆる破滅型の天才。
大酒飲みでビリヤード好き、もてないくせに女好き、
仕事には遅れる、それどころかサボる、当然クビになる、
それでもめげずに、曰く「偉大なアーティスト」…。
小心者で尊大な彼をめぐる数々のエピソードから、
やがて彼は大切なこと(=lowdown)に気がつく。
<公開劇場ガイド:恵比寿ガーデンシネマ>
JR恵比寿駅を降りて、スカイウォークを抜けると、
目の前に広がる恵比寿ガーデンプレイス。
トンネルでわくわくさせて、抜け出るとレンガの世界、
という凝った仕掛けが効いているのか、
カップルがたくさん歩いていますが、かまわず奥へと進みましょう。
ここも渋谷ル・シネマと同じ整理券配布、定員入替制です。
受付開始時刻は10:30なので、
混んでいる映画は早めに整理券をもらいましょう。
館内は全体的にこぢんまりとしていて、天井が高いのが特徴。
だいたいどの席から観てもいいカンジになる設計です。
(渋谷シネパレスはこの映画館を真似たと思うくらい)
ドリンクフォルダこそないものの、イスも柔らかいし、
スクリーンこそ小さめですが、いい映画館だと思います。
ちなみに飲食禁止です。食べ物を持っていると怒られます。
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┃2┃ Review
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結論から言ってしまうと、
ボクはウディ・アレンはダメなんだと思う。
これはもう感性の問題で、彼の映画の出来不出来ではない。
彼の映画をボクは2本しか観ていないけれど、
「セレブリティ」にせよ、この映画にせよ、
ウディ・アレンはエピソードを重ねていって、
ひとつの映画にしてしまうんだと思う。
これは、けっこうストーリー映画を
志向しているボクにはつらい。
それでも、個々のシーンひとつひとつを、
印象や映像などで統一して…という王家衛のようならいい。
でもウディ・アレンはそういうわけでもない。
むしろ彼のエピソードは、いわゆる「エピソード」であって、
小話のようなネタの集まりであり、主役はトークなのだ。
これがボクにはめっぽうつらい。
女が入れ替わり立ち替わりして、
それぞれ似たような話がわらわらと続き、
いらいらとしながら、時計をちらちらと観ていると、
いつの間にか映画は終幕を迎えている。
もう感性の問題ですね。
ストーリーなんて関係なくて、
個々のトークの軽妙さ、小ネタの笑いが好きであれば、
何も言うことはないんじゃないでしょうか。
でも、ボクには途中の出来事が冗長に思えてならなくて、
だからラストシーンは、たしかにピカイチによくできてるし、
天真爛漫な天才をショーン・ペンは見事に演じているし、
話のテーマもおもしろいのに、★は2つしかつけなかった。
この評価はそういう理由です。はい。
「でもウディ・アレンはこの映画がいいよ」という方、
どうぞ筆者に教えてやってください。よろしくです。
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┃3┃ Column
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この映画に出てくるショーン・ペンは好きだ。
言いたいことを言って、やりたいようにやる。
したいことしかしない、カネはいくらでも使う。
芸人でいったら、「横山やすし」みたいな男だ。
彼は自らを「偉大なアーティスト」と称してはばからない。
「オレを越えるヤツはジャンゴ・ラインハルトしかいない」とも。
しかし彼は、肝心のステージをすっぽかしてばかり。
仕事場を次から次へと転々とする身で、
せっかく自分を気づかってくれる人々にも、
ほとんど見向きもしなかった。
その彼が出逢った、口のきけない女性。
話すことができないだけに、何を考えているのかは、
面と向き合って、自分自身で考えなくてはならない。
初めて、他人を理解しようとしたとき。
初めて、誰かのことをわかろうとしたとき。
天才はテレながらも、自分の曲に耳を傾けてくれる、
自分のことを理解しようとしてくれる人に気がついた。
でもそれは、逆に自らの天真爛漫さとも引き替えだった。
だから主人公は迷い、戸惑った末に、
結局、互いを理解し合える生活から背を向けてしまうのだ。
何にも縛られない生活、
列車のように高速で突き抜けていく生活は、
確かに心地よいかも知れない。
でも、そこには何かが足りない。
そうだ、誰かを気づかいながら生きていくということは、
自分を理解してくれる人を捜すことでもあったのだ。
彼にとっては、自分の音楽、その音色を理解してくれる人を。
そのことに気がついたとき、彼はすでに遅かった。
自分は何のためにギターを弾いていたのか。
そこに、耳を傾けてくれる人がいたからではなかったのか?
その人のことを、どうして自分はかまってやれなかったのだろう?
そんなヤツのギターはサイテーだ。
だから彼はギターをたたき割り、自らの看板を下ろす。
「偉大なアーティスト」を語るには、まだまだ、
ずっと遠いことが、やっとわかったのだ。
★次回予告「ハンニバル」……………………………………………
かの「羊たちの沈黙」の続編が登場。
リドリー・スコットが演出するレクター博士は、
暗闇からあざやかに姿を現し、そして人を支配する。
その姿には確かに息を呑むが、果たしてそこには、
前作と同様の「悪への誘い」と「敢然たる正義」の、
戦いの構図は、みられるだろうか。
そしてクラリス・スターリングは、最後にどちらを選択するのか…。
次号もお楽しみに。
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【映画のなかの人生、映画のような人生。in Mail Magazine】
Vol.5 2001年4月13日 発行者:Ak.
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