【映画とは、人生を2時間で切り取るものだ】。そんな視点からつづる、1000文字の映画コラム。いろんな映画をきっかけに、生き方について考えてみませんか。ありふれた日常のなかで、答えを探すあなたに、ぜひ。
- 最新号:2008-09-04
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- 創刊日:2001-03-20
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「あの頃ペニー・レイン
発行日: 2001/4/2━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
☆ ★ ☆ 映画のなかの人生、映画のような人生。 ★ ☆ ★
★ ☆ ★ in Mail Magazine ☆ ★ ☆
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(すいません、金曜分ですが本日送ります…)
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Vol.2 あの頃、ペニー・レインと★★★★ 2001.04.02(月)
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【1】STORY
若くしてロック批評家に成長していく主人公の成長記。
バンドとの同行や切ない青春の想い出が散りばめられる。
【2】Review
自叙伝らしからぬ過程がいい。
得てしてドロドロになりがちな展開を、
微妙にそらしながら、小さな感動にスポットをあてる。
【3】Column
芸術を、語るということ。
次回は水曜:「花様年華」
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「あの頃ペニー・レインと("Almost Famous")」は今年のオスカー脚本賞。
話のスジを聴いても、予告を観てもいまいちパッとしなかったのですが、
ケイト・ハドソンの好演や脚本のよさなどの前評判だけ聴かされて、
まあ、いいものはいいのだろうと、何となく観に行ってしまいました。
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┃1┃ STORY
┻━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
ある天才少年が、幼くして姉からもらった、
たくさんのロックアルバムは、彼を音楽の世界へ導いた。
若くして批評家となった少年は、
ある中堅バンドのツアーに同行するなかで、
音楽の生まれる現場、人々の姿を目の当たりにする。
友だちの少なかった天才にとって、
それは初めてのヒューマンな体験の数々だった…。
<公開劇場ガイド>
筆者としてはやっぱ日比谷スカラ座かなぁ…。
でもこの映画は1ではなくて2なんですよね。(1は「スナッチ」)
2はいまいち(1も1でいまいちだけど)。
小さめのシネコンスクリーンだと思ってください。
でもできたばかりなので、きれいなのは確かです。
ここも席は若干後ろ目に。階段より前にいってはいけません。
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┃2┃ Review
┻━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
ロックミュージシャンやグルーピーの話になると、
どうしても話がどろどろしてしまいがち。
「ブギー・ナイツ」よろしく、ヤクの話とかあって、
人間関係がこじれたりとか、あまり気が進まない。
でもこの映画はそういうところはサバサバして、
「そういうモノだ」と割り切ったところがある。
たぶん、そのへんの善悪判断もあまりつかない少年が、
主人公として、比較的冷静&客観的に話を語るからだと思う。
この映画の論点は、このとってもクールな少年が、
ミュージシャンたちのどろどろとした世界や、
グルーピーたちの奔放、というか自堕落な生活、
そして厳しい母子家庭での圧迫、姉と母の不和、
最後に待ち受けている強烈な裏切りと再生、
といった経験を経て、「感情」を手に入れるところに、実はある。
だから本当は「ストーリー」で示したような、ロックンロールな話ではない。
でも話の展開からは、自然とそこに目がいってしまうので、
なんだか、ストーリー全体でみると、腑に落ちない気がしてしまう。
もっと論点を最初の方で、明確に見せたほうがよかったのでは?
姉の「いつか目を覚ますわ」という発言だけでは弱かった、と思う。
邦題はなおさら。
この映画は、実際には監督の自叙伝なんだそうだが、
むしろそんな「特別な想い」みたいなものを断ち切って、
妙にサバサバしてるところが、持ち味の映画。
「クールな人間→感情ある人間」がこの映画の主体なんだが。
ところが「あの頃、ペニー・レインと」というタイトルは明らかに回顧録。
ましてラブストーリーめいたりすらしていて、
感情がありありとしたタイトルである。これはどうみても失敗。
作品の意義をぶち壊すような邦題で、興行成績が上がると思ってんのかなぁ…。
単に邦訳して「名もなきスターダム」みたいなタイトルでいいと思うんだけど。
もう少し考えてほしかった。
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┃3┃ Column
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ボクが映画について、語るようになってから、まる2年にもなる。
長いような気もするし、短いような気もする。
書きはじめは、ひょんなところから起きるもので、
この少年も、大好きなロック雑誌の編集長から、
お声がかかったように、ISIZEのコラム担当者から、
話がきたのがきっかけだった。
1000文字。どうしようか、けっこう考えた。
何を、どう書いたらいいか、わからないからだ。
だから、この映画のなかで少年が、
「こんなにたくさん、書いたことがないよー!」と、
叫び、焦る気持ちはよくわかる。
それでも彼は、大手専門誌のトップを飾る。
音楽に染まり、仲間に交わるなかで、
いったい彼は何を得たのだろうか。
母子家庭で、愛情は過剰気味ながらも、
友情とは切り離されたところにいた少年。
だからロックバンドのツアーに同行しても、
酒乱、淫乱、波乱といった乱交の数々に、
びっくりするだけで、怒ったり、諫めたりすらしない。
たぶんそれは、どういうふうに、
人と接したらいいか、わからなかったからだ。
ところが、ずっとツアーをともにして、
ミュージシャン、グルーピーとかかわっていくうちに、
気がつき始める、大切なこと。人々の想い。
そしてただのロックファンだった少年が、
メロディの裏側にあるものを知った。
誰かに傷ついたり、傷つけられたりして、
そのことが、音楽に込められていく。
耳をすまさなければならないものは、メロディじゃない。
その後ろにある、人々の息づかいや心の動き、
哀しみ、怒り、葛藤、それらを感じ取ったとき、
初めて感動が、こころにこみ上げる。
そんな耳の傾け方を、言葉にしたとき、
そのテクストは初めて価値を持つ。
そして映画は、音楽は、あらゆる芸術は、新しい感動を生み出す。
見逃しがちな何かを、もう一度、届けてくれる。
だから、彼の記事は、トップを飾ったのだ。
そして、いつか私も。
★次回予告「花様年華」………………………………………………
ようやく、ようやく待ちに待った王家衛の新作がやってくる。
トニー・レオンの相手役に、今度はマギー・チャン。
間違いなく傑作の予感。水曜をお楽しみに!
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【映画のなかの人生、映画のような人生。in Mail Magazine】
Vol.2 2001年4月2日 発行者:Ak.
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