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【ドクター桜井の日本診療〜533号〜】
発行日: 2008/3/6――――――――――――――――――――――――――――――
☆ドクター桜井の日本診療☆ 〜533号〜 08.03.06
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◇何もできない
予算が衆議院から送られてきたが、衆議院で強行採決されたため、
翌日から審議に入れなかった。現場の大勢は審議するべしだったが、
委員長職権で委員会を建てられてしまったため、互いに譲れなくな
り、今週は全く動かなくなった。質問するネタは山ほどあるのだか
ら、なるべく早く審議に入りたいと思っている。
先週の土曜日、テレビ番組の録画が行われたのだが、観客の1人
が急に意識を失いかけた。慌てて様子を見に行って、脈をとって診
ると徐脈で、触れが悪い。血圧は下がっているのだろうが、どの程
度なのか全く分からない。
とりあえず横にして、眼球を調べてみると、瞳孔の散大も無く、
左右差も無い。呼びかけには応じ、麻痺はなさそうであった。横に
して1分ぐらい経ったら、脈圧も強くなり、心拍数も改善していた。
意識の低下は、ニューロ・カルディオ・ジェニック・ショックと
言われるものだった。このショックは以下のシステムで起こると考
えられている。まず、緊張感から交感神経が興奮し、血圧が上昇し、
脈拍が速くなる。このような場合、ここから仮説であるが、心臓に
C−ファイバーなる組織が存在し、それが交感神経の興奮を察知す
ると、それを抑制するために、副交感神経が優位になると言われて
いる。
このように、副交感神経が優位になると、逆に徐脈になり、血圧
が低下する。血圧が低下し、脳血流が減少すると、意識が朦朧とな
り、ひどいときは失神するのである。この失神の特徴は、横になる
と何事も無かったように、直ぐに意識が回復することである。原因
不明の失神の4割が、これが原因ではないかと言われている。
今回は事なきを得たが、いつも感じる事は、道具がないと医療人
はほとんど何もできないと言うことである。特に現代の医師は、患
者さんの状態が分からないとき、理学的所見をとるのではなく、直
ぐに検査を行なうのである。このような検査医師を増やさないため
には、研修制度のあり方を考え直す必要があると考えている。
参議院議員・医師 桜井 充
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