マキブリ(MAKIGAMI BRICOLAGE の略)は、ヒカシューの巻上公一によるメールマガジンです。豊富な音楽経験による不思議声帯的エッセイ、イベント、CD、口琴、ホーメイ情報を満載。
- 最新号:2008-09-22
- 発行周期:不定期
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maki-briマキブリ29号 Peter Kowald
発行日: 2002/9/28 ■■■■■■■■■■■■■■■■■
マキブリMAKIGAMI BRICOLAGE
29号 2002年9月28日
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10/8 ヒカシュー 吉祥寺スターパインズカフェ
10/12 巻上公一ヴォイスリサイタル お茶の水OCCホール
http://www.makigami.com
---------------------------------目次------------------------------------------
帰国しました。
ペーター・コヴァルトとの演奏そして突然の死 内橋和久
巻上公一スケジュール
いろいろ
---------------------------------帰国しました。---------------------------------
●帰国 パラダイス・フロム・ヴォーカルボックス
それにしても、いい取りあわせ。
ルアンダ、ベルギー、イタリア、日本、ガーナとスイスのハーフ。
こんな混成のチームで9月の音楽祭へ。
そして本番直前、イギリスから野生の声帯師フィル・ミントンが合流。
インスブルクそしてブレサノーネのフェスティバルに新風を吹き込んだ。
(今後、来年4月にボローニャで公演予定。日本公演は未定。)
いままでヨーロッパはたいていソロで行っていたので、ディレクター兼任の旅ははじめて。
責任もあってストレスからか背部痛。しかしフィル・ミントンとのデュオは楽しかった。
なんとか無事終えてほっと一息。
その足でドイツ、キーム湖近くのベルゲンの倍音フェスティバルに参加。
ヨーロッパの倍音事情を探った。
ヨーロッパでは喉歌をする人はとても少なく、みな西洋倍音唱法だ。
ニューエイジ的なもの、メディテーションと強く結びついている。
そのぼよ〜んとした音楽に3日で飽きて、(それともドイツ田舎料理にまいったのか)
ミュンヘンに行き日本食を続けて食べたら下痢になる。
コペンハーゲンで三田、坂出と合流し、トリオ「マキガミサンタチ」
リトアニアのヴィリヌス・ジャズ2002に出演。
ハンス・ライヒェル、アクティス・ダート・カルテット、ハリエット・タブマン、
カンペック・ドロレス、ジャンゴ・ビーツなどが他に出演していた。
その辺のことは、Maki-bri diaryを見てください。
http://www.makigami.com/diary/diary.html
●訃報
9月22日一通のメールが届いた。それはヨーロッパのフリーシーン第一世代のベーシスト、
ペーター・コヴァルトの死を知らせるものだった。
死の少し前まで、内橋和久、中谷達也と彼はトリオの演奏をしていたとのことで、
初の共演での興奮、一転死の悲しみを味わった内橋和久にペーターの音楽、その日のギグの
ことなどを書いてもらった。合掌。
------------------------------追悼 ペーター・コヴァルト-------------------------
ペーター・コヴァルトとの演奏そして突然の死
8年ぶりのニューヨーク。前回はアルタード、グランドゼロでニッティングファクト
リーに出演した。それ以来だから本当に久しぶり。今回は全部エリオットシャープさ
んのお世話になることになった。17日にトニックでクリスチャンマークレー、シェ
リーハーシュ、エリオットシャープ、ネッドローゼンバーグ、ボビープレヴィットと
いう蒼々たる面子を引き連れてライブを行い、翌日18日はダウンタウンミュージッ
クギャラリー(レコ−ド屋さん)でソロライブ。最後にシェリーが飛び入り。19日
はサブトニックでトシオとDJオリーヴが主催するPHONOMENAという実験的なイベント
に参加。ティムバーンズ、中谷達也、けい子などとセッションした。
そしてニュ−ヨ−ク最後の日、20日はブルックリンのb.p.mという日本人たちのグ
ループが運営するロフトでペーターコヴァルト、中谷達也、僕のトリオだった。
ペーターさんとは10年前にFMPの主催するフェスティバルで知り合い、彼の住まい
のあるヴッパータル(ハンスライヒェル、ペーターブロッツマンもここに住んでいる)
でもよく話をした。僕はライヒェルと仲良しなのでこの地には頻繁に訪れていたのと
ペーターさんが親日家のせいもあって、彼とは顔なじみになって何度か彼のアパート
に家族で泊めてもらったりしてお世話になっていた。CDをあげたりしたこともあった
けど僕のやってることとは全然違うなあといって、あまりピンと来ないようだった。
去年ピナバウシュのフェスティバルに出演した時ペーターさんは見にきてくれて、そ
の時は凄くよかったっていってくれたのを覚えている。でも彼とは知り合って以来一
度も一緒に演奏したことがなかった。だから今回の初共演を日本をたつ前から本当に
楽しみにしていた。いつも明るくて、楽しい人だから会えるだけでも嬉しいんだけど
ね。彼は最近はNYのハーレムにアパートを借りて、ドイツとNYを行ったり来たりして
いる。この日はイタリアのコンサートを終えて、昨日ボストンで演奏をし、NYに戻っ
て来るっていうかなりのハードスケジュール。僕らは5時ぐらいに現場に入り準備を
始めた。セッティングを終えてペーターさんを待つ。7時頃到着。
いつもと同じ明るい笑顔で『こんにちわ、元気ですか』と日本語で挨拶してくれる。
今日のオーガナイズは友人の中谷達也くん。彼は何度かペーターと演奏してて、今回
僕がくるんでこのトリオを是非にと企画してくれた。
お客さんは少なかったが8時すぎ1stセットを始める。最初は達也が作ったオーダーで
ソロ、デュオ、トリオなどを短く次々とやっていくというものだった。緊張感が張り
詰めたまま35分ぐらいで長い1曲がおわった。けっこういい感じでテンションが流
れたので休憩かなと思ったら、ペーターさんがもっとやろうって言ったので、もう1
曲やることになった。一瞬テンション落としかけたのであわててもとに戻したのを覚
えている。50分ぐらいのセットになり休憩。フリージャズの人はあまりいい印象は
ないのだが、彼はその人柄の通りほんとうに自然体の人で何も相手に強制せず、それ
どころか共演者を自由にする。こういう演奏家はそんなにいるもんじゃない。
デレクベイリーとかほんの一部のすぐれた演奏家にだけみられる才能だと思う。
休憩の時トロンボーンの河野さんにあう。実はこの近所に住んでるらしい。せっかく
なので一緒にやりましょうと誘った。2ndセットはカルテットになった。
1stセットと同様にほどよい緊張感が全体を支配し音楽は実に自然に流れていった。
今から考えると自分がそのとき何をやったのかは、気持ちいいぐらい覚えていない。
ただ演奏中ペーターの僕を見つめる目が凄く印象的だった。時には厳しい目つきで、
また時にはにこやかに微笑み僕も微笑み返した。実にいいムードだった。演奏終了後
三人とも幸せだった。お客さんも少なかったけど幸せそうだった。いいトリオだねと
ペーターと話したあと、食事に行こうかということになり、トシオやけい子ちゃんた
ちも一緒に日本料理屋『タカハチ』へいくことになった。
楽器をかたずけてたらペーターが少し気分が悪いと言い出したので、彼は食事を諦め
河野さんの車で家まで送ってもらうことにした。僕らはタカハチにいき軽く食事をし
た。ペーターを送っていった河野さんも合流してすこし飲んで話をした。河野さんに
よるとブルックリン橋を渡ったぐらいでかなりペーターが気分が悪そうだったので、
病院にいこうかと訪ねたら、ウイリアム(パーカー)のところにいきたいと言って
イーストビレッジで彼をおろしたそうだ。パトリシアが出てきてペーターもほっとし
た様子だったのでそのまま立ち去ったそうだ。
僕らは食事を終えて車を走らせた。
たまたまウイリアムのアパートの前を通りかかった時、救急車が2台停車していた。
タツヤがもしかしたらペーターが具合が悪いんじゃないかというので2人でウイリア
ムの部屋に駆けあがった。するとそこにはぐったりと横たわり、救急隊員に心臓マッ
サージを受けていたペーターの姿があった。救急隊員からどれぐらい酒を飲んだかと
かいろいろな質問を受けた。タツヤによるとちょっと前から身体の調子はあまりよく
なかったと言うこともきかされた。タバコも止めたりすったりをくり返していたらし
い。イタリアからかえってボストン、そして翌日ニューヨークときついスケジュール
だったことも不調の原因かもしれない。僕らはどうしていいかも分からずただ呆然と
彼の回復を祈りながら見守った。午前1時すぎ、僕らの祈りも空しく彼は帰らぬ人と
なってしまった。あんなに楽しい時間をすごした直後のこの出来事は僕を天国から地
獄へ引きずり降ろした。僕は横たわったペーターのまだ暖かい身体に触れ、最後のお
別れを言った。パトリシアによると、何度も世話してくれてありがとうと言っていた
らしく、もしかしたらダメなんじゃないかと自分でも思ってたんじゃないかと彼女は
言っていた。
ペーターのことを思い出す度に僕にうかぶものは、いつも微笑み、明るく話しかけて
くる姿だ。有名な話だが、彼はいつも世界中に演奏に行くが自分の音楽を、彼の隣人
達がまったくしらないと言うことに疑問を持って、始めたことがある。
彼は1年間毎週隣人達を彼のスタジオに招き無料でコンサートを開いた。こんな事で
きない。思っててもできるもんじゃない。その間彼はツアーの仕事をすべて断ってた
んだから。彼はそういう人だ。いつも正直で、誠実で、包容力があって、明るくて、
それは彼の演奏にそのまま現われている。そういう人と最後に一緒に演奏できたこと
を本当に幸せに思う。正直な、だからこそ強さのある音楽を一緒に演奏できたと思う。
彼の身体は今日祖国ドイツに送られるそうだ。
ニューヨークでは10/1日にトリビュ−トコンサートがおこなわれる。
2002年9月25日
カナダ モンクトンにて
内橋和久
--------------------------巻上スケジュール-------------------------------------
●9月29日(日)
ピースアートフェスティバル・イン神楽坂
赤木神社
18:30 カガヤサナエ&巻上公一
http://www.global-ap.org/
●10月5日(土) 7 pm
ナノ・リウム 山梨県富士吉田市
『巻上公一 超歌唱ライブ』
ガラス作家 高橋禎彦さんの展覧会 同時開催
問合せ チケット 0555-24-2938
●10月8日(火)
ヒカシューライブ! (ワンマン)
吉祥寺スターパインズカフェ
http://www.mandala.gr.jp/spc.html
open 18:30 start 19:30
ticket 前売¥3,500 /当日¥3,800 +1 drink order
spc 及び チケットぴあ 9/7から発売
1714shop で買えます。是非
http://www.makigami.com/ticket.html
●10月12日(土)
巻上公一ヴォイスリサイタル
Open 18:30 Start 19:00
出演:巻上公一 voice
ゲスト SAADET TURKOZ(カザフオリジンのターキッシュヴォイス)
前売り 3,000円 当日 3,500円 学生 2,000円
OCC 4階 ホール JRお茶の水駅 明大通り側の出口(水道橋寄りの改札)から1分
楽器店の並ぶ通りの明大側です。
OCCへの詳しい地図は以下にて確認できます。
http://www.rockjazz.com/promo/occ.htm
1714shop で買えます。
http://www.makigami.com/ticket.html
●11月3日(日)
武蔵大学白雉祭 ポエトリーリーディング 17:30 開演
詩人 白石かずこ、平田俊子、藤富保男、巻上公一、吉増剛造(五十音順)
映像 石田尚志、千野秀一、川内倫子 (五十音順)
http://yudemen1.hoops.ne.jp/
●11月12日(火)
横浜ドルフィー 045-261-4542
巻上公一 vo. theremin,doromb
清水一登 piano,syn.
佐藤正治 drums,perc.
桜木町より徒歩6分、日の出町より徒歩2分
http://member.nifty.ne.jp/dolphy/index.html
●11月30日(土)
巻上公一ソロ
広島オーティス
http://homepage2.nifty.com/live-otis/
●12月1日(日)
京都 田中神社 15:00〜17:30 ボイスアートワークショップ
問 巻上公一オフィス tel.0465-63-0578
●12月2日(月)京都 拾得 19:00 start
『Master of crossover〜巻上公一 テルミン アウトロウ(仮題)』
前売3000円 当日3500円 問 拾得 tel.075-841-1691
http://www.baumkuchen.net/~ue/jittoku/
******************************************************************************
●10月5日夜10時から山梨放送YBSラジオの「アイノヒジテツ」にゲスト出演します。
●10月12日 手伝ってくれるスタッフ募集しています。
●10月20日夕方NHKラジオ第一「日曜ラジオマガジン」にゲスト出演します。
●NEW CD発売中「方向はあっち」聴きました?
●CD「虹のホーメイ」を販売してくれるところを探しています。
●リチャード・フォアマンを知る上で貴重な一冊『反響マシーン』が、
1714shopでもで販売もすることにしました。
http://www.makigami.com/1714.htm
●予告
『巻上公一と行く中国雲南省〜麗江・昆明〜 音楽と癒しの旅』
イ族の口琴名人との交流、演奏会、ワークショップ
東巴古楽隊と巻上公一による共演コンサート
本場中国医学の漢方、鍼灸、気功按摩技術体験(希望者のみ・別料金)
世界遺産ナシ族の故郷麗江古城散策ほか、みどころいっぱい
各地の名物料理もお楽しみいただける全食事付
日本エアシステム利用(成田発着)予定
2003年3月15日(土)〜20日(木)5泊6日
旅行代金 17万円前後
日程、内容は変更になる可能性があります。)
●予告
第4回国際ホーメイ会議、ゲンナディ・トゥマット記念コンサート、ワークショップ
2003年6月末から7月上旬
限定20名。
●巻上ソロやヒカシューのコンサートを企画しませんか?
手作りで面白い企画をしましょう。世界は自分で作るのです。
●なかなか集まらないようですが
いばびとばさんとLoroさんが拙ソロCD「殺しのブルース」と「民族の祭典」の再発
運動をしてくれています。詳しくは
http://www.geocities.co.jp/Hollywood-Stage/9571/
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