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蔵元日記(濡れ落ち葉)

発行日: 2002/7/12

◇■■■■        蔵 元 日 記         ■■■■

■ 旭酒造株式会社  http://asahishuzo.ne.jp/

■このメールに関するご意見ご感想は→ webmaster@asahishuzo.ne.jp

■          2002年7月11日 vol.051


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  目  次

 ◆ 蔵元日記(濡れ落ち葉)

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▼蔵元日記(濡れ落ち葉)

女房の買い物についてスーパーマーケットをのぞいた私。ちょっと古いけ
ど「濡れ落ち葉」状態。(ある人に言わすとこういう状態の亭主を「お洒落
小鉢」とも言うそうです。そう、ほら、よく洋酒かなんかのキャンペーン
の景品で付いてくる皿なんかのことです。心は「なんにでも付いてくるけ
ど役に立たない!!」んだそうです。)

女房のそばを離れて店内をふらふら歩いていた私はある売り場で目が点に
なりました。それはパンツ売り場。かっこよく言えばトランクス。ま、デ
カパンのことですね。で、そのデカパンの何がそんなに私をびっくりさせ
たかというと、その色と柄です。2mぐらいの広さの売り場台いっぱいに
広げられたパンツのほとんどが正常な神経でははけそうもないデザインな
んです。原色の赤や紫、はなはだしいのは尻のところになんとも悪趣味な
キャラクターマークの入ったもの。とても紳士のはくものには見えませ
ん。(お前は紳士か?)細かく台上の品物を精査(?)したところによります
と、まともに穿けそうなというか、まさかのときに恥ずかしくない(何がま
さかかよくわかりませんが)色・柄・デザインは一つか二つ。

この発見を帰りの車の中で女房に話したところ、「何でもいいんじゃない
の。どうせ人に見せるわけじゃないし。」と冷たい返事。ま、それはそう
ですけど・・・・。その私の淡い希望というか下心というか妄想はおいと
いて、あんな品揃えで買い手が実際いるんだろうか。他人事ながらその下
着売り場の売上が心配になるような品揃えでした。

で、次の日会社の検査室(酒の醗酵状態や麹の成分分析をする部屋です)で
その話をしたら、もと大手量販紳士服チェーンにいたA君が教えてくれま
した。

「それは対象の客が自分で買う客じゃないからですよ」

あ、そうか、自分で買うんじゃなくて、奥さんが買うんだ。そういえばA
君がもといたような大手量販紳士服チェーンに行って見ると、一体これ誰
が着るんだろうというようななんとも派手で、しかも地味で、しかも無趣
味で、しかもいくら個性の時代といってもねぇと言いたくなるような不思
議な柄のブルーのスーツなんて代物がかなりのパーセンテージで品揃えの
中に入っていて、これが本当に売れるんだろうかと不思議に思えることが
あります。

それでも、その店が倒産したり株価が100円を割ったなんてことも聞き
ませんから、あの在庫をどうするんだろうと、昔から不思議に思っていた
んですが良く分りました。つまり、かなりのパーセンテージでとにかく服
を着ていれば良いんだからと奥さんなどに買わせて自分で買わない層がい
るんですね。

これと同じような経験を酒でしたことがあります。10年近く前ですが、あ
る卸屋さんに頼まれて、以前、純米酒と本醸造を新企画商品として出した
時です。小売価格で一升2400円の純米酒と1900円の本醸造でし
た。純米のほうが55%精白で、本醸造も公には日本晴の60%精白とい
いながら実際は55%精白の酒造好適米を使用していました。スペックは
ともかくとして特に本醸造は酒の出来も良くて、私の見るところ品質とし
ての価値は2300円ぐらい。吟醸酒ですよといってもとおるぐらい。価
格と比較してダントツに買い得と感じていました。

ところがふたを開けてみると純米酒は当初予定の倍出て品切れになってし
まったんですが、本醸造はまったく売れない。この結果に対し、自分なり
に分析して出した結論は以下のようなものでした。2400円の純米酒は
その価格から見て自分が飲みたい人が買うお酒だから、価格相応の品質が
あると買った本人が感じれば、売れた。ところが1900円のお酒はその
価格帯から、『自分はお酒を飲まない奥さん』が『酒はどれ飲んでも一緒
といっているご主人』のために買うお酒。自分が飲まないから、たとえ
買った酒の品質が価格以上に優れていても次の購買につながらない。やっ
ぱり安いほうが良いから大手の『ツキ』パックや『マル』パックに価格の
魅力で勝てない。

同じ理由と思いますが、ある九州では最大手の地酒蔵が、何年か前に清水
の舞台から飛び降りるつもりで、上選を原価の高い本醸造にしたそうで
す。ところが数年後、日本酒のナショナルブランドといわれる灘や伏見の
大メーカーの安売り攻撃に耐え切れなくなって、もう一度三増酒(糖やアル
コールを補填した酒:太平洋戦争時代の米不足の解決策として国税局の研
究機関で考え出された)に戻したそうです。お客様からの文句を覚悟して
待っていたその酒蔵に、結果として誰もクレームをつけなかったそうで
す。一寸寂しい話ですが、その蔵の上選を買うお客さん(飲んでいるお客さ
んじゃありませんよ。あくまで購入客)にとって品質なんてどっちでも良
かったんですね。

と、言うことは自分で商品を選ぶ類の、結果としてうるさい客は非常に少
数だということです。その客を見切ってしまえば、残りの大部分のお客は
一番分りやすい価格訴求で引っ張るか宣伝とか大衆の持つ一種のムードで
引っ張れる。その上で、値引き分やかけた宣伝費以上に品質を落としての
コストダウンを行っても市場は気付かず支持してくれる。しかも、ここに
消費のボリュームゾーンがあるから売上金額も利益も結果として最大のも
のが取れるということです。利益を追うならここを追っかけなきゃいけな
い。と、言うことはわかっているんですがねぇ・・・・。しかし
ねぇ・・・・。ま、いいや。どうせ好きでやってんだから。

皆さん、是非、商品は自分の意志で選びましょう。(旭酒造のためにも) 
だけどパンツを自分で選ぶのだけは止めたほうがいいかもしれませんね。
中年のおっさんがそろって売り場台の前で選んでる姿なんて想像するだけ
で・・・・・。


うーん、今回のメルマガも下ネタで始まって下ネタで終わっております。
次回は少しでもレベル?を上げるように努力します。








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『まぐまぐ( http://www.mag2.com/ )』(ID 000023022)、
を利用しています。

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 ◆発行    山口県玖珂郡周東町獺越2167-4
 ◆発行人   桜井 博志
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