漢方鍼医会、本部研修会・各地方組織研修会の、ご案内と、その他、お知らせを、月刊で、お届けします。
- 最新号:2008-10-01
- 発行周期:月刊
- 読んでる人:420人
- 創刊日:2000-12-27
- Score!:-点
- コメント数 : 2
- メルマガID:27389
- バックナンバー:全て公開
- 発行者サイト:あり
- >> 月間ランキング
月刊 漢方鍼医
発行日: 2005/11/1
**************************************************************
漢方鍼医会のメールマガジン
月刊 漢方鍼医・十一月号
[vol.0063] (2005/11/1 発行)
http://www.kanpouhariikai.com/
**************=========▼△ 目次 △▼================
○今月の所感
○論考 臨床脉診の修得と病理について 13
○研修会案内
○ご案内とお知らせ
**************===============================▼△▼△▼△
今月の所感:目指すは「臨床こそ我が人生」 − 臨床家養成講座が始まります
本部研修会では、来年度より本部入門講座修了者と地方漢方鍼医会より代表からの
推薦のあった人を対象に「臨床家養成講座」が新たに開始されます。
漢方鍼医会は講習会ではなく研修会ですが、
伝統的鍼灸術を行う次世代の鍼灸師を育成することも大切な事業です。
ところが、今までに入門講座を修了した人が研修部に入ってくると仕方のないこととはいえ、
知識も経験も豊かな先生方とのレベル差があり、
特に地方組織にも同時に所属されていなかった方は「やっぱり難しい」という風になってしまっていたことも事実です。
入門から臨床実践を経て将来の研修部を担ってもらう人材育成のために、
「臨床こそ我が人生」と邁進される人材育成のために臨床家養成講座が開始されます。
講座は二カ年で基礎的な学習の他に、開業へ向けての体験談を聞いたり
医学全般に対する広範囲な学習をしていきます。試みの一つとしては、
今までは五臓ごとや呼吸器や循環器など縦の繋がりで学習していたものを身体各部ごとの学習も行います。
例えば「胸が痛む」と訴えられても、呼吸器のこともあれば循環器・消化器もありますし、
西洋医学病名でいえば肋間神経痛から気管支炎・狭心症・乳腺症であったとしても患者さんからの訴えは
「胸が痛む」なのです。いわば横の繋がりからも考えることによりこれらが見極められるようになり、
縦横組み合わされた知識となっていくことでしょう。実技では基本刺鍼と
取穴法に毎月充分な時間を割いて基礎技術を固め、
休憩時間と質問会を兼ねることにより縦横の知識と合わせて立体的な技術を確立させていきましょう。
ただし、講座であって講習会ではありませんから養成講座への参加は1クールのみであり、
臨床家としての心構えやノウハウを個々の自覚により修得して頂きます。
私も臨床家養成講座開始にあたり、スタッフの一員として参加出来ることをとても喜んでいます。
手ほどきを受けていた時代から助手の経験なども合わせて、伝えられるものは全て伝えて行かせてもらいます。
そして「臨床とはこれほど素晴らしいものなんだ」ということを患者さんと分かち合える“漢方鍼医”に一緒になっていきましょう。
*****************************************************************************
臨床脉診の修得と病理について(13)
会長 福島賢治
一、実脉について
実脉の意味は停滞・充満である。臨床的にいうと、気血の停滞・充満で病症
は熱になる。この時、血の中に津液を入れるかどうか。
我々が虚実を分けるのは、虚は補い実は瀉すという規定に基づくのだが、脉
が強くて実脉にみえるが瀉法ができない場合がある。津液が停滞・充満した場
合は、脉がしっかり大きくて強くても身体は冷えている。このように強い脉を
打っていても同時に身体が冷えている場合は瀉せない。こういう実も、ひとま
ず実の意味の中に入れておく方がいいだろう。
○実の種類
1体質の実
2病理の実
これは気血が停滞・充満した状態で、邪気実と旺気実がある。
邪気実とは精気の虚に直接外邪が入ってきた状態で、この場合は当然瀉さな
ければならない。
旺気実とは、精気の虚に内傷が入って身体が虚したときに、五行の相対的考
え方で反対側に現れた実である。これはダイレクトに瀉すことはできないので、
我々の先輩は輸瀉ということをやったが今後の研究項目である。どちらの場合
も脉はある程度強くて大きいから、邪気実か旺気実かを臨床現場で診分けてい
かなければならない。
たとえば左尺中腎の部が沈にして実、指を沈めていくと強くて堅い脉を触れ
た場合、これは津液の不足から虚熱を発し陽気が不足・陰気が停滞してこうい
う脉状を呈しているのであり、昔からいう腎に実なしという通りこれは虚と診
て補の経穴と手技を使う。
中医学の分類を見ると、強くて大きい脉は皆実脉に入れるということをして
いるけれども、実際は必ずしもそうではなく、強くて堅い実のようにみえる脉
でも病理から見ると虚であることがある。これは脉診だけで判断すると間違え
ることになるから、身体に触り病症を聞きながら判断していく。そうすると、
この実脉に診える脉は身体の陰気が停滞して冷えてきているのだから、これは
瀉さずに直接補うか、相剋的に考えてこれを助けるか、温罨するか、こういう
考え方ができるようになる。
3病証の実
『難経』の三虚三実論の考え方。
〇実脉と臨床
実脉は、上焦・中焦・下焦いずれかに気血の停滞・充満した状態が現れる脉
状であるから、熱の病症を表すのが基本ではあるが、前節でも述べたとおり実
脉を呈しているからといって必ずしも熱とは言えない。これは実脉が他の脉状
とどのようにからんでいるか、浮いて実なのか沈んで実か、数が絡むのか遅が
絡むのかということで判断していかなければならないのである。
基本として四つの診方がある。
一、気血が実の脉。
軽按・重按共に脉を強く堅く感じて、なおかつ大きな特徴は脉が渋る。停滞・
充満するというのだから常識的に考えてもしょくが伴うのは当然。代表的な病症は
傷寒初期の悪寒発熱である。
二、 血実の脉。
軽く触れると渋って実、ぱっと診ると消えそうなのだがどこまで沈めていっ
てもなかなか消えない脉。この脉は左関上、肝の部に最も出やすい。
三、陽経実の脉。
軽く触れても沈めても強く感じる脉で、気血が実の脉とは違う。特徴は指に
溢れるような脉であること。これは結構陰がしっかりしているところに、外邪
いわゆる風邪が入って陽経邪実の脉になったものである。このときは陽経から
瀉さなければならない。
四、虚熱の脉。
実脉は大体が実熱なので、これは臨床上多い割に見落としやすい。虚脉が浮
大なら虚熱が多い、脉がちょっと細くなり浮き方が減ると虚熱は少なくなる。
このように実脉にも虚熱の場合がある。
軽按では大きく実のように診えるが押さえていくと消えてしまう脉。厳密に
判断すると実脉ではないのだが、実脉に診える脉である。最近風邪でこういう
脉が多いが、この場合は安易に瀉す事はできない。
○浮沈脉との関係
浮実は陽気が表(太陽・陽明経)に停滞し実した状態。沈実はお血・肺熱を
現す。
○蔵府との関係
左寸口、心小腸の脉が沈実の時は血圧に気をつけなければならない。
左関上、肝胆の脉が沈・実にして渋る場合はお血。
左尺中、腎膀胱の脉が沈実なら腎の津液不足。浮数実で、右関上脾の部の脉
が虚していたら膀胱炎の脉。
右寸口、肺の部の脉がやや沈んで数実の時は肺熱で、燥邪が絡んでいる様な
病症である。この場合相剋の肝の脉をよく診ると虚しているはずだ。
右関上脾胃の脉が浮いて実の場合、脾は虚して胃熱があるから必ず食欲があ
る、これは邪実による食欲だから瀉さなければならない脉である。
右尺中命門の脉が沈んで、実ではないが力ある脉は妊娠の脉。
このような虚実の診方で、大体大枠をわかっていただけたことと思う。
5.まとめ
漢方鍼医会では入門部と研修部に分けて臨床研修を実践している。
入門部では、漢方医学の基礎講義を元に実技研修を通して「手から手へ」の
講習を行い、研修部では、臨床実践の研修を行っている。研修の内容は、脉診
のみではなく総合的な研修である。患者の病症や体表観察、脉診等により病理
を考察し「証」決定を行い、鍼治療の実践を通して臨床の適否を研修するので
ある。
脉診をはじめ漢方医学の臨床学術は、気血津液、衛気営気を基本とした漢方
病理の正しい理解からはじめなければ修得は出来ないものと思う。この学術の
修得は、一朝一夕にはいかない。大地にしっかりと足を踏みしめての臨床研修
が望まれる。
【参考文献】
漢方鍼医(漢方鍼医会編)1994〜2001年
素問・霊枢(日本経絡学会編)1992年
難経解説(東洋学術出版社)1982年
日本鍼灸医学・基礎編(経絡治療学会編)1997年
日本鍼灸医学・臨床編(経絡治療学会編)2001年
古典の学び方(池田政一著 医道の日本社)1993年
日本経絡学会誌(日本経絡学会編)
日本伝統鍼灸学会雑誌(日本伝統鍼灸学会編)その他
*****************************************************************************
本部研修会案内
〈日時〉平成16年11月13日(第2日曜日)
〈会場〉目黒さつき会館
〒141-0031 東京都品川区西五反田3‐2‐13 ;03-3491-7193
【開会・点呼】
9:30 出欠点呼
9:40 〜 10:00《医事寸言》 会長:福島賢治
【研修部】
10:00 〜 12:00【臨床講座】
(司会)学術部
◇第一題
「三焦論について」(東京)栗原宏文
◇第二題
「臨床病証論−5 風証について」(東京)福島賢治
◆12:00 〜 13:00 昼食
13:00 〜 16:00【臨床実技研修】
実技テーマに基づいた臨床実技研修(研修部4班構成)
16:00 〜 16:30【臨床実技ディスカッション】
臨床実技研修全体の検討と反省ディスカッション
【入門講座】
10:00 〜 12:00《基礎講義・治験発表》
◇基礎講義
「頚肩背部と腰仙・鼠径部の治療」隅田真徳
◇治験発表:芳沢志保
◆12:00 〜 13:00 昼食
13:00 〜 16:30 【基礎実技研修】
漢方はり治療の基礎実技研修
◆17:00 〜18:00 理事会
鹿児島漢方鍼医会
日時 11月27日(日) 10時より
会場 老人福祉会館 (鹿児島市鴨池)
内容 午前 基礎講座および素問
午後 実技
大阪漢方鍼医会・滋賀漢方鍼医会(合同研修会)
日時 11月20日(第三日曜)
場所 草津市街づくりセンター
内容
10:00 各代表あいさつ 二木、中本 司会飯田
10:10 自己紹介 司会飯田
10:30 講演 岸田美由紀 先生 座長 二木清文 先生
「陰実証の気血津液論」
11:05 質疑応答
11:15 講演 上辻比奈子 先生
「気血津液と漢方腹診について」
11:50 質疑応答
13:00:実技
基本刺鍼を行なってから体表観察。
漢方腹診は五臓各部の見所ごとに、気血津液の過不足を
判断する研修をする。
14:30 ティータイム
15:00 実技
更に3時限目を踏まえたうえで、
小里方式にて診察・診断・治療を行なう。
17:00 懇親会
名古屋漢方鍼医会
11月27日 AM10:00〜PM4:30
場所 北区生涯学習センター
内容 午前 病症学3「未定」 堤
入門 蔵象論「脾、胃」 林
午後 基礎講義「腎虚陽虚」 大井
実技 経絡経穴の確認 モデル患者をあげ治療
東京漢方鍼医会
日時 11月27日(日) 午前10時〜午後4時30分
開催場所:目黒さつき会館
内容
午前、診察法 問診について、 担当(武野)
午後、前半、三焦論と臨床、担当(栗原)
後半は入門、研修班に別れ、午前、午後の内容を踏まえ実技研修
神戸漢方鍼医会
日時 平成17年11月25日(金) 10時から16時半まで
場所 ピフレ会館
内容
10:00 ミニシンポ 「気・血・津液の相互関係」水谷
10:45 実技研修
11:30 休憩
13:00 個人研究発表 横山
13:30 「素問」読み合わせ
14:30 実技研修
福岡漢方鍼医会
日時 11月27日(第4日曜日) 9時30分〜4時
場所 あいあいセンター(福岡市立心身障害福祉センター)
内容 午前 1時限目 「心包・三焦について」 結城正範
2時限目 「各臓の相互関係と体表観察」 野口寛子
午後 実技(基本刺鍼、取穴、小里方式)
****************************************************************
ご案内とお知らせ
1.第13回夏期研東京大会について
主題:漢方はり治療の実際「診察と治療」(仮称)
主催:漢方鍼医会本部 協力:東京漢方鍼医会
会場:日本青年館(東京都新宿区)
期日:平成18年8月27.28日(日月)
内容:会長講演・基調講義・シンポジウム・ランチョンセミナー
実技研修(3時限6時間)
費用:第11回夏期研と同じ(予定)
実行委員長:小林浩二
副委員長:新井敏弘
2.本部委員会の編成について
◇来年度の研修部会の編成
委員長:天野靖之
部 員:中本功一・高尾敦・金井左貴・斉藤充
◇入門部のテキスト作成委員の編成
委員長:隅田真徳
委 員:天野靖之・森本繁太郎・二木清文・小林浩二・斉藤太誉
3.学術テープ(9・10月)
※申込先 漢方鍼医会録音部
(雑録)医事寸言・臨床検討−9.10月
(臨床)「臨床病証論4 労証について」福島賢治
「五臓の病理と脉状5 肺(右寸)の脉と病」加賀谷雅彦
(検討)「証の呼称とその統一について」進行:学術部
(入門)「肝実の理論、その病症と治療」二木清文
「衛気と営気の概念と手法」森本繁太郎
(治験)「慢性呼吸不全の治療」野瀬ふみ子
「子宮筋腫の治験」鈴木亨
****************************************************************
編集後記
茲に、11月号をお届けします。
患者さんで俳句が趣味の方がおられます。
なんでも、メールのやり取りも俳句でするとか。
今や古希を過ぎた人達にもメールは浸透しているのでしょうか。(田中理)
The future belongs to those who believe in the beauty of their dreams.
-Eleanor Roosevelt ( U.S. humanitarian, First Lady and writer, 1884-1962)
未来は自分の夢の美しさを信じる者たちのもの。
========================================================
鹿児島漢方鍼医会
mail: sansyodo@po.minc.ne.jp
大阪漢方鍼医会
mail: kuroechi@ms9.megaegg.ne.jp
愛知漢方鍼医会
mail: seigo_t@f5.dion.ne.jp
名古屋漢方鍼医会
mail: harii-amano@sunny.ocn.ne.jp
東京漢方鍼医会
mail: goryou@hkg.odn.ne.jp
神戸漢方鍼医会
mail: yh@i-ml.com
福岡漢方鍼医会
mail: m_yuuki725@ybb.ne.jp
滋賀漢方鍼医会
mail: supermogusaman@myakushin.info
===================================================================
月刊 漢方鍼医
○発行元:漢方鍼医会○
〒169-0075 新宿区高田馬場1-31-8高田馬場ダイカンプラザ216号
電話(兼ファックス): 03-3232-8041
○編集:広報室
○編集長:田中理、編集員:神岡孝弘・斉藤太誉
URL : http://www.kanpouhariikai.com/
mail: publicity@kanpouhariikai.com
===================================================================
<禁転載>
このメルマガを読んでいる人はこんなメルマガも読んでいます
- たま漢方堂の『健康豆知識〜春夏秋冬〜』
- 和漢薬専門・たま漢方堂がお贈りするメールマガジン。毎日を健やかに過ごすためにチョット役立つ話をお届けします。
- 癌めーる
- 医師・医療従事者・医療ジャーナリストなどの専門家の協力のもと、西洋医学・東洋医学などの垣根を作らず癌に関する情報を公正に配信し、一般人が癌に関する正...
- 医療21
- 21世紀は生命科学が急速に進展し、それに伴ない医療も大きく変わろうとしています。「医療21」は医療・健康・薬学に関する情報を提供するメルマガです。遺...
- e-doctor ドクタースマートの医学なんでも相談室
- 読者の質問に内科医であるドクタースマートがお答えするメルマガです。病気に関するどんなことでも、なんでも質問してください。すべての質問に、ドクタースマ...
- 速読!今週の医療界
- 医療界のニュースを1週間分まとめてダイジェスト。医療・福祉関係者の“生”の声を取り上げる「今週の一言」のほか、セミナーや書籍情報など医療・福祉経営に...
![メルマガスタンド[メルマ!]](/img/common/backnumber_article/melma_logo.gif)


