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新米から一人前へ向かって歩み始めた女将が綴るつれづれ日記。経営の悩み、お客様への思い、社員や家族達とのかかわり等など。日本初の旅館の女将によるメールマガジンです。




続・新米女将のひとり言/明日へのあゆみ

発行日: 2005/4/3

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     ■       「続・新米女将のひとり言/明日へのあゆみ」
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■  ■  ■■■■ ■  新米から一人前へ向かって歩み始めた女将が綴る
  ■   ■     つれづれ日記。
 ■  ■■■■■   経営の悩み、お客様への思い、社員や家族達との
■ ■ ■   ■      かかわり等など。 
  ■ ■■■■■   日本初の旅館の女将によるメ−ルマガジンです。
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  ■ ■■■■■   http://www.monya.co.jp 2005.4.3発行 第140号
                           
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◇ プライバシーとコミュニケーション ◇

先日、3泊したお客様のアンケートに、「余計な干渉は控えることと、コミュ
ニケーションのバランスを一考された方が良い」というご意見をいただきまし
た。

2泊は個室風の食事処で、最後の1泊がお部屋食でした。お部屋食の時は、係
も個室風のお食事処よりも話はできるはずですし、お布団敷きの者とも会話は
できるはずです。私もいつもタイミングが合わなくて、最初のチェックインの
時しかお目にかからなかったので、少しその言葉が気にかかりました。しかも
最初の日はフロントが非常に手薄な日で、自分でもろくな接客が出来なかった
と感じていた日でした。

お客様が望んでいらっしゃる気持ちを、言葉ではなく表情や雰囲気で感じ取る
こと。簡単なようで難しいです。そのお客様は、どちらかというと干渉された
くないお客様に見えました。


本来、私が築きたい接客の世界は、お客様と心の交流を図れるような世界です。
そうした意味では、宿屋は1回お越しいただいただけでは、なかなか難しいと
ころがあります。

普段からお客様のお部屋に行かなくても、廊下でお目にかかったら、なるべく
お声をお掛けするようにはしています。お子様を抱いていたら、お子様のご機
嫌を伺ったり、浴衣が小さそうだったら、お取り替えしたり、お風呂から出ら
れた後のときは、湯加減を伺ったりしています。

そうした小さなお声掛けはとても大事な事です。でも、お目にかかれない方も
多いのも事実です。お部屋で寛いでいらっしゃるところへ伺うのは、見分けや
タイミングが難しく、かなり厳選もしなければなりません。

いま、お部屋に伺っているのは、お祝いのお客様や、フロントで私へのコメン
トがあった方や、事前にメールをかなり交わしている方、お内金の振込み書に
「楽しみにしています。」というメッセージがある方などです。


お客様と触れ合いたい、疲れた体と心を癒して差し上げたい。そういう熱い思
いをいかに少ない場面で実現していくのか。できない事が多く、館内の案内の
字を自筆で書いたり、細かなおもてなしを見てわかっていただけるように工夫
することで、少しづつ進めてきました。

メルマガを読んでくださっている方は、初めていらしていただいても、まるで
以前からの知り合いのようにお話しができるのですが。お越しになるお客様の
恐らく95パーセントの方は、もう2度とお越しにならない方々として去ってい
ってしまいます。

私たちの工夫や努力を感じ取って下さって、何度かいらっしゃっていただけれ
ば、段々従業員の顔や名前まで覚えて下さり、私たち経営陣の顔も判り、いろ
んな世間話に花を咲かせることもできるようになります。最近の出来事の話し
ができたり、小さな悩みのグチをこぼしあったりできて、家庭的なホットな気
分に浸っていただける。私たちも同様にやさしい気持ちになれます。

1回だけで去ってしまう、お互いに全く忘れてしまう。そういう方がほとんど
で、何回かお越しになっても、全くお互いに親しみがわかない方もあるのは残
念です。心の通い合いがどこかにもてなければ悲しい。それが私の正直な気持
ちです。

宿屋では、それをなかなか創り上げるのに時間がかかり、しかもできにくいの
が実情です。疲れた体を休めにお越しになっていらっしゃるお客様を、そっと
お見守りするにとどまり、心と心の接点が何ももてないで終わる事のほうが多
い。旅館業になかなか気持ちがのめりこめない悲しさが私には、入社以来ずっ
とありました。


昨年の秋くらいから、おかみが挨拶に行ったって、どうせ喜んでなんてもらえ
ないし、といじけてしまい、干渉されるのが嫌いなお客さまでさえ、どこかで
心の温かさを感じたい、感じれば気持ちがいいのだとわかっていても、接客ス
ランプになっていたのでしょう。気持ちのどこかがマイナスに動いていました。

でも、今回のお客様が書かれたアンケートを拝見して、やはり気持ちが前向き
になっていなければいけないと反省しました。もちろんそのお客様は、私の事
を指摘したのではないと思いますが、良いきっかけになったのです。私は、皆
を引っ張っていかなければならないのですから。私は、いつもお客様にとびっ
きりの笑顔と温かさを提供できるようにしよう。私の動きひとつで、ものすご
くいろんな事が変わるのだからと。

どんな人間にもスランプは必ずあり、そのスランプを抜けることで、また成長
も出来るのでしょう。ちょっとしたきっかけを大事に、チャンスを掴んでいけ
たらと思います。


・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

◆宿屋の雑学◆

さしみ/その3

鎌倉時代の書籍『家中竹馬記』には食品のランク付けがあり、「魚が一番、鳥
はその次。魚の中でも川魚が上、海の魚は下。魚の中ではコイが一番。スズキ
がこれに次ぐ」となっています。当時の鮮魚は、川や琵琶湖の淡水魚に限られ
ていたため、淡水魚の方が尊ばれていました。こんにちも残る包丁式でコイが
用いられることが多いのは、当時の人のこうした考え方が背景にあるのでしょ
う。(by aruji)


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≪次回予定≫
次号は、2005年4月17日に届けする予定です  
               
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e-mailエッセー「続・新米女将のひとり言/明日へのあゆみ」(隔週日曜発行)
           著  者:高尾葉子  okami@monya.co.jp
          発 行 者:高尾憲資  aruji@monya.co.jp
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◆素顔の女将◆

花粉症の私同様、マスクをしている人を見ると、私は「おお、友だ!」と何か
親近感を抱く。先日、テレビ番組で花粉症で苦しんでいる猿が紹介されたとこ
ろ、「ほら、あなたのお友達よ」と家内が教えてくれた。だが、花粉症の猿と
友達になっても、全然ウレシクナイ!(by aruji)

 
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