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新米から一人前へ向かって歩み始めた女将が綴るつれづれ日記。経営の悩み、お客様への思い、社員や家族達とのかかわり等など。日本初の旅館の女将によるメールマガジンです。




続・新米女将のひとり言/明日のあゆみ

発行日: 2003/10/19


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     ■       「続・新米女将のひとり言/明日へのあゆみ」
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■  ■  ■■■■ ■  新米から一人前へ向かって歩み始めた女将が綴る
  ■   ■     つれづれ日記。
 ■  ■■■■■   経営の悩み、お客様への思い、社員や家族達との
■ ■ ■   ■      かかわり等など。 
  ■ ■■■■■   日本初の旅館の女将によるメ−ルマガジンです。
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  ■ ■■■■■   http://www.monya.co.jp 2003.10.19発行 第103号
                           
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◇チップについて◇

皆さん旅館というと、チップをあげなくてはいけないところだと思っていませ
んか?紋屋では、別注文料理のご注文があった時のみサービス料をいただいて
おりますが、他の宿では宿泊料の他にサービス料を頂いていることが多いので、
基本的にチップは要らないのです。

以前にも書いたことがありますが、チップは本来必要ないと私は思っています。
お客様の前に出ない板場の人間は、本当は一番気を使っているのに、めったに
頂くことはなく不公平だと思います。掃除をする人・布団を敷く人・ご到着時
にお茶を出す人や厨房からお料理を係り毎に分配する人、花活けをする人や様
々な細かい手配を行うフロントなどは、その対象になることはほとんどありま
せん。

宿屋のサービスは、どこのセクションがかけてもおもてなしとして成り立たな
いのですから、直接食事を出す人だけがお世話しているわけではありません。
どの人が大変で、どの人が大変ではないということもないのです。


昔の客室係はお迎えからお茶出し、食事出しと下膳、布団敷き、お見送りから
掃除やお部屋のセットまで、全て一人でまかなっていました。そうなるとやは
り、『少しは心付けを差し上げないと』と言う気になってきますね。でも今は
そういう旅館はほとんどありません。

一人の係が料理出しと下膳をするとは限りませんし、朝食が会場食やバイキン
グの宿も多いのです。お部屋出しでない場合は、全く心配はありません。なに
か落着かないと思う方は、皆さんでとお菓子を一箱下されば、みんなに配分し
ます。全く無くてもいいのです。外国ではチップが当たり前になっている社会
ですが、日本ではそうでないのです。

旅館はチップをあげなくてはならないので、気が重いなどと避けている方も少
なくありません。お若い方でわざわざ本を読んでお世話になる係にあげるもの
と勉強してきて、こちこちに固くなっていらっしゃる方も時々あり、だから旅
館にお客様が少ないのかしら?と思うこともあります。誰にも気兼ねなくのん
びりする為には、お部屋出しより個別会食場のほうが良いのかもしれませんね。

先日、あるおなじみさまが、わざわざ客室係と板場に分けて、チップをくださ
いました。本当に有り難い事です。布団を上げに行ったら布団の中からもチッ
プが出てきて、私のところに届けられました。あとで布団敷きの人間へのお心
遣いだったことが分かり、心底素晴らしいお客様ぶりだと感心しました。経済
的に余裕があっても、そこまで内情は普通お分かりにならないと思います。


社長と私が行ったリゾートホテルでのことです。ワインが大好きな主人が、い
つも集めているワインのラベルをその時のウェイターに頼みました。翌朝、朝
食にレストランへ向かうと、昨日のラベルがシールにではなく、きれいな台紙
に貼り付けてありました。前日はどうやらソムリエがお休みで、いつものラベ
ル剥がし用シールがあるものとウェイターは思っていたのでしょうが、あいに
く在庫が切れていたのです。たぶんその人は大変な思いをしてラベルはがしに
挑んだであろうと推察されました。感激した主人は、ごくわずかな金額ではあ
ったものの、少し包んで渡しました。

もともとチップとは、感謝の気持ちであげるものだと思うのです。まだそのサ
ービスが気にいるかどうか分からないのに、チップを渡すのは、あげなければ
良かったと思う危険性が残っています。本当に良かったと感じたときにだけ、
気に入った方に気持ちで差し上げたらいかがでしょうか。


チップを楽しみにしている係りも無くはありませんが、不公平をなくしたいと
切に思います。宿屋の中には全部集めてみんなに配分するところもありますが、
お金に関する問題は揉め事のはじまりであり、すっきりしない部分が必ず発生
するのがいやなところです。

以前、入りたての従業員がお客様をお部屋に案内し、チップを頂戴しました。
それをみんながいる前で、実際にお世話する係に半分にして「はい」とあげた
ことがあったそうです。そのときの異様な空気が目に見えるようですね。

病院などでは、『お心付けは固くお断りいたします。』と張り紙がしてあると
ころもあります。私が胃潰瘍で入院した時、そう書いてあったので心配しつつ
退院してからお礼を持っていきました。そうしたら、退院後だったため快く受
け取ってもらえました。お世話になったことへの感謝なら、誰でも嬉しく受け
取れるものなのでしょう。

チップをあげるから良いおもてなし、無かったら良くないおもてなしでは情け
ないです。たまに紋屋のアンケートに「チップをあげたら途端に態度が変わっ
た」とかかれるお客様がいらっしゃいます。多分それは、お客様のほうが色眼
鏡で見ていらっしゃるのではないかと思います。


気持ち良いサービスを受けたら、受けた側も御礼を言いたくなります。最近は
なかなか気に入る接客をしてくれる人にもめぐり合わないので、たまにものす
ごく感じが良い接客に出会うと感激し、買い物をした私のほうがお礼を言って
帰ってきます。そうする事によって接客側も嬉しい気持ちになり、より良い接
客が出来るのではないでしょうか。接客する側ももちろんチップはあり難いの
ですが、お褒めの言葉として返って来ること。自分のファンになっていただけ
ることの方が、もっと遣り甲斐につながると思います。日本におけるチップへ
の考え方そのものが、どこかおかしいと感じます。気持ち良い接客のためにも、
サービス業全体のレベルアップの為にも、是非皆さんもご一考下さい。


・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

◆宿屋の雑学◆

まくら/その1

1924年南アフリカで出土した、アウストラロピテクスの化石の頭蓋骨の下には、
砕石が敷かれていました。この砕石がまくらとして使われたものか、祭祀的な
意味で使われたのかは分かりませんが、最も古いまくらの痕跡だといわれてい
ます。ヨーロッパで今のようなまくらが使われ出したのは、12世紀に始まった
十字軍の遠征からだと言われています。アラブで広く使われていたクッション
が、十字軍によってヨーロッパに伝えられ、ヨーロッパの気候に合った素材で
まくらが作られるようになりました。寒さが厳しいヨーロッパでは暖かい羽毛
を使い、眠るときは背中までスッポリとまくらで覆いました。またベッドの上
で起き上がったときに、体を支えるためにまくらをクッション代わりに使って
いました。


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≪次回予定≫
2002年10月26日は、「皆様からのお声/増刊号」をお届けする予定です  
               
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e-mailエッセー「続・新米女将のひとり言/明日へのあゆみ」(隔週日曜発行)
           著  者:高尾葉子  okami@monya.co.jp
          発 行 者:高尾憲資  aruji@monya.co.jp
          発 行 所:季粋の宿 紋 屋  otazune@monya.co.jp
                     295-0102   千葉県安房郡白浜町白浜232
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◆素顔の女将◆

《シロクマ編−その1》

息子から家内の誕生日プレゼントに、シロクマのぬいぐるみを送ってきた。大
のシロクマ好きな家内はとても嬉しそう。「名前は付けたの?」と聞くと、家
内の返事は「シロクマくん♪〜」 それ、まんまやんか!(by aruji)


《シロクマ編−その2》

家内のカメラ付き携帯電話には、「家族」「風景」「料理」の写真のホルダー
があった。その他に何故か、「シロクマくん」というホルダーもある。何も君
付けにしなくても.....。(by aruji)


《シロクマ編−その3》

そんな話しを家内にすると「私にとっては、シロクマくんがステイタスなの!」
と胸を張る。シロクマくんがステイタスって、何だぁ?(by aruji)

 
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