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新米から一人前へ向かって歩み始めた女将が綴るつれづれ日記。経営の悩み、お客様への思い、社員や家族達とのかかわり等など。日本初の旅館の女将によるメールマガジンです。




続・新米女将のひとり言/明日へのあゆみ

発行日: 2002/1/27


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     ■       「続・新米女将のひとり言/明日へのあゆみ」
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■  ■  ■■■■ ■  新米から一人前へ向かって歩み始めた女将が綴る
  ■   ■     つれづれ日記。
 ■  ■■■■■   経営の悩み、お客様への思い、社員や家族達との
■ ■ ■   ■      かかわり等など。 
  ■ ■■■■■   日本初の旅館の女将によるメ−ルマガジンです。
  ■ ■   ■
  ■ ■■■■■   http://www.monya.co.jp  2002.1.27発行 第60号
                           
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◇ 本当にやりたいこと ◇

みなさん今なさっている仕事は、心の底からやりたいと思い選んだ道ですか?
私の場合正直に言って、たまたま社長と結婚したから女将をするようになった
わけです。今までずっとそう考えてきました。私が一生懸命働けば社長が喜ん
でくれる、それが自分自身にとっての幸せだと。紋屋は私の宿ではなくて社長
の宿だと、いつか社長が私よりずっと早く死んでしまうようなことが万が一あ
ったら、私は東京へ帰るしかない。私はこの仕事が楽しくてやっているわけで
はない。こんなに大変な仕事はなかなかあるものではない。遣り甲斐はあるけ
ど、それより大変さの方が勝っている、そう考えていました。私は接客の仕事
は大好きだけれど、こんなにも気が休まらない仕事はない......。あーなんて
マイナスに向かった考え方なんでしょう!そんなことを考えているようでは、
一人前になるわけありません。

まだ鬱病が治りきっていないのかもしれない。昨年、紋屋に来てくれているア
ロマセラピスト小池さんと話をしていたとき、「私はマッサージが本当に好き
ですね。でもアロマをとおして自分が本当にやりたいことはなんなのか、と考
えるんです。お年寄りへのケアなのか、子供達へのセラピーなのか......。」
私はその言葉を聞いたとき、はっとしたのです。(私は、本当にやりたいこと
が何なのか考えていない)と。また、前回もご紹介したサイコセラピストの近
藤 裕先生が、今与えられている仕事を心から楽しんでいますか?とご本の中
で問いかけていらして、私は、つくづく考え込んでしまいました。どうせやる
ならなるべく楽しんで仕事をしたほうが良い。それはそうに決まっています。
一度しかない人生なのに、愛する夫のためとはいえ、心から楽しめない職業に
ついて苦労を背負いながら生き抜くなんて....ちょっとした時代錯誤でしょう。

本当は何をしたいのだろう?それからずっと考えてみました。私にとって接客
の仕事は天職であることは間違いない、そう思えます。でも、女将職は?女将
の仕事のどんなところが楽しいだろうか、考えてみました。まず、少なくとも
今は人を育てることに楽しさを感じている。なかなか思うように育ちはしませ
ん。一番若手の社員がいつか親に対する口答えのような言葉を言わなくなると
良いな、言わなくなるような教育が出来たら良いなと思います。もしかすると
いつかそんなふうに育ってくれるかもしれない。少しづつみんなが私の考えに
染まってきて、冷水ポットが欲しいというお客様のアンケートに対して従業員
の方から「女将、安売りのときに買い占めちゃいましょう!」なんて言ってく
れる。私の考えについてきてくれるようになって来ている事は事実です。それ
はすごく嬉しいし遣り甲斐もある。

それにこの執筆活動もずっと前からやりたいと思い続けて来たことです。一生
に一度で良いから本を出したいと夢のように思っていたのです。会社勤めだっ
たら出来ていないかもしれませんよね。

そして私はやはり接客の世界における人と人との出会いにいつも感動している
なあ、と思えました。先日、フリーでいらしてはじめてお目にかかった青年か
ら「女将さんに出会えて本当に良かった。こんなに奥深い微笑みを持っている
人に出会ったのは3年ぶりです。」とおっしゃって頂きました。その方は最近
失恋なさったそうですが、「この次来る時は必ず彼女と来ます。そして一緒に
アロマをやります。」と。私にとって接客の現場における人との出会い、心と
心をつなぎ合わせることが出来た時の幸福感、お客様に喜んでいただくことが
何よりも好き。だから私はやはり今紋屋の女将でいられることが幸せなんだと、
とても新鮮な気持ちで気付いたのです。なかなか紋屋や、私達の考えに理解を
して下さらないお客様も多いです。一日に1組いるかいないかくらいの確率かも
しれないです。リピーターになってくださるようなお客様と出会えるのは。よ
くお越しくださるお客様でも、最初は簡単な挨拶を交わすだけだったのに、回
を重ねる度に段々お話が弾むようになり、係からも「『女将にくれぐれもよろ
しく』って言ってましたよ。」と言われ、あーやっと心が通じたかなと思い、
それはもう嬉しいですよね。

新しい献立を何にしようかと頭を悩ませたりしますが、お客様のお部屋へ伺っ
たときの会話がちょっとした小さなヒントとなり、その後のお客様に好評だっ
たり。接客の現場において辛いことも多いけれど、それだけにすごく嬉しいこ
ともある。よくよく考えてみると結構楽しいことがたくさんみつかります。前
にご紹介した、私が第3のお母さんと呼んでいるお客様も、はじめは「私は女
将がいなくたって良いのよ。」とおっしゃっていたのです。ところがこの頃は
「あなた、いる?」って。初めてのお客様がセルフのコーヒーコーナーに戸惑
っていると、せっせと世話をしてくれたり、「朝食のとき一人だけ膝をつかな
いでお茶を出している人がいたわよ。でも怒らないであげてね。」などと教え
てくださるようになり、なんとありがたいことでしょう!「書物棚に私が読ん
だ古本を飾って欲しい。」と多くの書物を頂き、なんだかお客様と一緒の宿作
りが始まったような気分です。これも私がここの女将をしているから出来るこ
と。有難いと思わなくちゃ損と言うものです。せっかく大好きな接客の仕事を
しているのに、私は何を迷っていたのでしょうか。

全国に大勢の女将をしている方がいらっしゃる。みんなそれぞれの女将の色が
あるのです。私は紋屋には紋屋にしかない、私にしか出来ない女将になりたい
のです。このメルマガを執筆しているだけでも他の方には出来ない、特色ある
女将になれる気がします。時々泣きべそはかきますし落ち込んだり逆に盛り上
がったり、忙しい人だなあと思われるかもしれません。私は紋屋の女将になっ
たことを一生誇りに思えるように、少しづつ歩んで参ります。この世に起きる
事はすべて必然だとか。必ず出会うべき人には出会うべきときに出会うそうで
す。私も出会うべきときに社長と出会い、こうして今女将をしているのです。
是非、応援してくださいね。


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◆宿屋の雑学◆

おせち/その1

お正月料理のおせちは、御節供(おせちく)の略です。御節供とは、朝廷の節
日の宴会(節会=せちえ)のごちそうの事で、平安時代には、一月一日、七日
三月三日(上巳)、五月五日(端午)、七月七日(七夕)、九月九日(重陽)
などの節日に朝廷で神前に食物を供え、お祝いの料理を作って宴会を催しまし
た。そして、この御節供が「おせち」と略されてお正月の料理だけを意味する
ようになり、一方で「お節句」と書き換えられて、三月三日、五月五日だけを
意味するようになりました。おせち料理は、重詰めをテーブルに広げて皆で少
しづつ取って食べるのが普通ですが、鍋などを別にすれば、日本料理としては
他に見当たらない形式で、欧米のパーティー風に近いと言えます。(by aruji)


≪次回予定≫
2002年2月3日は、「皆様からのお声/増刊号」をお届けする予定です  
               
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e-mailエッセー「続・新米女将のひとり言/明日へのあゆみ」(隔週日曜発行)
           著  者:高尾葉子  okami@monya.co.jp
          発 行 者:高尾憲資  aruji@monya.co.jp
          発 行 所:季粋の宿 紋 屋  otazune@monya.co.jp
                     295-0102   千葉県安房郡白浜町白浜232
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◆素顔の女将◆

接客業について熱く私に語る時の家内は、本当に光り輝いて見える。その思い
の丈に感動する事さえある。普段の天然ボケ(笑)との落差に戸惑うが、これ
もまた我が家の女将の素顔である。(^-^)(by aruji)

 
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