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新米から一人前へ向かって歩み始めた女将が綴るつれづれ日記。経営の悩み、お客様への思い、社員や家族達とのかかわり等など。日本初の旅館の女将によるメールマガジンです。




続・新米女将のひとり言/明日へのあゆみ

発行日: 2001/11/11


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     ■       「続・新米女将のひとり言/明日へのあゆみ」
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■  ■  ■■■■ ■  新米から一人前へ向かって歩み始めた女将が綴る
  ■   ■     つれづれ日記。
 ■  ■■■■■   経営の悩み、お客様への思い、社員や家族達との
■ ■ ■   ■      かかわり等など。 
  ■ ■■■■■   日本初の旅館の女将によるメ−ルマガジンです。
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  ■ ■■■■■   http://www.monya.co.jp  2001.11.11発行 第55号
                           
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◇ リストラ ◇

リストラと言うと、会社を都合で辞めさせることだと思っている方は多いと思
います。実際の言葉としての使われ方は、確かにそうした用途で使用されてい
ます。しかし本来は、会社の再構築という意味なのです。一般に会社に勤めて
いる方は、経営者がどんなところまで気を配っているかは、なかなか伝わらな
いものです。私も百貨店にいた頃は一般社員でした。もちろん一生懸命働いて
いましたし、店側が要求している以上の接客に勤めてきたつもりです。ですか
ら、結婚前社長に、「社員はそういうものだよ。」と言われると反発もしまし
た。普通の社員だって会社のことをきちんと考えている。会社の為に自分に与
えられた任務を全うしているのだと。しかし、実際に自分が経営側に立ってみ
ると、やはりいかに自分が生ぬるい考え方をしていたかがよく見えてきました。

一般社員の時は、やはり自分の任務の遂行が中心に有り、会社の中枢に対する
批判に視点が集まり易かったのです。経営側になると、まず大きく会社組織の
運営を考え、とどこおりなく利益を上げていくべく、一番最初に行わざるを得
ないことから手をつけていこうとします。考え方は常に会社の中心にあり、そ
こから隅々まで目が届くように人事配置から一人一人の行動手順、効率的かつ
丁寧に仕事が行われるように監視出来得るシステム造りを構築しようとします。
概略を決め、其処からこまごまとてこ入れを行い、見直しが必要であれば修正
を施し、お客様の為の投資と人件費をにらめっこしながらフル回転できるよう
に考えます。お客様にも喜んでいただき、更に従業員の生活面まで考え、そし
て会社の為に経費削減を実行する。同じ線上にありながら、実は全く逆のよう
でもあるこの矛盾点をさりげなくクリアするのは、容易なことではありません。
何事もお客様のためお客様のため……。そして結果的に、従業員のためにつな
がるように試行錯誤の毎日です。

私が来た頃の紋屋は、定年間近な、もしくは過ぎている従業員ばかりの宿でし
た。数年したら一遍に従業員が退社する時期が来てしまうことが一目瞭然、と
ても不安でした。早くいろいろな仕事の流れを把握して、新しい人材の補給の
時に教えられる立場にならなくてはとあせりました。それからあっという間に
3年が過ぎ、その間に多くの人が入れ替わりました。はじめに私が入社してす
ぐの年の夏、夜警さんが辞め、客室係が4人、経理が辞め、売店が辞め、予約
が辞め、ボイラー技師もなかなか一定せず、もう3分の1は入れ替わったかもし
れません。バブル時の高値安定の給与がそのまま引き継がれ、給与制度迄見直
しを迫られました。利益を生み出せる会社組織づくり。徹底的な無駄の排除。
社長も給与は結婚した時の半分です。家計も一挙に苦しくなりました。

旅館さんによっては、正社員0という宿もあるそうです。そう言えば百貨店時
代も正社員はごくわずかで、ほとんどが派遣社員でした。正社員制度はどんど
ん見直され、よくても1年の契約社員です。ボーナスの削減のみならず、廃止
も珍しくありません。出張費の削減の為に、日帰りでの中国行きも命令される
そうです。そういう中で紋屋がのんきにしていられるわけはありません。でも
田舎町の小さな旅館では、従業員にその危機感が薄いのは致し方ないことなの
でしょうか?

今までにも私が入社以来、従業員教育に力を入れてきたことはお話してきまし
た。しかし、リーダーシップ研修でも講師の方から話がありましたが、勉強好
きで素直さがない人は育たないそうです。今回紋屋でも初めて、会社都合で退
社していただいた方が出たのです。そうしたことは、私達にとってもすごく辛
い決断でした。ほかの従業員が誤解するのも心配でした。まめに個人面談を重
ね、プライベートの心配や助言もしてきたにもかかわらず、経営サイドの意向
には全く関心がなく、勤務態度に何の変化も見られない幹部職員だったのです。
いつもお越し下さるお客様から「笑わない人(=笑顔がない人)」と言うあだ
名までつけられ、余り接客しないのに年間に名指しのクレームが最低3件はあ
り、目を離すと勝手にプライベートで会社の車を使用するなど、言い出せばき
りがないほど問題だらけな職員でした。極めつけは他の従業員から、「役職に
ふさわしくない」と言う意見が出たことです。少しづつ皆のレベルが向上して
くると、ついて来られない人は返って目立ってしまうのですね。私達の指導も
行き届かなかったのかもしれませんが、皆が一丸となってこの不況に立ち向か
おうとしている時に、一人だけが流れに逆らっているとみんなの中で浮いてし
まう存在になっていました。私とは特にそりが合わなかったので、お互いに不
幸です。どんな会社でも合わない人はいます。それでもやって行くのが社会で
す。しかし、会社としての方向性にそって頂けず、死んだような目をして仕方
なく働いて居るのがどこから見てもみえみえでした。そういう人に会社として
高い給与はお支払いできないことはいうまでもないことでした。

どちらかというと営業肌だった彼にとって、営業に出ての集客よりインターネ
ットの方が力を発揮するような時代になってしまったことは、不本意だったで
しょう。自分に一番向いている分野で力を発揮できなくなったのは、気の毒な
ようにも思いました。実は彼には家庭的な問題が有り、落ち着かない状態が続
いて、ひところ仕事どころではなかったのです。早く家庭が落ち着き、やる気
まんまんだった頃の彼を取り戻して欲しいと、私達はじっと我慢して待ってい
たのです。

私が来るまではうるさく教育されることもなく、任されっぱなしで呑気に仕事
をしていました。業績があがらなくても特に気にする様子もなく、パソコンや
インターネットを勉強してみようという意欲も感じませんでした。本来なら新
しい分野に果敢に挑戦し、経営側に逆に新風を吹き込んでくれるような、元気
でフットワークが良い幹部社員であって欲しい、そう切に願うものです。

人間死ぬまで勉強です。年をとって引退しても、何らかの形で成長はしなくて
は成りません。時代は大きく変わり、その変化のスピードも数年前とは比べよ
うもありません。どんな時代がきても即対応が出来る能力を身につけ、そして
それが個人の栄華や富のためでなく、多くの人々のためになるような業績を残
すことが出来たら最高です。失業率が過去最悪であるとか、世界が核戦争に巻
き込まれるとか、一向に明るいニュースはありませんが、自分自身がきちんと
地に足をつけて働き、何事があっても動じない精神と肉体を持ちたいと思いま
す。

その幹部職員がいなくなり、当然残った幹部社員は忙しくなりました。私自身
も数分おきにあちらこちらから声がかかり、自分個人の仕事が全く進みません。
どんどん面接をして新しいスタッフが入ってきて、当然慣れないことからのミ
スも発生します。板長やルーム長にも負担を掛けていますので、労いの言葉か
けもひんぱんにしてあげなくてはなりません。それでも…この頃お越しのお客
様からは、接客面で「到着の時から朝を迎えるまで大変気持ち良く過ごせた」
「以前より教育が行き届いているのが判る」とお褒めの言葉を頂けることが、
以前より多くなってきたのです。お客様に悪い印象を与えてしまう従業員、ひ
いては会社のためにならない従業員は、個人的な同情から置いてはいけないの
です。年功序列はもう過去の話し。生き残りをかけてひとりひとりが自分自身
の力を磨いていく、ある意味では健全な社会になりつつあるのかもしれません。

景気が悪くなった。それから突然1000人がリストラ。そんなニュースが毎日飛
び込んできます。テロ事件によって航空会社がリストラを行う場合、テロリス
トを恨む以外に方法がありません。そうした世の中の流れもさることながら、
基本的には会社の経営方針に忠実であり、素直でしかもやる気と元気があり、
勉強熱心でどんな新しい計画にも積極的に取り組む姿勢を持っていないと、ど
この会社でも生き残れないという事です。何事も実力ありきです。私も一日一
日自分を磨き、社長の勉強熱心さを見習い、向上心を常に忘れないよう努力し
て参る所存でございます。


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◆宿屋の雑学◆

酒席の作法/食前酒・食後酒

食中酒の他に、酒には食前酒(アペリティフ)と食後酒(ディジェスティフ)
があります。食前酒は欧米ではごく当たり前の習慣で、胃を適度に刺激して、
食欲を促す為に飲む酒ですので、アルコール度数が高いものや甘い酒は相応し
くありません。代表的なものは、シャンパンやシェリー、ベルモットなどでし
ょう。食後酒は、消化を助け満足感と余韻を楽しむ酒です。アルコール度数の
高い酒や味わいのしっかりした酒が向いています。ブランディーや甘口リキュ
ール、ウィスキー、ウォッカなどです。好みにもよりますが、同じウィスキー
でも水割りは食中に、オンザロックやストレートは食後に向いています。


≪次回予定≫
2001年11月18日は、「皆様からのお声/増刊号」をお届けする予定です  
               
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e-mailエッセー「続・新米女将のひとり言/明日へのあゆみ」(隔週日曜発行)
           著  者:高尾葉子  okami@monya.co.jp
          発 行 者:高尾憲資  aruji@monya.co.jp
          発 行 所:季粋の宿 紋 屋  otazune@monya.co.jp
                     295-0102   千葉県安房郡白浜町白浜232
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◆素顔の女将◆

俳優の中尾彬の本を、家内がお客様からいただいた。奥さんの池波志乃は、馬
生の娘さんだと教えてあげると、「ええっ!そうなのぉ〜!」と、とてもびっ
くりしている。この間亡くなった志ん朝の姪御さんになるんだよと言うと、何
故か急に笑い出していつまでも止まらない。どうしたのかと聞けば、ばしょう
は「ばしょう」でも、松尾芭蕉(爆)と思ったのだという。そっちの「ばしょ
う」は、江戸時代の人だぜぇ!(by aruji)


*ついでに大女将*

母が「4キロやせちゃった」と言うので心配になった。
不景気なんでストレスが溜まったのだろうか、糖尿病が悪化したのか.....。
「4キロも痩せたの?」と心配して聞くと、母は「違った。0.4キロだった。」
あのねぇ........(^^;)(by aruji)

 
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