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新米から一人前へ向かって歩み始めた女将が綴るつれづれ日記。経営の悩み、お客様への思い、社員や家族達とのかかわり等など。日本初の旅館の女将によるメールマガジンです。




続・新米女将のひとり言/明日へのあゆみ

発行日: 2001/10/14

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     ■       「続・新米女将のひとり言/明日へのあゆみ」
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■  ■  ■■■■ ■  新米から一人前へ向かって歩み始めた女将が綴る
  ■   ■     つれづれ日記。
 ■  ■■■■■   経営の悩み、お客様への思い、社員や家族達との
■ ■ ■   ■      かかわり等など。 
  ■ ■■■■■   日本初の旅館の女将によるメ−ルマガジンです。
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  ■ ■■■■■   http://www.monya.co.jp  2001.10.14発行 第53号
                           
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前回、「All About Japan」の「旅の便利情報・お得情報」のページで「子連
れ旅行第一弾〜房総の旅〜/育児疲れをリフレッシュ」として、宿泊体験記事
を掲載していただきました事をご紹介いたしましたが、その後段が掲載されま
した。紋屋での朝食の様子など、ご参考までにご覧いただければ幸いです。

http://allabout.co.jp/travel/travelinfo/closeup/CU20010919/index.htm?FM=

                          aruji  高尾憲資


◇ 軽症うつ病 ◇

最近、女性誌にも「なんとなく鬱」とか表題に書かれています。世の中が不安
定になって景気も悪化が止まらず、明るい話題が少ない現代においては、精神
的な病に脅かされる人が急増しているのでしょう。新宿歌舞伎町の火事で救済
にあたった消防士さんも、悲惨な場面に遭遇しショックによる心身症に悩まさ
れていると、新聞に書かれてありました。

年齢的なこともあるのでしょうが、私も今年の5月ころから体調がおかしくな
ってきました。今春から私が生んで育ててきた息子が上京し、はじめて離れ離
れになったことことも大きかったのかもしれません。正直に言って、こんなに
も寂しいものかと自分でも驚きました。それに、社長の上の息子も同い年です
ので、やはり上京してしまいました。心優しい子で実のお母さんが東京に居る
ので、もう私の元には帰って来ないような、取られてしまったような気分に陥
りました。2,3月房総はオンシーズンですから、二人の息子の引越しやら卒
業式やらでとんでもなく忙しく、体力的にも限界でした。それが4月になって
急に暇になり、家族も減り空虚な気分が襲ってきました。また仕事も私がわず
かながら成長し、母が少しづつ年を取り、交代の時期を迎えていて(もともと
もう表の仕事は私の仕事でしたが)裏の仕事もだんだんに私の領域になってい
き、衝突することも少なくありませんでした。今迄はいつも私がおとなしく黙
っていたのですが、毎回はそうもいかなくなり、お互いにストレスになりまし
た。いちばん下の息子も中学3年という難しい時期を迎えていて、私が息子の
望むような母親になれないことも大きな悩みでした。
 
仕事中はなんとかなるのですが、家に帰るとほんの少しも笑えない状態でした。
毎日様々な小さなことで涙をこぼし、社長を困らせました。いくらストレスが
たまる仕事とはいえ、毎日泣くというのはおかしいのではないかと、自分自身
で思いはじめたのです。以前に他の旅館の女将さんから、仕事上日頃からカウ
ンセラーに相談するようにすると気持ちが楽になると聞いていたので、「そう
だ。私もカウンセラーに話をきいてもらおう。」と考えました。そうは言って
もいったい何処でカウンセリングを受けたら良いのでしょう?精神科に行くの
は勇気が要りますし、その時点ではまだ薬を頂くほどではなかったのです。と
りあえず、かかりつけのお医者様に相談してみました。結局は親戚筋から紹介
してもらったのですが、たまたまとても良い心療内科に巡り会えたのでした。

今まで、自分自身は心の病を経験したことがなかったため、友人が外出不可能
な病になったり、百貨店勤務時も、精神安定剤を飲んでいるという方と一緒に
働いたことがあったのですが、やはり自分が経験しないと実感が湧かないのが
実情です。それに、自分はとうとう精神病になってしまったのだろうか....と
悩みました。後になって鬱病というものは、風邪をひいたりするのとそう大き
く変わらない程、珍しくない病気であることを知りました。正直に言って驚き
ました。鬱病と言ってもいろんな種類があり、比較的若いときからわずらうも
のや、数ヶ月で完治するタイプや、症状もいろいろであること、それにより内
服薬も種類が違うことなどを知りました。

私の症状は、初め陰鬱な気分からはじまり、そのうちいらいらしたり探し物が
みつからなくなったり、記憶力の低下や体のだるさ、後頭部の重み・しつこい
頭痛や肩こり不眠、耳が遠い、喉の異常な渇きに悩まされました。一番大変だ
ったのが体のだるさです。以前から疲れやすかったのですが、経験したことが
ない、想像を絶するだるさなのです。しかも猫の手も借りたいほど忙しい夏季
に一番重症な時を迎えてしまったのでした。鬱病の治療は投薬と休養です。本
来なら家で休んでいなくてはいけなかったのですが、宿の女将が夏休みに休ん
でいるというわけにいきません。従業員にも「調子悪いのよ。」とは言いまし
たが、何処から見ても怪我をしているのでもなく、体調が悪そうに見えません。
心身症に対する偏見も心配でしたから、もう少し良くなったら話そうと決めま
した。時々頭痛で大切な日に穴をあけましたが、ほとんど休まず出勤しました。
この病気は、「頑張ろう!」と思ってはいけないそうです。しかし、自分をあ
る程度励まさなければ働けません。頑張ろうとせずに仕事に精を出すことの難
しさは何とも言えないものがありました。ひどいときは、101という部屋の鍵
をキーボックスに戻すことも出来ないくらい頭の働きが鈍りました。とにかく
だるくて体が鉛のように重く立っていられない時は、私達が食事する時に使っ
ている部屋へ上がって横になっていました。少し休んでは働き、おかしい時は
社長に傍にいてもらいやっとの思いで乗り切った夏休みでした。社長がいつも
傍に居てくれたので何とか過ごせたものの、普通の会社勤務でしたら長い休暇
を取らざるを得なかったと思います。

私の場合は、仕事に行く意欲がなくなるということはなかったのですが、親し
い友人にも会いたくなくなり、趣味はやる気が起こらなくなりました。今は随
分と回復し、体がだるいことも少なくなりました。自分自身でもかなり楽にな
ったと感じています。それでもあともう少しで全快という時も意外とつらいの
です。家族からすればよくなったと思えば、つい病気であることを忘れがちで
す。まだ全快したわけではないので、本当はまだ普通に接されると、正直なと
ころしんどい時もあります。家族にとっても良い迷惑ですし、苦しい数ヶ月に
なったに違いありません。私自身も情けなくて悲しくなりましたが、社長は私
以上に辛かったに違いありません。一緒に病院にも数回いってもらい、お医者
様の話しを聞いてもらいました。この病は家族の協力が絶対不可欠なのです。
今は一日も早く完全に良くなり、再発しないように原因の究明にも努めたいと
思います。もともと自分の持っている生真面目過ぎる部分や、考え込みやすい
ところや、すぐ考えが飛躍してしまったり思い込みやすかったり。そうした性
格を変えていけるように、上手に嫌なことを紛らわす技術を身につけて、少し
は逞しい女将になりたいと思います。

この病を経験したことは辛かったですが、人の心に触れる仕事をする上でよい
勉強にはなりました。ストレスがたまって疲れているお客様に対しての、心の
ケア−について今まで以上に考えるようにも成りました。そして、たまには回
りに甘えることも必要なんだなあと。気分転換や気持ちの持ち方についても、
私のようにくそまじめな人間は、少しはいい加減になることも(難しいですが)
必要なのかなと思いました。自分の良い部分は良い部分として残し、変わらね
ばならない所は変わらなければと。一生、人は何らかの形で学んでいくのだと
思います。良い部分と悪い部分は紙一重ですが、力を入れ続けたら疲れてしま
います。上手に力を抜き、全力で立ち向かうべきところに力を発揮出来るよう
に、そうした手腕をこれから磨いていこうと思います。心豊かでうまく考えら
れる経営者となるように、これからも応援してください。

最後に、私を支えてくれた社長(主人)に心から有難うと言いたいと思います。
迷惑をかけてごめんなさい。もう少しで良くなるから待っていて下さいね。そ
して今迄以上に力を合せて、頑張っていきましょう。よろしくお願いします。


・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

◆宿屋の雑学◆

酒席の作法/ワイン

ワインの歴史は、数ある酒の中でも特に古く、今に残る作法には、理に適った
理由が有ります。肉料理には赤、魚料理には白と言われますが、赤に含まれる
タンニン酸は肉の消化を助け、酸味のある白には魚介類などの殺菌作用があり、
それぞれ相性が良いのです。日本酒の作法と異なり、ワインはテーブルの上に
置いたまま注ぎます。注ぐ量は赤、白ともにグラス1/2ぐらいが目安。テー
ブルに置いたままグラスを回し、香りを引き立たせます。飲む時は必ず、ステ
ム(脚)を持ちます。特に白ワインはグラスの部分を持つと、冷えたワインが
手の熱で温まってしまいます。ちなみにテイスティングはフランスでなく、イ
タリアで始まった習慣で、もともとは毒味の意味合いが強かったようです。


≪次回予定≫
2001年10月21日は、「皆様からのお声/増刊号」をお届けする予定です  
               
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e-mailエッセー「続・新米女将のひとり言/明日へのあゆみ」(隔週日曜発行)
           著  者:高尾葉子  okami@monya.co.jp
          発 行 者:高尾憲資  aruji@monya.co.jp
          発 行 所:季粋の宿 紋 屋  otazune@monya.co.jp
                     295-0102   千葉県安房郡白浜町白浜232
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◆素顔の女将◆

本当にこの夏は、病を押してよく頑張ったね。本当に大変だったと思う。これ
からは、あまり無理をせずに過ごそうね。
今回の病気になる前から家内は偏頭痛の持ち主だったが、夜中にも痛くなる事
があるらしい。翌朝、家内を見ると頭にはちまきを巻いていたりする。そうす
ると少しは痛みが押さえられるそうだが、起き抜けに見るとバカボンのパパの
真似!?と思ってしまう。あっ、ゴメン (by aruji)

 
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