新米から一人前へ向かって歩み始めた女将が綴るつれづれ日記。経営の悩み、お客様への思い、社員や家族達とのかかわり等など。日本初の旅館の女将によるメールマガジンです。
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新米女将のひとり言
発行日: 2001/4/15~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
■ 〜〜〜「新米女将のひとり言」〜〜〜
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■■■■■■■■■■ 思いがけず創業82年の日本旅館に嫁いでしまった
■ ■ ■■■■ ■ 新米女将が綴るつれづれ日記。
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■ ■■■■■ 女将の仕事、旅館の裏側、お客様のエピソ−ドや
■ ■ ■ ■ お得な旅館の利用法等々。
■ ■■■■■ 日本初の旅館の女将によるメ−ルマガジンです。
■ ■ ■
■ ■■■■■ http://www.monya.co.jp 2001. 4.15発行 第40号
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◇ 新入社員を迎えて ◇
紋屋に高校を卒業したての18才の新入社員が入社してきました。今迄は、おじ
さんおばさん、たまにはちょっとお兄さんお姉さんが来る事があっても、10代
の従業員が入ってくる事は滅多に無い事でした。その1ヶ月くらい前にも、たま
たま24才の若手の従業員が入ってきて、紋屋の平均年齢はグッと若返りました。
百貨店時代は、19,20才の女の子達に常に囲まれていましたから、久し振りの何
かわくわくするような気持ちです。当時、自分より年上の主婦世代が急にこづ
かい稼ぎにパートで来た時も、その年代層なりの難しさをいやというほど感じ
ていましたが、若手は若手なりのまた違った大変さがあります。百貨店時代は、
10代のアルバイトと私がひとつのコーナーを任されていた時が結構長くあり、
人が代わるたびに優しく迎え入れ、懸命に育て、そして目を掛けた甲斐無く退
社していきました.....。どんなに目を掛けてあげても、経営者でない限
りは自分の都合で退社していきます。本人が退社したくなくても、退社せざる
を得ない家庭の事情が発生する場合もあります。どんな会社も、人はどんどん
代わっていく----入社しては退社、その繰り返しです。その一人一人と一生懸
命に関わり過ぎて疲れる経営者もいれば、全く関わらない人もいるでしょう。
いろいろ経験して、ある程度距離を置き常に冷静であるという姿勢も、社長職
等は必要と言えます。
大女将である義母は、とても面倒見の良い人です。以前、3度目の結婚に失敗
し追い出されてしまった人が、その日から住み込ませて下さいと来た時も、み
んなで荷物等も運んであげて、それこそいろいろと心を配ってあげたりしまし
た。でも、年末年始の忙しい時を前に、急に辞める時は「私は次の行く所が大
切ですから」と言ったそうです。それには社長も私も「なんて人だ!」と思い
ましたが、結局言い方の間違いだけで、本人は後になって申し訳ないと思った
ようでした。旅館業と言う職種そのものも、何かと訳あって勤める人が多いと
ころですが、それだけに、それこそ昔はいろんなとんでもない従業員がいて、
仕切るのが大変だったと聞いています。
安房地方は言葉がきついですし、外来者に興味津々なのに決して優しくはない。
独特の冷たさを感じた事もありますが、今度入った社員は、今時珍しいくらい
素直な人で、主人や私の息子達と同い年だと考えると、「どうしてこんなにも
素直に育ったんだろう」と疑問になる程です。職歴が無いので、何から何まで
手取り足取り教えなくては、当然何も気が付きません。(おやおや....)
とため息をつくこともありますが、見ていて接客が好きだという事が良く伝わ
りますし、(時間はかかりそうですが)教えていけば必ず出来るようになるだ
ろうと思える部分が有り、私は何やら自分の娘が社会に出て初めて働いている
ような、何とも言えない心境になっています。
若い人は長く続きにくいものです。甘やかせば付け上がるし、厳しければ即や
めて行くし、期待の掛けようが非常に難しいのです。この新入社員の事を主の
親友である高校の先生から、「旅館でルームをやりたいと言っている子がいる
んだけど」と聞いた時は、どうせ長続きしないでしょうと思ったり、もし入っ
たら紋屋に新風が吹くかしらと期待したり、その話し本気かしらと疑ったり、
本当に目まぐるしく思いが揺れました。人は誰でも致し方ない事情で入ったり
出たりするものなので、辞めてもがっかりはするまい、入ったからには大切に
しよう。大事に大事に育てていこう。甘やかすのと優しいのとは違う。きっと
きっと立派にしてみせる。そしてこれからは若い世代もどんどん活躍する宿と
しよう。そうしたルートを作って行こう、と考えました。
どんな人に対しても手綱の絞め方緩め方が微妙に難しいのですが、接客という
仕事と同様、会社経営もやはり人の心を扱う仕事。お客様に対しても従業員に
対しても、一生懸命心をくだきたいと思います。私はずっと下の立場で働いて
きたので、働く側の気持ちが良く判ります。従業員にとっては給料がとても大
切です。そして次が休日。でも今は残念ながら給料は多く支給できませんが、
その分やる気を感じてもらえるような、暖かい職場作りをしたいと思います。
旅館はすべて接客が絡んでくる仕事。たとえお客様の目の前に出ない人であっ
ても、お客様第一を考える人でなければならない。だからこそ、これからは何
より接客が好きな人を入れていこう。主や私と一緒になってお客様に心を配る
事に生きがいを感じてくれるような人達の集団であって欲しい。そして根本的
に素直な人であって欲しい。努力を惜しまない人であって欲しいと思います。
これからは主と私が人選して、よりよい宿づくりを従業員のみんなと一緒に知
恵を絞りあってやって行けたら ------ そう願って止みません。
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◆宿屋の雑学◆
お土産/その5
寺社参拝の場合、当然の事ながら神札や護摩が旅土産の原型と言えます。その
他には手工芸品として、太宰府天満宮の博多織、金刀羅宮の丸亀うちわ、宮島
の楊枝・しゃもじ、熊野の硯・碁石、東大寺の墨・筆、清水寺の清水焼き、中
尊寺の秀衝椀、札所巡りの納経帖や掛軸などがあり、いずれも小物で変形・変
質しにくいものでした。ちなみに伊勢土産の人気ベスト3は、伊勢暦(農事暦)
・万金丹(丸薬)・煙草入れ(紙製)だったそうです。
≪次回予定≫
2001年4月22日は、「皆様からのお声/増刊号」をお届けする予定です
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e-mailエッセイ「新米女将のひとり言」(隔週日曜発行)
著 者:高尾葉子 okami@monya.co.jp
発 行 者:高尾憲資 aruji@monya.co.jp
発 行 所:季粋の宿 紋 屋 otazune@monya.co.jp
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◆素顔の女将◆
外からの電話を取った家内が、お客様から「**市の村上ですが」と言われた
とたんに、「村上みよこ様ですねぇ、ご無沙汰してます!」と地名と苗字だけ
で、2度来館のお客様をフルネームで言い当てたのには驚いた。んんー、さす
がに百貨店でトップ販売員だっただけの事はあるなぁ。(by aruji)
☆若葉の社員☆
新入社員の石井さんが、お客様をお部屋にご案内して
「こちらに浴衣が入っております」と洋服戸棚を開いたところ、
布団が入っていた.......。開けたのは押入れだった。(by aruji)
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