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新米女将のひとり言
発行日: 2001/2/18~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
■ 〜〜〜「新米女将のひとり言」〜〜〜
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■■■■■■■■■■ 思いがけず創業82年の日本旅館に嫁いでしまった
■ ■ ■■■■ ■ 新米女将が綴るつれづれ日記。
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■ ■■■■■ 女将の仕事、旅館の裏側、お客様のエピソ−ドや
■ ■ ■ ■ お得な旅館の利用法等々。
■ ■■■■■ 日本初の旅館の女将によるメ−ルマガジンです。
■ ■ ■
■ ■■■■■ http://www.monya.co.jp 2001.2.18発行 第36号
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◇ クレーム ◇
宿においては、一度お越しになると十数時間をお客様はそこの宿に滞在します。
その間、いろいろな人の手作業でもてなされるので、少しの間、買い物をして
帰ってしまうのとは違い、クレームが無い宿というものは存在しないと思いま
す。私共のようなランクの宿から見れば、うらやましい限りの1泊3万円以上
の宿にだって、必ずクレームは存在します。クレームのレベルの違いはあって
も、人は機械ではありませんし、それぞれが体調が良かったり悪かったり、機
嫌の良し悪し、そうでなくともそのお客様の育った環境から出て来るもの、性
格によって考えはいろいろ、趣味もそれぞれなのですから、すべての方に満足
していただくのは無理なのです。
一度クレームが発生すると、そのクレームを起こした本人も、相当ストレスを
感じたり悩んだりするわけですが、一番大変なのはやはり、そのクレームを解
決に運ぶべく動く人です。最近は私が前面に立って挨拶に回っていますし、こ
のメールマガジンを発行していることもあり、ほとんどクレームが私行きとな
り、そのクレームを解決すべく使う労力や時間は相当なもので、内容によって
はうんざりすることも少なくありません。ただ最近私は、宿に滞在中に何かあ
ったらその不満を吐き出して欲しいとお客様に申し上げているせいか、旅行会
社を通じてお越しのお客様でも、私宛てに電話やfax、手紙が来ることが多く
なってきました。それは大変有難いことだと考えています。
この仕事に長くなってくると、つい「そんな事くらいで目を三角にしなくても
・・・・・」とか、「たちの悪いお客さんでしょ?」と疑ったりすることも出
てきがちですが、私はほとんどの場合、私共の方にも非はあると考えます。そ
れを直接言わないで帰って、「あそこはひどい宿だ」と言われるより、ほんの
少しの小さな問題や不満でも、私共に直接ぶつけていただけることは幸せなこ
とです。もちろんそんなことを言っていては、私は365日一日も休めず、24時
間眠ることも出来なくなってしまうだろうと思うこともあります。でもお客様
がおっしゃって下さる内容をよくよく考えてみると、そう言えばつい忙しくて、
見落としがちになっていたかもしれない、と気付くことも多いです。だから私
は、「そんな事くらいで.....」とは思わないようにしています。もちろ
ん中には、このお客様の考え方は少し偏りがあるかもしれないと、考えられる
方もたまにはありますが、私共に問題を提起し気付かせて頂ければ、それだけ
で同じクレームは起こさなくて済むようになるものです。
ですから私は、百貨店に勤務していた最後の一年は、クレーム「0」でした。
宿の場合はそうはいかなくても、なるべくクレームを起こさないように気を付
けるために、やはり小さなクレームも大切にしていかなければならないと、私
は思います。ただしそのクレームが発生し、その解決にいたるまでの間、その
事以外の仕事が進まなくなるので、そう立て続けには無い方が良いとも言えま
す。今年は私がいよいよ前に出て、私の宿という感じが強くなっていくでしょ
うから、私のそのクレーム処理時間は、相当な時間数になる恐れもあります。
でもそれも、新米女将が中堅女将になるのに必要条件と捉え、前向きに考えて
行きたいと思います。
挨拶は余りしつこくなく、と心掛けてはいますが、中には「もっと話をしたか
った」「話が出来て嬉しかった」等とアンケートに書いて下さるお客様もいら
して、そんな時は、正直に申し上げて本当に心から嬉しいです。入室しないで
欲しいと鍵がかかっているお客様より、「女将さんとお話したい」と思って下
さるお客様が増えて下さったら、クレームは少しは減るかもしれませんね。
最近、お越しの時の出迎えやお見送りに対する意見が増えて少し困惑していま
す。私や主人は、大勢が並んで「いらっしゃいませ」「ありがとうございます」
をしてくれる宿が、余り好きではありません。気恥ずかしいというのが私達の
理由です。3時チェックインの紋屋に1時にお越しになったら、従業員は大概、
一人か二人しかいません。私や主人は、午後1時半〜2時頃から昼の食事を取り
ますし、私は午前中、花を生けていますし、いない時は花の材料の調達や通院、
売店や館内の雑多な買い物に出ることも多いのです。とにかく小さな宿は、社
長も女将もあったものではなく、いつも公私無く働いている訳です。ですから
小さな宿ほど、お出迎えやお見送りに人がいません。でもご年配のお客様は、
昔ながらの、姿が見えなくなるまで大勢で見送る、というスタイルにどうも執
着しているようです。本当は、お客様のカラーによってお見送りも見分けをし
て、それなりの形でお見送りするのが、一番望ましいのでしょう。
こうして、お客様からのクレームやご感想によって、経営側がその場その場に
おいて試行錯誤するという事が大切であり、常に自戒する気持ちだけは持ち続
けたいと思います。
ところで、今まで書いてきた事とは相反する事を少し書きたいと思います。以
前務めていた百貨店という所は、クレームがきっかけで逆に上顧客様になって
いただく----という事も可能な所でした。それだけに、クレームはもちろん起
こさないのが一番だとしても、一度起きてしまったクレームに誠心誠意お応え
する事がとても大切だったのです。でも残念ながら宿の場合、クレームにいく
ら一生懸命対処しても、もうそのお客様が二度とお越しになる事はありません。
近所にあるデパートと違い、宿はそんなに土地に密着した存在ではありません。
お客様から「言い過ぎて申し訳なかった」とお電話やお手紙を頂戴しても、ク
レームを起こした所に、お客様は何か気まずい思いを抱き、もう二度とお越し
になりません。いろいろ文句をおっしゃっても、「まだ沢山言いたい事は有る
が、それは今度来た時にまた言う」という不思議な(笑)お客様も希にはいら
っしゃいますが、それはクレームとは少し違ったニュアンスになります。
紋屋がご趣味に合わず、こてんぱんに非難してお帰りになったお客様へ、主人
が詫び状とそれなりの金額をお返しした事もあったのですが、主人の先輩の宿
屋の社長さんは「もう二度と来ないのにもったいない!」とおっしゃったそう
です。事実その時には、お客様にお教えいただきたい事もあったので、ご返事
をお願いしたのですが、返信は頂けませんでした。評価が「×」でさんざんな
苦情をを残されるお客様は、私共に何を求めてアンケートを書かれていかれた
のでしょうか?文句を言うなとは少しも申し上げません。でも相手に問題点を
教えてあげて、相手側に成長して欲しいという期待を込めて、敢えて苦言を呈
する----というのが、本来のクレームのあり方ではないかと思います。少なく
とも、そうであって欲しいと切に願うものです。それも自分が経営者になって
みて、初めて経験する感情です。やっぱり私も、少しこの業種に染まってしま
ったのでしょうか?気を付けなければいけませんね。
宿という所は昔、一度お越しになったお客様はクレームが無くても、もう二度
と来ないものだと思い込んでいる業種だったそうです。団体さんがあちらこち
らに足を運ぶという時代だったからです。でも今は、個人のお客様が自分達の
お気に入りを見つけ、大切にする時代です。紋屋でもこの頃、定期的にお越し
くださるお客様が少しづつ増えています。そんなお客様と季節のお便りを交換
したり、そのご一家のお子様の成長に目を奪われたり----そうでなければ、接
客業という職種はちっとも楽しくありません。
出来る事なら宿にクレームが起きても、そのお客様がまたお越しくださるよう
になっていって欲しい。問題を提起していただき、それに対して私達が努力し
て問題を解決して成長していく。お互いに大変良い関係だと思うのですが----。
いくら努力しても、お客様のご趣味に合わない場合はどうしようもございませ
ん。ですからお越しの前に充分精査していただき、宜しかったら紋屋をお選び
下さい。一生懸命、お迎え致します。
◇主人の正体◇
メールマガジンを読んでお越しのお客様から、「arujiさんがすてき」という
メールを頂戴し、主人はすっかり有頂天の様子。男の人は何処も同じ、単純な
んだから。そのメールを「皆様からのお声/増刊号」に載せたので、
私 :「普通なら、自分をカッコイイなんて書いてあるメールを、自分の
判断で読者の声に載せないわよね」と言うと、
aruji:「いいじゃないか。それでまた親しみが湧いて、ファンが増えるか
もしれない」 と言っていた。
皆さん、これが紋屋のaruji(笑)です。(by yoko)
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◆宿屋の雑学◆
お土産/その1
土産という言葉が一般化したのは江戸の中期。お伊勢参りなどの庶民の旅が盛
んになったことが契機です。もともとの語源にはいくつかの説があります。ひ
とつは「宮苟(みやけ)」説。神社に参る時に持っていく器の意。もうひとつは
「屯倉(みやけ)」説。大和朝廷直轄領の米倉の事ですが、地方の産物を都に
運ぶことに通じることからのいわれとも言われます。いずれにしても、「献上
品」や「もてなし」がその主旨であることはかわりません。(by aruji)
≪次回予定≫
2001年2月25日は、「皆様からのお声/増刊号」をお届けする予定です
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e-mailエッセイ「新米女将のひとり言」(隔週日曜発行)
著 者:高尾葉子 okami@monya.co.jp
発 行 者:高尾憲資 aruji@monya.co.jp
発 行 所:季粋の宿 紋 屋 otazune@monya.co.jp
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TEL 0470-38-3151 FAX 0470-38-3153
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◆素顔の女将◆
最近我が家では、何かおかしな事をしたり言ったりすると、「書いちゃうぞ」
とか「それ書こーっと」とか、お互いに脅したり、牽制したりしている。変な
夫婦!?(by aruji)
●おまけの息子●
自宅にたまった段ボールをひもで縛っておくようにと、息子に言って出かけた。
戻ってみたら段ボール毎にひとつひとつ縛ってあった。これも家内の血か !?
(by aruji)
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【妄言辞典】 http://www3.plala.or.jp/mougen/jiten-index.html
当該国語辞典は抱腹絶倒・奇々怪々のジョーク定義集。一読して
笑うか唸るか呆れるかは読者次第である。――編者・妄言王の呟き。
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