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新米から一人前へ向かって歩み始めた女将が綴るつれづれ日記。経営の悩み、お客様への思い、社員や家族達とのかかわり等など。日本初の旅館の女将によるメールマガジンです。




新米女将のひとり言

発行日: 2000/11/12

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     ■               〜〜〜「新米女将のひとり言」〜〜〜
     ■       
■■■■■■■■■■  思いがけず創業80年の日本旅館に嫁いでしまった
■  ■  ■■■■ ■  新米女将が綴るつれづれ日記。
  ■   ■         
 ■  ■■■■■   女将の仕事、旅館の裏側、お客様のエピソ−ドや
■ ■ ■   ■      お得な旅館の利用法等々。 
  ■ ■■■■■   日本初の旅館の女将によるメ−ルマガジンです。
  ■ ■   ■
  ■ ■■■■■   http://www.monya.co.jp  2000.11.12発行 第29号
                           
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◇ お客様ぶり ◇

今年は連休が多くなり、とにかく土曜日だけは忙しいと言うパターンが多くな
っています。
お子様の学校の休日や土日がお休みの会社の方は、どうしてもそうなってしま
うのでしょう。
でもそうした日は道路も宿も混んでいますし、料金も高くなり、良いサービス
を受け、のんびりする為には良い日にならないような気がするのですが....

実際に紋屋の顧客様も、オフシーズンにお越しになったお客様が多いように思
います。
私自身も気持ちに多少の余裕がある為、お客様とゆっくりお話できます。
調理場も忙しい時よりも、ちょっと凝った盛り付けに取り組めたり、部屋の設
備に何かトラブルが起きても、他の部屋に移動する事も可能です。
オフシーズンの平日だと、お客様といろんなお話をする機会に恵まれる為、お
迎えする私達にとっても、とても印象に残ります。
「あの時のあのお客様が、またお越しくださったのだ」と思い起こせば、お互
いに嬉しいじゃありませんか。
お客様ご自身にとっても、必ずプラスになるに違いありません。

先日もご夫婦共働きで、お子様の一人が小学生というお客様が平日に2泊でお
みえになりました。
ご主人と奥様の仕事が別々なので、なかなか一緒にお休みを取れないそうです。
そこで結婚記念日に合わせて、お子さんにも学校を休ませてお越しになったそ
うです。
お子様とは初めて釣りを楽しまれ、息子さんにとっては学校では体験できない
素晴らしい経験になったと伺いました。
「この季節はいいですね。ゆっくりできて。」ともおっしゃっていました。
私も小学生の頃は、父の仕事の出張のついでに、学校を休んで一緒に家族旅行
をしていました。
何かしらのどかで、乗り物も混雑が無く、良い思い出になっています。
学校を休ませるなんてとんでもないと思われるかもしれませんが、高熱が出れ
ば休むのですから、同じように思うのですが如何でしょうか。

宿は一度お越しになれば、数十時間お客様が滞在なさるのですから、その間に
お茶をのみ、お食事をしてお風呂に入り、その都度チェック事項はある訳です。
いろんな人の手が一つ一つかけられている為、人間がする事ですから、ミスや
失態は必ず発生してしまいます。
何も起きない日も、いつ起きるかわからないトラブルを想定し、いつも神経を
使っている為、この職種は本当に気が抜ける時がありません。
何か起きた時は、とにかくその非に対して心からお詫びをする。
一生懸命心からお詫びする事がまず大切です。
もちろん、謝れば許されると言うものでもない場合もございますが、とにかく
真摯な気持ちで起きた事を受け止め、その上で誠心誠意謝罪する事。
それしかないように思います。

先日も主人とレストランに行った時、二人で行ったのに私の注文品だけ来て、
主人は飲み物だけ。
昼時なのに飲み物だけはないでしょうと思っていたら、案の定、オーダー漏れ
だったのです。
承ったウェイトレスは、事態が判明した後すぐに謝りに来て、最後まで一生懸
命お辞儀をしていました。
私達は、「いい人だったね」と話し合いながら帰ってきました。
起きてしまった事よりも、その後の反省ぶりが大切なのかなぁと思うのです。
もし万が一、その店の人がちっとも一生懸命じゃなくて、怒りがおさまらない
としても、余りにも怒ってしまうと、怒ってしまった本人にも何かしらバツの
悪さは残るものです。

再婚する前の話しですが、写真屋さんに出来上がりの写真を取りに行ったとこ
ろ、約束の日を過ぎているのに出来ていませんでした。
その後「ありました」という連絡をもらって取りに行くと、なんと元主人の実
家の写真でした。
当時私は子供もいた為、離婚後も元主人の姓を使っていたのです。
私の写真は何日経っても出てこなくて、とんでもなく日にちが過ぎてからやっ
と見つかりましたと連絡が入りました。
プライバシーに関する事ですし、どうして遅くなったのか、きちんと説明して
欲しかったのに全く説明はなく、怒りのやり場が無くてうんと文句を言ってし
まいました。
でも後になって、そんな対応しか取れない店は、もともと文句を言っても仕方
が無いレベルなのだと気が付きました。
自分が悪い事をした訳ではないのですが、何か空しくなってしまいました。
要するに、何かトラブルが発生した時は、店側は懸命に謝る事。
客側も余り怒らない方が、自分の為になるような気がしています。

紋屋でも、客室係が隣同士になっている部屋の食事時間を間違えて覚えていて、
6:30の部屋に6:00から出し、6:00からの部屋が6:30になってしまいました。
私が挨拶に行った時は、もう既に30分以上経過していて、お客様も待ちかねて
いるご様子だった為、謝った上に確認に行くと係が間違えていたのでした。
でもその係も、必死に正直に本当の事をお話して謝った為、お客様は、「あな
た、そんなに一生懸命謝ったら汗をかいてしまうわよ」と返って労を労って下
さったそうです。
「いいお客様ね。」と係と話し合い、心から感謝しました。
百貨店時代にも、沢山の良いお客様ぶりの方々がいらっしゃいました。
皆様とても寛容でいらっしゃって、何が起きてもすぐに怒ったりなさらないの
です。
そうしたお客様に対しては、怒ってしまうお客様より、もっと更に私達の頭は
下がるものなのです。
人間は不思議ですね。
威張っている上司よりも、本当に力のある人は威張らなくても、下の人達はつ
いて行きます。
お客様も、やはりよいお客様ぶりであった方が、ご自身も嫌な思いをする事は
少ないのではないでしょうか。

よく旅行会社からVIPと連絡が来る場合がございます。
どうもよくその旅行社を利用し、金払いが良いということでVIPになる様子で
す。
もちろん、金払いが良いお客様は有り難いに決まっていますが、たとえ安いご
料金でしかご宿泊ならないお客様でも、一年に何度もお越しになったり、沢山
のお客様をご紹介して下さるようなお客様は、VIPに違いありません。
いかに私共のファンになって下さるかが、宿屋にとっては命のようなものなの
です。
私が以前よく利用していたある店の店員さんは、どんなにしょっちゅう来て下
さて沢山買って下さっても、他の大切なお客様をないがしろにして自分だけを
大切にさせようとするお客様の事は、お断りしたそうです。
「すごい!」と驚いてしまいましたが、時には、それくらいの店のポリシーを
持つ事も大切かもしれないと思います。
基本的には、お越しになるお客様はすべて大切です。
でもやはり、「お客様ぶり」というものは存在している事は確かだと思います。
私もこれから、他の店のチェックマンになるよりも、良い客ぶりの客になれる
ように頑張ろうかと考えています。


・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

◆宿屋の雑学◆

観光/歴史

古代エジプトにおいても、神殿への巡礼の形をとった観光が存在していた事が
古文書にも記載されており、古代ギリシャでは「体育」「保養」「宗教」の3
つが、古代ローマでは「宗教」「療養」「食道楽」「芸術」「登山」がそれぞ
れ観光目的であったと言われています。中世ヨーロッパでは聖地巡礼の宗教観
光が大勢でしたが、近世になると交通網発達・宿ギルド(inn guild)が発展
して旅行しやすかった上に、文芸が盛んになり、ゲーテ・バイロン・シェリー
等の著名作家・思想家の作品が、観光旅行の刺激となりました。この時代は、
「グランドツァーの時代」と呼ばれています。近代以降の観光は、知識欲や好
奇心が主な動機となっており、物見遊山(=sight-seeing)観光が、ホテルの
大型化・旅行業者の出現等、営利目的企業によって発達しました。(by aruji)


≪次回予定≫
2000年11月19日は、「皆様からのお声/増刊号」をお届けする予定です      
   
        
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e-mailエッセイ「新米女将のひとり言」(隔週日曜発行)
           著  者:高尾葉子  okami@monya.co.jp
          発 行 者:高尾憲資  aruji@monya.co.jp
          発 行 所:季粋の宿 紋 屋  otazune@monya.co.jp
                     295-0102   千葉県安房郡白浜町白浜232
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本誌は以下のメールマガジン配信システムを利用して発行しています。
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Copyright (c) 1999-2000, Monya Ryokan. All rights reserved.
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◆素顔の女将◆

外食に出掛けた帰り、車中での家内と息子の会話
      息子:「腹いっぱいで横になりてぇ〜」
      家内:「あなたって、ホントに牛みたいね」
      息子:「どこが牛なんだよ!」
      家内:「そのむもぉ〜ってしたとこがよ!」
むもぉ〜って何だぁ?!(by aruji)


★おまけの息子★

息子達が私達の部屋に来て、ヘルスメーターで体重を計り始めた。一人が計り
終わり、一番下の息子がヘルスメーターに乗った時、こっそり後ろからヘルス
メーターを私が踏んだので、数字が跳ね上がった。とたんに「うぉ〜〜!?」と
素頓狂な声。急に20キロ太らなくて良かったね。(by aruji)

 
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