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[chronique:00432] 今週の 10 冊、 2 月第3週
発行日: 2004/2/27┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏
哲学クロニクル 第428号
(2004年2月27日)
今週の10冊、2月第3週
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今年は暖冬で、春がはやそうですね。
近くの紅梅はもう満開をすぎて
白梅が満開になりました。ミモザも黄色い花をつけています。
今回は一回抜けてしまった今週の10冊です。
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○ミシェル・フーコー講義集成 11 主体の解釈学
ミシェル・フーコー著; 筑摩書房; 6400円; 135.57; 04006767; 4-480-79051-9
やっとフーコーのコレージュ・ド・フランスの1982年の講義『主体の解釈学』の
邦訳がでました。古代のギリシアとグレコ・ローマン期の哲学についての詳細な
考察が読めます。なんといってもお勧めです。
○世界の民衆宗教
荒木美智雄編著; ミネルヴァ書房; 6500円; 162; 04006934; 4-623-03779-7
現代の「民衆宗教」を世界の各地で探った書物。いったいどんな宗教があるのか、
想像してみるだけでもおもしろいです。
○学者たちへの論駁 1
セクストス・エンペイリコス著; 京都大学学術出版会; 3600円; 131.7; 04007086; 4-87698-147-7
古代懐疑主義のセクストス・エンペイリコスの『論駁』の刊行が始まりました。
一冊目は「文法、弁論術、幾何学、数論、天文学、音楽といった基礎的な諸学問」
についての論考がまとめられています。ワクワク。
○シュタイナー・コレクション 5 イエスを語る
ルドルフ・シュタイナー著; 筑摩書房; 2600円; 115.7; 04007226; 4-480-79075-6
シュタイナーの「マタイによる福音書講義」などです。はて。
○幕末国学の諸相 コスモロジー/政治運動/家意識
桑原恵著; 大阪大学出版会; 6400円; 121.52; 04007381; 4-87259-175-5
これは案内文をご紹介。「泉南地域の豪農・中盛彬の宇宙論は時代に先んじた独
創的な国学思想であり、義弟の瑞雲斎は幕末から明治維新にかけて皇国思想を掲
げ政治運動を展開する。未公開資料を翻刻し、これまでの枠組みを越える思想形
成について論じる」そうです。力作のようですね。
○アウグスティヌス伝 上
P.ブラウン著; 教文館; 3000円; 132.1; 04007647; 4-7642-7228-8
古代末期の思想と社会を論じさせたら第一人者のピーター・ブラウン。中でもア
ウグスティヌスの伝記は評判が高かったので、邦訳がでてうれしいですね。アウ
グスティヌスに関心のある人にはともかくお勧め。
○高田保馬・社会学セレクション 1 勢力論
高田保馬著; ミネルヴァ書房; 7500円; 361.21; 04007117; 4-623-03924-2
あまり存じ上げない方ですが、次のものと合わせて三冊セレクションがでるようです。
○高田保馬・社会学セレクション 2 階級及第三史観
高田保馬著; ミネルヴァ書房; 7000円; 361.21; 04007119; 4-623-03923-4
○高田保馬・社会学セレクション 3 社会学概論
高田保馬著; ミネルヴァ書房; 7500円; 361.21; 04007125; 4-623-03925-0
○文化が衝突するとき 異文化へのグローバルガイド
リチャード・ルイス著; 南雲堂; 3500円; 361.42; 04007258; 4-523-26434-1
案内によると、「日本に5年間滞在し、美智子皇后を始め皇室メンバーの個人教
授をつとめた著者が世界53カ国に及ぶ異文化事情を明らかにする」というのです
が、さてどんなものでしょうか。
○対称性人類学
中沢新一著; 講談社; 1700円; 389; 04007433; 4-06-258291-0
神話、国家、経済、宗教、そして対称性人類学へ。「圧倒的な非対称」が支配す
る世界の根源を問う冒険。抑圧された無意識の「自然」は甦るのか? 「野生の思
考としての仏教を媒介に来るべき形而上学革命への展望を示す」というのですか
ら、期待したいですね。例の講義の続きなのでしょう。これもワクワク。
○アフリカ忘れ去られた戦争
亀山亮著; 岩波書店; 1800円; 302.44; 04007470; 4-00-026970-4
ぼくたちも忘れがちなアフリカの内戦の犠牲者を訪問しながら、アフリカ内戦の
意味を考察する書物。ぜひ書店で手に取ってみたい一冊。
それから最後に、今月はじめに刊行されたぼくの新刊をご案内させてください。
○はじめて読むフーコー
中山元著; 洋泉社; 720円; 135.57; 04006996; 4-89691-794-4
ちくま新書の『フーコー入門』に続いて二冊目ですが
かなり違うスタイルと内容の本になったと思っています。
あとがきから少し抜粋します。
====
ミシェル・フーコー(Michel Foucault)は一九二六年に生まれ、一九八四年
に亡くなったフランスの思想家です。五七年ほどの生涯をつうじてものを考えつ
づけたフーコーは、ぼくたちに大きな遺産を残してくれました。
この書物では、フーコーにとって重要な四つの大きな思考の軸をとりあげて、
こうしたフーコーの思考の現場を調べてみることにしました。「狂気」「真理」
「権力」「主体」という四つです。これについては本書の中心となる第二章で詳
しく扱いましたが、フーコーの人生において、それぞれ特別な意味と関係を持っ
ています。
狂気というテーマは、精神医学や心理学と哲学との境界の場所から思考を始め
たフーコーが、早い時期から取りくみ、一生涯をかけて考えつづけたテーマでし
た。ぼくたちは狂気のテーマを考察することで、フーコーの思想の原点を探るこ
とができます。
真理と権力と主体の三つは、フーコーがみずから自分のもっとも重要な思考の
領域と考えていたものです。三つの問題は組み合わさっています。真理の問題を
考えるときにもつねに権力と主体の問題がさらに掘り下げられています。権力の
テーマは真理や主体と切り離すことはできませんし、真理と権力の問題をみずか
らの生き方と結びつけて考える際には、主体の問題がクローズアップされてきま
す。
本書ではこの四つの領域のそれぞれについて、フーコーがどのような問題に取
り組んでいったか、そしてみずから定めた課題に、どのような概念を使いながら、
どのように答えを示していったかを明らかにしようと試みました。フーコーの課
題は巨大なものであり、西洋の政治、科学、思想の全体を把握し、批判しようと
するものです。その遺産はこれから哲学にふれようとする人々にとっても、大切
な手がかりになると思います。
■目次
第一章 ミシェル・フーコーの生涯
1 懊悩する青年 一九二六〜六〇
2 『狂気の歴史』『言葉と物』の反響 一九六一〜七〇
3 闘う知識人の旗手として 一九七〇〜八四
第二章 ミシェル・フーコーの思想 狂気・真理・権力・主体
1 狂気――理性の他者
2 真理――その条件と系譜
3 権力――生の権力
4 主体――その桎梏
第三章 ミシェル・フーコーの著作
1 著書
2 講義録
3 インタビュー、評論など
ミシェル・フーコー略年譜
あとがき
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(c)中山 元
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