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[chronique:00430] 今週の 10 冊、 1 月第4週

発行日: 2004/2/6

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       哲学クロニクル 第426号
           (2004年2月6日)
       今週の10冊、1月第4週
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○メルロ=ポンティとレヴィナス 他者への覚醒
屋良朝彦著; 東信堂; 3800円; 135.55; 04004947; 4-88713-537-8
メルロ=ポンティとレヴィナスの他者論と取り組みながら、自己のアイデンティ
ティの問題を考察する。魅力的なテーマ設定ですね。ぜひ読みたい。

○マルクスと息子たち
ジャック・デリダ著; 岩波書店; 2400円; 134.53; 04005665; 4-00-002158-3
『マルクスの亡霊たち』の翻訳がでていなのに、批判とその反論の翻訳が先にで
るというのも変なものですが、デリダの反論がかなり詳細なので、お勧めです。

○宗教の系譜 キリスト教とイスラムにおける権力の根拠と訓練
タラル・アサド著; 岩波書店; 6000円; 162.3; 04005668; 4-00-023385-8
宗教の文化人類学的な考察のようですね。「近代的な宗教概念の形成を素材とし
て、西洋の知へのヘゲモニーの歴史と構造を、イスラームと対比しつつ鋭く抉り
出す」というのは、期待できそう。著者はサウジアラビア生まれで、ニューヨー
ク・シティー大学教授とか。

○丸山真男書簡集 2 1974-1979
丸山真男著; みすず書房; 3500円; 289.1; 04004594; 4-622-08102-4
続々と出ていますね。1974年から1979年までの173通を収録。ぼくは日本思想史
の講義録の2冊目でとまっています。まずあれから読まねば。

○歴史と正義 史的構想力の回復に向けて
仲正昌樹著; 御茶の水書房; 2600円; 201.1; 04005065; 4-275-00307-1
これは案内文をご紹介。「普遍性に取り込まれない他者に対して、無限の正義の
暴力が発動するポスト歴史の時代に、正義を語ることに意味はあるのか」。これ
も読んでみたい一冊。

○評伝北一輝 1 若き北一輝
松本健一著; 岩波書店; 3000円; 289.1; 04005282; 4-00-026476-1
北一輝の思想的な経歴を描く力作のようです。もっと前にでていてしかるべき本ですね。

○エラスムスの思想的境地
木ノ脇悦郎著; 関西学院大学出版会; 3800円; 132.6; 04003348; 4-907654-55-3
ヨーロッパの宗教改革のさなかを生きたエラスムスの思想を描きます。図書館で借りたい。

○茅原華山と近代日本 民本主義を中心に
孫国鳳著; 現代企画室; 4500円; 289.1; 04002520; 4-7738-0312-6
茅原華山という人、恥ずかしながら知りませんでした。著者は中国人の研究者なのですね。すごい……。

○講座 戦争と現代 2 20世紀の戦争とは何であったか
; 大月書店; 2800円; 209.7; 04002746; 4-272-20082-8
20世紀の戦争を振りかえるタイムリーな一冊。そういえば今年は日露戦争開戦100
周年だとか。

○江戸の情報力 ウェブ化と知の流通
市村佑一著; 講談社; 1500円; 210.5; 04002845; 4-06-258290-2
江戸時代の情報ネットワークとは、はたしてどんなものだったか。ワクワク。


■■■■■■■■■■■■■■■ 雑感 ■■■■■■■■■■■■■■■
■ミシェル・フーコー没後20年を記念して、「ドゥルーズとフーコー」というセミ
ナーが開催される。今年の5月13日と14日の2日にわたって午前10時から午後4時
まで。場所はパリのSauchoir研究センター。多数の参加者が40分ずつ講演し、そ
の後30分間質疑応答が行なわれるという。二人の関係についてはさまざまな視点
から論じることができるだろうし、きっと楽しい会議になるだろう。会議の内容
が紹介されることを期待したい。本当は聞きにいきたいのだが。

■ところで2002年7月に設立されていた「ジル・ドゥルーズ文書コレクション」
が、昨年秋から研究者の受け入れを開始する態勢になっているらしい。
http://www.dbth.com/silsmaria/deleuze.php
この文庫には、ドゥルーズが著したすべての文書を収録することを目的とする。
これにはオーディオ資料も含まれ、ドゥルーズのすべての講義がテープで聞ける
らしい。いずれCD化も計画している。いずれはインターネットがカタログが検索
できるようになるというから期待したい。

このコレクションが設置されたのは、パリ13区のSauchoir図書館だ。住所は
次のとおり。
Bibliotheque du Sauchoir
Fonds documentaire Gilles Deleuze
43 bis, rue de la Glaciere
75013 Paris
France.

図書館は月曜から金曜まで、午前10時から午後6時まで開いている。道路からち
ょっと奥まったところに入り口があり、閲覧室はそれほど大きくないが、小さな
中庭を囲んでいてとても落ち着けるところだ。テーブルにはコンセントがついて
いて、コンピュータを利用できる。ここは以前フーコー・センターがあったとこ
ろで、ドミニコ修道会の図書館なので、宗教書が豊富にある。晩年のフーコーは、
ここでキリスト教の書籍に読みふけっていた。フーコーの読んでいた本を読める
ので、とても助かったものだ。

■ところでアムネスティ・インターナショナルが、中国におけるインターネットの
検閲の実態などを調べた調査レポート「People's Republic of China: Controls
tighten as Internet activism grows」を発表している。
http://web.amnesty.org/library/Index/ENGASA170012004?open&of=ENG-CHN

「ネットカフェまでほぼ完全検閲体制を敷く中国 - アムネスティ調べ」
http://pcweb.mycom.co.jp/news/2004/01/29/011.html
という記事によると、「昨年10月、中華人民共和国文化部(Ministry of
Culture)は、中国全土に11万店が存在すると言われるインターネットカフェに対
して、2005年までに全店へ特殊な検閲ソフトウェアの導入を義務付ける方針を発
表した。インターネットカフェの運営にはライセンスの取得が必要となり、全国
で同一の基準を設けて厳しくユーザーの利用状況が管理されるという。文化部の
高官であるLiu Qiang氏は、導入予定のソフトウェアは、利用者が訪れた全Webペー
ジを克明に記録し、非合法的なコンテンツの閲覧があったなら政府機関に警告が
送られる仕組みになると語った」というからすごい。
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

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 (c)中山 元
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