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[chronique:00232] 光の戦士になろう

発行日: 2001/11/20

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       哲学クロニクル 第232号
           (2001年11月20日)
          光の戦士になろう
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今回は気分を変えて(笑)、能天気なほど(笑)楽天的なメッセージをお送りする。
グローゼーションとアメリカと西洋の文化をほとんど同一のものとみる意見には
驚くが、たまにはこういう意見に耳を傾けるのも、いいかもしれない。

バウロ・コエーリョはブラジルの作家で『アルケミスト 夢を旅した少年』『第
五の山 』『星の巡礼 』などの邦訳がある。

 ============
光の戦士になろう
(バウロ・コエーリョ、シュピーゲル、2001-11-15)


【問】コエーリョさん、アメリカのテロの後、故郷のサンチャゴ・デ・コンポス
テラに閉じこもって、新作の『悪魔とプリム嬢』の紹介の催しをすべて断ってし
まわれましたねか。
【答】一年前に書いたわたしの小説がこれほど予言的なものとなったのはとても
意外ですし、嫌なことでした。テロ攻撃で家族のすべてを失い、復讐のためにひ
との村全体を滅ぶし手しまう男の話なのです。世界でも同じようなことが起きて
います。この戦いでは、アメリカでもアフガニスタンでも、無辜の人々が苦しん
でいるのです。この問題を熟慮するために、故郷の町に引きこもったのです。こ
こでは生活が簡素ですから。

【問】あなたの小説は予言的でしたね。
【答】そうですね。アメリカのテロとアフガン攻撃は、文明の衝突などというも
のではありません。しかしわたしたちは与えられた現状を受け入れるしかないこ
とがあきらかにないます。ただし、これまでとなにも変わらないと信じる人々は、
創造的な力を失うのです。この出来事は、これまでのやり方がうまくいかないこ
とを明らかにしました。新しい印象と新しい事態を素直に受け入れる必要があり
ます。これまではだれもが平和について語ってきましたが、実はその背後ではた
えず戦があったのだす。

この暗い世界で、わたしたちは光の戦士にならなければなりません。武器ではな
く、わたしたちのうちに潜む力を使って、善の戦いに従事すべきなのです。これ
までのやり方で戦うと、ビンラディンを英雄にしてしまいます。ジェノヴァの例
のように、反グローバリゼーション運動の人々など、いまの世界で起きているこ
とに満足していない人々が、近い将来に手を組むのではないかと心配しています。

【問】テロとの戦争は正しい道だと思いますか。
【答】わたしは彼らはテロリストではなく、犯罪者だと思います。また戦争は正
しい解決策だとは思いません。戦争は逆の効果をもたらして、こうした犯罪者の
力を強めるだけだと思うからです。タリバンをごらんなさい。最初はアメリカに
支援され、次にアメリカの宿敵になりました。北部同盟とアメリカの関係がどう
なるのかわかりませんが、結局は同じことでしょう。新しい方法が必要なのに、
戦争という古い方法を使っているのです。

わたしたちはもっと自分の直感を信じて、自分の感じることに耳を傾け、新しい
道を模索する必要があるのです。ビンラディンの顔が、いまではわたしたちが恐
れていることを代表するものとなっていますが、同時にこの顔は、多くの人々を
魅惑しているのです。彼はアメリカの反対する人々のシンボルになるでしょう。
これは危険なことです。アメリカとは一つの国ではなく、一つの文化を主張する
ものだからです。

【問】アイデンティティを失いたくないために、グローバリゼーションに反対し
ている人々もいますよね。
【答】わたしは反グローバリゼーション運動はごく少数の人々の運動だと思いま
す。この運動がなにに反対しているのか、なにを目的としているのか、だれも正
しく理解していないのです。グローバリゼーションとは最近に始まったことでは
なく、五千年前から進展している事態なのです。古代にもすでにある役割を果た
していました。わたしたちはいまや、まったく新しい可能性を手にしているので
す。インターネットで、少数派の人々も自己主張できるようになり、アイデンティ
ティを確保できるようになったのです。

【問】あなたはダヴォスの経済サミットに招待され、当時のクリントン大統領と
話されました。クリントン大統領も、あなたの小説の読者です。あなたは政治家
や経営者になにを語られるのですか。【答】わたしは来年もニューヨークのサミッ
トに招待されています。でも政治家にはなにも語りませんし、助言を与えたりは
しません。ただ議論し、話し合うだけです。それが作家としてのわたしのつとめ
です。世界は共同の討議を必要としているので、ダウォスのような集まりが重要
なるのです。これはさまざまなアイデアについて議論することのできる中立的な
サミットなのです。

【問】読者はあなたの作品に、生きるための手掛かりを求めているのだと思いま
す。米国での出来事の後で、反応はありましたか。
【答】アメリカのテロの後、一日に五百通の電子メールがきました。いまではま
た三百通程度に収まっていますが。

【問】読者は、あなたの作品のうちに答えを求めているのでしょうか。それとも
問いかけを。
【答】読者は、自分の生活にどのような問い掛けをすることができるかを学ぶの
です。


┏┏┏┏┏┏┏┏┏
  ポリロゴス事務局
chronicle@nakayama.org
     (c)中山 元
┏┏┏┏┏┏┏┏┏

哲学クロニクル
http://nakayama.org/polylogos/chronique/
では、ご意見やご感想をお待ちしています。
事務局まで、お気軽にメールをお送りください。

 
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