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Cinemaの王国 vol.503〜『フィクサー』

発行日時: 2008/4/16


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発行人も面識のある瀬々敬久監督の新作『感染列島』が、現在撮影の真っ最中
のようです。先日、ロケ場所の旧新潟市民病院を利用して、記者会見が行われ
たとか。主演の妻夫木聡と檀れいも参加。公開は来年1月の予定。楽しみです。
・公式HP(といっても、まだ何もアップされていませんが)
→ http://kansen-rettou.jp/

本日は、ジョージ・クルーニー主演の『フィクサー』を取り上げます。

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【INDEX】
◆1.今週のこの1本!
  ―『フィクサー』―
◆2.メールちょうだい
◆3.ぽちのひとりごと
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◆1.今週のこの1本! 〜『フィクサー』〜
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●『フィクサー』(MICHAEL CLAYTON)
(2007年 アメリカ)(上映時間2時間)
監督・脚本:トニー・ギルロイ
出演:ジョージ・クルーニー、トム・ウィルキンソン、ティルダ・スウィント
ン、シドニー・ポラック、マイケル・オキーフ、デニス・オヘア
*みゆき座ほか東宝系にて全国公開中
ホームページ http://www.fixer-movie.com/
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<ストーリー>
ニューヨークの大手法律事務所に所属するマイケル・クレイトン(ジョージ・
クルーニー)は、顧客のトラブルをもみ消す「フィクサー」を務めていた。あ
る日、巨大農薬会社の集団訴訟を担当していた同僚の弁護士アーサー(トム・
ウィルキンソン)が、会社の不正の証拠を握り、訴訟妨害を企てる。マイケル
は説得を任されるがアーサーは応じない。一方、農薬会社の法務担当カレン
(ティルダ・スウィントン)は、この事態を解決すべく極秘裏に動き出すのだ
が……。

<レビュー>
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
善悪の狭間で動く人々の心理をえぐった、骨太の社会派サスペンス・スリラー
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
骨太の社会派サスペンス・スリラーです。危険な農薬を販売し続ける世界的企
業。その依頼で訴訟に対応する巨大弁護士事務所。そこに所属する「もみ消し
屋」の男。舞台装置はバッチリです。

オープニングは、なにやら意味ありげな電話の声。やがて、主人公のマイケル
の車が爆破される。いったい何があったのか。そこから時間をさかのぼって、
話がスタートします。

冒頭の電話の声は、マイケルの同僚アーサーのもの。彼は、巨大農薬会社の依
頼で、集団訴訟を担当していたが、原告との協議の最中、突然、服を脱ぎ出す
奇行に走る。そこでマイケルは、上司から事態の収拾を任されるが、アーサー
が農薬会社の不正の証拠を握り、被害者側に寝返ろうとしていることを知る…
…。

やりようによっては、いくらでもハデになりそうな話。しかし、前半は、ハデ
なアクションも、激情に走る場面もまったくなく、抑制的に登場人物の内面に
迫っていきます。

主人公マイケルは、裏方仕事から抜け出せず、ギャンブル三昧の日々。しかも、
副業のレストラン事業も破産して、借金に追われています。

彼の同僚アーサーは、クライアントの悪事に加担することに苦しみ、疲れ、そ
してついに反逆ののろしを上げます。

そして、農薬会社の法務担当カレンは、会社と自分を守るために、越えてはい
けない一線を踏み越えようとしています。

この3人の心理の奥底に、ジリジリと迫っていくのが途中までの見どころ。こ
の作品が監督デビューとなる『ボーン・アイデンティティー』シリーズの脚本
家トニー・ギルロイの脚本、演出が見応え十分です。

後半はサスペンス・スリラーらしいハラハラドキドキ度がグッと増してきます。

初めの車の爆破シーンに戻ってからは、アーサーの死に疑問を持ったマイケル
が真相に迫り、それによって自らの身も危険にさらすことになります。何かに
動かされるように、真実に向かって突き進むマイケルの姿が、スリリングに描
かれます。

そして、最後に決断を迫られるマイケル。善悪の狭間で動いてきた彼が、いっ
たいどんな行動に出たのか……。けっして驚くような結末ではありませんが、
そこにはマイケルの苦い思いが漂って、何ともいえない深みを残してくれます。

後半の展開がやや駆け足のような気もするのですが、心理描写を中心に描きた
いのが作り手の意志でしょうから、それは仕方のないところかもしれません。

ジョージ・クルーニー、トム・ウィルキンソン、ティルダ・スウィントンとい
う主要な3人の俳優が、いずれも存在感を見せています。特に、農薬会社の法
務担当カレンを演じたティルダ・スウィントンは、この作品でアカデミー賞助
演女優賞を受賞。演技に加えて、彼女の内面に迫る脚本と演出が見事でした。

ここで描かれたことは絵空事ではなく、現代社会で容易に起こりうること。社
会の腐敗を抑制的に告発しながら、それに関わった登場人物の心理をジックリ
とえぐった作品。ハデさはあまりありませんが、見応えはタップリです。

《ぽちの満足度》
★★★☆☆(+1/2★)

《ぽちのオススメ度》
★★★☆☆(+1/2★)
(ハデさはありませんが、人間をじっくり描いた作品。脚本、演出、演技のど
れもが一級品です。)
                                                    (ぽち)

〔鑑賞データ〕
2008年4月12日(土)ユナイテッド・シネマとしまえんにて。午後1時15分の回

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◆2.メールちょうだいッ!!
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「Cinemaの王国」は皆さんからのメールを活力に発行を続けておりまッす。

▼『うた魂(たま)♪』の感想を(わんちゃん)さんからいただきました。長
いのでご紹介はできませんが、「予想に反して、なかなか良い映画でした。」
とのことです。

みなさんも「Cinemaの王国」へのメッセージや取り上げて欲しい作品のリクエ
スト、観た映画の感想など、気軽にメールをくださいネ。できれば名前(ハン
ドルネーム可)を本文中に明記してください。(メールは誌面で紹介する場合
もあります。載せて欲しくない方は、その旨を明記してください。)
・メールはこちらまで fwkg4052@mb.infoweb.ne.jp

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◆3.ぽちのひとりごと
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*久々に映画のシナリオを書き始めたのですが、これがなかなか大変で……。
ちなみに、いまのところ実際に映像化される予定などは、まったくありません
ので(爆)。
                         (ぽち)

 
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