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Cinemaの王国 vol.499〜『4ヶ月、3週と2日』

発行日時: 2008/3/28


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前号で「今週は本日のみの発行になるかも」とお知らせしましたが、結局、本
日も発行することになりました。なにしろ先の予定が立たないその日暮らしな
もので……。

というわけで、本日お届けするのは、2007年のカンヌ映画祭でパルムドール
(最高賞)を受賞した作品です。

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【INDEX】
◆1.今週のこの1本!
  ―『4ヶ月、3週と2日』―
◆2.メールちょうだい
◆3.ぽちのひとりごと
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◆1.今週のこの1本! 〜『4ヶ月、3週と2日』〜
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●『4ヶ月、3週と2日』(4 Luni, 3 Saptamani si 2 Zile)
(2007年 ルーマニア)(上映時間1時間53分)
監督・脚本:クリスティアン・ムンジウ
出演:アナマリア・マリンカ、ローラ・ヴァシリウ、ヴラド・イヴァノフ、ア
レクサンドル・ポトチェアン、ルミニツァ・ゲオルジウ
* 銀座テアトルシネマにて公開中。順次全国公開予定
ホームページ http://www.432film.jp/
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<ストーリー>
1987年。チャウシェスク独裁政権のルーマニアで大学生のオティリア(アナマ
リア・マリンカ)は、寮のルームメイトのガビツァ(ローラ・ヴァシリウ)か
ら、違法な中絶の手助けを頼まれる。手術当日、オティリアはガビツァが手配
したはずのホテルへ向かうが、そんな予約はないと門前払いされる。別のホテ
ルを探し、体調のすぐれないガビツァに代わって、手術をする男を迎えに行く
オティリアだったが……。

<レビュー>
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長回しのカメラで撮った緊迫感と暗さに満ちた独裁政権下のドラマ
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2007年のカンヌ国際映画祭で最高賞のパルムドールを受賞した映画。なるほど、
これは確かにカンヌ向きの映画ですね。社会的なテーマを扱っているし、重く
て暗いタッチだし……。

物語の舞台はチャウシェスク独裁政権下のルーマニア。違法な中絶をしようと
する大学の寮のルームメイトを主人公が手助けするものの、手術当日に思わぬ
問題が発生。ホテルに予約が入っていなかったり、ヤミ医者の男がとんでもな
いヤツだったりして、主人公はどんどん運命を狂わせられていくのです。

最大の特徴は、手持ち&長回しのカメラによる映像。ほとんどカット割りがな
くて、ドキュメンタリーのように不安定な映像が延々と続きます。登場人物の
内面をリアルに映し出し、さらに当時の時代の空気まで的確に表現しています。

全編に重たく、暗い空気が流れます。しかし、異様な不安感と緊迫感のせいで、
スクリーンから目が離せません。まるでサスペンス映画を観ているようです。

もっともリアルなのは、主人公オティリアの心情。友達のためと思って手助け
したのに、それがとんでもないことになって、苦しみ、悩み、怒る。その姿が
見事に描写されています。

なにしろ妊娠した友達のガビツァというのが、とんでもない女なんですヨ。ウ
ソばかりついているし、事態の深刻さが全然わかっていない甘々のバカ娘。し
かも、悪気がないから、なおさらタチが悪い。観ていて、腹が立って腹が立っ
て(笑)。

彼女に振り回され、中絶手術をする男にも翻弄され、さらに独裁政権下の締め
付けにも苦しめられるオティリア。彼氏との関係もギクシャクしてしまうけれ
ど、それでもガビツァのことが見捨てられない。そんな揺れ動く心情がリアル
に伝わってきます。

この映画を、チャウシェスク政権を告発した社会派映画と捉える見方もあるよ
うです。しかし、それよりもっと普遍的なドラマではないでしょうか。

ああいう身勝手な友達に振り回されることって、よくありますよね。それを通
して友情の危うさや、運命の過酷さなどについて考えさせられました。

確かに当時の社会状況も描かれています。やたらにIDの提出を求められると
ころや、都会と田舎、インテリと非インテリとの埋めがたい格差など、独裁政
権の弊害があちこちに登場します。

しかし、それも特殊な状況というよりは、時代や国を超えて、いつどんなとこ
ろでも起こる可能性のあること。今だって、自由を奪われ、抑圧されている
人々がたくさんいるわけですから。

そういう点でも、普遍的なテーマを持つ映画であり、観た人なりに、いろいろ
と考えさせられる映画だと思います。

ラストにも安易な救いや明るい希望はありません。それでも、思わぬ事態や
様々な不自由に翻弄されながらも、前に進もうとする主人公のたくましさが感
じられました。

《ぽちの満足度》
★★★☆☆(+1/2★)

《ぽちのオススメ度》
★★★☆☆(+1/2★)
(ズシリと重たくて、異様な緊迫感や不安感に満ちた映画。地味だし、重苦し
さについていけない方もいるでしょうが、見応えある映画なのは確か。一見の
価値はあります。)
                                                    (ぽち)

〔鑑賞データ〕
2008年3月26日(水)銀座テアトルシネマにて。午後4時の回

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◆2.メールちょうだいッ!!
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「Cinemaの王国」は皆さんからのメールを活力に発行を続けておりまッす。

▼ある読者の方から<DVDで『ドリームガールズ』を観て感動の涙を流しま
した。映画ってすごいです。>というメールをいただきました。こういうふう
に映画館で観た映画だけでなく、DVDの感想なども送っていただければうれ
しいです。

みなさんも「Cinemaの王国」へのメッセージや取り上げて欲しい作品のリクエ
スト、観た映画の感想など、気軽にメールをくださいネ。できれば名前(ハン
ドルネーム可)を本文中に明記してください。(メールは誌面で紹介する場合
もあります。載せて欲しくない方は、その旨を明記してください。)
・メールはこちらまで fwkg4052@mb.infoweb.ne.jp

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◆3.ぽちのひとりごと
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
*今週末公開の映画では『カンフーくん』『悲しみが乾くまで』あたりが話題
でしょうか。公開中の『実録・連合赤軍 あさま山荘への道程』を観たいので
すが、3時間を越える長さなので、どうしようかな〜。
                         (ぽち)

 
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