Cinemaの王国 vol.498〜『マイ・ブルーベリー・ナイツ』
発行日時: 2008/3/26
///////////////////////////////////////////////////////////////////////
いよいよ桜が開花しました。東京は今週末が見ごろのようです。今のところお
花見の予定はありませんが、近所のシネコンに行く途中の川沿いの桜がきれい
なので、写真でも撮ってこようかと思っています。
さて、本日は、ウォン・カーウァイ監督の初の英語劇を取り上げます。なお、
今週は本日のみの発行になるかもしれませんので、あらかじめご了承を。
///////////////////////////////////////////////////////////////////////
〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓
【INDEX】
◆1.今週のこの1本!
—『マイ・ブルーベリー・ナイツ』—
◆2.メールちょうだい
◆3.ぽちのひとりごと
〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆1.今週のこの1本! 〜『マイ・ブルーベリー・ナイツ』〜
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
●『マイ・ブルーベリー・ナイツ』(MY BLUEBERRY NIGHTS)
(2007年 香港・フランス)(上映時間1時間35分)
監督・脚本:ウォン・カーウァイ
出演:ノラ・ジョーンズ、ジュード・ロウ、デビッド・ストラザーン、レイチ
ェル・ワイズ、ナタリー・ポートマン
*日比谷スカラ座ほかにて全国公開中
ホームページ http://blueberry-movie.com/
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
<ストーリー>
ニューヨークのとあるカフェ。失恋したエリザベス(ノラ・ジョーンズ)は、
店のオーナー、ジェレミー(ジュード・ロウ)が焼くブルーベリー・パイを食
べて少しだけ癒やされる。それでも、元恋人への想いを捨てきれない彼女は、
旅に出ることを決意する。仕事をしながらメンフィス、ラスベガスとアメリカ
を横断していくエリザベスだが……。
<レビュー>
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ウォン・カーウァイらしさに満ち満ちた、オシャレで洗練された映画
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
1994年の『恋する惑星』を観て以来、ウォン・カーウァイはボクの好きな監督
の一人になりました。その後も、『天使の涙』『ブエノスアイレス』『花様年
華』『2056』など話題作を送り出してきた彼の初の英語劇がこの映画。主
演がグラミー賞受賞歌手ノラ・ジョーンズというのも大きな話題です。
失恋したエリザベスという女性が、ニューヨークのカフェでオーナーのジェレ
ミーが焼くブルーベリー・パイを食べるうちに癒されていく。しかし、別れた
恋人が忘れられない彼女は、あてのない旅に出る……というのが前半の展開。
オープニングから、ウォン・カーウァイらしさに満ち満ちています。「ウォ
ン・カーウァイ作品」と聞いて誰もがイメージする通りの映画なんです。
どのシーンもそのまま絵ハガキにでもしたいような素晴らしいシーンばかりで
す。ストップモーションなど細かな技巧を凝らしつつ、美しく鮮烈でスタイリ
ッシュな映像を構築していきます。
今回の撮影は、おなじみのクリストファー・ドイルではなく、『エイリアン
4』『ザ・ビーチ』『パニック・ルーム』などのダリウス・コウジ。しかし、
誰の撮影でもカーウァイ監督らしさは健在。
きちんとしたシナリオをつくらず、頭の中で組み立てながら役者に演技をさせ
るスタイルもいつもと同じ。それを緻密に編集することで、他のどの映画にも
ないオリジナリティーを生み出します。甘さと苦さの同居した独特の情感がた
まりませんねぇ〜。
ブルーベリーパイ、カフェの客が預けていった鍵、そんな印象的なアイテムの
使い方も見事です。
描かれるテーマも過去の作品と共通しています。その中心は、スレ違いの人間
関係。それぞれ失恋したヒロインとカフェのオーナーに加え、中盤以降、旅に
出たヒロインが旅先で出会う人たちも、みんなスレ違いの人間関係に悩む人々
たち。妻に去られた警官、父親とギクシャクしている女ギャンブラー……。そ
うした人々との出会いを通して、ヒロイン自身が少しずつ変わっていくのです。
ラストはニューヨークへ戻って、旅先から手紙を出していたオーナーとの再会。
ちょっと甘々な結末なれど、ポカポカしてくるステキなあと味です。
まさにウォン・カーウァイらしい、彼でなければできない作品。特に女性には
魅力的な世界ではないでしょうか。
しかし、結局のところ、最初から最後まで過去の作品で観たようなシーンばか
りです。良くも悪くも、カーウァイ作品のエッセンスを凝縮して、それを並べ
ただけ。それ以上でも、それ以下でもありません。
たとえば『恋する惑星』のポップで生き生きとした躍動感。あるいは『花様年
華』のヒリヒリするような切なさ。そういう突き抜けたところが、この映画に
は存在しないのです。ヒロインが旅先で変わっていくところも、セリフで語ら
れるだけであんまり伝わってこないし。
まあ、それなりによくできているけれど、期待が大きいだけにちょっとネ。過
去の作品を観てきたボクには、物足りなさが残りました。
演技初挑戦のノラ・ジョーンズは飛びぬけた美人でないのがリアルでよかった
し、ジュード・ロウの演技も魅力的。それよりも目立つのが、夫婦役のデビッ
ド・ストラザーンとレイチェル・ワイズの好演。この2人のドラマだけで1本
の映画になりそうです。
自分らしさを抽出してソツなくまとめたウォン・カーウァイ。これは次なるス
テップを前にした、つなぎの映画なのだろうか?????
《ぽちの満足度》
★★★☆☆
《ぽちのオススメ度》
★★★☆☆
(ウォン・カーウァイらしい作品ですが、個人的には期待が大きかっただけに
物足りなさも……。とはいえ、洗練された完成度の高い映画だし、それなりに
オススメ。カーウァイ作品を未体験の方の入門編としてもいいかも。)
(ぽち)
〔鑑賞データ〕
2008年3月22日(土)ユナイテッド・シネマとしまえんにて。午後1時15分の回
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆2.メールちょうだいッ!!
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
「Cinemaの王国」は皆さんからのメールを活力に発行を続けておりまッす。
みなさんも「Cinemaの王国」へのメッセージや取り上げて欲しい作品のリクエ
スト、観た映画の感想など、気軽にメールをくださいネ。できれば名前(ハン
ドルネーム可)を本文中に明記してください。(メールは誌面で紹介する場合
もあります。載せて欲しくない方は、その旨を明記してください。)
・メールはこちらまで fwkg4052@mb.infoweb.ne.jp
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆3.ぽちのひとりごと
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
*2007年カンヌ国際映画祭パルムドール(最高賞)受賞の『4ヶ月、3週と2
日』を観たいのですが、なかなか観にいけません。間に合うかなぁ〜。
(ぽち)
このメルマガを読んでいる人はこんなメルマガも読んでいます
- 当たる懸賞 TOKUTOKU
- 豪華商品を当てた人はみんな読んでる?。毎日、厳選したお徳懸賞・プレゼント情報を探し出してき、それをメールマガジンでお届けする。ひと目で分かりやすいの...
- 宮崎正弘の国際ニュース・早読み
- 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析
- 楽得・納得 ケロッチのグータラ便
- 懸賞・プレゼント・季節のお買い物・グルメ情報・旅の情報などをお届けする総合情報誌です。
- こんな映画は見ちゃいけない!
- 映画批評系メルマガで読者数No.1! プロの編集者が簡潔な文章と的確な表現で書き下ろす「1分で読める新作映画批評」です。映画紹介だけのメルマガにはな...
- 欧州映画紀行
- ヨーロッパ映画専門マガジン。フランス映画を中心に、レンタルビデオで見られる欧州各国の秀作を紹介します。作品中の町並みや物語を通して、家にいながら欧州...
![メルマガスタンド[メルマ!]](/img/common/melma_logo.gif)








