個性派ライターによる映画レビューのマガジン。毎週1〜2本、新作映画を中心に言いたい放題で斬りまくります。
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Cinemaの王国 vol.474〜『再会の街で』
発行日: 2007/12/26★☆★☆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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☆ 「Cinemaの王国」 vol.474(2007.12.26)
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このメールマガジンは、自腹で年間100本以上の映画を観るライター(ぽち)が、
映画館で実際に観た映画の感想を書くマガジンです。配給会社など映画関係者
からの便宜供与は一切受けていません。
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いよいよ今年もあと数日。慌しい毎日が続く中、お正月映画も続々公開中です。
本日はその中から、小品ながらジンワリくる人間ドラマを取り上げました。
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【INDEX】
◆1.今週のこの1本!
―『再会の街で』―
◆2.メールちょうだい
◆3.ぽちのひとりごと
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◆1.今週のこの1本! 〜『再会の街で』〜
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●『再会の街で』(REIGN OVER ME)
(2007年 アメリカ)(上映時間2時間2分)
監督・脚本・出演:マイク・バインダー
出演:アダム・サンドラー、ドン・チードル、ジェイダ・ピンケット=スミス、
リヴ・タイラー、サフロン・バロウズ、ドナルド・サザーランド
* 恵比寿ガーデンシネマ、新宿武蔵野館ほかにて全国公開中
ホームページ http://www.sonypictures.jp/movies/reignoverme/
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<ストーリー>
ニューヨークの歯科医アラン(ドン・チードル)は、ある日、大学時代のルー
ムメイト、チャーリー(アダム・サンドラー)と再会する。だが、彼はアラン
を覚えていなかった。9.11テロで最愛の妻と娘を亡くして以来、心を閉ざして
しまっていたのだ。チャーリーの心の傷を癒してあげようと思い奔走するアラ
ンだったが……。
<レビュー>
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傷ついた心は再生するのか? 登場人物の内面がきっちり描かれた人間ドラマ
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映画の登場人物が、どんなに苦しい思いをしていても、それをきちんと観客に
伝えるのは難しいこと。その点、この映画は登場人物の内面が実によく描かれ
ています。
主人公は歯科医のアラン。周囲から見れば順風満帆の人生。だが、仕事と家庭
に問題を抱え疲れ気味。そんなある日、大学時代のルームメイトのチャーリー
と再会する。彼は9.11テロで妻と3人の娘を亡くし、それ以来、心を閉ざして
いた……。
ドラマ的に盛り上げられそうな部分はけっこうあるのですが、あくまでも淡々
と抑制的な描き方をしています。その中から、浮かび上がってくるのが妻子を
失って傷ついたアランの心。どうしようもないその喪失感がリアルに伝わって
きます。
ヘッドフォンから流れる音楽で外界との交流を遮断して、テレビゲームの世界
に閉じこもるチャーリー。それを演じるアダム・サンドラーが適役です。コメ
ディアンとしての資質を別のベクトルで使った絶品の演技です。主人公役のド
ン・チードル、そして若い精神科医を演じたリヴ・タイラーもかなりの存在感
です。
やがてアランはチャーリーの心の傷を癒そうと決意し、精神科医に連れて行く
など奔走します。しかし、チャーリーとアランの気持ちは何度もすれ違います。
激しい大ゲンカもたびたびです。しかし、そうするうちにチャーリーを癒そう
とするアラン自身も、少しずつ変わっていくのです。
この映画のドラマには不自然さがありません。後半で、チャーリーが心を開き
かけるところ。その反動でとんでもない事件を起こすところ。ヘタな描き方を
すると突飛に思えてしまいそうな部分も、納得がいくようにつくられています。
また、重たいテーマを扱ってはいるのにも関わらず、チャーリーの奇行を中心
に、ユーモアがたくさん埋め込まれているのも魅力。
音楽も重要な要素を占めています。アランとチャーリーが学生時代の頃によく
聴いた音楽(ブルース・スプリングスティーン、ザ・フー、プリテンダーズな
ど)が効果的に使われます。
ストレートに感情を刺激されるわけではありませんが、チャーリーの告白のあ
たりではさすがにグッときてしまいました。他人には推し量れない喪失感を抱
えた人生。ここから彼は生き直せるのか? ハリウッド的に白黒を発揮はっき
りさせない終わり方が、余韻を残してくれます。
監督・脚本(ついでに出演も)は、コメディアン出身で、ジョーン・アレンと
ケヴィン・コスナー共演の『ママが泣いた日』などを監督しているマイク・バ
インダー。細かなところまで気配りされた、センスの良さを感じさせる演出で
す。
チャーリーのような極端な例はともかく、誰でも心に傷を抱えているもの。そ
れをどう克服して立ち直っていけばいいのか。大きな示唆を与えてくれる映画
です。やっぱり人間は一人だけでは生きていけないんですよねぇ〜。
《ぽちの満足度》
★★★☆☆(+1/2★)
《ぽちのオススメ度》
★★★☆☆(+1/2★)
(派手さはないものの良質な人間ドラマで個人的にはかなり満足。小品でもピ
リッとくるこういうお正月映画もいいのでは?)
(ぽち)
〔鑑賞データ〕
2007年12月22日(土)新宿武蔵野館にて。午後1時40分の回。
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◆2.メールちょうだいッ!!
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「Cinemaの王国」は皆さんからのメールを活力に発行を続けておりまッす。
みなさんも「Cinemaの王国」へのメッセージや取り上げて欲しい作品のリクエ
スト、観た映画の感想など、気軽にメールをくださいネ。できれば名前(ハン
ドルネーム可)を本文中に明記してください。(メールは誌面で紹介する場合
もあります。載せて欲しくない方は、その旨を明記してください。)
・メールはこちらまで fwkg4052@mb.infoweb.ne.jp
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◆3.ぽちのひとりごと
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*クリスマスイブは、今年も都内のライブハウスでライブを楽しみました。ス
タンディングで、4時間以上の長丁場でしたが、少しも長く感じませんでした。
家族持ちやカップルの方と違い、ボクのような風来坊にはこういうイベントが
あるととても助かります(笑)。
(ぽち)
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■週刊「Cinemaの王国」 vol.474 (2007.12.26)
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