個性派ライターによる映画レビューのマガジン。毎週1〜2本、新作映画を中心に言いたい放題で斬りまくります。
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Cinemaの王国 vol.371〜『武士の一分』
発行日: 2006/12/1★☆★☆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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☆ 「Cinemaの王国」 vol.371(2006.12. 1)
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このメールマガジンは、自腹で年間100本以上の映画を観るライター(ぽち)が、
映画館で実際に観た映画の感想を書くマガジンです。配給会社など映画関係者
からの便宜供与は一切受けていません。
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珍しく夜の発行になってしまいました。今ようやくレビューを書き上げたもの
で。本日から公開のキムタク主演の時代劇『武士の一分』を取り上げました。
今日のお昼に観てきたばかりです。
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【INDEX】
◆1.今週のこの1本!
—『武士の一分』—
◆2.メールちょうだい
◆3.ぽちのひとりごと
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◆1.今週のこの1本! 〜『武士の一分』〜
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●『武士の一分』
(2006年 日本)(上映時間2時間1分)
監督:山田洋次
出演:木村拓哉、檀れい、笹野高史、小林稔侍、赤塚真人、綾田俊樹、近藤公
園、岡本信人、左時枝、大地康雄、緒形拳、桃井かおり、坂東三津五郎
*丸の内ピカデリー2ほかにて全国公開中
ホームページ http://www.ichibun.jp/
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<ストーリー>
東北の小藩に仕える下級武士・三村新之丞(木村拓哉)は、毒味役という張り
合いのない役目に不満を持ちながらも、妻・加代(檀れい)と平和な日々を送
っていた。そんなある日、毒見で貝の毒にあたった新之丞が失明してしまう。
絶望し、自ら命を絶とうとする新之丞を加代は懸命に思い留まらせるのだが…
…。
<レビュー>
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山田洋次時代劇シリーズ第3弾。それなりにまとまってはいるけど……
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山田洋次監督による『たそがれ清兵衛』『隠し剣 鬼の爪』に続く藤沢周平原
作時代劇の第3弾。一応、これでこのシリーズは打ち止め。でしたよね?
『たそがれ清兵衛』は実に見事な映画だったし、『隠し剣 鬼の爪』もまずま
ずでしたが、やっぱり客の年齢層は高い。そこで今回は若い観客もゲット!
という意図からかどうかは知りませんが、キムタク主演です。
テイストは過去2作品と同じで、うだつの上がらない下級武士がひょんなこと
から剣の実力を発揮するというもの。そこに主人公とヒロインとの切ない愛が
絡んできます。
今回の主人公も下級武士。殿様の毒見役という地味な仕事に嫌気が差しながら
も勤務を続けるのだが、ある日、貝の毒に当たって失明してしまう。武士とし
ての勤めを果たせなくなった以上、生活の危機もありえる。そこで妻は嫁入り
前からの顔見知りだった上級武士に相談する……。
相変わらずの山田洋次ワールドで、妻とのささやかながら幸せな生活を踏みに
じられ主人公が、「武士の一分」をかけて立ち上がる姿を描いていきます。け
っこう重たい話なのに、ストレートに重たいタッチで描くことはありません。
淡々と、そしてユーモアを交えながら描写していきます。
「それぞれの子供の個性を尊重して剣を教えたい」なんてところに、かつて
『学校』で教育をテーマにした山田洋次監督らしいメッセージが感じられたり
もします。
しかし、前2作に比べて深みに欠けるのは確か。特に主人公と妻との愛は、切
なくて、苦しくて、たまらないはずなのに、そういう感じが伝わってきません。
それなりにソツなくまとめているし、ラストもまあまあ感動させてくれるんで
すが、それでもやっぱり物足りないなぁ。心に響くものはあまりありません。
特に、前2作には藩のお家騒動が絡んでいましたが、今回はそれがないため余
計に夫婦のドラマに焦点が当たるので、なおさら物足りなさを感じてしまうの
です。
キムタクは自分のキャラクターを維持しつつソツなく演じているし、妻役でこ
れがスクリーンデビューとなる宝塚出身の壇れいも、安定した演技はしている
んですが。
そして、クライマックスの決闘シーンも意外にアッサリ。過去の作品ほどの迫
力はありませんでした。盲目の剣士という魅力的な設定だけに、もう少し何か
あってもよかったのではないでしょうか。例えば、主人公が盲目の剣士として
どんどん腕を上げていくあたりを、もっとジックリ描くとか。そういうおもし
ろさがあってもよかった気がします。
まあ、よく出来た時代劇なのは確かなんですけどね。
主役夫婦以外も、使用人の笹野高史などそれなりにツボを押さえたキャスティ
ング。美しさと静謐さが漂う演出もさすがだし、自然体で観ればけっこう楽し
める映画だと思います。
ただし、『たそがれ清兵衛』級の充実感を期待しちゃうと、ちょっとね……。
★★☆☆☆(+1/2★)
(丹念に作られた時代劇。それなりに見応えはありますが、ドーンと心を揺さ
ぶるところまではいかず。)
<ぽち>
〔鑑賞データ〕
2006年12月1日(金)ユナイテッド・シネマとしまえんにて。午後11時30分の回
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◆2.メールちょうだいッ!!
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「Cinemaの王国」は皆さんからのメールを活力に発行を続けておりまッす。
みなさんも「Cinemaの王国」へのメッセージや取り上げて欲しい作品のリクエ
スト、観た映画の感想など、気軽にメールをくださいネ。できれば名前(ハン
ドルネーム可)を本文中に明記してください。(メールは誌面で紹介する場合
もあります。載せて欲しくない方は、その旨を明記してください。)
・メールはこちらまで fwkg4052@mb.infoweb.ne.jp
・ホームページの掲示板もオープン中です。いつも書き込みありがとうござい
ます。
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◆3.ぽちのひとりごと
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*仕事が忙しいというのに、映画サービスデーにつき無理無理1本観てきまし
た。おかげで土日も仕事だぁ〜。
*本日からは『武士の一分』に加え、『007 カジノ・ロワイヤル』も公開
になっております。時間があれば観に行こうかと……。
(ぽち)
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■週刊「Cinemaの王国」 vol.371 (2006.12. 1)
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